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生殖医療福祉概論 2387735 中部 学院 大学 宮嶋 淳. 2014年 放送大学・岐阜学習センター. 授 業 内 容. この授業では、人間の幸せづくりをテーマとし、従来の福祉とは異なる起点を設定しました。 「受精・着床」が起点 人 と 人 とが出会い、新しい家族をつくろうと決めたときからの Human well-being (ヒトとして幸せであり続けること)を考えます。 「子どもが欲しい」という普遍的な願いを、新しい家族形成のためのニーズと捉え、 生殖 に関わる幸せづくりに焦点 生殖 医療 の到達点にも触れながら、
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生殖医療福祉概論2387735中部学院大学 宮嶋 淳生殖医療福祉概論2387735中部学院大学 宮嶋 淳 2014年 放送大学・岐阜学習センター
授 業 内 容 この授業では、人間の幸せづくりをテーマとし、従来の福祉とは異なる起点を設定しました。 「受精・着床」が起点 人と人とが出会い、新しい家族をつくろうと決めたときからのHumanwell-being (ヒトとして幸せであり続けること)を考えます。 「子どもが欲しい」という普遍的な願いを、新しい家族形成のためのニーズと捉え、 生殖に関わる幸せづくりに焦点 生殖医療の到達点にも触れながら、 それを如何に活用し、私たちのニーズを充たしていけるのか
第1回「生殖医療福祉」とは何か 「生殖 + 医療 + 福祉」を統合した造語 「医療福祉学 + 生殖」という領域 日本人の幸せ度に重要な「つながり」≒「出会い」≒遺伝子も
医療福祉学とは 広義には、保健医療と社会福祉を合わせてとらえた総括的な概念。保健福祉学とも。 保健は、医療を除く狭義の保健サービスの意味ではなく、保健医療の総称。 介護、リハビリテーション、医療ソーシャルワーク 狭義には、リハビリテーションや医療ソーシャルワーク
山手茂の「医療福祉学」 医療福祉専門職のチームワークを育てる共通基盤 医療福祉=保健・医療・福祉の総合 医療ソーシャルワーク=患者・家族を対象とするソーシャルワーク
医療ソーシャルワークとは 患者とその家族がかかえる生活問題の解決を図るために専門的援助を行うこと 通常は、医療ソーシャルワーカーが専門的業務として行う。
健康の概念 • 健康とは、完全な肉体的、精神的及び社会的安寧の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。 (WHO) スピリチャルな状態 ↓ 人間として生きる意味など存在意義に かかわる状態。
医療福祉の目的 • 疾病の予防や治療、あるいは社会復帰を妨げられている患者とその家族を対象として、日常生活における様々な社会的障害の除去、あるいは緩和を図りながら、予防や治療、リハビリテーションを含めた包括的医療を国民に権利として提供する。
医療福祉の沿革 • 近代的な医療福祉の萌芽はイギリス • 19世紀後半、アルマナーの活動から • アメリカでは1905年、マサチューセッツ総合病院のキャボット(Cabot, R.C.)が医療ソーシャルワーカーを採用 • わが国では1926(大正15)年、東京・芝の済生会病院、1929(昭和4)年、聖ルカ病院で近代的医療社会事業が始まった。
日本のMSWの歴史(新生期) • 1929年:浅賀ふさ・・アメリカでキャボット、キャノンに学ぶ。 • 1947年:保健所法 • 1948年:出淵みや~杉並保健所の専任SWr • 1949年:全社協がGHQの推奨による3ヶ月間の講習会を開催 • 1951年:中島さつき~東京都衛生局で「医療社会係り」に • 1953年:日本医療社会事業家協会設立 • 1956年:ベックマン報告~医療社会事業の必要性を提言 • 1972年:内田守・野村茂『医療社会事業の実際』
日本のMSWの歴史(発展期) • 1973年:老人医療無料化で「社会的入院」が増加 • 1977年:病院で死ぬ時代に。老人病院の増大 • 1980年代:交通事故による遷延性意識障害の急増等 • 1985年:第一次医療法改正。都道府県医療計画制度導入 • 1989年:医療ソーシャルワーカーの業務指針 • 1992年:第二次医療法改正。病院の機能分化。急性期病院における平均在院日数の短縮化。 • 2003年:国立病院のSWrへの福祉職俸給表の適用 • 2006年:診療報酬改定による「社会福祉士」の位置づけ • 2008年:MSWの業務「退院支援」が診療報酬に位置づけ
2006年の医療制度改革 • 病院に地域医療連携室を
2008、社会保障国民会議報告 • 今後の社会保障が進むべき道筋として、「制度の持続可能性」とともに「社会保障の機能強化」に向けての改革に取り組むべきことを提起。 • 社会保障改革の基本的視点
医療と福祉の関係性を問う視点 • 連続性 • 社会性 • 地域性
人権尊重の医療保障 ① 患者とその家族の人権が尊重される医療の確立 • 生命倫理 • 臓器移植法 • 安楽死と尊厳死 • リプロダクティブ・ライツ・ヘルス • 自己決定権 • 生殖医療
Q.医療福祉とは、医療ソーシャルワーカーの 活動を指していると考えていたのですが、 それで良いのでしょうか?Q.医療福祉とは、医療ソーシャルワーカーの 活動を指していると考えていたのですが、 それで良いのでしょうか?
