1 / 56

Rashid A. Chotani, MD, MPH, DTM Adjunct Assistant Professor

Rashid A. Chotani, MD, MPH, DTM Adjunct Assistant Professor Uniformed Services University of the Health Sciences (USUHS)  軍保健大学 240-367-5370 chotani@gmail.com.

Download Presentation

Rashid A. Chotani, MD, MPH, DTM Adjunct Assistant Professor

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. Rashid A. Chotani, MD, MPH, DTM Adjunct Assistant Professor Uniformed Services University of the Health Sciences (USUHS) 軍保健大学 240-367-5370 chotani@gmail.com Just-in-Time LectureInfluenza A(H1N1) (Swine Flu): A Global Outbreak 新型インフルエンザA(H1N1) (豚インフルエンザ) の世界的流行(Version 11, 初版4月26日)2009年5月26日 (火曜日) 米国東海岸時間午前1時30分 • 日本語版翻訳者 •  陸上自衛隊       医官  後藤浩也 •  東北大学感染症内科 医師  宇佐美修  • 山口由起子  • 山崎倫代 

  2. 本スーパーコースの運営、翻訳に関わるすべての皆様、特に下記の人たちに感謝いたします。本スーパーコースの運営、翻訳に関わるすべての皆様、特に下記の人たちに感謝いたします。 Dr. Ronald E. LaPorte, University of Pittsburgh, USA Dr. Eugene Shubnikov, Institute of Internal Medicine, Novosibirsk, Russia Dr. Faina Linkov, University of Pittsburgh, USA Dr. Mita Lovalekar, University of Pittsburgh, USA Dr. Nicolás Padilla Raygoza, Universidad de Guanajuato, México Dr. Ali Ardalan, Tehran University of Medical Sciences, Iran Dr. Mehrdad Mohajery, Tehran University of Medical Sciences, Iran Dr. Seyed Amir Ebrahimzadeh, Tehran University of Medical Sciences, Iran Dr. Nasrin Rahimian, Tehran University of Medical Sciences, Iran Dr. Mohd Hasni , University of Kebangsaan, Malaysia Dr. Kawkab Shishani, The Hashemite University, Jordan Dr. Nesrine Ezzat Abdlkarim, Beirut Arab University, Lebanon Dr. Khowlah Almohaini, University of Pittsburgh, USA Dr. Duc Nguyen, University of Texas, USA Dr. Elisaveta Jasna Stikova, University “Ss. Cyril and Methodius”, Skopje, Macedonia Dr. Michèle Cazaubon, Secrétaire Gle de la Société Française d' Angéiologie, France Dr. Yang Yingyun , Peking Union Medical College, China Dr. Jesse Huang, Peking Union Medical College, China Shimon Weitzman, Ben Gurion University of the Negev , Israel Dr. Nurka Pranjic, Medical School University of Tuzla, Bosnia and Herzegovina Dr. Shakir Jawad, Uniformed Services University of the Health Sciences, USA 後藤浩也 先生 防衛省 (日本語訳) 山口由起子様 山崎倫代様  (日本語訳) 宇佐美修 先生  東北大学感染症内科(日本語訳) Truly a global effort http://www.pitt.edu/~super1/ 謝辞

  3. インフルエンザウイルスとは 定義 はじめに 米国での歴史 拡散/伝染 経過/事実 対策 最新状況 メキシコ 米国 カナダ 欧州 その他 症例提示 ガイドライン 医療関係者向け 検査技師向け 一般向け 治療法 その他の感染対策 まとめ 発生までの流れ 過去の大流行の教訓 結論と勧告 概要

  4. インフルエンザウイルス • エンベロープをもつRNAウイルス • オルトミクソウイルス科 • 大きさ: • 直径 80-200nm •   (0.8 – 0.12 μm (ミクロン)) • 3種類 • A型、B型、C型 • 表面抗原 • H (ヘマグルチニン) • N (ノイラミニダーゼ) Credit: L. Stammard, 1995

  5. エピデミック– 特定地域の集団的な発生 パンデミック – 世界規模での集団的な発生 抗原連続変異 遺伝子の点変異と選別によるタンパクの変化 継続して変化し、毎年ワクチン株を更新する根拠となる 抗原不連続変異 遺伝子再構成を通じたタンパクの変化 年次のワクチンでカバーできないような異なるウイルスを生み出す。 用語の定義 一般

