1 / 53

自律分散協調システム論 無線技術と自律分散協調

自律分散協調システム論 無線技術と自律分散協調. 平成 19 年 6 月 21 日 慶應義塾大学 政策・メディア研究科 三次 仁 (mitsugi@sfc.wide.ad.jp). ポイント. 無線通信では 多元接続(マルチプルアクセス) アドホックネットワーキング において分散協調制御が有効である。 分散協調制御における性能評価、安定性評価が重要である。 ALOHA 方式スループット CSMA/CA による周波数利用効率. 無線通信の応用分類. 通信距離. 衛星通信. 100km.

marcel
Download Presentation

自律分散協調システム論 無線技術と自律分散協調

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. 自律分散協調システム論無線技術と自律分散協調自律分散協調システム論無線技術と自律分散協調 平成19年6月21日 慶應義塾大学 政策・メディア研究科 三次 仁 (mitsugi@sfc.wide.ad.jp)

  2. ポイント • 無線通信では • 多元接続(マルチプルアクセス) • アドホックネットワーキング において分散協調制御が有効である。 • 分散協調制御における性能評価、安定性評価が重要である。 • ALOHA方式スループット • CSMA/CAによる周波数利用効率

  3. 無線通信の応用分類 通信距離 衛星通信 100km http://www.jaxa.jp/press/2007/05/20070509_sac_kiku8.pdf 10m 無線中継 1km 携帯電話 100m http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/ アクティブタグ http://www.ntt-at.co.jp/product/nire/index.html ミリ波レーダ 10m 無線LAN 1m http://buffalo.jp/products/catalog/network/whr-hp-g54_ek/ リモコン 高速PAN 10cm 1cm 非接触ICカード/パッシブ無線タグ 10kbps 100kbps 1Mbps 10Mbps 100Mbps 1Gbps 要求通信速度/帯域

  4. MPP 無線ネットワークトポロジの分類 IEEE 802.11 AP: Access point STA: Station MPP: Mesh portal MP: Mesh point MAP: Mesh Access Point インフラストラクチャモード アドホックモード メッシュネットワーク AP STA MP MP STA STA STA STA MAP STA STA

  5. 無線ネットワークトポロジの分類 IEEE 802.15.4 FFD:Full Function Device RFD: Reduced Function Device PAN: Personal Area Network スター・トポロジ ピアツーピア・トポロジ クラスタツリーネットワーク FFD FFD Pan coordinator RFD

  6. 無線ネットワークを構成するために必要な機能無線ネットワークを構成するために必要な機能 1.変復調:デジタル信号を電磁波に重畳する、電磁波からデジタル信号を取り出すこと 2.多重化:1つの通信路に複数の情報を同時に伝送すること(APやFFDなど複数のチャネルを有するデバイス) 3.多元接続:1つの通信路に複数の通信チャネルを確保し、通信チャネルでの混信を回避すること 4.経路制御:所定のあて先に情報を届けること

  7. 変調方式(Modulation) • 振幅変調ASK (Amplitude Shift Keying) • 位相変調PSK(Phase Shift Keying) • 周波数変調FSK (Frequency shift keying)

  8. 多重化(Multiplexing) • 時分割多重 (TDM: Time Division Multiplexing) • 周波数利用効率が高い • 端末側が最大通信速度に対応する必要がある • 周波数分割多重(FDM: Frequency Division Multiplexing) • 端末は自らが必要とする帯域分処理できればよい • チャネル間の漏れこみが起こり易い • 符号分割多重(CDM: Code Division Multiplexing) • 遅延波のエネルギー合成ができる • 符号数、多重度に限界がある • 空間分割多重(SDM:Space Division Multiplexing) • 周波数の再利用が可能 • 指向性アンテナが必要

  9. 変調・多重化の実際 デジタル信号処理可能 波形成型 フィルタ 変調 Ch1 デジタル信号処理可能 波形成型 フィルタ 変調 Ch2

  10. 多元接続 • TDMA(時分割多元接続) • 複数アクセスを時間的に分割 • FDMA(周波数分割多元接続) • 複数アクセスを周波数的に分割 • CDMA(符号分割多元接続) • 複数アクセスを符号で分割 端末に固定的なスロットが定められていない状態で動的にチャネル割り当てを行う Demand Assignment⇔Pre-assignment 収容できる端末数を大幅に増大することができる

  11. 多重化/多元接続/複信 多重化 多元接続 複信:双方向通信の実現方式 たとえば CDM/CDMA/FDD: W-CDMA TDM/TDMA/TDD: IEEE801.11

