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日本天文学会 2009 年春季年会 ( A01r ) 銀河中心 SgrA* とブラックホール時空 ○三好真 ( 国立天文台 ) 、 高橋真聡(愛知教育大)、根來均(日本大学)

日本天文学会 2009 年春季年会 ( A01r ) 銀河中心 SgrA* とブラックホール時空 ○三好真 ( 国立天文台 ) 、 高橋真聡(愛知教育大)、根來均(日本大学)

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日本天文学会 2009 年春季年会 ( A01r ) 銀河中心 SgrA* とブラックホール時空 ○三好真 ( 国立天文台 ) 、 高橋真聡(愛知教育大)、根來均(日本大学)

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Presentation Transcript


  1. 日本天文学会2009年春季年会 (A01r)銀河中心SgrA*とブラックホール時空 ○三好真 (国立天文台)、 高橋真聡(愛知教育大)、根來均(日本大学)  我々の銀河系中心SgrA* (=サジタリウス・エイ・スター) は,近赤外線の観測によって、その近傍の星の公転運動観測から, 約400万太陽質量の大質量ブラックホ-ルであると確信されている(厳密には候補。「事象の地平線」の検出こそが厳密証明)。大質量ブラックホ-ルの中でも, わずか8kpcという最近距離にあり, ブラックホ-ル周辺の相対論的時空を観測するのには、もってこいのブラックホ-ルだ。そのSchwarzschild 半径は0.1天文単位, 見かけで10μ 秒角になる。自己重力レンズ効果によって, 事象の地平線(event horizon) は約2.6 倍に拡大されるので, 輝く高温降着円盤の中央に差し渡し50μ 秒角の黒いシルエット(=ブラックホ-ル・シャドー) が見えるはずである。 2008年夏、230GHz帯VLBIにより、これまでの低周波のVLBI観測で問題であった核周プラズマによる散乱を突破, その事象の地平線スケールの構造を捉えたとの報告があった(Doeleman et al. Nature, 455, p. 78-80, 2008)。 Doelemanらは VLBIにおける信頼検出SNR=7にはわずかに届かないSNR=5.8での検出、そして普段は使わないインコヒーレント積分法で検出など、やや苦しい解析をしているので、この報告はまだ決定的観測結果とまではいえない。  しかしながら、現在の技術で観測的にブラックホ-ルの存在を(厳密に)証明し、その時空構造まで観測的に研究できる時代がやってきたことを示唆するものである。 今後、X線によるディスク・ライン観測と併せ、ブラックホ-ル近傍の相対論的時空の観測天文学の開花が期待される。これまで日本はブラックホ-ル天文学を得意としてきたが、今後は理論・各波長の観測の総合力をもってあたることが、研究を発展させるために重要であろう。 解説web: http://radio.mtk.nao.ac.jp/~horizon/explanation.html

  2. NGC 4258 (1)中心部分からの水メーザ放射の研究から中心に3700万太陽質量の天体がある。 空間密度が余りに高いので、高密度星団では説明できず、中心天体はブラックホ-ルであると、結論された。 (2)また、水メーザ放射はケプラー運動する回転円盤からのものであり、その運動(視線速度・固有運動・加速度)測定から、「距離の梯子」にはよらない距離測定がなされている(D=7.2Mpc)。 その誤差は数%程度と言われる。 (3)同様の水メーザ放射は数十の銀河から検出されているが、NGC4258のように端正なケプラー円盤をトレースできる例は他にはない。これだけ。 図はhttp://www.cv.nrao.edu/course/astr534/images/n4258kepler.jpg

  3. NGC 4258は「来た。見た。勝った!」の良き時代 (1)Nakai et al. (1993) 1991年暮れ NRO45mで観測開始 1992年5月連休 解析して高速成分確認 1992年6月KNIFE(国内VLBI)で観測 1992年8月同データの解析、位置関係の確認 1992年9月投稿 1993年1月初旬Nature誌、掲載 観測から1年余りで論文掲載 (2)Miyoshietal.(1995) 1994年4月末 VLBAによる観測 1994年5月末 同データの相関処理 1994年11月中頃 データ解析・像合成・論文作成 1994年12月初旬 投稿 1995年1月11日 Nature 誌、掲載 観測から8ヶ月で論文掲載 (3)Herrnstein et al. (1999) 1995年-1998年 VLBAによる継続観測 1999年秋 Nature誌、掲載 観測から4年後に、ようやく論文掲載

  4. SMI(Ndiv=8) P=16.8min m=1 P=22.2min m=1 (P=16.8minとは逆の回転) P=31.4min m=3 P=56.4min 中心部明滅 SgrA*の円盤振動模様: P=16.8,22.2min: 双方の回転方向は逆 =>hot spotの運動ではなく円盤振動(模様)と考えるほうが妥当。 回転速度は(約3倍の拡大像であると仮定して)、r=2-3Rsのケプラー速度と同程度。 P=16.8,22.2,31.4minは他波長でも検出。 円盤振動理論と合わせると M=400万太陽質量、 スピンa=0.44 (Y. Katoら)

  5. SgrA*の円盤振動模様: SMI(Ndiv=8) P=16.8min m=1  P=22.2min m=1 (P=16.8minとは逆の回転) P=31.4min m=3 P=56.4min 中心部明滅 2005年1月 SgrA*VLBI電波像の短期周期強度変動に気がつく。 2005年5月 振動強度の空間構造に気がつく。 2005年10月日本天文学会講演 2006年2月 論文version1完成 2006年4月・5月・7月 銀河中心WS(ドイツ・ボン)・BHWS(ボストン)・BHWS(サンタフェ)でトーク。誰もなかなか信じない。 2006年12月 論文version2にまとめるも、権威者には?の声。 2007年3月 86GHzデータ解析するもうまく検出できず、絶望。 2008年 他エポック解析・SMI法の論文PASJ掲載。 2009年 自信を取り戻して、理論論文(Y.Katoら)と2本にまとめて、提出(学会終了したら出します)。 たかが8時間の観測データの解釈・補強に4年余りが経過。

  6. SgrA*2004年暮れ-2009年3月(4年半) 1990年代:NGC4258  生きの良い魚。その場で食って、おいしい(良く料理すれば、もっとおいしかっただろうが)。 2000年代:SgrA*  意義有る仕事をするには数年かかること  各専門家に知恵を借りることが重要 (=円盤振動理論・ブラックホ-ル近傍の見え方)。 Ref. (みかけの)成果主義による拙速風潮は良い仕事を減らす?

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