  6. インフルエンザウイルスの生存物質表面と湿度・気温の影響インフルエンザウイルスの生存物質表面と湿度・気温の影響 硬い非多孔質表面 24-48 時間 プラスチック、ステンレス鋼 > 24 時間以上 生存可能  手指への付着 24時間以内 衣服・紙・ティッシュペーパー 8-12 時間 生存可能 手指への付着 15分以内 手指での生存 高いウイルス力価は5分以内 間接接触による感染の可能性 *湿度 35-40%, 気温 28℃ (82F) Source: Bean B, et al. JID 1982;146:47-51

  7. 季節性インフルエンザ 世界中で年間 25万 から 50万人死亡 米国(年間) 3万5千人の死亡 20万人以上が入院 375億ドルの医療費 (インフルエンザと肺炎による) 100億ドル以上の労働生産力低下による損失 パンデミックインフルエンザ いつか訪れる脅威 インフルエンザ 疫学

  8. 新型インフルエンザ A(H1N1)はじめに 豚インフルエンザはSwine Influenza (swine flu)は、A型インフルエンザによる豚の呼吸器疾患である。 時に豚の間で大流行する。 豚インフルエンザウイルスは、通常人間には感染しない。しかし、実際に感染例があり、感染した人が別の人に感染させるヒトーヒト感染の例が報告されている。 ほとんどの場合、豚インフルエンザの人間への感染は、豚に近いところにいる人にのみ起こる。しかし、豚インフルエンザが人間の間で流行する可能性はある。

  9. 豚インフルエンザ A(H1N1) 米国での歴史 1976年豚インフルエンザは、 ニュージャージー州のFort Dix陸軍基地で流行し、200人以上が感染、数名が重症となり、1名が死亡した。 4千万人以上がワクチン接種を受けた しかし、ワクチンの副作用として、Guillain-Barré (ギランバレー)症候群が500例以上報告され、ワクチンプログラムは中止となった。 ワクチンの副反応で30名が死亡した。 1988年9月ウイスコンシン州で、もともと健康だった32歳妊婦が豚インフルエンザに感染し、肺炎として入院し、8日後に死亡した。 2005年12月から2009年2月までで、米国内で10州から12例の豚インフルエンザ感染例が報告された。

  10. 豚インフルエンザ A(H1N1) ヒトへの感染 感染した豚との接触あるいは豚インフルエンザウイルスに汚染された環境への曝露すること 豚インフルエンザに感染した人との接触 豚インフルエンザのヒトーヒト感染はこれまでも報告されており、季節性インフルエンザと同じように、感染者の咳、くしゃみによる 豚インフルエンザ→新型インフルエンザ

  11. 新型インフルエンザ A(H1N1) 種を超えての感染 ヒトのウイルス 鳥のウイルス 鳥/ヒト 再構成ウイルス 豚のウイルス 豚体内で再構成

  12. 新型インフルエンザA(H1N1) 2009年3月経緯 2009年3月から4月初めにかけ、メキシコで呼吸器病が流行し、いくつかの地域からインフルエンザ様症状(influenza-like illness 、ILI)の報告が相次いだ。 4月12日、メキシコのGeneral Directorate of Epidemiology (DGE) は、 国際保健規則に則り、Pan American Health Organization (PAHO) に対し、 Veracruz州でのインフルエンザ様疾患の地域内流行を報告した。 4月17日、 Oaxaca 州で非典型的な肺炎の症例が発生したことにより、メキシコ国内全域でのサーベイランスが強化された。 4月23日、重症の呼吸器障害の数例がインフルエンザA(H1N1)による感染であることが確認され、PAHOに通知された。 遺伝子配列解析により、カリフォルニアでの2例の小児の感染例と同じ系統のウイルスに感染していたことが判明した。 メキシコで流行していたサンプルは、米国の患者のインフルエンザウイルスと一致した。 出典: CDC

  13. 新型インフルエンザ A(H1N1) 2009年3月わかっていること これまで豚、人間のいずれにも発見されたことがない新しいタイプのA/H1N1 ウイルス CDC は、ヒトからヒトへの感染性をもち、感染が拡大しているとした。 ウイルスは4種類の異なるウイルスに由来した遺伝子をもつ: 北米 豚 北米 鳥 北米 ヒト ヨーロッパ 豚

