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聖隷三方原病院 市民公開講座 上手につかおうホスピス・緩和ケア 「末期」だけじゃない! 在宅を支えるホスピスと がん治療を支える緩和ケア

聖隷三方原病院 市民公開講座 上手につかおうホスピス・緩和ケア 「末期」だけじゃない! 在宅を支えるホスピスと がん治療を支える緩和ケア. 聖隷三方原病院 ホスピス 井上 聡. ホスピス・緩和ケアの流れ. ホスピスの語源と意味. Hospiceはラテン語のHospitiumを語源とする 巡礼者、旅人、貧困者、病人を休ませ歓待する家 宿泊施設(Hotel)と医療施設(Hospital)を兼ね、加えて魂のやすらぎを提供した. ホスピス・緩和ケアの流れ. 1879年 アイルランド・ダブリン  アワー・レディス・ホスピス

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聖隷三方原病院 市民公開講座 上手につかおうホスピス・緩和ケア 「末期」だけじゃない! 在宅を支えるホスピスと がん治療を支える緩和ケア

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  1. 聖隷三方原病院 市民公開講座上手につかおうホスピス・緩和ケア 「末期」だけじゃない!在宅を支えるホスピスとがん治療を支える緩和ケア聖隷三方原病院 市民公開講座上手につかおうホスピス・緩和ケア 「末期」だけじゃない!在宅を支えるホスピスとがん治療を支える緩和ケア 聖隷三方原病院 ホスピス 井上 聡

  2. ホスピス・緩和ケアの流れ

  3. ホスピスの語源と意味 • Hospiceはラテン語のHospitiumを語源とする • 巡礼者、旅人、貧困者、病人を休ませ歓待する家 • 宿泊施設(Hotel)と医療施設(Hospital)を兼ね、加えて魂のやすらぎを提供した

  4. ホスピス・緩和ケアの流れ 1879年 アイルランド・ダブリン  アワー・レディス・ホスピス 1905年 イギリス・ロンドン  セント・ジョセフ・ホスピス 1967年 イギリス・ロンドン  セント・クリストファー・ホスピス                     シシリー・ソンダース 1981年 日本・浜松  聖隷三方原病院ホスピス 1990年 厚生省「緩和ケア病棟入院料」を新設  緩和ケア病棟施設基準制定(2002年改定) 1991年 「全国ホスピス・緩和ケア病棟連絡協議会」発足        (2004年「日本ホスピス緩和ケア協会」に改名)

  5. ホスピス・緩和ケアの流れ 1996年 日本緩和医療学会発足        専門看護師制度開始 2002年 「緩和ケア診療加算」新設        緩和ケアチームの発足  2006年 「がん対策基本法」成立 2007年4月施行       6月「がん対策推進基本計画」策定 *2008年8月現在  ホスピス・緩和ケア病棟 184施設・3596床

  6. がん対策基本法 国・地方公共団体は、 ・疼痛等の緩和を目的とする医療が早期から  行われる ・居宅において医療を提供する連携協力体制 を確保する           ために必要な施策を講ずる。 

  7. 緩和ケアって何ですか? 「緩和ケア」とは、がんの医療を、単に病気に対する医療としてだけでなく、 体と心、社会生活、あるいは家族まで含めて支えていく考え方です。

  8. ①いろいろな「つらさ」を和らげます。 「緩和ケア」が対象とするさまざまな苦痛 心理的苦痛  身体的苦痛 不安、うつ状態 恐れ、いらだち 怒り、孤独感 痛み、息苦しさ だるさ 動けないこと 全人的苦痛(トータルペイン) 人生の意味 罪の意識 苦しみの意味 死の恐怖 価値観の変化 死生観に対する悩み 仕事上の問題 人間関係 経済的な問題 家庭内の問題 相続問題 スピリチュアルペイン(宗教・哲学的苦痛) 社会的苦痛

  9. ②早い時期から受けることが大切です。 緩和ケアを受診するタイミング 緩和ケア病棟遺族調査, 9施設, n=630 Morita T et al. J Clin Oncol 2005; 23: 2637-2644

  10. 緩和ケアの概念の広がり終末期ケアから緩和ケアへ緩和ケアの概念の広がり終末期ケアから緩和ケアへ 以前の考え方:治癒・延命ができないから、苦痛緩和を行う (治癒・延命を目的とした) がんに対する治療 (苦痛緩和を目的とした) 終末期ケア 最近の考え方:時期ではなく、苦痛にあわせて緩和ケアを行う       緩和ケア (治癒・延命・QOLの向上を目的とした) がんに対する治療

  11. 緩和ケアの概念の広がり終末期ケアから緩和ケアへ緩和ケアの概念の広がり終末期ケアから緩和ケアへ ASCO 米国臨床腫瘍学会(1996)  診断から死亡まで癌治療に加えて、苦痛緩和と心理的支援をおこなうことは癌治療医の責務である WHO 世界保健機関(2002)  延命を目的とした治療とともに、可能な限り早期に 患者の苦痛が最小となる対処を行なう WHO. National Cancer Control Program (2002) ASCO. J Clin Oncol 1996; 16: 1986-1996

