1 / 33

PHENIX 実験と東大 CNS における GEM と GEM を用いた検出器の開発

1/31. PHENIX 実験と東大 CNS における GEM と GEM を用いた検出器の開発. 東京大学原子核科学研究センター ( 東大 CNS) 浜垣研 D2 織田勧 2006 年 12 月 21 日 ( 木 ) 学術創成「リニアコライダー実験での 革新的測定器システムの開発研究」 第 1 回研究会. 2/31. わたしたちは.

mira-burke
Download Presentation

PHENIX 実験と東大 CNS における GEM と GEM を用いた検出器の開発

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. 1/31 PHENIX実験と東大CNSにおけるGEMとGEMを用いた検出器の開発 東京大学原子核科学研究センター(東大CNS) 浜垣研D2 織田勧 2006年12月21日(木) 学術創成「リニアコライダー実験での 革新的測定器システムの開発研究」 第1回研究会

  2. 2/31 わたしたちは • 2000年からアメリカ・ブルックヘブン国立研究所のRHIC加速器のPHENIX実験で核子当り100GeVのエネルギーで原子核(p, d, 63Cu, 197Au)を衝突させて、高温で高密度の極限状態を作り出し、クォークが閉じ込めから開放されたクォーク・グルオン・プラズマ(QGP)相を生成し、その性質を探っています。 PHENIX 実験 RHIC加速器

  3. 3/31 カイラル対称性の回復を捉えたい • QGP生成の数多くの兆候が得られている。 • しかしQGPの性質は予期していたものと違ったので、様々な観点から研究を深める必要がある。 • QGP相への相転移と同時にカイラル対称性が回復して、ハドロンの質量が変化すると予想されている。 • 電子は強い相互作用をしないので、ベクトル中間子のe+e-への崩壊モードで測定することで、質量変化をとらえることができる。 r (m = 770MeV, t ~ 1.3fm/c)  e+e- w (m = 782MeV, t ~ 20fm/c)  e+e- f (m =1020MeV, t ~ 40fm/c)  e+e-

  4. 現状 • p0e+e-g(Dalitz崩壊)、ge+e-(gamma conversion)が多大なバックグラウンドになる。 • e+e-のopening angleで区別する。 • ベクトル中間子 : 角度大 • Dalitz, conversion : 角度小 • 電子の識別とトラッキングを行ないたい。 • バックグラウンドを200分の1にすることが目標。 期待 4/31

  5. 5/31 http://www.phenix.bnl.gov/WWW/TPCHBD/ TPCとHBD (2001年時点)Hadron Blind Detector 2つの検出器が 一体化している Drift regions Readout plane CsI layer Readout Plane (GEM,mMega or PC) HV plane (~ -30kV) Readout Pads r ~ 1 cm f ~ 2 mm Grid

  6. 6/31 HV HBDの動作原理 量子効率 光電子のみを捉える。 窓なし 光電子の 検出効率 CsI光電面 GEM1 GEM2 GEM3 dE/dxの電 子の波高

  7. 7/31 CF4ガスはHBDにもTPCにも良いガス。 HBDに対する利点 - 光電子数がとても多い。 TPCに対する利点(または欠点) - ドリフト速度が速い。 - 拡散が小さい。 でも十分な増幅率を得るには高電圧が必要。

  8. 8/31 B~0 signal electron qpair opening angle Cherenkov blobs e- partner positron needed for rejection e+ ~ 1 m • 問題点 : TPCとHBDを共存させるなら、TPC用の電場をどうやって作るか? • 2005年くらいの結論 : HBDを先に作り、TPCは様子をみて、後で作る。磁場なし。

  9. 9/31 electrons hadrons 今秋、HBDできました。 • GEM • 23cmx27cm (CERN製) • ストリップにして一部が死んでも困らないようにしている。 • 今年10月に設置。 • 来年1月から本実験を開始する予定。

  10. The GEM stacks 10/31 • GEMs produced at CERN • Tested for 500V in air @ CERN • Framed & tested @ WIS for gain uniformity • Tested at SUNYSB prior to installation • Gain uniformity between 5% and 20% • GEM statistics • 133 produced (85 standard, 48 Au plated) • 65 standard, 37 Au plated passed all tests • 48 standard, 24 Au plated installed • GEMs combined into stacks are matched to minimize gain variation over the entire detector • All GEMs pumped for many days under 10-6 Torr prior to installation into detector 20% 5% Quark Matter 2006, A. Milov http://www.sinap.ac.cn/qm2006/ppt/Parallel/Parallel%201.4/2%20milov_hbd_session1_4_talk2.ppt

