170 likes | 406 Views
シークエント計算の体系における cut 除去定理の成立条件. 2007/2/16. 導入. 例 ならば 傘が必要ならば荷物が増える よって、雨ならば荷物が増える 一般化 仮定 : 「 A ならば B 」と「 B ならば C 」 結論 : 「 A ならば C 」. 公理. X ⇒ X. 構造規則. Γ ⇒ Δ,X,Y,Π (e 右 ) Γ ⇒ Δ,Y,X ,Π. X,X,Γ ⇒ Δ (c 左 ) X,Γ ⇒ Δ. Γ ⇒ Δ,X,X (c 右 ) Γ ⇒ Δ,X. Γ ⇒ Δ (w 左 ) X,Γ ⇒ Δ.
E N D
シークエント計算の体系におけるcut除去定理の成立条件シークエント計算の体系におけるcut除去定理の成立条件 2007/2/16
導入 • 例 • ならば • 傘が必要ならば荷物が増える • よって、雨ならば荷物が増える • 一般化 • 仮定 : 「 A ならば B 」と「 B ならば C 」 • 結論 : 「 A ならば C 」
公理 X ⇒ X 構造規則 Γ ⇒ Δ,X,Y,Π (e右) Γ ⇒ Δ,Y,X ,Π X,X,Γ ⇒ Δ (c左) X,Γ ⇒ Δ Γ ⇒ Δ,X,X (c右) Γ ⇒ Δ,X Γ ⇒ Δ (w左) X,Γ ⇒ Δ Σ,X,Y,Γ ⇒ Δ(e左) Σ,Y,X,Γ ⇒ Δ Γ ⇒ Δ (w右) Γ ⇒ Δ,X 論理規則 Y, Γ ⇒ Δ,Y(→右) Γ ⇒ Δ,X→Y Γ ⇒ Δ,X (¬左) ¬X,Γ ⇒ Δ Γ ⇒ Δ,XY,Σ⇒ Π(→左) X→Y,Γ,Σ ⇒ Δ,Π Γ ⇒ Δ,X (∨右1) Γ ⇒ Δ,X∨Y X,Γ ⇒ ΔY,Γ⇒ Δ(∨左) X∨Y,Γ ⇒ Δ X, Γ ⇒ Δ (¬右) Γ ⇒ Δ,¬X Γ ⇒ Δ,Y (∨右2) Γ ⇒ Δ,X∨Y X, Γ ⇒ Δ (∧左1) X∧Y,Γ ⇒ Δ Y, Γ ⇒ Δ (∧左2) X∧Y,Γ ⇒ Δ Γ ⇒ Δ,X Γ⇒ Δ,Y(∧右) Γ ⇒ Δ,X∧Y 体系LK A ⇒ BB⇒ C (cut) A ⇒ C Γ ⇒Δ,XX,Σ⇒ Π(cut) Γ,Σ ⇒ Δ,Π 上段が仮定、下段が結論
cut除去定理 • G. Gentzen(1934) • LKのどの証明図に対しても、cut規則なしで同じ結論を持つものが存在する • 数理論理学の最も重要な定理の1つ • 例 • cutの場所を上げていくことで証明 (¬左) A⇒A B ⇒ B ⇒A,¬A ¬B, B⇒ (¬右) (¬右) (¬左) . (→右) (→左) (→左) . (cut) ¬B, A→B ⇒ ¬A (¬右) (→右) • 無駄のない証明図が作れる • 変形途中でcutの数が増えることもあるが、最後には必ずcutなしの証明図が得られる . A→B ⇒ A→B (cut) ¬B ⇒ ¬A, ¬(A→B) (¬左) (¬左) ¬(A→B), A→B ⇒ . . ¬B, ¬¬(A→B) ⇒ ¬A (cut) (¬右) (→右) ¬B, A→B ⇒ ¬A . A→B ⇒ ¬¬(A→B) ¬¬(A→B) ⇒ ¬B→¬A (cut) A→B ⇒ ¬B→¬A
公理 構造規則 Γ ⇒ Δ (w左) X,Γ ⇒ Δ Γ ⇒ Δ (w右) Γ ⇒ Δ,X Γ ⇒ Δ,XY,Σ⇒ Π(cut) Γ,Σ ⇒ Δ,Π Γ ⇒ Δ,XY,Σ⇒ Π(→左) X→Y,Γ,Σ ⇒ Δ,Π Y, Γ ⇒ Δ,Y(→右) Γ ⇒ Δ,X→Y 論理規則 Γ ⇒ Δ,X (∨右1) Γ ⇒ Δ,X∨Y Γ ⇒ Δ,Y (∨右2) Γ ⇒ Δ,X∨Y X,Γ ⇒ ΔY,Γ⇒ Δ(∨左) X∨Y,Γ ⇒ Δ X, Γ ⇒ Δ (∧左1) X∧Y,Γ ⇒ Δ Y, Γ ⇒ Δ (∧左2) X∧Y,Γ ⇒ Δ Γ ⇒ Δ,X Γ⇒ Δ,Y(∧右) Γ ⇒ Δ,X∧Y Γ ⇒ Δ,X (¬左) ¬X,Γ ⇒ Δ X, Γ ⇒ Δ (¬右) Γ ⇒ Δ,¬X 様々な体系におけるcut除去定理 cut除去定理 ○ ○ ○ × × ○ 線形論理の部分体系 古典論理 部分構造論理 直観主義論理 LK FLec FLc FLcw MALL LJ X ⇒ X X,X,Γ ⇒ Δ (c左) X,Γ ⇒ Δ Γ ⇒ Δ,X,X (c右) Γ ⇒ Δ,X Γ ⇒ Δ,X,Y,Π (e右) Γ ⇒ Δ,Y,X ,Π Σ,X,Y,Γ ⇒ Δ(e左) Σ,Y,X,Γ ⇒ Δ 体系を一般化 cut除去が成り立つ ための必要十分条件 を与えたい X,Y ,Γ ⇒ Δ (*左) X*Y,Γ ⇒ Δなど その差は何か ? 「⇒」の右には高々1つ
