英国におけるパートナーシップへの新たな挑戦

1. 英国におけるパートナーシップへの新たな挑戦英国におけるパートナーシップへの新たな挑戦 龍谷大学　白石克孝 ローカルコンパクトと地域戦略パートナーシップ ２００４年１２月１０日 ＬＯＲＣ第１班研究会

2. パートナーシップの３つの系譜 （１）　政策アプローチの系譜 （２）　行政改革の系譜 （３）　住民参加の系譜 ３つの流れが合流しようとしているのが現在の地点

3. パートナーシップの枠組みの変化 　個別プロジェクトベースのパートナーシップ 　包括助成予算によるプログラムベースのパートナーシップ 　戦略的地域政策の立案・実施を担うパートナーシップ

4. ローカル・コンパクト • 自治体、ボランタリーセクター、コミュニティセクターの代表による盟約（コンパクト） • 1998年にナショナル・コンパクト締結 • これまでは20％弱の締結率 • 2004年以後、全自治体が締結するように 　　地域の課題をパートナーシップで解決していこうという、理念的な取り交わし

5. 包括助成予算による地域再生 　単一地域再生予算（ＳＲＢ）の経験 20の補助金を統合して2004年に制度化 　　　現在の第６期で終了 　　　自治体単独では獲得することができない申　　　請の仕組み 　ＥＵの構造基金による包括助成の経験 　　単一計画文書（ＳＰＤ）を要求

6. 地域戦略パートナーシップ（ＬＳＰ） 近隣再生資金という包括助成予算が求める政策立案・実施の仕組み

7. 近隣再生資金（Neighborhood Renewal Fund） • 近隣再生資金という包括助成予算が求める政策立案・実施の仕組みとして、2001年から導入 • 最も衰退した地区を抱える８８の自治体に対して適用 • 総額２０億ポンド（４０００億円）　（2001年～2006年） • 雇用、犯罪、教育、健康、住宅と環境の５つのカテゴリーで具体的目標を設定 • 地域戦略パートナーシップを結成し、地域近隣再生戦略を立案 • 自治体が進めている公共サービス合意や主要な施策が、地域近隣再生戦略と合致するようにしむける

8. 地域戦略パートナーシップ（ＬＳＰ） • 自治体エリア全体の再生戦略と行動計画を作成 • 主要なパートナーの参加と協議 • 戦略課題別のパートナーシップと戦略計画 • 地区別のパートナーシップと戦略計画 • ８８市町村以外にも自前の予算でＬＳＰの結成が進み始める

9. リバープールのＬＳＰ（Ｌｉｖｅｐｏｏｌ　Ｆｉｒｓｔ）の特徴リバープールのＬＳＰ（Ｌｉｖｅｐｏｏｌ　Ｆｉｒｓｔ）の特徴 • 政治家が参加するパートナーシップ組織と実務的なパートナーシップ組織との２層制をとる • 主要な施策をＬＳＰに「従属」させる方向性を明確にしている • ＥＵ構造基金の政策目的１による広域的連携とリンク • 地域開発エージェンシーのシングルプログラムやＳＲＢとリンク ←政策目的に応じた重層的なパートナーシップ構造