  12. 緩和ケアはどこで受けられますか? 緩和ケアは、病院でも自宅でも受けられます。 希望する療養場所とそれぞれの患者さんにあわせた緩和ケアの形を選ぶことができます。 1)病院での緩和ケア   ・緩和ケアチーム   ・緩和ケア外来   ・ホスピス・緩和ケア病棟 2)自宅での緩和ケア(在宅緩和ケア)

  13. 浜松の緩和ケアネットワーク  引佐日赤 佐久間病院 聖隷三方原病院 浜松医療センター 浜松医大病院 浜松在宅緩和医療をすすめる会 くまがい内科消化器科クリニック 小松診療所・坂の上ファミリークリニック                    など49施設 薬剤師会(在宅部会) 訪問看護ステーション 居宅介護支援事業所 浜松赤十字 聖隷浜松病院 社会保険 浜松病院 松田病院 遠州病院 労災病院 認定看護師・専従医師を含む緩和ケアチームがある病院

  14. 緩和ケアチームとは  緩和ケアチームは、がんの入院中に生じるさまざまな問題について支援するチームです。入院している患者さんの病室に伺って、痛みなどのつらい症状について診察や治療をします。緩和ケアチームには、さまざまな専門家がいます。これらの専門家は、がん治療を担当 する主治医や看護師などと連携しながら、多角的な視点で問題を洗い出し、解決方法を検討します。

  15. 緩和ケアチームが関わる主な職種と役割

  16. 緩和ケア外来とは  緩和ケア外来は、病院を退院した患者さんに対する緩和ケアを、継続的に行うための外来です。緩和ケア外来を定期的に、あるいは必要に応じて受診していただくことで、退院後も安心して療養していただくことができます。 また緩和ケア外来や緩和ケアチームのスタッフが、地域の診療所や訪問看護ステーションと連携して、ご自宅での緩和ケアをサポートする 場合もあります。

  17. ホスピス・緩和ケア病棟とは  緩和ケア病棟は、主にがんを治すことを目的とした治療(手術、抗がん剤、ホルモン療法、放射線治療など)が困難であったり、あるいはそれを希望しない患者さんに対して、緩和ケアを提供する専門の病棟です。  身体のつらい症状や、心のつらさを和らげ、本来のその人らしさや生活の質を保つための療養や、ご家族へのケアも行います。病棟の医師、看護師のほか、薬剤師、ソーシャルワーカー、宗教家、ボランティアなどが参加している施設もあります。

  18. ホスピス・緩和ケア病棟の特徴 1.身体と心のつらさの緩和が大きな目的の病棟です。 体の症状や心の問題に精通した医師や看護師が 専門の病棟でケアにあたります。 2.苦痛を伴う検査や処置を少なくしています。 検査や処置は、がんそのものの変化をみるよりも 患者さんの生活や症状をよくすることを目的に行 います。

  19. ホスピス・緩和ケア病棟の特徴 3.患者さんやご家族がくつろげる空間があります。 多くの緩和ケア病棟には病棟内でゆっくりすごせる   スペースが確保されています。 4.面会時間などの制限が少ないことも特徴です。 いつでもご家族や大切な方との面会ができるように、 患者さんの希望にあわせて対応ができます。 5.ご家族が過ごすための設備があります。 個室が多く、ソファベッドが備えられていたり、 ご家族が休憩や宿泊するための部屋が確保されて います。

  20. 自宅での緩和ケア(在宅緩和ケア)  飲み薬による治療ばかりでなく、注射や、点滴などの処置が必要な場合でも、ご自宅で継続した療養ができるようになってきました。ご自宅では、入院中のように一日中「患者」として過ごす必要はありません。 ご家族と過ごしながら、普段どおりの生活を送ることができます。

  21. あなたらしい生活を送るためのサポート体制

  22. 2008年4月診療報酬改定緩和ケアに対する評価 がん患者が外来から在宅まで 質の高い療養生活を送れるように 緩和ケア体制の整備を目指す。

  23. ホスピス・緩和ケア病棟 • 対象患者  主として末期の苦痛緩和を必要とする悪性腫瘍及び後天性免疫不全症候群の患者 ⇒「末期の」を削除

  24. ホスピス・緩和ケア病棟 • 終末期のケア ⇒終末期ケアに加え、   一般病棟や在宅では対応困難な症状緩和、在宅療養の支援等の機能をバランス良く備える。  在宅医療を担う医療機関との連携や24時間連絡を受ける体制等の整備。

  25. 聖隷ホスピス入院基準(1) • 悪性腫瘍、後天性免疫不全症候群(AIDS)に罹患し、医師が治癒困難と判断した、または自ら抗腫瘍治療を希望しない患者を対象とする。 • 患者と家族、またはその何れかが、ホスピス入院を望んでいることを原則とする。 • ホスピス入院時に病名・病状について理解していることが望ましい。 • もし理解していない場合、患者の求めに応じて適切に病名・病状の説明をすることを家族が了承している。