A.多くの人が医療福祉と聞くと、医療ソーシャルワーカーを思い浮かべるはずです。A.多くの人が医療福祉と聞くと、医療ソーシャルワーカーを思い浮かべるはずです。 それぐらいに、医療福祉の中核を担う役割を医療ソーシャルワーカーが有していることになります。 ただし、医療福祉は、医療ソーシャルワーカーの活動だけを指しているのではありません。 今日の医療福祉とは、医療と福祉が一体的に「生きづらさ、生活のしづらさ」へ対応することであり、統合的なサービスを提供するものです。 したがって、社会福祉士・精神保健福祉士・介護支援専門員・介護福祉士・保育士などの福祉専門職、並びに医師・看護師・理学療法士などの医療関係職種が、その役割を担うことになります。 多くの職種が医療福祉の視点から利用者を支援することで、利用者の人生の質を高めるサービスの提供とつながります。
第2回わが国における「子どもが欲しい」という「願い≒ニーズ」の現状第2回わが国における「子どもが欲しい」という「願い≒ニーズ」の現状
第三者人工授精の子 • 性同一性障害(GID) • 性変更の夫の名:戸籍上の父親に • 血縁のない子の認知取り消し:父の請求認める
出産事故 • 出生取り違え事件 • 苦渋の人生:「時間戻して」 • 親子関係という文化資本の喪失 • 血縁めぐり「親子」認定 : 増えるDNA鑑定 • 産科医療補償制度 • リスクの十分な説明
第3回願いを叶える公的施策~特定(不妊)治療支援事業など~第3回願いを叶える公的施策~特定(不妊)治療支援事業など~ 最近のトピックスより 講師の論文より
体外受精による出生児数の推移 出典:日本産婦人科学会の調査による厚労省集計
マスメディアの論調 • 助成に関する「年齢」及び「回数」制限の是非・妥当性 • 制度変更に関する国の説明責任 • 専門的な不妊相談やリスクの知識に普及 • 20代から安心して子どもを産み・育てられる社会づくり
検討会の問題意識 (報告書より) • 不妊に関する知識の普及は、「男性も対象」 • 不妊治療を必要とする人の増加により、相談支援を必要とする人が増加 • 専門的な不妊に関する知識を、分かりやすく普及させる • 性に関する学校教育の充実も • 不妊治療後の心のケアなども、身近なところで
講師の視点 • 福祉の対象者に「性と生殖に係る自己決定の権利」に係る情報が行き届いているのか • 福祉施設等の職員は、上記の件をどのように捉えているのか • そもそも体外受精・顕微授精は、なぜ保険適用されないのか • 遺伝子操作、デザイナー・ベイビー等新優生思想やエンハンスメント概念とかかわる問題は解決したのか
不妊治療助成 • 年齢制限 • 高齢出産のリスク • うつろに響く「少子化対策」 • 不妊治療を職場で支援
第4回高度生殖補助医療を活用することと 新しい家族の幸せ第4回高度生殖補助医療を活用することと 新しい家族の幸せ • DVDから考える • 2008年時点でのアメリカでの話題。現在は、日本でも当たり前になりつつある。
20世紀に「児童労働」は激論になる • 「私生児」が差別される法と社会システム • その扱いを受けた者=「報復の念」を抱く • 子どもの工場や街頭での労働 =肉体的、道徳的頽廃の脅威を受けている • 文化的な国民は、児童労働を禁止すべきと結論付けるであろう。
児童労働の問題 • 最も非知能的な仕事が与えられる。 • 生きた機械になった者は、受動的で、自分の生活条件の改善を試みようとはしない。 • 生きた機械は、労働の効果をあげることも全くできない。
子どもの意見を聞け! • 大人の意見が分かれるとき、大人は子どもの意見を聞け。 • ある小さな少女が、すべてのものは神がつくったと聞かされたとき、腹を立て大声で言った。「神様は天国で奇形児をつくるの?」 • ある小さな男の子は「もしも神様のやることは何でもかんでも初めからよいというのが本当なら、なぜ唖がいるんだろう。唖は生まれつき唖だけど」と、質問した。
今後ますます増加する不妊に悩むカップルと様々な生殖補助医療技術で生まれてくる子どもにより構成された今後ますます増加する不妊に悩むカップルと様々な生殖補助医療技術で生まれてくる子どもにより構成された 「新しい家族」の、“Family Well-being”が追求されるとき、 胎生期の人間関係や家族システムに着目しなければならない。
