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~今求められる「変革と挑戦」~

“ ものづくり中小企業経営者”の皆さんへ. ~今求められる「変革と挑戦」~. 平成22年12月 大阪府知事 橋下 徹.  はじめに. * グローバル化。人やモノ、カネや情報が、いとも簡単に国境を越え、世界中を駆け巡る時代です。  ・ アジアを中心とする新興国の経済が、急速な成長を遂げている一方で、残念ながら、日本の相対的地位 はどんどん低下しています。その大きな要因の一つに、グローバル化 ( 国や地域を超えた地球規模の一体化 ) 対応の遅れがあります。

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  1. “ものづくり中小企業経営者”の皆さんへ ~今求められる「変革と挑戦」~ 平成22年12月 大阪府知事 橋下 徹

  2.  はじめに * グローバル化。人やモノ、カネや情報が、いとも簡単に国境を越え、世界中を駆け巡る時代です。  ・ アジアを中心とする新興国の経済が、急速な成長を遂げている一方で、残念ながら、日本の相対的地位 はどんどん低下しています。その大きな要因の一つに、グローバル化(国や地域を超えた地球規模の一体化)対応の遅れがあります。  ・ 去る11月15日、APECにおいて、政府はこれまでの姿勢から大きく踏み込み、「国を開き、未来を拓く」ため、競争力強化等のための抜本的な国内改革の先行的推進、環太平洋パートナーショップ(TPP)協定に関する関係国との協議開始を表明しました。また、国内大手企業20数社が、グローバル競争の拡大に打ち勝つため、いよいよ中国での新卒者の採用に向けて動き出しました。事業展開でも人材確保でもグローバル化は、もはや避けられない流れです。 * ここ大阪で、厳しい中で懸命に頑張っておられる皆さんは、どう受け止めておられますか。  ・ 「うちには関係ないことだ」「景気が回復すれば何とかなる」「今さえ凌げれば何とかなる」と考える方がおられるかもしれません。しかし、現実はますます厳しさを増しています。今やアジアには、単純労働だけでなく、高い技術を持つ人材や企業が大勢います。  ・ 国内景気が回復しても、生産コストの安い新興国で製品が製造されるという構図に大きな変化はないでしょう。また、欧米はもとより、中国や韓国の企業も、アジア市場をターゲットとする戦略を必死で練っています。これまでのやり方にしがみつくだけ、日本国内を見るだけでは、この競争に勝ち抜くことはできません。 * ピンチはチャンスです。  ・ グローバル化が避けられないのなら、逆に、これを利用しようではありませんか。これまで大切に磨いてきた技術が別の分野で活かされるかもしれません。海外でのヒット商品に結び付くかもしれません。大阪や日本以外のところにも、大きな市場があると考えると、新しいアイデアが沸き出てきませんか。皆さんが、技術に一層磨きをかけ、新たな分野に果敢にチャレンジする。アジアに、世界に打って出る。 中小企業経営者の皆さんのこうした勇気ある決断と行動を大いに応援したいと考えています。

  3.  現状への危機感① ◆かつて優位を誇った日本製品は凋落 (出典:経済産業省「産業構造審議会産業競争力部会報告書」) “ものづくり大国”に迫る危機。  * 世界では、コンピュータやAV機器などの先端分野でも「モジュール(電気機器やコンピュータ装置などの構  成要素の単位で、独立の完成した機能を持ち、交換や着脱が可能なもの)化」した「水平分業型(製品の開発・製造の各段階で複数の企業が得意分野を受け持って商品を仕上げる生産方式)」へ転換。グローバル企業は、低廉なコストを武器とするアジアと組んで、生産拠点を形成。  * 日本は、トップレベルの“技術”を持つものの、日本全体がガラパゴス化。まさに、“技術”で勝って“事業”で負ける状態。背景には、語学力など人材育成面の遅れも。 ◆圧倒的に安い新興国の賃金・賃借料 (出典:JETRO「投資コスト比較」) ◆日本の製品・サービスのガラパゴス化事例 【携帯電話】 *世界シェアランキング(2009)  ①ノキア、②サムソン、③LG、④モトローラ、⑤ソニーエリクソン【その他】 *PC(PC98とwindows)、*携帯プレーヤー(MDとiPod)など多数