  12. 無線ネットワークにおけるアクセス制御 無線固有の問題 ・通信帯域幅が限定されているので他の無線システムと周波数共用することが多い。 ・端末が電池駆動していることもあるので、消費電力を極力抑圧することが望ましい。 ・通信距離や、基地局/端末の種類によって電力が大幅に異なる。 AP STA STA 一つの物理チャネルにアクセスする送信要求を制御すること

  13. アクセス制御方式 • ランダムアクセス方式 • パケット生起が統計モデルであることを前提とした分散協調制御 • ノンコンテンション方式 • 制御局が集中的にアクセスを制御して、輻輳を避ける

  14. 多元接続方式とアクセス制御 • 多元接続:無線チャネルの接続方式の違い • アクセス制御:同一無線チャネル内での複数アクセスの制御 ランダムアクセス 共通無線(無線)チャネル データ量が少ないトラヒック 個別無線(物理)チャネル 送信データが大量にある場合 W-CDMAの場合、コードと周波数で決まる

  15. ランダムアクセス方式 • Pure ALOHA • 勝手なタイミングでパケット送信を開始する • 簡単だがスループットが低い • Slotted ALOHA • 送信時間スロットを区切ったALOHA方式 • 比較的簡単でスループット改善 • CSMA(Carrier sensing Multiple Access) • 送信する前に、チャネルの利用状況を確認する • すべての無線機からの送信を受信できることが前提

  16. Pure ALOHA方式 時間 STA1 パケット衝突 STA2 送信成功 STA3 • 送信頻度を減らす=衝突は少ないが情報が少ない⇔送信頻度を増やす=衝突が増えるが情報量は多い • 性能を最適化する分散協調制御が必要 • 性能評価のためには送信頻度と衝突確立のモデルが必要=ポアソン分布

  17. 二項分布とポアソン分布 • 二項分布 総端末数 ある時間でn台のうちk台の端末が同時に送信する確率 ある時間に1台の端末が送信する確率 n台の端末あたりの送信率μ=npのほうが測定しやすい(総端末数がわからなくともいい) 端末数nが多いと近似して確率をμを用いて表す=ポアソン分布

  18. ポアソン分布 衝突数 n台あたりの送信確率 ポアソン分布は測定が容易で近似精度がよいため、よく用いられている

  19. Pure ALOHA方式のスループット計算 1 送信パケット 送信開始時間 パケット損失となる他パケット 2 送信タイミング2つ連続で他パケットが送出されない条件 送信確率はμなのでスループットは

  20. Slotted ALOHA方式のスループット計算 1 送信パケット 送信開始時間 パケット損失となる他パケット: 同一スロットのみ 送信タイミング2つ連続で他パケットが送出されない条件 送信確率はμなのでスループットは

  21. スループット比較 分散送信制御であってもトラヒック量に基づく協調の有無によって性能が異なる Slotted ALOHAでも40%程度の周波数利用効率である。

  22. 最適値の物理的意味 P(2以上)=衝突 P(1)=送信成功 P(0)=パケット無 スロット数とパケット数が同一(送信確率1)とするとパケット損とパケット無しの割合が最適化されてスループットが最大となる

  23. ALOHA応用例無線タグのマルチリード アンテナ 無線タグ ゲートを通過している時間内に荷物の自動読み取りをする 無線タグ(パッシブタイプ)に特徴的な課題 ・読み取り可能な領域が限定されているのでできるだけ早く読みたい ・無線タグ同士はお互いの信号を聞き取ることができない ・読み取りが終わったタグは休止するので、トラヒックが減じていく

  24. Frame1 Frame2 Reader Query ACK QueryRep QueryRep QueryRep QueryAdjust ACK QueryRep ACK QueryRep Select RN16 EPC Tag1 Collision Tag2 RN16 RN16 EPC Tag3 RN16 EPC RN16 Slot 4 Slot 1 Slot 2 Slot 3 Slot 1 Slot 2 無線タグ読み取りにおけるALOHA方式 1フレームですべてのタグを読み取るのではなく、複数フレームで読み取りを実現

  25. 現実の読み取り時間に影響を与える要因 • キャプチャ効果:パケットが衝突しても信号強度に十分な差分があれば、パケット損失を回避することができる • 空きスロットと衝突スロットの検知時間の差分:衝突スロットの方が早く検知できる 理論的にはアクセス数(タグ数)とフレーム長を同一とすればよいが実際には詰めたほうが早く読みとりを行うことができる