  26. 聖隷ホスピス入院基準(2) • 原則として抗腫瘍治療は行なわない。 • しかし、抗腫瘍治療を行ないながら緩和ケアを希望する場合は、一般病棟において緩和ケアチームによる緩和ケアを受けることができる。 • 症状緩和のための放射線治療や神経ブロックは行うことができる。 • 病状の進行に伴い全身状態が不良である場合には、患者のQOLの向上に貢献せず医学的に効果がないと考えられる心肺蘇生などいわゆる延命治療は行なわない。

  27. ホスピス入院にあたって優先される条件 • 患者が希望していること • 専門的ケアを要する難治性身体的、精神的苦痛がある場合 • がんの進行によって著しく日常生活に支障がある場合 • 一人暮らしや精神的障害などいわゆる社会的弱者 • 症状緩和・在宅支援のために短期間の入院が必要な場合 *申し込み順はある程度考慮するが、他の条件に比べ優先度は低い

  28. 在宅を支えるホスピス

  29. 聖隷ホスピスの紹介

  30. 聖隷ホスピス概観

  31. 聖隷ホスピス室内

  32. 聖隷ホスピス室内

  33. 聖隷ホスピス室内

  34. 聖隷ホスピス病棟内

  35. ホスピスケアに対する遺族の評価 とても あてはまる * * あてはまる * * あまり あてはまらない * 遺族調査, n=50, *: P<0.05; あてはまらない Morita T et al. J Clin Oncol 2005; 23: 2637-2644

  36. 聖隷ホスピスの入院費用 • 70歳以上の方 例)一般所得者の場合 44,400円(医療費の限度額)+24,180円(31日分の食費)   =68,580円(1ヶ月あたり) • 70歳未満の方 高額療養費制度にて限度額を超えた分は払い戻されます。  例)一般所得者の場合 89,148円(医療費の限度額)+24,180円(31日分の食費)   =113,330円(1ヶ月あたり) *病室はすべて個室ですが、個室料は頂いておりません。

  37. がんの痛みについて

  38. がんの痛みは止められます。 • がんの痛みは治療できる症状であり、治療すべき症状です。 • 痛みは我慢せず、ちゃんと伝えて治療を受けましょう。

  39. 痛みは自分の言葉で伝えましょう。 がんの痛みの伝え方

  40. 医療用麻薬は優れた鎮痛薬です。 • がんの痛みの治療には「医療用麻薬」を使うことがあります。 • 正しい知識を持っていれば、安心して治療が受けられます。

  41. 痛みの治療で使われる医療用麻薬の消費量 The International Narcotics Control Board (INCB)2004

  42. 医療用麻薬についての誤解 こんな心配はありませんか? がん患者さんの多くは、モルヒネのような「医療用麻薬」の使用を恐れています 麻薬を使うと 寿命が縮む 麻薬中毒者のように気が狂ってしまう 麻薬を使うのは、 「末期」のがん患者だけだ 麻薬を使うといつか 効かなくなる 麻薬を使うと もうおしまいだ 「これらはすべて、根拠のない迷信です」

  43. 中毒・依存について • 痛みに合った量を使用すれば、長期間使用しても中毒や薬物依存が生じることはありません。 • 薬の効き方は人によって違います。  量が多いからといって中毒になることは決してありません。

  44. 副作用について • からだが弱ることはありません。 • 安全かつ有効に使用する方法が開発されており、命を縮めることはありません。 • 便秘・吐き気などの副作用が出ることもありますが、予防する薬を一緒に使用したり、種類の変更によって落ち着きます。 • 最近は、副作用の少ない新しい痛み止めも出てきています。

  45. 投与量について • 痛みが強くなると痛みを抑えるために痛み止めの量は増えます。   薬の効果が悪くなったわけではありません。 • 手術や化学療法・放射線治療などで痛みが軽くなったときには、減量や中止もできます。

  46. 投与中の生活について • 痛みが軽くなることで、よりよい日常生活が送れることを目指します。実際に、痛みが強くて入院したあとに、痛み止めの調節によって外来通院に戻られる方も多くいます。 • 長期間(年単位)にわたって医療用麻薬を使い、痛みから解放され、普通の生活を送っている方も多くいます。

  47. 心を支えることも緩和ケア • 患者さんとご家族の心を支えることは緩和ケアが担う大きな役割です。 • 心に負担を感じることは、多くの人に同じように起こることです。 • まずは、あなたの気持ちを伝えてください。

  48. 具体例(1) 60歳代 男性 すい臓癌  手術適応なし 化学療法中に左胸痛が増強 NSAIDs+モルヒネを使っても鎮痛が不十分なため緩和ケアチームに依頼 ⇒神経ブロックを行った その後2ヶ月以上にわたり鎮痛薬を増量せず 化学療法を継続できた

  49. 具体例(2) 60歳代 女性 卵巣癌で化学療法中 吐き気が強く通常の吐き気止めを使っても改善しないため、「もう化学療法を続けたくない」 「もし、吐き気がなかったら治療を続けたいですか?」 「もちろんです」 ⇒通常の吐き気止めに加え、さらに2種類の吐き気止めを追加 その後吐くことなく、6ヶ月間化学療法を継続

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