  4. ◆アジアの技術力は大きく成長し今後、アジア企業との競合も激しさを増す恐れ◆アジアの技術力は大きく成長し今後、アジア企業との競合も激しさを増す恐れ ◆日本と米国のシェアは低下し、アジア新興国のシェアが増加 (出典:経済産業省「2010年版ものづくり白書」) (出典:経済産業省「2010年版ものづくり白書」) 各国(地域含む)製造業の競争力の変遷  (各国製造業総付加価値のシェアの推移) 国内ものづくり基盤産業とアジア地域の企業の競合状況

  5.  現状への危機感② 世界の巨大市場アジア。とり残される日本。 * アジアは、巨大市場に成長し今後も世界をけん引。 * 各国の企業は、アジア市場の規模拡大を好機と捉え、拠点進出や販路開拓などの取組みを加速。 * 一方で、日本は、対外投資の少なさなどから、グローバル化に向けた取組みが不十分と世界から厳しい評価。取り残されてしまっている。 ◆成長するアジア新興国、シェアを落とす日本 ◆世界で出遅れる日本 (出典:KOFグローバル指標 ) (出典:“International Monetary Fund, World Economic Outlook Database, October 2010”) ◆有望視されるアジアの環境ビジネス (出典:環境省「アジア主要国の環境ビジネスの潜在市場規模推計に関する調査報告書」) 【参考文献】 ・Dreher, Axel (2006): Does Globalization Affect Growth? Evidence from a new Index of Globalization, Applied Economics 38, 10: 1091-1110. ・Dreher, Axel, Noel Gaston and Pim Martens (2008), Measuring Globalisation – Gauging its Consequences (New York: Springer). 中国における新エネルギー潜在市場の推計(中位) アジア主要国の環境ビジネスの潜在市場規模推計

  6.  「大阪の成長戦略」がめざすもの • 府は、中小企業の皆さんの努力とチャレンジを応援します。 • * 府は、いま置かれている現状としっかりと向き合い、成長の道筋を描くため、「大阪の成長戦略」をとりまとめ、めざす方向を次のように掲げました。 • (「大阪の成長戦略(平成22年12月)」) •    大阪は、2次電池などの新エネルギー産業の集積促進、医薬品などのバイオクラスターの形成など、大阪が持つ強みに磨きをかけ、新たな価値を創造する『ハイエンド(高付加価値)都市』 をめざします。同時に、アジアと日本各地を結び、集積・交流・分配機能の発揮を通して、アジアの成長を分かち合う『中継都市』をめざします。 • * 中小企業の皆さんには、是非とも、現状に対する危機感、そして、将来の成長の方向を共  有していただき、自らの強み、価値を再認識し、新たな市場に活路を見出していただきたいのです。府としても、これまでの発想にとらわれず、思い切って政策の舵を切っていきたいと考えています。これからは、安心してチャレンジできるようにセーフティネットをしっかりと張りながらも、技術を磨き、新しい分野や世界の市場に、リスクを乗り越えて打って出る企業を応援する。このことに一層軸足を置いていきます。

  7.  “ものづくり中小企業経営者”の皆さんへ① “ものづくり中小企業経営者”の皆さんへ① • 今求められる“変革と挑戦”。 •  * 私は、就任以来、“変革と挑戦”を府政運営の基本に据えてきました。ものづくり中小企業の皆さんに求められているのも、この“変革と挑戦”ではないでしょうか。生き残っていくため、自らの強みを再認識し、活かせる分野を見つけ出し、これまでのやり方を大胆に変革し、新たな分野、新たな市場に挑戦する。私は、今このことを皆さんに呼びかけたいのです。 • ① 強みを再認識。技術を活かして新しい分野をめざしましょう。 •  * 皆さんの強みを活かせる分野は、まだまだたくさんあるはずです。人口減少などにより、これまでの国内市場が縮小していく反面、例えば、少子高齢化は、健康や医療、介護などの市場を拡大させます。低炭素化のための省エネルギー技術も重宝されます。皆さんが持つ高い技術が、 これまでは無関係だと思い込んできた分野で活用され、大きなビジネスチャンスに発展していく可能性もあるはずです。 •  * 今一度、自らの強みを点検しそれを再認識する。自立自尊の気概、“匠”の精神で、今の技術に磨きをかけ付加価値を高める。そして、多方面にアンテナを張り巡らせる。変化を恐れず踏み出してみる。技術を活かせる独自のビジネスモデルをめざす。トップをめざして新たな地平を拓いてみませんか。新たな分野に果敢に挑戦してみませんか。