  14. 新型インフルエンザA(H1N1) 米国の対応 以下の戦略国家備蓄The Strategic National Stockpile (SNS) の25%を放出 抗インフルエンザ薬 個人用防護具 マスク オバマ大統領は、議会に対して新型インフルエンザ対策として15億ドルの追加支出を求めた。 2009年4月27日、CDCはあらゆる不要不急のメキシコへの旅行を自粛するように勧告した。 出典: CDC

  15. 新型インフルエンザ A(H1N1) 世界の対応 WHO は警戒レベルをフェーズ5に引き上げ WHOの警戒レベルは、2004年に鳥インフルエンザが広がった際に見直しが行われ、2009年4月27日にはじめてフェーズ3を超え、2月29日にフェーズ5となった。 European Union (EU)は27のEU諸国に対し、流行地域となった米国の一部とメキシコへの「不要不急の旅行」 iを延期するように勧告した。 Source: WHO

  16. 新型インフルエンザ A(H1N1) 2009年5月25日最新状況 メキシコ: 3月1日~5月22日 総計 確定4,174例 うち死亡80例・入院1311例(肺炎) 全国32州すべて (保健省) 2059 例 うち死亡56例 米国: 3月28日~5月25日 総計 確定6,764例 うち死亡10例  48 州  (アリゾナ州3例、ミズーリ州1例、ニューヨーク州1例、テキサス州2例 ユタ州1例、ワシントン州1例) 入院 100名以上 ほとんど軽症例 カナダ: 5月25日まで 総計 確定 921例 うち死亡1例(アルバータ州) 全 13 州のうち10州 5月25日だけで116例の新たな確定例 ほとんど軽症例 Secretaria de Salud, Mexico, CDC, Public Health Agency of Canada, European CDC, WHO 発表より

  17. 新型インフルエンザ A(H1N1) 2009年5月25日最新状況 EUとEFTA諸国 : 4月27日~5月12日まで 総計 19カ国において 確定 360例 死亡なし 5月24日だけで11例の新たな確定例 国内感染 130例 報告された感染例の大半は20-49歳 1例を除き、ほとんどが軽症  世界: 5月1日から12日まで 総計 46カ国で確定12,727例 確定例のうち4カ国から92例の死亡 メキシコ: 80 米国 10 カナダ      1 コスタリカ 1 Secretaria de Salud, Mexico, CDC, Public Health Agency of Canada, European CDC, WHO 発表より

  18. 新型インフルエンザ A(H1N1) メキシコでの発生状況 日別グラフ 2009年5月22日 現在 確定 総計 4174例 不要不急の活動の自粛を延期 学校閉鎖 学校再開 流行警戒発令 Secretaria de Salud, Mexicoより

  19. 豚インフルエンザ A(H1N1) メキシコにおける感染確定者数 年齢別 2009年5月22日 現在 確定 総計 4174例 Secretaria de Salud, Mexicoより

  20. 新型インフルエンザ A(H1N1) メキシコの確定例と死亡例 年齢グループ別 2009年5月22日 現在 確定 総計 4174例 死亡 80例  Secretaria de Salud, Mexicoより

  21. 新型インフルエンザ A(H1N1) メキシコの確定例と死亡例 職業別 死亡80例の内訳

  22. 新型インフルエンザ A(H1N1) 米国の確定例と死亡例 州別 2009年5月25日午前11時現在  確定例 総計 6764例 死亡10例 48州 Source: CDC

  23. 新型インフルエンザ A(H1N1)MMRW Report, April 28 MMWR, April 28, 2009 / 58(Dispatch);1-3 64名の患者のうち、年齢の判明した47例(3-81歳)では、年齢中央値は16歳 38 例(81%) は18歳未満 男性 51% 発症日が判明している25例では、発症日は3月28日から4月25日間に分布している。 入院したのは5名。 海外渡航歴の判明した14名のうち3名がメキシコ 47名中40名(85%) は渡航歴・他の確定者接触のいずれもない。 Source: CDC. http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm58d0428a2.htm

