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論文紹介 「 Chromosphereic Diagnostics 」 (Uitenbroek, ASP Conf. Series, 2006, vol.354, 313-323)

論文紹介 「 Chromosphereic Diagnostics 」 (Uitenbroek, ASP Conf. Series, 2006, vol.354, 313-323). 藤村大介( NAOJ/ 東京大学 ) SXT Seminar 2008/09/22. Abstract. 彩層を観測するのに使用されるラインの formation height を求める方法について紹介。  → Eddington-Barbier Relation, contribution function, response function の 3 種類。

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論文紹介 「 Chromosphereic Diagnostics 」 (Uitenbroek, ASP Conf. Series, 2006, vol.354, 313-323)

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  1. 論文紹介「Chromosphereic Diagnostics」 (Uitenbroek, ASP Conf. Series, 2006, vol.354, 313-323) 藤村大介(NAOJ/東京大学) SXTSeminar 2008/09/22

  2. Abstract • 彩層を観測するのに使用されるラインの formation height を求める方法について紹介。 •  →Eddington-Barbier Relation, contribution function, response function の3種類。 • non-LTE conditionが支配的な彩層では response function を使うのが最適である。 • NaID1, CaII, Hαなどのresponse funcitonを図示。 • Hαの例から、現在の彩層モデルでは磁場の影響を考慮できていないことが分かる。

  3. 1. The Chromosphere - 1 • 肉眼による彩層の観測→日食の前後、HαとHβの混合によってcrimson emissionが見られる。 • これらBalmer line を中心とする narrow wavelength band を使用することでも観測される。 • 光球と彩層の構造は大きく異なる。 • 光球-hydrodynamic force がドミナント •  彩層-magnetic force がドミナント

  4. 1. The Chromosphere - 2 • 彩層におけるemissionの観測は、1次元・静水圧平衡を仮定したシミュレーションと比較されてきた。 •  →VAL model(Vernazza et al., 1973, 1976, 1981) • but時間・空間依存性を考慮したシミュレーションの結果はVAL model に対して否定的である (Carlsson & Stein, 1994, 1997, 2002)

  5. 1.1 Observing Considerations • 彩層における pressure scale height,sound speed, sound crossing timeは                 ←exposure timeはこれ以下

  6. 1.2 Observable - 1 • 彩層を観測するのに適したlineは限られている。 •  →光球から来る光との混同を避けるため、optically thick である必要がある。 1,UV連続光 (λ>160nm) 長所:Doppler shift の影響によってintensity, velocity modulation が混合することがない。 短所:fluxが少ないので観測が難しい。

  7. 1.2 Observable - 2 2, UV lines 長所:UV連続光よりはfluxが大きい。 短所:Doppler shiftの影響でmodulationが混ざる可能性がある。 3, 可視光:CaII&K, HIβ, MgIβ, NaID, HIα, CaII IR triplet, HeI 1083 2と同様の理由で解釈は難しい。 4、 ミリ波・サブミリ波の連続光

  8. 2. Estimation for Formation Height • Radiative Transfer Equationと、それをintensityについて解いた一般解は、 I : intensity s : path length η : emission coefficient χ : absorption coefficient S : source funciton τ : optical depth

  9. 2.1 Estimate with Eddington - Barbier Relation - 1 • Source functionが S=a+bτ と表せるとすると、前ページの式から I=a+b=S(τ=1) が導かれる。 •  →一次近似ではintensityはτ=1の高度におけるsource function の値に等しいことが分かる。 • (τ=1になる高度は、密度、イオン化・励起の度合、ドップラーシフトに依存する) • 二次元流体シミュレーションによるNaID1 (λ=589.597 nm) のsource functionを表した図(次ページ)→

  10. 2.1 Estimate with Eddington - Barbier Relation - 2 高度low:Nonlinear 高度high:Linier

  11. 2.2 The Contribution Function - 1 • 積分変数を高度zに書き換えると、 • Cλ(z)はatmosphere がどれだけintensityの増加に貢献するかを表す関数→contribution function • NaID1の中心波長における contribution function (quiet Sunにおける1次元モデル)→(次ページ)

  12. 2.2 The Contribution Function - 2 Far wing: photosphereCore: Higher Layer @800km どの波長領域でも100~200km程度のcontributionを受ける。

  13. 2.2 The Contribution Funciton - 3 • z:小 → τ:大 → Cλ(z) が消える • z:大→dτ/dzが無視できるほど小さくなる。 •    →この中間が intensity に寄与する領域。 • Eddington-Barbier relation 長所:formation heightを一次近似で見積もる。 短所:intensity に寄与する高度・source functionの値を考慮に入れていない。→ contribution functionで解決!