  8.  “ものづくり中小企業経営者”の皆さんへ② “ものづくり中小企業経営者”の皆さんへ② ② 世界へ、アジアへ打って出ましょう。  * 日本のものづくり中小企業は、日本の厳しい消費者に鍛え上げられ、アジア市場に通用する高い技術や優れた製品を持っています。高い品質や安全性はその代表例です。しかし、そのことが持つ価値に気づいていない場合が多く、まさに“宝の持ち腐れ” です。  * 内に閉じこもらず、外に意識を向けると新たな展望が拓けます。海外市場に販路を開拓するファーストステップ。海外のパートナー企業を見出し、協力や連携、水平分業により市場を広げるセカンドステップ。現地に生産拠点を設けて乗り込んでいくサードステップ。いろいろなやり方、いろいろな段階があります。ともあれ、生き残りをかけ、世界へ、アジアへ打って出る。思い切って、飛び出してみませんか。 • “変革と挑戦”を掲げる企業を応援します。  * 「変革と挑戦」のプロセスでは、さまざまな痛みやリスクへの覚悟が必要ですが、今の場所、今の位置に立ち止まっていては、何も変わりません。まずは、現状から一歩を踏み出してみることです。  * このメッセージを見て、「やってみよう」「頑張ってみよう」と考えられた皆さん。その最初の一歩として、「ものづくりビジネスセンター大阪(MOBIO)」に電話してみて下さい。電話番号は、 「06-6748-1011」です。経験豊富な専門コーディネーターが、ビジネスマッチング、技術開発や販路開拓など、あらゆる分野で皆さんをしっかりサポートします。また、ものづくりのテクノ・パートナーとして、『府立産業技術総合研究所 TEL:0725-51-2525』が技術面から皆さんのお手伝いをします。

  9. 世界に打って出る・果敢にチャレンジする中小企業①世界に打って出る・果敢にチャレンジする中小企業① 錦城護謨株式会社(ゴム製品製造メーカー)~大阪ものづくり優良企業賞2010~ * 「一回やってみようやないか。お客さまが困っているなら何とかしよう」の精神で、常に新しいものにチャレンジし続ける企業家マインドが、世界初、オンリーワンを創り出す。 (新分野への取組み)   → 取引先への情報の公開が技術力の向上、新分野の開拓を生む * ゴムは、あらゆる用途に使われているため、一つの分野に依存するのではなく、“家庭用品から国づくりまで”をモットーに分野を拡大(リスクヘッジにも対応)  * 技術は、ブラックボックス化するのではなく、オープンに。また、業界トップ企業と取引、製品の企画段階から参画、アイデアを提供(10年で、取引先が倍増。現在は200社程度)  * 「技術力」に加え、「工場力」を重視。挨拶、整理整頓、見える化など、様々な工夫をほどこす  * 新分野進出は、既存分野の技術向上にも寄与。相乗効果を生む (海外展開)   → きっかけは取引先の海外進出。今や巨大アジア市場をターゲットに展開する企業へと成長  * 取引先OA関係メーカーの中国進出がきっかけ。お客さまの要望に応えるかたちで進出  * 当初は、『日系企業向け』。現在は、巨大化する『中国市場向け』に海外拠点の位置付けをシフト  * 展開先は、中国が中心。今後、取引先企業のアジア展開構想にリンクした海外展開を検討  * 海外売上高比率は12~13%程度 (社長メッセージ) ここ大阪・八尾の地に根付きながらグローバル化を実現します。 年に1つは世界初・オンリーワン技術を生み出し、日本でしかできないものづくりで、世界の企業・市場と向き合います。

  10. 【事 例】 * 従来は困難だった携帯電話の塗装済み電池蓋に対し、塗装部にキズを付けない防水ゴムのインサート技術を開発   新しい方法 従 来 携帯電話の薄型化 が実現 お客様の声(携帯電話メーカー) 薄型化をしたいので外装カバー に直接パッキンをつけてほしい 塗装面へのダメージは 許されない 組立      加工  樹脂塗装部品の インサート成型