  24. MMWR, April 30, 2009 / 58(Dispatch);1-3 ニューヨーク市A高校 生徒数 2,686名、 教職員 228 名 4月22日から23日にかけ、222名の生徒が体調不良で養護室を訪れ、学校を休んだ。 市保健所は、症状のあるすべての生徒から鼻腔咽頭スワブを採取。 4月24日(金)、市保健所は、学校看護師が発見した新たに症状が出た5人の生徒と、近医で症状ありと報告のあった4人の生徒から鼻腔咽頭スワブを採取した。 4月27日 学校閉鎖 市保健所は、A高校近辺のいくつかのクリニックに鼻腔咽頭スワブのセットを配布した。 4月26,27日には、24日に採取した検体24のうち9から新型インフルエンザを検出。 4月26-18日の間に、42中37の検体 (88%) が陽性反応を示し、合計44が新型インフルエンザ確定。 4月27日、市保健所は44人の感染した生徒に電話調査 年齢中央値15歳 (14-21歳) 21歳のスチューデントティーチャーを除き、感染者はすべて生徒 44人中31人(70%)は女生徒 30人(68%)はノンヒスパニックの白人、7人(16%)はヒスパニック、2名(5%)はノンヒスパニックの黒人、5人(11%)はその他の人種であった。 発症までの1週間の行動では、4人はニューヨーク市外の米国内を、1名はArubaを 旅行していた。感染した44名のうち誰も最近カリフォルニア、テキサス、メキシコを旅行してはいなかった。 新型インフルエンザ A(H1N1)MMRW Report, April 30 Source: CDC. http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm58d0428a2.htm

  25. 新型インフルエンザ A(H1N1) MMRW Report, April 30 MMWR, April 30, 2009 / 58(Dispatch);1-3 発症日 4月20日から24日 10 例(23%) は4月22日、28例(64%)は月22日に発症。 最高体温が報告された35名では、最高体温は37.2-40.0℃で、平均は39.0℃であった。 42 (95%) 名の患者で、発熱に加え、咳または咽頭痛があり、CDCの定義するインフルエンザ様症状ILIであった。 4月27日のインタビュー時には、37名(84%) は症状が変わらないか改善していると答えた。3名(7%) は悪化していると答えた(そのうち2名はその後の調査で改善していると返答)。4名(9%) は症状が全快したと述べていた。 1名のみ、失神のため入院したが、一夜経過観察をして退院している。 Source: CDC. http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm58d0428a2.htm

  26. 新型インフルエンザ A(H1N1) カナダにおける確定例 地域別 2009年5月25日 午後3時 (EDT)現在 確定例合計 921例、 うち死亡1例 13州のうち10州 Public Health Agency of Canadaより

  27. 新型インフルエンザ A(H1N1) EU およびEFTA諸国での感染確定例 国内感染 2009年5月25日 1700 (CEST)現在 確定例合計 360例、 死亡例なし 19カ国  国内感染130例 Source: ECDC

  28. 新型インフルエンザ A(H1N1) EU およびEFTA諸国での発生状況 日別グラフ 4月27日~5月25日  360例の内訳 Number of Confirmed Cases Days Source: ECDC

  29. 豚インフルエンザ A(H1N1) EU およびEFTA諸国における感染確定者数 年齢別 4月27日~5月8日  46例 Source: ECDC

  30. 新型インフルエンザ A(H1N1) 確定例 国別 2009年5月25日 12,727 例  うち92例 10 80 1 1 台湾では新型インフルエンザA(H1N1)の確定例1例(死亡なし)が報告されている。台湾からの報告も上の図に含んでいる。.

  31. 各国当局発表に基づいた、新型インフルエンザA(H1N1)の確定および疑い患者の分布状況2009年5月25日 (08:00 GMT) 12,727 例  死亡92 例 Source: WHO

  32. 新型インフルエンザA(H1N1)米国における症例定義新型インフルエンザA(H1N1)米国における症例定義 新型インフルエンザA(H1N1)ウイルス感染の確定例とは、発熱を伴う急性呼吸器症状のある患者で、CDCによる以下の検査のいずれかまたは両方により新型インフルエンザA(H1N1)ウイルスが確認されたものをいう。 リアルタイムRT-PCR ウイルス培養 新型インフルエンザA(H1N1)ウイルス感染の可能性例とは、発熱を伴う急性呼吸器症状のある患者で、以下のいずれかを満たすものをいう。 A型インフルエンザ陽性であるが、RT-PVRでH1またはH3が陰性とされたもの、または: 迅速検査または免疫蛍光抗体法(IFA)によりA 型インフルエンザ陽性とされ、かつ疑い例の条件を満たしているもの。 新型インフルエンザA(H1N1)ウイルス感染の疑い例とは、発熱を伴う急性呼吸器症状のある患者で、以下のいずれかに該当するものをいう。 新型インフルエンザA(H1N1)陽性確定患者と濃厚接触後7日以内に発症したもの、または: 1例以上の確定例がある米国内の地域または他国の地域に旅行後7日以内に発症したもの、または: 1例以上の新型インフルエンザ確定例が報告された地域に住んでいる者。 Source: CDC

