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第 3 章 エントロピーと変化(熱力学入門)

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第 3 章 エントロピーと変化(熱力学入門)

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  1. 第3章 エントロピーと変化(熱力学入門) 我々が直接肉眼で見ることができる物質(マクロな物質)は莫大な数の粒子から構成されている(2)わけであるが、ミクロなレベルからの研究はここ100年程度のことである。これに対して、物質がマクロなレベルで示す(つまり、我々が直接見たり触れたりできる)性質とか反応などに関しては、有史以来の長い研究の蓄積があり、それは今日、熱力学と呼ばれる経験則としてまとめられている。量子力学とともにこの熱力学も化学を学ぶものにとっては不可欠である。エントロピーはエネルギーと並んで熱力学で最も重要な概念である。ここではエントロピーについて説明し、熱力学の概要を紹介する。

  2. 原子や分子の集合体(気体・液体・固体)の状態は熱力学によって記述される。熱力学では、体積V、圧力P、温度Tといった巨視的な量(これを状態量という)で物質の状態を記述する。 熱力学という言葉は聞き馴染みがないかもしれないが、例えば、高校で学習した理想気体の状態方程式や化学平衡論は熱力学の内容の一つである。 ここで紹介する熱力学は、厳密には熱平衡状態の熱力学(平衡熱力学)である。つまり熱平衡状態にある系だけを対象とし(、熱平衡状態の間の変化の前後関係を与えるものであって)、平衡状態への移行過程(緩和過程)は取り扱わない。 熱平衡状態:巨視的状態が時間変化しない、つまり(物質の体積、温度、圧力等の)状態量が一定の状態。

  3. 8. 平衡熱力学の根本問題は、熱平衡状態にある系の内部束縛が除去された時、系が最終的に到達する新しい熱平衡状態を決定する事である。このとき、その指針となる状態量が、エントロピーや自由エネルギーである。 ここで、内部束縛とはエネルギー、体積、物質等のやり取りを禁止する束縛であり、内部束縛が除去されるとは、例えば、別々のビーカーに入っている試薬を混ぜ合わせて反応させることを意味している。つまり、 A+B → C+D という反応が起こるかどうか、Eという溶媒にFという溶質が溶けるかどうか、こういうことを考察するのが熱力学である。 ここでは、この平衡熱力学の中心的な状態量であるエントロピーと自由エネルギーを紹介する。具体的な応用例は第4章で示す。

  4. 3・1 絶対温度と粒子の熱運動 a 絶対温度 絶対温度Tの単位はK(ケルビン)、摂氏温度θとの関係は T / K=θ/℃+273.15 絶対零度(T=0)では物質を構成する粒子の熱運動は完全に停止する。有限温度(T>0)では粒子は熱運動を行い、温度が高くなるほどその運動は激しくなる。つまり、熱運動とは物質を構成している粒子が有限温度でおこなう運動であり、温度とはこの粒子が行う熱運動の運動エネルギーの平均値を表している。 エネルギー等分配則(1・5参照):温度T である気体の中の任意の1個の気体分子が持つ平均の運動エネルギーはエネルギー等分配則によると<EK>=(3/2)kBTである。

  5. b 熱と温度(熱伝導) 熱と温度の違いを理解する。熱はエネルギーの移動形態である。物質が熱を持つとはいわない。物質から物質へ熱が移動する。 高温の物体から低温の物体へ熱が移動する。 加熱するということは、ミクロに見ると粒子の衝突による運動エネルギーの授受である。 分子を温度のより高いところ(熱源)に入れ、他の系(原子や分子)がその分子に衝突するようにする。 流体では対流によっても熱伝導する。

  6. c 原子・分子の熱運動 2.マクロな物質は莫大な数のミクロな粒子から出来ている。そして、そのミクロな粒子(原子や分子)は不規則な運動-熱運動-をしている。 ランダム(random)=でたらめ、無秩序(disorder)、乱雑(disorder) 不規則(irregular) 気体分子を想像してみよう。分子の運動は原理的には運動方程式によって記述可能であり、分子の運動を時々刻々追うことはできる。つまり分子運動は決して本質的にランダムではない。 しかし、分子数が莫大な場合、Avogadro数個程度もの運動方程式を解くことは現実的には不可能である。また、仮に可能であったとしても、そこに何らかの規則性を見出すことは出来ない。それはなぜかというと、ミクロな粒子の数が莫大で絶えずそれらの間で衝突を繰り返しているからである。この意味において、ミクロな粒子の熱運動はでたらめ(不規則、ランダム)なのである。

