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古谷・印南・古城・今村論文へのコメント

古谷・印南・古城・今村論文へのコメント. 学習院大学 鈴木 亘. 論文の意義・評価. 医療費分析に、これまであまり行われてこなかった空間統計学・空間計量経済学のアプローチを用いており、「空間自己相関を考慮することの重要性を示した」とのこと。 もっとも 、メインテーマは「都道府県パネルデータを用いた国民医療費の将来推計」と言うべき。 都道府県パネルデータで将来推計を行う場合(特に、論文が仮定する SLM(Spatial lag model) の場合)、空間自己相関を考慮しないと推定値にバイアスが生じるので、必要な処置(第 5 章)。.

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  1. 古谷・印南・古城・今村論文へのコメント 学習院大学 鈴木 亘

  2. 論文の意義・評価 • 医療費分析に、これまであまり行われてこなかった空間統計学・空間計量経済学のアプローチを用いており、「空間自己相関を考慮することの重要性を示した」とのこと。 • もっとも、メインテーマは「都道府県パネルデータを用いた国民医療費の将来推計」と言うべき。 • 都道府県パネルデータで将来推計を行う場合(特に、論文が仮定するSLM(Spatial lag model)の場合)、空間自己相関を考慮しないと推定値にバイアスが生じるので、必要な処置(第5章)。

  3. 国民医療費を説明する構成要素として、入院患者数、外来患者数、医師数を考える。国民医療費を説明する構成要素として、入院患者数、外来患者数、医師数を考える。 • それぞれを予測するために、拡張型Lee-Carterモデルを用いてた推定を行う(第4章)。 • 空間パネルの分析をする準備として、推定に用いる各変数の空間自己相関(Local Moran’s I, Moran’s I)を観察する(第3章)。 • 第3章、4章、5章の分析を個別にみると、それぞれ相当の問題があり、不自然な点が多々あるが、恐らくは妥当な国民医療費予測値を得る為に、苦心惨憺をしたということだろうか。

  4.  国民医療費の予測値の比較 厚労省予測は、平成22年10月25日の第11回高齢者医療制度改革会議に提出した厚労省保健局「医療費等の将来見通し及び財政影響試算」。

  5. 第3章の分析(Local Moran’s I)について • 医療費については、日ごろ見慣れている地域差指数以上の情報量は無い。 • 空間ウィイト行列(W)は、どのようなものを用いているのか?(説明が無い) • いずれにせよ、ほとんどの結論は、Wの作り方に影響されているのではないか。九州や四国のLocal Moran’s Iが高いのは、近隣県が少ないため当然。北海道、沖縄はどうしているのか。

  6. 地域差指数でも年齢調整ぐらいは行っているが、意味のある分析をするのであれば、件別医療費を高齢化や所得、供給要因や様々な要素で回帰してコントロールし、その残差のLocal Moran’s Iを見る方が建設的。 • ただ、その場合の解釈や政策的含意は何か。医療圏設定の妥当性、都道府県別の保険者にすることに対する妥当性等が考えられる。 • 空間統計の利点をより生かしたいのであれば、市町村別国保データ、2次医療圏別データ(いずれも公表、シンフォニカからも購入可)で分析を行う方が良い。県別データは実りが少ない。

  7. 第4章の分析(拡張型Lee-Carter)について • 主に人口、生物的な要因(死亡率)を分析するためのlee-Carterモデルを、社会的・経済的な要因に大きく左右される入院患者数、外来患者数、医師数に適用することは妥当か。 • 県別データを分析しているが、論文のテーマである空間モデリングは考慮しなくてよいのか。 • それぞれ、県別データでは流出入が大きいが、こうした要因をモデリングしなくてよいのか(社人研予測でも別途人口移動は考慮)。

  8. 外来と入院は代替関係があるが、考慮しないのか。外来と入院は代替関係があるが、考慮しないのか。 • 拡張型Lee-Carterモデルの特徴は、年齢効果、年効果のほかに、コホート効果を推定することだが、10年程度のデータで果たしてコホート効果が適切に推定されているのか。推定結果が示されていない。 • 年齢効果、年効果、コホート効果は独立ではないので、何らかの制約をかけているはずで、適切な効果が抽出されているかは疑問。 • 単純なLee-Carterモデルと2011年の予測値を比較して評価してみてはどうか。

  9. 入院患者数が将来的に減少してゆき、特に東京、大阪、福岡、北海道で急減するという結論は妥当か。入院患者数が将来的に減少してゆき、特に東京、大阪、福岡、北海道で急減するという結論は妥当か。 • 東京、大阪、福岡、北海道の高齢者数は2040年までは絶対数としても増加しているので、意外な結果である。 • 意外な結果を得ているのであれば、推定結果と変数の予測値から寄与度分解を行い、年齢効果、コホート効果、年効果の何が影響しているのかを示してはどうか。 • 恐らく年効果(トレンド)が影響していると思われるが、これは10年しか推定期間が無いことが大きく影響している可能性。

  10. 65歳以上人口の将来予測値(社人研推計)

  11.  入院患者数、外来患者数推移(患者調査)

  12. 定員数が変わらないのに、人口が減少する若い年齢層の医師が、年を追うごとに増えるのはなぜか。定員数が変わらないのに、人口が減少する若い年齢層の医師が、年を追うごとに増えるのはなぜか。

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