  33. 新型インフルエンザA(H1N1)米国における症例定義新型インフルエンザA(H1N1)米国における症例定義 確定例の「感染可能期間」は、発症前1日から発症後7日までと定義される。 「濃厚接触」とは、感染可能期間中の確定例または疑い例とされた患者から約2メートル以内の距離にいた者をいう。 「急性呼吸器症状」とは、以下の症状のうち2つ以上が急激に現れることをいう:水、または鼻づまり、咽頭痛、咳(発熱または熱っぽさの有無は問わない) 「ハイリスクグループ」:新型インフルエンザA(H1N1)により合併症を起こす可能性が高い人は、季節性インフルエンザの場合と同様である。(Reference参照) Source: CDC

  34. 新型インフルエンザA(H1N1)臨床医向けガイドライン新型インフルエンザA(H1N1)臨床医向けガイドライン 発熱を伴う呼吸器症状のある患者で、以下の場合には新型インフルエンザウイルスの感染を疑うべきである: 豚インフルエンザA(H1N1)の感染患者が確認された地域に住んでいる者、または 豚インフルエンザA(H1N1)の感染者が確認された地域への旅行から帰ってきた者、または 上記の地域から来た患者に接触した後、7日以内に発症した者。 豚インフルエンザが疑われた場合、検査のために患者から鼻腔咽頭スワブを採取し検体は冷蔵保存する(冷凍は不可) 採取後は州保健局または地元保健所に連絡し、検体の輸送と州保健局における迅速な診断を依頼する。 Source: CDC

  35. 新型インフルエンザA(H1N1)臨床医向けガイドライン新型インフルエンザA(H1N1)臨床医向けガイドライン 症状および兆候 インフルエンザ様症状(ILI) 発熱、咳嗽、咽頭痛、鼻汁、頭痛、筋肉痛。嘔吐と下痢がみられることもある。(今回の豚インフルエンザ症例は2009年3月下旬から4月中旬の間に発症している) 入院加療を必要とする重症呼吸器症状を呈した患者(死亡例含む)がメキシコで報告されている 新型インフルエンザウイルス感染によって慢性的基礎疾患が悪化した可能性、または侵襲性の細菌感染が起こった可能性が考えられる 豚インフルエンザA(H1N1)の確定例または疑い例で入院加療を必要としない患者は、少なくとも発症後7日間は診察時以外家から出ない(自主的隔離)ことが推奨される Source: CDC

  36. FDAが抗ウイルス薬の緊急使用許可(EUA) 2009年4月27日、米国食品医薬品局(FDA)は、新型インフルエンザ流行に対応するため、米国疾病予防センター(CDC)からの要請に基づいて緊急使用許可(EUA)を出した EUAが出された理由のひとつは、2009年4月26日に米国保健福祉省(HHS)が公衆衛生緊急事態を宣言したためである 今回のEUAにより下記対応が可能に: タミフル: 1歳未満の乳児に対し、治療もしくは予防用としてタミフルを使用することが可能になり、それに伴い1歳以上の幼児に対する推奨投与量が変更された。現在タミフルは1歳以上の幼児のインフルエンザ治療および予防用として認可されている。 タミフルおよびリレンザ: これらの抗ウイルス薬をできるだけ多人数に行き渡らせるべく、通常処方薬に適用されるラベリング条件を満たしていない状態で配布することと、緊急時の使用についての情報を記載することが可能になった 新型インフルエンザA(H1N1)臨床医向けガイドライン Source: FDA

  37. 新型インフルエンザ A(H1N1) 検査室勤務員向け バイオセーフティーガラインイド  新型インフルエンザA (H1N1)感染が疑われる患者から採取した生体材料を用いた診断業務は、BSL-2検査室で実施すべきである。 すべての検体はバイオセーフティーキャビネット(BSC) で取り扱わねばならない 新型インフルエンザA (H1N1)感染が疑われる患者から採取した生体材料からウイルスを分離する作業は、 BSL-2検査室において、BSL-3の手技を用いて行うべきである(enhanced BSL-2 conditions) 追加予防策は以下のものを含む: 推奨される個人用防護具 (施設ごとのリスク評価に基づく) 呼吸器防護 – フィッティングテスト済みのN95 マスクまたはそれ以上のもの 靴カバー closed-front ガウン 二重手袋 眼球防護  (ゴーグルまたはフェイスシールド) 廃棄手段 あらゆる廃棄物の処理方法は当該施設の運用規定に従って行うこと Source: CDC