  7. ある限られた空間に閉じこめられた1個の分子は、長い間には存在する空間の全領域をまんべんなく通過するであろう。つまり分子の運動を長時間平均してみたとき(我々は熱平衡状態を考えている)、分子がどの方向に移動する確率も等しい=ランダムであると考えることが可能であろう。 分子の熱運動をランダムな運動として取り扱っても、莫大な分子が存在する系の時間平均(、マクロな系の熱平衡状態)を考える限り良いのではないかと期待される(熱平衡状態にある分子は、次の瞬間どの方向に移動する確率も等しい状態にあると考える)。 これが確率的な、統計力学的な見方(=本来力学過程である分子運動を確率過程として認識すること)であり、分子運動のランダム性という意味である。 しかし、この後すぐに分かることであるが、確率的、統計的に取り扱うが、粒子の数が莫大なので、そこから得られる結論はほとんど確定的である。

  8. 3・2 エントロピー 常温付近で起こる反応の多くは発熱反応であるが、吸熱反応も起こる。化学反応がなぜ進行するのか?エネルギーで発熱反応は説明できるが、吸熱反応は説明できない。化学反応や相転移が起こるかどうかは、エネルギーではなく、エントロピーが決めている。 なぜ気体は拡散し、混合するのか?なぜ固体は融解して液体になるのか?エントロピーが増大するから。エントロピーって何? 8a.物質の変化(化学反応・相転移など)に関する法則-熱力学の第二法則-「物質を構成している粒子がより無秩序な状態になるように自然に変化する。」言い換えれば、「系は(宇宙の)エントロピーが増えるように自然に変化する。」これをエントロピー増大則という。

  9. 3・2・1 気体の拡散 レジメp.22の図2.5を参照せよ。 なぜ気体は拡散するのだろうか?どうして左側にじっとしていないで、右側にも広がるのだろうか?気体が広がるとエネルギーが低下して安定化するのであろうか?答えは、気体は莫大な数の分子からなり、その分子は‘でたらめな’熱運動をしているからである。 分子運動を確率過程と考える。粒子はどの方向に進む確率も等しいので、右に動く分子も左に動く分子もあるが、左に動く分子はすぐ他の分子と衝突してしまい左方向にはなかなか進むことができない。それに対して、右に動く分子は他の分子が無いので、右方向にどんどん進むことができる。結果として、分子全体は徐々に右側に分布するようになり、最終的には箱の中全体に分子が均一に分布するようになる。一度このような分布になると、右に進む分子も左に進む分子も等しく存在するので、均一な分布を維持し続けることになる。これを熱平衡状態という。 熱平衡状態になった気体は、二度と拡散する前の状態に戻らない。これを拡散は不可逆過程であると表現する。

  10. ☆ 不可逆性を確率の問題として考える 熱平衡状態において、本来力学過程である分子運動を確率過程として考える。 しきりをとる前に気体が存在した領域をAとし、それは箱全体の1/2の大きさであるとする。分子が存在できる場所の数をZとすると、Zは箱の体積Vに比例する。熱平衡状態において、1個の分子が領域Aで見いだされる確率は、 ZA/Z=VA/V=1/2 であるから、N個の粒子の場合、全粒子が領域Aにのみ存在する状態が実現する確率は(1/2)Nである。例えば、N=20でも、(1/2)20=10-6となり、粒子数がAvogadro数個程度であれば、この確率は実質上ゼロである=気体の拡散は不可逆である。