  11. 11/31 10cm 10cm 東大CNSにおけるGEM-TPCの開発 • 2001年から2004年にかけて開発しました。 • 結果をまとめた論文が今年出版されました。 • T.Isobe et al., Nucl. Instr. and Meth. A 564 (2006) 190. • S.X. Oda et al., Nucl. Instr. and Meth. A 566 (2006) 312. End cap Field cage 36x17x17cm3 115 strips Preamp Gas vessel 60x29x29cm3

  12. 12/31 CF4ガスとワイヤーTPC • 位置分解能 • パッド方向100mm • ドリフト方向500mm Readout

  13. 13/31 GEM-TPCの性能評価のためのビームテスト • 2004年5月にGEM-TPCの性能評価のためのビームテストをKEK PS p2ビームラインで行なった • ガスは3種類 • Ar(90%)-CH4(10%)(P10), Ar(70%)-C2H6(30%), CF4 • GEM-TPCの評価項目 • 検出効率(1GeV/c p) • 位置分解能(1GeV/c p) • ビームレートの影響(2GeV/c e,p,p) • エネルギー損失の測定(0.5-3GeV/c、e,m,p,p,d) • 磁場は無し セットアップ

  14. 14/31 GEM-TPCの信号 Ar-C2H6, ドリフト長85mm, 長方形パッド(1つ1.09mm x 12mm) 1GeV/c 電子ビームのとき ADC 飛跡 時間(6.4ms=640bin, 1bin=10ns)

  15. 15/31 1st 2nd 3rd Ar-C2H6 99.6% CF4 99.8% Ar-CH4 99.3% 測定結果1:検出効率 1. 1番目と3番目のパッドの列にヒットがあるイベントを取って来る。 2. 2番目のパッドにヒットがある割合を検出効率として用いた。 結果: 十分大きな増幅率では99%以上の検出効       率が得られた。

  16. 16/31 測定結果2:位置分解能 パッド方向 X 1. パッド3列ごとに、電荷を重みにした加重平均によりX方向(パッド面内)とZ方向(ドリフト方向)の位置を求めた 2. 前後の2列から求めた位置と真ん中の列での位置との残差から、X方向とZ方向の位置分解能を求めた 結果 • 最も良かったのは、Ar-C2H6で、長方形パッドで、ドリフト長13mmのとき、分解能は80mm(X方向)、310mm(Z方向)だった。 • ジグザグ形パッドでも位置分解能は良くならなかった ドリフト方向 Z

  17. 目的 イオンフィードバックが抑えられるかどうかを検出効率、位置分解能を見ることで調べる ビームスリットの幅を変えることでビームレートを変化させた ビームレートは2.5cm角のプラスチックシンチで数えた ガスはAr-CH4, ドリフト長は85mm 結果 レートを大きくしても(<5000cps/cm2)、高い検出効率が得られた。位置分解能は10%程度悪化した RHIC (Au-Au, √sNN=200GeV) <dNch/dh>|h=0=170, Luminosity=1.4x1027/cm2/s, sinel=7barn  ⇒300cps/cm2 : 衝突点から30cm LHC (Pb-Pb, √sNN=5.5 TeV) <dNch/dh>|h=0~1000, Luminosity~1x1027/cm2/s, sinel~8barn  ⇒1400cps/cm2 : 衝突点から30cm 17/31 測定結果3:ビームレートの影響

  18. 18/31 測定結果4: dE/dxの測定による粒子識別 1.0GeV/cのp+の エネルギー損失 • 0.5 ~ 3.0GeV/cの運動量の領域でエネルギー損失を測定した • 増幅率が変動したので、パイオンが計算上の値になるように補正した(最大30%) • ガスはAr-CH4, ドリフト長は85mm • 大型のTPCの場合のエネルギー分解能を、1GeV/cでの測定した分布をもとに評価した • 飛跡が50cmのときに、エネルギー分解能は パイオン で9.1%、陽子で8.0%になると推測される • これはBNLのRHICのSTARのTPCの性能(飛跡長67cm以上で8%)より良い 1.0GeV/cのp+とpの50cmの飛跡で予想される エネルギー損失 pに対して99%の検出効率で、p+のrejection factor 180 p+ p