  11. 世界に打って出る・果敢にチャレンジする中小企業②世界に打って出る・果敢にチャレンジする中小企業② 株式会社日本スペリア社(はんだ等の製造・販売)~大阪ものづくり優良企業賞2010~ * 「立ち止まるな。立ち止まると遅れていく。動きながら考えろ」の精神で、地球環境問題に真正面から取り組む (新分野への取組み)   → 環境問題の高まりに対応し、独自製品を開発。常に新しいシーズ(種)を生み出す * 鉛フリーはんだを独自に開発。24か国・地域で特許を取得  * 大手家電メーカーでの採用を皮切りに、自動車、航空機等の重要部品でも採用  * 顧客ニーズに応えるものが、この世にない場合は、自社で開発しようという姿勢  * 社員の約20%が研究職。研究開発力が競争力の源泉 (海外展開)  → 「日系メーカーに品質のいい材料を」がきっかけ。時間をかけて独自に販路開拓、現地化  * 国内大手ユーザーの進出に合わせて進出  * 中国、東南アジア(タイ、マレーシアなど)を中心に、10拠点設置  * 進出後は独自に販路開拓。海外企業との業務提携やライセンス契約を締結  * 国内・海外大学とも共同研究に取り組み、製品の特長を科学的に立証  * 海外売上高は、国内6:海外4にまで拡大 (社長メッセージ) いまグローバル化の波が企業に押し寄せています。荒波ですが、中小企業にとっては世界に羽ばたくチャンスでもあります。オンリーワンな製品や技術なら、待っている顧客はきっと世界中にいます。大企業にはない柔軟な発想力と機動力、そして勇気をもって世界に踏み出しましょう。

  12. 【事 例】 * 環境にやさしく、耐落下衝撃特性など優れた接合強度を有する独自の鉛フリーはんだを 開発。24か国・地域で特許を取得。大手家電メーカーでの採用を皮切りに、 自動車、     航空機等の重要部品でも採用 ◆10年前、環境問題に直面! 鉛や水銀、カドミウム、6価クロム、臭素系化合物などを含まない環境対応型製品の開発が生き残りに必須 鉛フリーはんだ “SN100C”の開発 世界の幅広い分野で活躍 電気自動車 モーター、コントローラーなど ヒューズ 電 球 リチウムイオンバッテリー

  13. 世界に打って出る・果敢にチャレンジする中小企業③世界に打って出る・果敢にチャレンジする中小企業③ プライミクス株式会社(産業用化学機械製造)~大阪ものづくり優良企業賞2010~ * ニッチ技術分野(攪拌技術開発)に特化、その“道”を極める。「顧客本位を追求する」の精神で、多様な業界のリーディング企業とアライアンス(連携)を実施し、新分野を開拓 (新分野への取組み)   → 分野を特定することなく、多様な業界に打って出る * 多様な業界(化学、IT、化粧品、医薬、食品、電池デバイスなど)の大手企業が技術を認め、攪拌技術       に関する相談が相次ぐ。大手企業の新商品開発に大きく貢献し、自らも新分野進出を実現  * リチウムイオン電池分野では、電池の電極材スラリーを連続処理で製造可能とするシステムを開発  * 業界トップ企業のニーズに応えるかたちで新技術を開発 (海外展開)  → 顧客重視の立場から、設備でお困りの日系企業の要請に応じて進出。 現在は、日系企業に加えて現地メーカーへの販売も  * 上海に製造・販売拠点、韓国、北米に営業サポート拠点をそれぞれ設置  * 最新のリチウムイオン電池の分野では、国内大手企業に加え、海外企業からの受注が急増。     世界16か国で特許を取得  * マサチューセッツ工科大学等、海外の大学や研究機関と共同研究  * 海外売上高比率は20~30% (社長メッセージ)「モノ」にこだわらない、「技術」をおごらない、ものづくりがモットーです。経営品質向上プログラムを実践し、顧客と社員の満足度をあげることでプライミクスブランドの確立を目指します。そして、常にグローバルな感覚で活動します。ライバル企業こそが会社を育ててくれるエネルギーの源です。

  14. 【事 例】 * フィルミックス(薄膜旋回型高速攪拌技術)により、超微粒化、均質化を実現。16か国で特許を取得。リチウムイオン電池、燃料電池、化学品、医薬品などの用途で活躍 ・今までの攪拌理論を根底から変える薄膜旋回型高速ミキサー(フィルミックス) を開発 ・また、フィルミックスの特徴を生かし、連続生産方式「CDMプロセス」を確立。性能の高い電池を低コスト、低CO2で製造可能に 省エネ・低コスト 微粒化・均質化

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