  11. 我々はこの気体の拡散が起こる理由をエントロピーという言葉を使って、気体がより広い領域に広がると系のエントロピーが増大するので気体は拡散する、と説明する。エントロピー増大則(8a) 仕切りをとると、分子が存在できる領域が広がるので、分子の利用できる自由度が増大し、その結果分子の配置がよりでたらめになる。エントロピーとはミクロなレベルでの乱雑さ、無秩序さを表す巨視的な量であり、ミクロのレベルで無秩序なほどエントロピーは大きくなる。 自然界はエントロピーが増大するように変化する。エントロピーが減少するような変化が自然に起こることは確率的に考えてほとんどない。 なぜエントロピーは増大するのか?それは物質は莫大な数の粒子から構成されていて、その粒子はでたらめな運動をしている(2)からである。 自由度、でたらめという言葉はマクロな系にも使えるが、ここで考えている自由度とかでたらめとは、ミクロなレベルである。

  12. 3・2・2 気体の混合 中央に仕切りのある箱の左側に○分子、右側に△分子があるとする。この仕切りをとった後の各分子の分布の様子を確率過程に基づいて考える。分子は右と左にしか進めず、その確率は1/2で同じとする。 ・・・○○△△・・・ ・・・○○△△・・・ ・・・○○○△・・・ ・・○○△△・・ ・・・○○△△・・・ ・・・○△○△・・・ ・・・△○△○・・・ △○△○△○ ・・・○○△△・・・ ・・・○○△△・・・ ・・・○△○△・・・ ・・△○△○・・ ・・・○○△△・・・ ・・・○△○△・・・ ・・・○○△△・・・ ・・○△○△・・ 仕切りをとった直後 t=1 t=2 t=3 t=0 時間がたてば左側も右側も等しい数の○分子と△分子が存在するようになる=混合状態。一度この平衡状態に到達すると、元の状態(=分離した状態)に戻ることはない=混合は不可逆過程である。

  13. なぜ混合するのか?なぜ、分離したままでいないのか?物質は莫大な数のミクロな粒子からできており、ミクロな粒子はランダムな熱運動をしている(2)からである。 混合した方がミクロなレベルでより乱雑である。=エントロピーが高い。ミクロのレベルで乱雑になろうとする傾向がある。それが第二法則である。 3・2・3 気体の圧力 気体が圧力を示すのはそのエントロピーを増大させたいためである、と熱力学的に言うことができる。ある容器に入れておくと気体は圧力を示すが、それはこの容器がなければ広がって系のエントロピーを増大させようという傾向があるから。これをミクロのレベルで考えると、気体粒子の運動は全くランダムなので(2)、この領域の内側に向かう運動もあるが、外に向かう運動が存在するので、圧力を示す(、容器がなかった拡散する=エントロピーが増大する)のである。

  14. 3・2・4 固体の融解 なぜ融解が起こるのか?エネルギー的に考えれば、結晶状態が一番エネルギーが低い。なぜなら、それがポテンシャルエネルギーの一番低い状態だから。 全粒子のエネルギーU=全粒子の運動エネルギー +全粒子のポテンシャルエネルギー ポテンシャルエネルギーより運動エネルギーが大きくなったら、結晶構造がバラバラになるのは、粒子がランダムな熱運動をする(2)から。 3・2・5 エントロピーのまとめ 物質が莫大な数のミクロな粒子からなり、それらがランダムな熱運動をする(2)ために現れる巨視的な効果(不可逆性その他)を我々はエントロピーという概念で理解する。エントロピーは巨視的な物理量である。分子1個のエントロピーというものは存在しない。

  15. 3・3 平衡熱力学の簡単な紹介 孤立系:外界との間でエネルギーや物質の 宇宙 交換を行わない系。宇宙は孤立系。 外界 閉じた系(閉鎖系):外界との間にエネルギー の交換はあるが物質の出入りのない系。 系 開いた系(開放系):外界との間でエネルギー や物質の交換を行う系。 熱平衡状態とは、巨視的状態が時間変化しない、つまり状態量が一定の状態。 非平衡状態: 標準状態:圧力が105 Pa=1 barの状態。温度は関係ない。任意の温度で標準状態が定義される。 状態量:系の状態を記述する巨視的な量。例:温度、体積、圧力、物質量、エントロピー。 S宇宙=S+S外界(系の状態量には系とは書かない)