第5回「生まれてくる子ども」の幸せ • 第三者の関わる生殖医療技術の利用に関する法制化の議論 • 日本弁護士連合会の見解 • 第三者の関わる生殖技術について考える会の見解 • 宮嶋の見解
20世紀に「児童労働」は激論になる • 「私生児」が差別される法と社会システム • その扱いを受けた者=「報復の念」を抱く • 子どもの工場や街頭での労働 =肉体的、道徳的頽廃の脅威を受けている • 文化的な国民は、児童労働を禁止すべきと結論付けるであろう。
児童労働の問題 • 最も非知能的な仕事が与えられる。 • 生きた機械になった者は、受動的で、自分の生活条件の改善を試みようとはしない。 • 生きた機械は、労働の効果をあげることも全くできない。
打擲(ちょうちゃく)~体罰の影響 • 体罰によって肉体と同じ程度に苦悩するのは、精神である。 • 体罰に対する恐怖から、体罰の後で自殺している。 • 打擲は罰を受けるものの羞恥心を鈍らせ、残忍性あるいは臆病心を募らせるのに役立つだけだ。
打擲=「抹殺」 • 最も望ましいのは、子どもが生まれたときから、親は打擲を教育手段として決して使うまいと固く決心することである。 • なぜなら、親たちがこの便利な手段を一度使い始めると、その後は前の決心に反してしばしば使うことになる。
20世紀、自立の概念が普及する • 父の扶養と権威(パターナリズム)からの解放 • 人びとが、 新しい世代の養育を、 社会のために母親が果たす大きな使命とみなし始めるようになり、 この使命が実行される間、 社会が母親の生活を保障すべきだ。
「子どもの地獄」⇒「児童の世紀」 • 人類すべてが、次のような新しい見方を • 大人が子どもの心を理解すること • 子どもの心の単純性が、大人によって維持されること
子どもの意見を聞け! • 大人の意見が分かれるとき、大人は子どもの意見を聞け。 • ある小さな少女が、すべてのものは神がつくったと聞かされたとき、腹を立て大声で言った。「神様は天国で奇形児をつくるの?」 • ある小さな男の子は「もしも神様のやることは何でもかんでも初めからよいというのが本当なら、なぜ唖がいるんだろう。唖は生まれつき唖だけど」と、質問した。
今後ますます増加する不妊に悩むカップルと様々な生殖補助医療技術で生まれてくる子どもにより構成された今後ますます増加する不妊に悩むカップルと様々な生殖補助医療技術で生まれてくる子どもにより構成された 「新しい家族」の、“Family Well-being”が追求されるとき、 胎生期の人間関係や家族システムに着目しなければならない。
第6回グループ・ディスカッション「私たちは何を選択すべきか」第6回グループ・ディスカッション「私たちは何を選択すべきか」 ワールドカフェ方式で進めます。4グループ×5人。 各テーブル移動しない「司会者・記録者」を決めてください。残りの3人は、合図とともにバラバラにグループを移動します。 グループメンバーが移動し終えたら、司会者は「新しいメンバー」に、さっきどんな話をしたのか、簡単にメモを見ながら伝達します。 司会者からの伝聞を聞いて、自由に、話題を提供してください。 テーマは「生まれてくる子どもの未来のために、私たちは何を選択すべきか」です。 1セッション20分。4回行います。自由に議論しましょう。
第7回生殖ケア・ソーシャルワーク・セオリー第7回生殖ケア・ソーシャルワーク・セオリー ソーシャルワークの立場からの研究 DI者の「語り」と「ヒューマンニーズ」に着目 Human Needs=「4つの訴え」と「4つの願い」 充足のための要件=他者との対話
DI者のHuman needs • 4つの訴え • 私たちの声を聴いて欲しい • 私たちの情動を理解して欲しい • 変化しようとしている姿勢を見てほしい • 私たちの尊厳を、尊重して欲しい • 4つの願い • 情報を共有し、信頼できる親子関係を構築したい • 親から告知して欲しい • 出自を知る権利を認めるルールを創って欲しい • 両者を支える仕組みを整えて欲しい