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動的計画法. 表の作成 制約の追加 練習問題. 動的計画法とは. • (組合せ最適化などの)問題を解く解法のひとつ • 問題が直線的な構造を持つとき、その構造にそって反復的に解く • 特徴は、簡単な問題をたくさん解き、その解の表から、ひとつずつ問題を解く、というもの。最終的に、解きたい大きさの問題が解ける. サブセットサム問題. • n 個の数( a 1 ,…,a n )がある。これらの数の組合せで、合計がちょうど b になるようなものがあるか? 例題) 15, 24, 65, 32, 4, 55, 54, 23
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動的計画法 • 表の作成 • 制約の追加 • 練習問題
動的計画法とは • (組合せ最適化などの)問題を解く解法のひとつ •問題が直線的な構造を持つとき、その構造にそって反復的に解く •特徴は、簡単な問題をたくさん解き、その解の表から、ひとつずつ問題を解く、というもの。最終的に、解きたい大きさの問題が解ける
サブセットサム問題 • n 個の数(a1,…,an)がある。これらの数の組合せで、合計がちょうど bになるようなものがあるか? 例題) 15, 24, 65, 32, 4, 55, 54, 23 の組合せで合計が 145 となるものはあるか?
サブセットサム問題 (2) •n 番目の数だけ取り除いた問題を考える • 元の問題に合計 bの組合せがある 取り除いた問題で合計 bか b - an の組合せがある 例題) 15, 24, 65, 32, 4, 55, 54, 23 の組合せで合計が 145 となるものはあるか? 15, 24, 65, 32, 4, 55, 54 の組合せで合計が 145 か122 となるものはあるか?
分枝限定法で解く • 要素 anから順番に、使う/使わないを決め、問題を分割し、再帰的に解く 最後の 23 を取り除く 問題0: 15, 24, 65, 32, 4, 55, 54 合計 145 はある? 問題1: 15, 24, 65, 32, 4, 55, 54 合計 122 はある? 同様に 問題00: 15, 24, 65, 32, 4, 55 合計 145 はある? 問題01: 15, 24, 65, 32, 4, 55 合計 91 はある? 問題10: 15, 24, 65, 32, 4, 55 合計 122 はある? 問題11: 15, 24, 65, 32, 4, 55 合計 68 はある?
分枝限定法で解く (2) • 問題11111: 15, 24, 65 合計 -23 となるものはあるか? • 問題000: 15, 24, 65, 32, 4 合計 145 はとなるものはあるか? • こういった明らかに実行不能な問題は、すぐに答えが分かる 最悪で O(2n) 時間かかる
動的計画法 アイディア: • 0から bまでの全ての数について、合計がその数になる組合せがあるかどうかを調べ、表を作る • anを取り除いた問題で、組合せてできる数を全て調べる 元の問題で組合せてできる数は、 これらに anを加えた/加えないもの 1つ数を取り除き、小さくした問題の、 すべてのbについての答えの表を作れればよい
アルゴリズム • f( i, m ) : a1 ,…,aiの組合せで、和が m となるものがあれば1、そうでなければ 0 •i = 1,…,nに対して、以下の操作を実行する。 全ての 0≦m≦ bに対して、 f( i, m )を計算する • f(i,m) = 1 f(i-1,m) =1 または f(i-1,m-ai) =1 • f(i,m) = 0 f(i-1,m) =0 かつ f(i-1,m-ai) =0 • f(1,m) は簡単に計算できる 計算時間は O(nb)
動的計画法コード •a[0],…,a[n-1] に数値を格納 DP_setsum (int *a, int n, int b){ inti, j, f[b+1]; for ( j=0 ; j<=b ; j++ ) f[j] = 0; f[0] = 1; for ( i=0 ; i<n ; i++ ){ for ( j=b-a[i] ; j>=0 ; j-- ){ if ( f[j] = = 1 ) f[j+a[i]] = 1; } } for ( j=b ; j>=0 ; j-- ){ if ( f[j] = = 1 ){ printf (“%d\n”, j ); break; } } }
もっと短いやつ •a[0],…,a[n-1] に数値を格納 DP_setsum (int *a, int n, int b){ inti, j, f[b+1]; for ( j=0 ; j<=b ; j++ ) f[j] = j; for ( i=0 ; i<n ; i++ ){ for ( j=b-a[i] ; j>=0 ; j-- ){ if ( f[j] < f[j+a[i]] ) f[j+a[i]] = f[j]; } } printf (“%d\n”, b-f[b] ); }