  16. 内部エネルギーUとはマクロな物質の持っているエネルギーのうち、系全体としての運動エネルギーやポテンシャルエネルギーを除いた、系の内部に存在するエネルギーのこと。 ミクロなレベルで説明すると、系を構成する粒子の運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの和である。これは状態量である。 熱力学第一法則=エネルギー保存則 ΔU=q+w(閉じた系) (20) ΔU は系の内部エネルギー変化、qは系が得た熱量。系が発熱するときは、q<0。 wは系になされる仕事。系が仕事をするときは、w<0。

  17. エネルギーは保存されるが、移動したり、変換したりする。 二つの系A、Bが接触しているとき、力学的平衡条件はPA=PBである。PA>PBのとき、AはBに仕事wをする。 仕事w=力×移動距離(0・2e参照) であるが、これは、 仕事=圧力×体積変化、 と書き直すことができる。 二つの系A、Bが接触しているとき、熱的平衡条件はTA=TBである。TA>TBのとき、AからBへ熱qが流れる。

  18. 仕事と熱はエネルギーの移動形態を指す。 系の性質ではないので、仕事と熱は状態量ではない。 系が仕事や熱を所有するとはいわない。 仕事と熱の量は変化の道筋=経路に依存する。 Aという状態からBという状態へ膨張するとき、下図のような二つの過程を考えてみよう。二つの過程で、最初の状態も最後の状態も同じだが、膨張過程での仕事量が異なる。 過程Ⅰ 過程Ⅱ P A P A B B VV

  19. エネルギーをエントロピーの観点から考えてみる 問題とするエネルギーがどれだけ多くのミクロなレベルの自由度にばらまかれているかによってエネルギーの質が決まる。 より低級なエネルギーとは同じ量のエネルギーであってもより多くの自由度に散逸された=秩序の低い=エントロピーの高い、エネルギーである。 高級なエネルギーとは、一部の自由度のみに集中した=秩序の高い=エントロピーの低いエネルギーである。 「エネルギーを消費する」ということは、エネルギーを使ってしまうことではなく、「役に立つ(=高級な)エネルギーを役に立たない(=低級な)エネルギーに変えてしまう」ことである。 つまり、「エネルギーを消費する」ということは、エントロピーを増大させることに他ならない。 大気の内部エネルギーは莫大な量であるが、役に立たないエネルギーである。

  20. エンタルピー H≡U+PV (21) 化学において重要な二つの測定条件、 体積一定(定容あるいは定積という)あるいは圧力一定(定圧) 体積一定 qV=ΔU 、圧力一定 qP=ΔH この他にもう一組重要な測定条件。 温度一定(定温あるいは等温という)あるいは 断熱(q=0) ☆ なぜエンタルピーという状態関数を導入するのか? 我々が実験するとき、体積一定という条件よりも、圧力一定という条件で実験する方がはるかに容易なので、通常は圧力一定のもとで熱量が測定される。その時、系のエネルギー状態関数として内部エネルギーしかないと、ΔU=qP(実測値)-PΔV というように膨張仕事の補正をして、反応後の系の状態を記述しなければならない。しかし、エンタルピーという状態関数を導入しておけば、実測値qPをそのまま系の状態関数(であるエンタルピー)と結びつけることができる。

  21. エントロピー エントロピーの熱力学定義:温度一定の条件で系が状態 i から状態 f まで変化したときのエントロピー変化ΔS ΔS=qrev/T(温度一定) (22) qrevは可逆的に i から f まで変化したとき、系が得た熱量、T は系の温度である。熱の移動に伴ってエントロピーが変化する。 エントロピーの統計力学的定義:エントロピーは次式によって与えられる。 S=kBlnWBoltzmannの原理(23) kBはBoltzmann定数、ln=loge(自然対数)。 気体定数R= Boltzmann定数kB ×Avogadro数 Wは微視的状態の数と呼ばれ、系の任意の巨視的状態において可能なその系を構成する粒子の配列の仕方の数である。W が大きいほどミクロなレベルで乱雑であるといえる。