  14. 2.3 The Response Function- 1 • Contribution Function accounts for ○ opacity, source function × 別の高度からの大気の影響 • 例:non-LTE condition (大気密度が excitation, de-excitation, scattering などの影響を受ける) • このような擾乱を考慮するためには新たな関数が必要である。それが Response Function である。

  15. 2.3 The Response Function - 2 • Response Function R(z)は、ある Physical Property X(z)に対する重み関数として定義される。   →Stokes (I,Q,U,V)のいずれにも適用できる。 • 擾乱を表す式に変形すると、   →これから Response Function を導出する。

  16. 2.3 The Response Function - 3 • ΔX(z)に以下のような式を代入する。 (Hはstep関数:1(z’<=z) 0(z’>z)) • これを前ページの式に代入すると、

  17. 2.3 The Response Function - 4 • 3つの方法とも大気モデルが必要である。 Eddington-Barbier Relation・Contribution Function   →Source FunctionとOpacityが必要。 Response Function   →擾乱モデルが必要。 • 大気モデルを間違えると、line formation height も正確に計算することが出来ない。

  18. 3. Comparison of Formation Height Estimates for CaII K - 1 • formation heightsをestimate する。  →continium,K1,K2(reversal),K3 lineについて、Eddington-Barbier relation, contribution function, response funcionから計算する。(quiet Sunの静水圧平衡を仮定、plane-parallelモデルを使用) • continium,K1:contribution function とresponse functionはほぼ等しい • K2,K3:response functionはcontribution functionに比べて幅広く、ピークの高度は低い。

  19. 3. Comparison of Formation Height Estimates for CaII K - 2 実線:Contribution Function 破線:Response Function 点線:Eddington - Barbier Relation

  20. 3. Comparison of Formation Height Estimates for CaII K - 3 実線:Source Funcrtion 破線:Planck Function

  21. 3. Comparison of Formation Height Estimates for CaII K - 4 • contribution functionでは non-LTE conditionを前提としてformation height を求めている。 • continium,K1=高度~700km LTE condition が成り立っている。 • K2,K3=高度700km~ 散乱が起こるので non-LTE conditionに支配される。 →大気の擾乱がある場合、contribution functionでは正確にformation heightを求めることができない。

  22. 4. Response of Chromospheric Lines to Magnetic Fields- 1 • 磁場が存在する場合の彩層の大気モデルはより難しく、いまだ確立されていない。 彩層:non-LTE conditionが支配的  光球:LTE conditionが支配的 • しかしSchaffenberger (2006)によるプログラムによって、Stokes I,Vに対する Response Functionが計算された。(Model FALCによって計算、磁場1000G)

  23. 4. Response of Chromospheric Lines to Magnetic Fields - 2 • 前に出てきた式の Physical Property の擾乱ΔX(z)に磁場を代入、これを逆関数として解く。 • CaII (854.21nm)における、磁場に対するStokes I,Vの Response Functionを図示する(次ページ) • Non-LTEconditionによって複雑な構造 •   →Stokes Vの場合、同じ波長であっても、高度によって Response Function の正負が逆転する!

  24. 4. Response of Chromospheric Lines to Magnetic Fields - 3

  25. 4. Response of Chromospheric Lines to Magnetic Fields - 4 高度500~800km :磁場増加→circular polarization減少 高度800~1100km:磁場増加→circular polarization増加

  26. 4. Response of Chromospheric Lines to Magnetic Fields - 5 • なぜこのような結果になるのか? 1、磁場が増加する(ΔB>0) 2、左右偏光成分に分裂する。 3、中心波長における吸収量が減る。 4、物質のopacityが減少する。 5、同じoptical depth に至るまでのpath lengthが伸びる。 6、formation height が低くなる。 7、これによってsource functionは?