  38. 新型インフルエンザ A(H1N1) 検査室勤務員向け バイオセーフティーガイドライン 適切な消毒剤 70 パーセント アルコール 5 パーセント リゾール 10パーセン 漂白剤 すべての勤務員は体温と症状の有無について自己チェックしなくてはならない。新型インフルエンザの症状には、下痢、頭痛、鼻水、筋肉痛も含まれる。 なんらかの体調不良の際にはただちに上司に報告しなくてはならない。 無防備あるいは個人用防護具に明らかな破損がある状態で、新型インフルエンザA (H1N1)が確定した患者からの生の検体や生ウイルスに曝露した場合、抗ウイルス剤のザナミビルあるいはオセルタミビルの予防的投与を、曝露から7日間実施することを考慮する。 Source: CDC

  39. FDAは診断機器の緊急時使用を認可した。 2009年7月27日、豚インフルエンザの流行に際してのCenters for Disease Control and Prevention (CDC) の求めに応じ、米国Administration (FDA)は、診断機器の緊急時の使用許可EUAsをだした。 EUAs が出された理由のひとつは、米国保健省U.S. Department of Health and Human Services (HHS)が公衆衛生上の緊急事態 public health emergency を2009年4月26日に宣言したことである。 今回の新型インフルエンザの EUAs は以下のもの: 診断装置: CDCがrRT-PCR Swine Flu Panel diagnostic を配布すること。その対象となるのは結果を判読できる装置と人材を保有した、公衆衛生および条件を満たした検査機関である。 新型インフルエンザ A(H1N1) 検査室勤務員向け バイオセーフティーガイドライン Source: CDC

  40. 新型インフルエンザ A(H1N1) 一般向けガイドライン 咳、くしゃみするときはティッシュで口と鼻を覆うこと 使用済みティッシュはゴミ箱に捨てる。 石鹸と水で手を洗うこと 特に咳、くしゃみのあと アルコール消毒液で手を洗うこと 病人との濃厚接触を避けること 洗っていない手で、眼、鼻、口を触らないこと。 インフルエンザにかかったら、出勤や登校をせずに自宅に残り、他の人にうつさないように接触を制限すること。

  41. 新型インフルエンザ A(H1N1) 治療 入手可能なワクチンはない 感染の治療・予防に用いる抗インフルエンザ薬: オセルタミビル(タミフル)        または ザナミビル (リレンザ) 抗インフルエンザ薬の使用により、症状が軽度になり、早期回復が可能である。 また、抗インフルエンザ薬でインフルエンザの合併症を抑制する可能性もある。 抗インフルエンザ薬を治療に用いる場合は、発症してから早期(症状出現から2日以内)に投薬を開始すると効果が高い。 警告! アスピリン(アセチルサリチル酸)またはアスピリンを含んだ製品( 例:米国の胃腸薬Pepto Bismol)を、新型インフルエンザA(H1N1)の感染が確定または疑われる小児または18歳以下の若年者に投与してはならない。ライ症候群という、まれではあるが深刻な副作用の恐れがある。解熱のためには、アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬を用いることが推奨される。 Source: CDC

  42. 新型インフルエンザ A(H1N1) 治療 1歳未満にオセルタミビルを投与する場合の推奨量 治療目的(5日分)  3ヶ月未満:12mg1日2回、 3-5ヶ月: 20mg1日2回、 6-11ヶ月: 25mg1日2回 予防目的(10日分) 3ヶ月未満:投与データが少ないため、危機的な場合を除き推奨しない  3-5ヶ月: 20mg1日1回、 6-11ヶ月: 25mg1日1回 Source: CDC

  43. 新型インフルエンザ A(H1N1) その他の防御対策 分離・隔離・ 社会的距離戦略 分離 Isolation:症状のある患者を、自宅または病院にて隔離し、他人に感染させないようにすることのみをいう。 隔離 Quarantine:感染した可能性のある無症状の者を社会から遠ざけておくことをいう。 社会距離戦略 Social-Distancing:隔離の一手段として用いられてきたもので、学校閉鎖、集会の禁止などにより、接触の機会を減らすことをいう。 Source: CDC