どっちが速い? • 分枝限定法 : O(2n) 時間 • 動的計画法 : O(nb) 時間 だいたい、 2n >b ならば動的計画法が速い n = 30 ⇒ 2n ≒ 10億
ウィークポイント • 数に小数があるときは、表に当てはまらない数が出てくる ある程度の桁数までなら、小数点以下の数を 1単位とした表を作ればよい • それでも、循環小数・無理数のような数があると計算できない
メモリを省略 • サブセットサム問題を解く動的計画法は、b が大きいと、大きなメモリと時間を消費する • 精度を犠牲にして、メモリと時間を節約する方法がある • 表のマスを、縦 ε個ずつまとめる 縦のマスの数は b/ε個に減る • (x,y) のマスに書き込む代わりに、 (x, Ly/ε」) に書き込む エラーが最大 ε-1 発生 n 反復繰り返すと、エラーの最大は n(ε-1) 誤差が n(ε-1) の範囲のものしか見つけられないが メモリと時間は 1/εにできる
サブセットサムの解の数 • n 個の数(a1,…,an)がある。これらの数の組合せで、合計がちょうど bになるようなものは、いくつあるか? • 15, 24, 65, 32, 4, 55, 54, 23 の組合せで合計 145 となるものはいくつ?
動的計画の拡張 • f( i, m ) : a1 ,…,aiの組合せで、和が m となるものの数 •i = 1,…,n、m = 0,…,bに対して、 f( i, m )を計算する • f( i, m ) = f( i-1, m ) + f( i-1, m-ai) • f( 1, m ) は簡単に計算できる 計算時間は O(nb)
練習問題 •1,1,2,3,3,4,5,7 の組合せで、 合計 10 となる組合せはいくつあるか?
ちょうど k 個の和 • n 個の数(a1,…,an)がある。これらの数のk個の組合せで、合計がちょうど bになるようなものは、いくつあるか? 例) 15, 24, 65, 32, 4, 55, 54, 23 の中の 4個の数の組合せで 合計 145 となる組合せはいくつ?
動的計画の拡張 • f( i, j, m ) : a1 ,…,aiの j 個の組合せで、 和が m となるものの数 •i=1,…,n、j=0,…,k 、 m=0,…,bに対して、 f(i,j,m)を計算する • f( i, j, m ) = f( i-1, j, m ) + f( i-1, j-1, m-ai) • f(1,j,m) は簡単に計算できる 計算時間は O(nkb)
ナップサック問題 • 最大積載量のあるナップサックに荷物を詰める問題 -荷物はいくつかある -荷物はそれぞれ重さが違う -荷物はそれぞれ価値が違う -荷物の重さの合計は、最大積載量を超えてはいけない このとき、荷物の価値の合計が最大になる詰め込み方を求めよ
ナップサック問題 (2) •荷物 iの重さを ai、価値を ci、ナップサックの最大積載量を b とすると、定式化は max. Σ cixi s.t. Σ aixi ≦ b xi ∈ { 0,1 } •NP-hard 問題である
動的計画の拡張 • f(i,m) : 荷物 1,…,iの組合せで、重さの和がm となるものの中での、 価値の和の最大値 max. Σ cjxj s.t. Σ ajxj= m x1,…, xi ∈ { 0,1 } • f( i, m ) = max { f( i-1, m ), f( i-1, m-ai) + ci} • f(1,m) は簡単に計算できる max. Σ cj xj s.t. Σ aj xj = m xi = 0 x1,…, xi -1 ∈ { 0,1 } max. Σ cj xj s.t. Σ aj xj = m- ai xi = 1 x1,…, xi-1 ∈ { 0,1 } 計算時間は O(nb)
ナップサックDPコード •a[0],…,a[n-1] に重さ、 c[0],…,c[n-1] に価値を格納 DP_knapsack (int *a, int *c, int n, int b){ inti, j, m=0, mx=0, f[b+1]; for ( j=0 ; j<=b ; j++ ) f[j] = -1; f[0] = 0; for ( i=0 ; i<n ; i++ ){ for ( j=b-a[i] ; j>=0 ; j-- ){ if ( f[j] >= 0 && f[j+a[i]] < f[j]+c[i] ) f[j+a[i]] = f[j]+c[i]; } } for ( j=b ; j>=0 ; j-- ) if ( f[j] > m ){ m = f[j]; mx = j; } printf (“weight = %d, profit = %d\n”, mx, m ); }
練習問題 • n 個の数(a1,…,an)がある。これらの数を3つのグループに分け、 1つ目のグループの合計が b1に、2つ目のグループの合計が b2になるようなものはあるか? •この問題を解くための動的計画法を設計しなさい 問題の例)15, 24, 65, 32, 4, 55, 54, 23 を1番目、2番目のグループの合計が 120,110 とするようななる分け方はあるか?