  27. 4. Response of Chromospheric Lines to Magnetic Fields - 6 実線: Source Function 破線: Planck Function 点線: Τ=1 の高度 高度500~800km :source function 減少→ CP 減少 高度800~1100km:source function 増加→ CP 増加

  28. 4. Response of Chromospheric Lines to Magnetic Fields - 7 • 次ページ以降に、Na I D2 における、磁場に対するStokes IVの response functionを図示する。 • Stokes V の response function はCaIIほど複雑な構造をしていない(同波長において response functionの正負が反転したりしない)

  29. 4. Response of Chromospheric Lines to Magnetic Fields - 8 内側ではresponse functionは正、外側では負となる。

  30. 4. Response of Chromospheric Lines to Magnetic Fields - 9 • 前ページのようになる理由。 1、Zeeman splitting によってline coreが広がる。 2、opacityが減少(内)、増加(外)する。 3、path lengthが増加(内)、減少(外)する。 4、formation height が下降(内)、上昇(外)する。 5、intensityが増加(内)、減少(外)する。 (∵光球では高度が高いほど低温である)

  31. 4. Response of Chromospheric Lines to Magnetic Fields - 10 高度500km付近が感度高、1000km辺りまでtailが伸びている。

  32. 5. Na I D Dopplergram in a Two-Dimensional Atmosphere - 1 疑問: Na I D2ラインにおいて、速度に対して感度を持つ高度領域は? 解決法: 1, filter positionをline center から±7.5pmの場所にセットする。 (filter functionは、半値幅7.5pmのガウス関数型) 2、短波長側と長波長側のintensityを比較する。             

  33. 5. Na I D Dopplergram in a Two-Dimensional Atmosphere - 2 Blueshift: 短波長側<長波長側 Redshift : 短波長側>長波長側   3、intensityの差分からresponse functionを求める。 4、図(次ページ)から、NaID2ラインにおいて速度に対して感度を持つ高度はおよそ200~600kmである。

  34. 5. Na I D Dopplergram in a Two-Dimensional Atmosphere - 3

  35. 6.Response Functions of Hα to temperature and velocity- 1 • 彩層の形状はHαで観測されてきたが、このスペクトルは解釈が難しい。 • HαはHの基底状態よりも10eVほど準位が高い。 →低温領域ではHαの量は限られる。  (HがHαに励起するのに必要な高エネルギー電子が不足している) • よってHαのintensityに対する寄与は、光球と彩層上部が中心であり、彩層の観測は難しい。

  36. 6.Response Functions of Hα to temperature and velocity- 2 • Hαにおける、Stokes I の温度・速度に対するresponse function を、放射流体シミュレーションによって求めた。  (Carlsson & Stein, 2002) • Wing:photosphere    温度が増加→intensityも増加 • Core:upper photosphere    温度が増加→intensityは減少

  37. 6.Response Functions of Hα to temperature and velocity- 3 彩層上部にも Response Function の Component を持つ。

  38. 6.Response Functions of Hα to temperature and velocity- 4 • Coreでresponse function が負である理由。 1、微小の温度上昇 2、n2(Hの一次励起状態)の密度が急上昇 3、Hαのopacityが増加 4、path lengthが減少 5、line formation height が上昇 6、source functionが減少→intensityが減少 (∵光球では高度が高いほどSは小さい)

  39. 6.Response Functions of Hα to temperature and velocity- 5 • 次ページは、Hα線の速度に対するresponse functionを表したもの。 • 下層から音波が上昇してきた時の様子をシミュレーション→profile全体はblueshiftする。 blue wing (negative response)=intensity減少 red wing (positive response)=intensity増加

  40. 6.Response Functions of Hα to temperature and velocity- 6

  41. 6.Response Functions of Hα to temperature and velocity- 7 • このモデルでは、response functionが有効なのは高度500kmくらいまである。 • これはより高いheightのfine structureの動きを撮影したHαのfiltergramと矛盾する。 • →理由は磁場を無視しているせいである。 • 彩層(高度:500~1000km )におけるfine structure は磁場の影響を受ける。しかしこのモデルでは磁場の影響は考慮されていない。

  42. 7. Conclusions- 1 • Contribution Function では formation height をover estimate している可能性が高い。  (LTE, non-LTEいずれの場合も) • Response Function によってより彩層での正確な見積もりが可能になる。 • (別の高度の大気の影響によってsource functionが変化することを考慮に入れている) • (温度、磁場強度、速度の擾乱を加えられる)

  43. 7. Conclusions - 2 • line formation estimate には、transfer equation の数値的な解と大気モデルが必要。モデルの選択を間違えると、line formationの見積もりもおかしくなる。 • 現在の彩層モデルには磁場をはじめとする重要な要素が欠落している。 (Hα線における、Stokes Iの速度に対する response function) • しかしこれらを考慮したシミュレーションも試みられている。 (Gudisken,2006)

  44. ~終了~

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