  19. 19/31 GEM-TPCのまとめ (2005年初め) • 高レート・高粒子密度下で使える飛跡検出器を目指し、GEM-TPCのプロトタイプを製作した • GEM-TPCの性能評価のためにビームテストを行なった • 検出効率 : 3種のガスとも99%以上 • 位置分解能 : 80mm (パッド方向), 310mm (ドリフト方向) (Ar-C2H6、ドリフト長13mm) • ビームレート : 5000cps/cm2でも検出効率、位置分解能の悪化は小さかった(Ar-CH4) • エネルギー損失 : 50cmの飛跡で8-9%の分解能が期待できる(Ar-CH4) • 実機の導入に向けての課題 • GEM : 放電対策、大型化 • 磁場中でのテスト • シミュレーション • 読み出しチャンネル数を多くしたい • 高速、低ノイズ、小型、安価なエレクトロニクス GEM-TPCはPHENIX実験で使えそう。

  20. 20/31 日本でのGEM開発 2002年から理研・渕上ミクロ・サイエナジー • M. Inuzuka et al., Nucl. IM A 525 (2004) 529. • ドライエッチング • レーザーエッチング+プラズマエッチング • 円筒形の穴 CERN-GEM CNS-GEM エッチング方法 plasma+laser chemical plasma 穴の断面図 bi-conical shape cylindrical shape

  21. 21/31 増幅率の時間安定性 • 穴のでっぱりが増幅率に関係していそう。 • GEMの表面にごみが付着していると増幅率がより変動するようだ。

  22. 22/31 これからもより良いGEMを開発したい • 物質量を減らす。 • ポリマーの厚みを大きくして、使う枚数を減らす。 • 100mm, 150mm(GEM3枚で得られる増幅率を1枚で実現する。) • アルミGEM • 技術的に難しいことがわかった。 • 銅の層を薄くする 5-8mm200nm • 放電確率を減らす。 • 長年の課題 • 以前よりは格段に安定になってきた。 • でもCF4では十分安定とは言えない。

  23. 23/31 厚いGEMの増幅率 • 150mm-GEM • 100mm-GEM (Gain3/2) [理研玉川さん達の測定結果] • Standard-GEM (3層構造) 150mm-GEM 270V/50mm (Gain=約4000) で放電。 38762 10688 • 150mm-GEM,100mm-GEMは同じVGEM/50mmでStandard-GEM(3層)よりもはるかに高いGainを達成。 • 300V/50mmにおけるStandard-GEMとのGain比 • Standard-GEM:150mm-GEM = 1 : 1646 • Standard-GEM:100mm-GEM = 1 : 454 23

  24. 24/31 A A イオンフィードバック X線 (約17keV) chamber ArCH4 50mm メッシュ電流 Shield Ic 3mm HV1 Mesh(cathode) ドリフト領域 3mm Ed HV2 GEM3 Ed =0.33(kV/cm) 2mm GEM2 R 2mm GEM1 • VGEM を上げるとF が下がる • GEM3枚のときは2枚や1枚と比べてF が大きい • Tripleの曲線は高いVGEM でDouble, Singleの曲線へと近づく Pad(anode) 2mm パッド電流 HV1<HV2 Ia 典型的な値:HV1=-2200V, HV2=-2100V,VGEM=350V

  25. 25/31 HV1 HV2 Ed R R’ Et Ei • Edが大きくなるとF が大きくなる • Ed を十分小さくすることで、イオンフィードバックを5%以下に抑えることに成功 •  低いEd でも、要求される分解能や検出効率を達成できるか検討中 R’/ R = 0.5 1 2 Ed =0.5 kV/cm Ed =0.33kV/cm VGEM=320(V) ●Et /Ei = 0.5 ▲Et /Ei = 1 ■Et /Ei = 2 • Et / Ei が大きいほどF が小さくなる • イオンフィードバックFはEd依存性に比べてEt依存性が小さい Ei = 1.55-1.75 [kV/cm]