  22. 自由エネルギー G ≡ H- TS (24) Gibbs(ギブス)の自由エネルギー(Gibbsエネルギーともいう) 定温・定圧過程、膨張仕事のみの場合を考える。 ΔS宇宙 = ΔS外界 +ΔS(一般的) =-ΔH/T+ΔS(定温・定圧、膨張仕事のみ) -TΔS宇宙 = ΔH-TΔS ここで、定温・定圧、膨張仕事のみという条件の時成立する ΔS外界= -ΔH/T という関係を使った。 ΔHは定圧、膨張仕事のみという条件で系が得た熱量なので、-ΔHは外界が得た熱量である。 この-TΔS宇宙をΔGとおくと、 ΔG = ΔH-TΔS(定温・定圧、膨張仕事のみ) (25) ΔG<0なら、ΔS宇宙>0になっている。

  23. 我々が実際に実験を行うとき、 定温・定圧、膨張仕事のみ という条件は最も普通である。そのため我々化学者は、閉じた系では系の自由エネルギーに基づいて化学現象を考察する。 ΔG =-TΔS宇宙 (26) だから、系の自由エネルギーを考察すれば、宇宙のエントロピーを考察したことになる。 8b.孤立系ではエントロピーSが増大する(ΔS>0)方向に、 閉じた系(定圧)では自由エネルギーGが減少する(ΔG<0)方向に 自発変化する(このとき宇宙のエントロピーは増大している)。 熱平衡状態では、エントロピー最大(孤立系)、 自由エネルギー最小(閉じた系・定圧)となっている。 エントロピー増大則は孤立系の場合なので、閉じた系を考える場合は自由エネルギーが自発変化の方向を示す。

  24. 第3章のまとめ • 平衡熱力学の根本問題は、熱平衡状態にある系の内部束縛が除去された時、系が最終的に到達する新しい熱平衡状態を決定する事である。このとき、その指針となる状態量が、エントロピーや自由エネルギーである。 温度とはミクロな粒子が行う熱運動の運動エネルギーの平均値を表している。 熱と温度の違いを理解する。熱はエネルギーの移動形態である。

  25. この講義の目的は、原子・分子のレベルで化学現象を考察することができるようになることである。 2. マクロな物質は莫大な数(Avogadro数個程度)のミクロな粒子から出来ている。そして、そのミクロな粒子(原子や分子)は不規則な運動-熱運動-をしている。 ミクロな粒子の数が莫大で絶えずそれらの間で衝突を繰り返しているからその運動に規則性を見いだせない → 不規則な運動 熱平衡状態では、本来力学過程である分子運動を確率過程として取り扱うことができる。 確率的、統計的に取り扱うが、粒子の数が莫大なので、そこから得られる結論はほとんど確定的である。

  26. 8a.物質の変化(化学反応・相転移など)に関する法則-熱力学の第二法則-「物質を構成している粒子がより無秩序な状態になるように自然に変化する。」言い換えれば、「系は(宇宙の)エントロピーが増えるように自然に変化する。」これをエントロピー増大則という。8a.物質の変化(化学反応・相転移など)に関する法則-熱力学の第二法則-「物質を構成している粒子がより無秩序な状態になるように自然に変化する。」言い換えれば、「系は(宇宙の)エントロピーが増えるように自然に変化する。」これをエントロピー増大則という。 エントロピーとはミクロなレベルでの乱雑さ、無秩序さを表す巨視的な量であり、ミクロのレベルで無秩序なほどエントロピーは大きくなる。 なぜ気体は拡散し、混合するのか?なぜ固体は融解して液体になるのか?エントロピーが増大するから。 なぜエントロピーは増大するのか?それは物質は莫大な数の粒子から構成されていて、その粒子はでたらめな運動をしている(2)からである。

  27. 平衡熱力学 孤立系、閉じた系(閉鎖系)、開いた系(開放系) 熱平衡状態、非平衡状態 標準状態、状態量 内部エネルギーU、熱力学第一法則 エンタルピー H≡U+PV なぜエンタルピーという状態関数を導入するのか? エントロピー、Boltzmannの原理 Gibbs(ギブス)の自由エネルギー

  28. 閉じた系では系の自由エネルギーに基づいて化学現象を考察する。 8b.孤立系ではエントロピーSが増大する(ΔS>0)方向に、 閉じた系(定圧)では自由エネルギーGが減少する(ΔG<0)方向に 自発変化する(このとき宇宙のエントロピーは増大している)。 熱平衡状態では、エントロピー最大(孤立系)、 自由エネルギー最小(閉じた系・定圧)となっている。

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