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QMD を用いた 10 Be+ 12 C 反応の解析

3/25/2009 ミニワークショップ「核データと核物理」. QMD を用いた 10 Be+ 12 C 反応の解析. 平田雄一 (2001年北海道大学大学院原子核理論研究室博士課程修了 専門は原子核反応シミュレーション 指導教官:大西明(京大 基研)) 岩元洋介 1 , 仁井田浩二 2 , 板垣直之 3 , 千葉敏 4 , 佐藤達彦 5 , R.M.Roninngen 6 1. 日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究部門 放射線工学研究グループ 2. 高度情報科学技術研究機構 3. 東京大学大学院 理学系研究科物理学専攻

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QMD を用いた 10 Be+ 12 C 反応の解析

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  1. 3/25/2009 ミニワークショップ「核データと核物理」 QMDを用いた10Be+12C反応の解析 平田雄一 (2001年北海道大学大学院原子核理論研究室博士課程修了 専門は原子核反応シミュレーション 指導教官:大西明(京大 基研)) 岩元洋介1 , 仁井田浩二2, 板垣直之3, 千葉敏4, 佐藤達彦5, R.M.Roninngen6 1.日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究部門 放射線工学研究グループ 2. 高度情報科学技術研究機構 3. 東京大学大学院 理学系研究科物理学専攻 4.日本原子力研究開発機構 先端基礎研究センター 極限重原子核研究グループ 5.日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究部門  環境・放射線工学研究ユニット 放射線防護研究グループ 6.Michigan State University National Superconducting Cyclotron Laboratory

  2. 核物理における10Beの研究の進展 反応: 10Beを入射原子核として利用可能となった 10Be(30MeV/u)+12C EXFOR 核データベースN.I.Ashwood et al. Phys. Rev. C 72, 024314 (2005). 構造: 10Beの高励起状態における新しいクラスター構造の予言 10Beの高励起状態(励起エネルギー=45MeV)には、 2n+4d正四面体の構造(新しいクラスター構造)が現れる。 Naoyuki Itagaki et al. International Journal of Modern Physics A (2008). d n クラスター構造の変化 α α d n n n d d 基底状態 励起状態(励起エネルギー=45MeV)

  3. 微視的シミュレーション(QMD)を用いた 10Be(10, 30, 50MeV/u)+12C反応の解析 研究課題 (1)10Beの高励起状態が生成可能か? (2)フラグメント及び中性子の生成断面積の振る舞いはどのようなものであるか?

  4. Koji Niita et al. Phys. Rev. C 52, 2620 (1995) QMDの枠組み • (1)前平衡過程  (時刻t≤tsw[fm/c]) • 粒子の波動関数 • (ガウス波束を仮定) • 粒子の運動方程式 • (波束中心に関するニュートン方程式)   • 衝突項 粒子間衝突断面積(実験データ)により粒子衝突による運動量(Pi)の変化を記述 • (2)平衡過程(時刻t>tsw[fm/c]) • 統計崩壊模型(GEM)による励起フラグメントの崩壊を記述 S. Furihata Nucl. Instruments and Meth. B 171, 251 (2000) tsw(前平衡過程から平衡過程へ到達するのにかかる時間)は、 任意パラメータ

  5. 波束中心(Ri)の時間発展  10Be(30MeV/u)+12C 衝突径数= 4fm 衝突径数= 0fm 12C 10Be

  6. 核データの解析におけるQMDの利用 10Be(10, 30, 50MeV/u)+12C反応にQMDが適用された例はない。

  7. QMDにおける tsw(前平衡過程から平衡過程へ到達するのにかかる時間)について 10Be+12C反応の重心系での衝突した2核子 の平均運動エネルギー(<Tc.m.>)の時間変化 Satoshi Chiba et al., PRC 54, 6, 3302 (1996). <Tc.m.>が一定に収束するまで、少なくとも75fm/cを要する。  したがって、tsw≧75fm/cであると考えられる。

  8. 10Be(50MeV/u)+12C反応の前平衡過程において生成される10Beフラグメントの10Be(50MeV/u)+12C反応の前平衡過程において生成される10Beフラグメントの 励起エネルギー分布の時間発展 • 前平衡過程で、励起エネルギーが45MeV以上の高励起10Beフラグメントが生成される可能性がある。 • 励起エネルギーが45MeV以上の高励起10Beフラグメントは早い段階に生成され、すぐに崩壊する傾向がある。 • →高励起10Beフラグメントの崩壊によって放出されるγ線や中性子線を実験で観測可能?!

  9. 10Be(50MeV/u) + 12C, b= 2fm 10Be 45MeV 10Be 45MeV 10Be 45MeV 10Be 45MeV 10Be 45MeV 10Be 45MeV

  10. tsw=75[fm/c],100[fm/c] ,150[fm/c]のときの Be,C,Oフラグメント 生成断面積 10MeV/uでは、 tswが大きいほど 中性子過剰核 生成断面積が大きい。 50MeV/uでは、 tswにあまり依存しない。

  11. tsw=75[fm/c],100[fm/c],150[fm/c]のときの中性子生成断面積tsw=75[fm/c],100[fm/c],150[fm/c]のときの中性子生成断面積 入射エネルギーが10MeV/uの場合に、顕著なtsw依存性が見られる。

  12. まとめ QMDを用いて、10Be(10,30,50MeV/u)+12C反応を解析した。 その結果以下のことがわかった。 (1)前平衡過程で、励起エネルギーが45MeV以上の高励起の10Beフラグメント が生成される可能性がある。 (2)QMDに含まれるパラーメータtswに関する情報を、中性子及び中性子過剰核の 生成断面積から得られる可能性がある。 是非、理研のRIビームを用いて、実験をお願い致します。

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