  26. 26/31 シミュレーション • 電場 Maxwell 3D • ガス Garfield 電場計算結果 • 穴中の電位分布 • VGEM = 350 V 電子の進行方向 350 V CERN-GEM CNS-GEM

  27. 27/31 実験結果とSimulation結果の比較 • CNS-GEM (Monte-Carlo) • CERN-GEM (Monte-Carlo) • CNS-GEM (Experiment) • CERN-GEM (Experiment) • CNS-GEM (Runge-Kutta) • CERN-GEM (Runge-Kutta) B [1/V] GainCNS/GainCERN 0.034 1.08 Monte-Carlo 0.024 1.06 Experiment 0.017 1.07 Runge-Kutta Gainの絶対値・fit functionのslopeはともに一致しないが、 GainCNSとGainCERNの比はほぼ一致している。

  28. 28/31 東大CNSでもHBDを開発しています。 回折格子 PMT • Ar/CH4(90/10)中での CsI GEMの量子効率 Half mirror ( MgF2 ) 真空紫外分光器 50 ~ 300 nm 分解能 0.5nm GEM光検出器 重水素ランプ 115 nm ~ 400 nm MgF2 window ( Cutoff 115nm ) • 180nmで10%程度の量子効率がある。 • 180nm以下で量子効率が下がっている。 波長( nm )

  29. 29/31 • 広島大学放射光科学研究センターのREFER(150MeV電子)で現在テスト中。 • GEM(サイエナジー) • CsI蒸着(浜松ホトニクス) • プリアンプ(CNS, KEK) • Ar/CH4(9/1), Ar/CF4(5/5), CF4 • GEMは動作しているが、 加速器のノイズが大きくて大変。 • J-PARCでの実験での使用を目標に開発中。 • http://j-parc.jp/NuclPart/pac_0606/pdf/p16-Yokkaichi_2.pdf • 10cmx10cm GEM 2,700枚を使う。

  30. 30/31 GEMの応用のために中性子検出器用2次元読み出し回路も開発中です。 • n+10B7Li+a • n+Gde-+g • 自動車のエンジン内部の液体の動作を捕らえる。 • ピクセルに届いた電荷を順番にスイッチングして、少数のADCで毎秒1000フレームで読み出す。 • 目標位置分解能数十mm • X線イメージングにも使える。

  31. 31/31 まとめ • QGP相転移にともなうカイラル対称性の回復によるベクトル中間子の質量変化を調べるためにPHENIX実験にGEMを用いた検出器がインストールされた。来月からデータ収集開始予定。 • GEM-TPCは高エネルギー重イオン衝突実験で使うことができるだろう。 • 日本で開発しているGEMは安定に動作するようになって来た。 • よりよいGEMの開発。 • GEMを用いた検出器の開発も進めている。

  32. 浜垣研 現+元メンバー + 関連のある人たち 浜垣秀樹、小沢恭一郎、犬塚将英、坂口貴男、木野幸一、松元貴志、亀谷聡一朗、洞口拓磨、梶原福太郎、郡司卓、磯部忠昭、栗原成美、織田勧、森野雄平、斎藤翔太、荒巻陽紀、山口頼人、佐野哲、菅原章太、玉川徹、四日市悟、真木祥千子

  33. People in PHENIX-HBD project • Weizmann Institute of Science (Israel) A.Dubey, Z.Fraenkel, A. Kozlov, M.Naglis, I.Ravinovich, D.Sharma, L.Shekhtman (on leave from BINP), I.Tserruya (project leader) • Stony Brook University (USA) W.Anderson, A.Drees, M.Durham, T.Hemmick, R.Hutter, B.Jacak, J.Kamin • Brookhaven National Lab (USA) B.Azmoun, A.Milov, R.Pisani, T.Sakaguchi, A.Sickles, S.Stoll, C.Woody (Physics) J.Harder, P.O’Connor, V.Radeka, B.Yu(Instrumentation Division) • Columbia University, Nevis Labs (USA) C-Y. Chi • University of Tokyo (Japan) T. Gunji, H.Hamagaki, M.Inuzuka, T.Isobe, Y.Morino, S.X.Oda, K.Ozawa, S.Saito • RIKEN (Japan) S. Yokkaichi • Waseda University (Japan) Y. Yamaguchi • KEK (Japan) S. Sawada

More Related