  26. 無線タグの読み取り時間実測32個のタグ 読み取り時間 フレーム数= 2^Q フレーム数をタグよりも少し小さくすると読み取り時間が短縮できる

  27. 乱数の生成 • ランダムアクセスでは、生成する乱数の相関に性能が影響される。 • 乱数生成の代表的な手法 • Congruential generators xo = 1, a = 37, b = 1, k= 6とすると {1, 38, 63, 28, 13, 34, 43・・・・} どのくらいランダムか定量化する方法=自己相関(Auto-Correlation) 時間τ離れた位置での自己相関 τ時間離れて同じ事象が起こるのであれば、自己相関は大きくなる 平均

  28. Congruential generatorの自己相関 6bit mod 7bit mod 乱数発生といっても現実的には有限の周期を有する 周期は割り算のビット数に依存する

  29. b0 b1 b2 b3 b4 生成多項式=x5+x3+1 XOR 乱数の生成LFSR(Linear Feed Back Shift Register) • Congruential generatorの課題 • ハードウェア処理の面から掛け算は避けたい • moduloの割り算母数を効率的に大きくしたい • LFSR • nビットの数値を特定のビット列(生成多項式)で割り算したときの余りで乱数を表す • フィードバックとシフトで繰り返す(XORとシフトレジスタで対応可能) 111010 余り相当10011 ビット毎のXORで求めることができる 101001

  30. LFSRの自己相関 6bit congruential generator 6bit LFSR 簡単なハードウェアで長周期の乱数を作れるためLFSRはPN符号生成法として一般的

  31. フレームアロハにおける乱数生成ビット数の影響フレームアロハにおける乱数生成ビット数の影響 256タグの読み取りを128スロットのフレームアロハで行う場合のスロット選択に用いる乱数生成ビット数による残留タグ数

  32. CSMA/CACarrier Sensing Multiple Access/Collision Avoidance 時間 STA1 Busy Busy Busy Busy STA2 Busy Busy STA3 使用するチャネルの使用状態を受信し、一定のレベル以下であれば送信を開始する 要求条件 ・すべてのSTAの送信を実質的に受信することができること。 ・Busyから回復した後の複数STA送信の衝突を回避できること。 ・優先して送信する端末(チャネル)を設けることができること。

  33. CSMA/CA 無線システム毎に優先度を変える Busy回復後の同クラスのトラヒック衝突を回避 キャリアセンス 一定待ち時間 ランダムバックオフ データ送信 トラヒックに優先度をつける 制御信号や免許局を優先 システムに応じて定義

  34. CSMA/CAの実際IEEE 802.11(無線LAN) • 11a: • 一定待ち時間 16μs, 25μs, 34μs • ランダム待ち時間 15~1023 (スロット), 1スロット9μs(衝突した場合には待ち時間が延びる) • 11b: • 一定待ち時間 10μs, 30μs, 50μs • ランダム待ち時間 31-1023(スロット), 1スロット20μs(衝突した場合には待ち時間が延びる) 時間 STA1 送信 バックオフ IFS IFS Busy STA2 バックオフ Busy Busy STA3 IFS(Inter Frame Space) :一定待ち時間、バックオフ: ランダム待ち時間

  35. CSMA/CAの実際IEEE 802.15.4(Zigbeeの物理/MAC層) CAS: Contention access period Beacon 16スロット CAS Inactive 16スロット CAS Inactive 16スロット CAS Inactive Beacon mode Slotted CSMA ランダムバックオフ 他キャリア無し送信 他キャリア発見 Non-Beacom CSMA ランダムバックオフ 他キャリア無し送信 他キャリア発見

  36. CSMA/CAの実際UHF帯無線タグシステム(日本・欧州の電波法令)CSMA/CAの実際UHF帯無線タグシステム(日本・欧州の電波法令) 日本の電波法令 出力(EIRP) 4Wの場合:キャリアセンスレベル -74dBm, キャリアセンス時間 5msec, TX_ON 4秒、 TX_OFF 50msec 出力(EIRP) 20mWの場合:キャリアセンスレベル -64dBm, キャリアセンス時間 10msec, TX_ON 1秒、TX_OFF 100msec

  37. CSMA/CAによる重み付き分散協調制御の例高出力RFIDリーダと低出力RFIDリーダの周波数共用CSMA/CAによる重み付き分散協調制御の例高出力RFIDリーダと低出力RFIDリーダの周波数共用 Reader1-9は高出力型 Reader10は低出力型 全部でチャネルは13.高出力はch1 – ch9まで、低出力はch4-ch13が使える 10 チャネル使用シミュレーション 低出力型チャネル 高出力型チャネル 低出力型(Reader10)は高出力型と競合する場合には、低出力型専用帯域を利用。分散制御によって周波数の有効利用が実現している。