直線構造の利用 •動的計画法のキモは、大きさが小さい問題の解を用いて、現在の問題が解けるかどうか。 •言い方を変えれば、左から右に問題を解いていったときに、自分の答えが、自分の左だけを見て作れるか •これは、ある種の直線構造があるかどうか、と考えていいだろう (現時点の右側を変更しても、左側に影響がない、あるいは影響が簡単なパラメータになる(重みの合計とか、組合せ的でない)) •つまり、直線構造があれば動的計画を使えばいいし、動的計画を使えるかどうかは、直線構造があるかないか (有向非閉路的グラフとか、木も直線構造)
最長昇順列 •与えられた数列の中で、小さい順になっている部分列を昇順部分列と言う 例)1,5,4,7,2,5,3,9,6,8 1,2,6 など •与えられた数列の中から、最も長い昇順列を見つける問題を最長昇順列問題という •この問題は直線構造がある
直線構造はあるか •i番目の数 aiが最後となるような昇順列を考える •このような昇順列の後ろに何を追加しても、前半部分が昇順列でなくなることはない •つまり、もし、aiが最適解に含まれるなら、前半部分(aiより小さな添え字を持つ数)が作る昇順列は、そのようなものの中で最長になっているはず このあたりが直線構造
直線構造はあるか •i番目の数 aiが最後となるような昇順列の中で最も長いものの長さを f(i)とする •i番目の数 aiが最後となるような昇順列は、aj, aj<ai, j<iであるような ajで終わる昇順列の最後に ai を付け足して得られる 各ajまで終わる最長列の中で、最も長いものに aiを付け加えればいい •f(i) =max { f(j) | aj<ai, j<i } +1 • 計算時間は O(n2) • ヒープの亜種に、「添え字がここまでのものの中で最大値は何?」という質問に O(log n) 時間で答えられるやつがあるので、それを使うと、 O(nlog n)
パスの数 •有向サイクルを含まないような、非閉路的グラフの、2点間を結ぶ有向パスの数を計算する
グラフの直線的な構造を利用 •非閉路的なので、グラフの頂点に終点から始点方向に、終点に近いほうが必ず小さくなるような番号付けができる (自分から行ける頂点は自分よりも小さい) •この順番でスキャンすることで、表を作ることはできないが、 数が数えられる 3 6 5 7 2 9 0 4 8 1
番号順にパスの数を数える • グラフが非閉路的なので、頂点 vから終点へのパスの数は、vからいける頂点から終点までのパスの数の総和 番号順に、パスの数を計算すればよい 1+2 11+3 2+3+6 3 3 14+33+40 1+1 14 6 11 5 33 2 7 2 9 87 0 1 6 4 8 40 14+11+2+6 1 1 1+2+3 33+6+1
まとめ •組合せ最適化問題に対する動的計画法の作り方 (漸化式を作れれば良い) •サブセットサム・その変形・ナップサック問題・最長部分昇順列・非閉路的グラフの2点間を結ぶパスの数、に対する動的計画法