  44. 新型インフルエンザ A(H1N1) その他の防御対策 エアロゾルが発生する作業に従事する者 CDCの暫定ガイドライン: 新型インフルエンザが確定または疑われる患者に関し、エアロゾルが発生する作業(例: 臨床検査検体の採取、気管内挿管、ネブライザー、気管支鏡、緊急挿管を含む心肺蘇生など) に従事する者は、フィッティングテスト済みのN95マスクを使用すべきである。 ウイルスの感染様式がはっきりするまでは、新型インフルエンザが確定または疑われる患者を直接ケアする者は、患者の病室に入るときには フィッティングテスト済みのN95マスクを着用するべきである。 Occupational Safety and Health Administration (OSHA、労働安全衛生局)の規定に準拠した呼吸器防護プログラムによりマスクを適切に使用しなくてはならない。 Source: CDC

  45. 医療機関における患者の感染コントロール 新型インフルエンザが確定または疑われる患者は、ドアが閉じた個室に入室させねばならない。可能であれば、1時間で6回から12回の換気が可能な陰圧の感染症病室がよい。換気は直接外部かもしくはHEPAフィルターを通したのちに再循環させる。吸引、気管支鏡、挿管は、陰圧室で行うこと。 患者は、病室を出るときにはマスクを着用すること。また、 手洗いの励行、咳エチケットを遵守するようにしなければならない。患者の使用するコップ等は、他人が使用する前に石鹸と水で洗わねばならない。季節性インフルエンザの際に取られる環境衛生の行動を新型インフルエンザでも適用すること。 新型インフルエンザ A(H1N1) その他の防御対策 Source: CDC

  46. 医療機関における患者の感染防止 飛沫と接触による感染防止の標準予防策を遵守すること。 これは発症から7日間もしくは症状が消退するまで、あらゆる患者管理の際に実行すべきである。手袋その他の用具をはずしたときや、あらゆる呼吸分泌物との接触をしたら直ちに、石鹸と水で洗浄するか消毒剤を用いて手を消毒する。 確定または疑い患者のケアを担当するあるいはその生体検査材料を取り扱う者は使い捨て手袋、ガウンおよび眼球保護ゴーグル(結膜への曝露を避ける)を着用しなくてはならない。 新型インフルエンザ A(H1N1) その他の防御対策 Source: CDC

  47. サージカルマスク 手に入りやすく一般に日常的に外科や手術において用いられる。 高機能フィルター 呼吸マスク 0.3ミクロン以上の大きさの粒子を追い払う特殊微細構造フィルターディスク . これらのマスクは更に細分化される:• 防油性• 耐油性• 耐油性がないもの 耐油性が高いマスクほどよい マスクには横にナンバーが打たれており、 それはろ過効率を示している. 例えば N95マスクは 0.3 ミクロン以上の大きさの粒子の正常な範囲の呼吸において95% のろ過効率を備える。 次世代のマスクはナノテクノロジーを 用いて 0.027ミクロンの小ささの粒子を防御できる。 保護マスクのタイプ

  48. まとめ WHO は、2009年4月5日、警戒レベルをフェイーズ5に引き上げた。 メキシコ (1.91%), カナダ(0.11%) そして米国 (0.15%)と症例致死率に大きな差がある。 全世界的 case-fatality症例致死率(12,727 症例うち死亡92例) 0.72% 世界で 報告された、入院加療を要したのは 1,500例以下 大多数がメキシコにおけるもの 疫学的データ 米国 中央値は16 歳(範囲: 1-81 歳) 80% 以上の症例は18歳以上 60% 女性; 40% 男性 メキシコ 症例の大多数は健康な若年成人 死亡した77.5% は20-54歳の若年成人 60歳超は多くの症例において抵抗力があり、残りの年齢層よりも低い症例致死率を示した。 56% 女性; 44% 男性 EU 症例の大多数は健康な若年成人(20-29 歳). 国内感染が確認されている ワクチンは無効 抗ウィルス薬は使用可能

  49. 発生の経緯 ヒトでのA型インフルエンザ 新型ウイルス (豚インフルエンザ) H1 1976 Ft. Dix 豚インフルエンザ流行 Avian Influenza H7 H9 H5 H5 H1 H3 H2 H1 2009 1918 1957 1968 1977 1997 2003 アジア風邪 H2N2 香港風邪 H3N2 ソ連風邪 H1N1 スペイン風邪 H1N1 1998/9

More Related