  38. 1 2 3 4 5 f2 f2 f6 f4 f5 11 12 13 14 15 f1 f0 21 22 23 24 25 f2 f5 f3 31 32 33 34 35 f1 f8 f7 41 42 43 44 45 f7 f8 CSMA/CAによる周波数利用効率 ランダムな方向を指向している25台のRFIDリーダがCSMA/CAで分散協調制御している AFA:Automatic Frequency Allocation (開きチャネルを探す) Non-AFA: 各RFIDリーダは固定チャネル 分散協調制御によって公平なリソース割り当てができる 自動チャネル割り当てによって大幅に周波数利用効率を改善できる

  39. CSMA/CAによる優先トラヒックの実現シミュレーションモデルCSMA/CAによる優先トラヒックの実現シミュレーションモデル 優先リーダ 出力 36dBm キャリアセンスレベル -74dBm キャリアセンス時間 5msec 非優先リーダ 出力 13dBm キャリアセンスレベル -64dBm キャリアセンス時間 10msec リーダ/ライタのボアサイトは水平 xy 面( 面)内でランダムに与える 1 1 2 2 3 3 4 4 5 5 11 11 12 12 13 13 13 14 14 14 15 15 21 21 22 22 23 23 23 24 24 24 25 25 y y y y 31 31 32 32 33 33 33 34 34 34 35 35 41 41 42 42 43 43 43 44 44 44 45 45 x x x x 20m 80m 非優先リーダがリーダ23の近接に配置される 優先リーダも非優先リーダもチャネル1-9を利用する

  40. CSMA/CAによる優先トラヒック検討結果 非優先リーダ キャリアセンス時間に差分をつけることで、自律分散制御によって優先トラヒックを実現することが可能

  41. 3基本チャネルを用いる非優先リーダが14chまで使う場合3基本チャネルを用いる非優先リーダが14chまで使う場合 非優先トラヒックの チャネル 低出力型リーダ 優先トラヒック のチャネル →3基本チャネルを用いる非優先トラヒックは自動周波数選択により競合する優先トラヒックのない11チャネルへ分散協調制御によって移動する

  42. RFIDリーダを高密度に配置する際の問題=電波干渉RFIDリーダを高密度に配置する際の問題=電波干渉 (1)タグからの反射波電力が小さいため他リーダおよび別無線システムから保護する必要がある CSMA/CAで保護可能 (2)リーダ受信の問題が解決しても、タグ受信干渉が問題になる可能性がある。タグの受信帯域が広いためである。 被干渉電子タグシステム 被干渉リーダ (2) 変調信号/CW タグ 反射波 (1) 干渉リーダ 変調信号/ CW 干渉電子タグシステム

  43. タグ受信部の必要CIR 離隔距離5倍 離隔距離3倍 近接リーダが近接チャネルを使う場合には必要CIRが大きくなる 近接リーダはできるだけ離れたチャネルを使うことが望ましい

  44. タグ受信ビートの要因 アンテナ LPF 補間フィルタ 検波ダイオード ・検波ダイオードの非線形性のためビートが発生 ・LPFは最大伝送速度に対応できる帯域幅を有する ・LPF帯域幅内に生じるビートは取り除くことが難しい

  45. 実際のビート成分 近接したチャネルだとタグ復調時にビートが生じてしまう

  46. 空きチャネル検索アルゴリズム • 即時法:空いているチャネルをすぐ使う • 最小電力法:すべてのチャネルを検査し、雑音最小なチャネルを使う • 重み付き法:近傍チャネルの干渉状況を考慮してチャネルを評価し、評価がもっとも高いチャネルを使う 3つのアルゴリズムの有効性を数値シミュレーションで評価

  47. 重み付き法 Weight function Carrier sense level 1 2 3 4 5 Channel

  48. 計算モデル 評価法 ・ボアサイトを100回ランダムに変更して、チャネル選択アルゴリズムによる15秒間の総送信時間を比較 ・選択チャネル間隔の比較(できるだけ離調したチャネルを選択しているほうが性能がよい) 7 8 9 5m 4 5 6 y 1 2 3 x EIRP 36dBmのリーダライタ9台が5チャネルをキャリアセンス-74dBmで共有

  49. 送信時間の比較 即時法を用いると、周波数利用効率が最小電力法と重み付き法に比して3/4程度に劣化する

  50. タグ受信CIRが劣化する条件 CIRが悪くなった条件(重み付き法) 7 8 9 5m リーダが正対している場合よりも平行配置している際に注意が必要 4 5 6 y 1 2 3 x

More Related