A.Ciabattoni、照井(2006)による結果 L を任意の体系とする L で本質的cut除去が成立 具体的な変型方法がわからない 本研究の結果 変型方法がわかる L が意味論的に与えた 条件を満たす 必要性 十分性 十分性 Lが還元性と代入性を満たす
還元性と代入性 • 還元性 …一段で消える論理記号を省くことが可能 • 例「LKは還元性を満たす (記号∧についての例)」 • 代入性…結論への代入は仮定への代入から導出可能 • 例「LKは代入性を満たす (規則(c)の A に (X,Y) を代入した例)」 A⇒B A⇒C(∧右)B⇒D(∧左) A⇒B∧CB∧C⇒D(cut) A⇒D A⇒ B B ⇒D (cut) A⇒D (e) X,X,Y,Y⇒B (c) X,Y,Y⇒B(c) A,A⇒B (c) A⇒B A,A ⇒B X,Y A ⇒B X,Y, X,Y
A⇒B C⇒B A,C⇒B A⇒B C⇒B A,C⇒B B⇒D B⇒D B⇒D A⇒B C⇒B A,C⇒B A⇒B C⇒B A,C⇒B B,B⇒D B,B⇒D B,B⇒D(2-cut) B⇒D(cut) B⇒D(cut) A,C,A,C⇒D A, C⇒D A, C⇒D A, C⇒D Γ⇒X Σ1,X,Σ2,X,…,Σn,X,Σn+1,⇒Δ(n-cut) Σ1,Γ,Σ2,Γ,…,Σn,Γ,Σn+1,⇒Δ A,C,A,C⇒D A, C⇒D 問題点とその解決方法 B⇒D (w) . . (2-cut) A⇒B C⇒B A,C⇒B A⇒B C⇒B A,C⇒B (cut) A⇒B C⇒B A,C⇒B B,B⇒D (min) (c) . A,C,A,C⇒D B⇒D(cut) A,C, • 問題点1. cutが高くならない A, C⇒D A,C,A,C⇒D A, C⇒D • 解決策. 拡張したn-cutを定義 . A⇒B C⇒B B⇒D B⇒D (1-cut) • 問題点2. n-cutの仮定が増える B,B⇒D(2-cut) B,B⇒D(2-cut) A,C⇒B • 解決策1. n-cutをさらに拡張(複数の仮定へ) A,C,A,C⇒D • 解決策2. cutを上げる方向を指定 A, C⇒D
まとめと今後の課題 • まとめ • 本質的cut除去 ⇔ 還元性と代入性 • 具体的な規則が不明でも変型方法を示すことができる • 今後の課題 • さらなる一般化(様相論理なども扱える体系へ) • cut除去以外の定理への応用
主な参考文献 • A. Ciabattoni and K. Terui. "Towards a semantic characterization of cut-elimination". Studia Logica. Vol. 82(1). pp. 95 - 119. 2006. • A. Ciabattoni and K. terui. "Modular Cut-Elimination: Finding Proofs or Counterexamples". Proceedings of Logic for Programming and Automated Reasoning (LPAR'2006), LNAI. Phnom Pehn, November 2006.
補足1.本質的cut除去 • cut除去に次の2つの条件を追加 • 公理を追加してもcutを除去可能 • 論理階数が増えないようにcutを除去可能 • 論理階数 …証明図中の論理規則をあるルールで数えた数 • 条件の由来 • 1つ目の条件のみを課すものをmodular cut除去と呼ぶ • 2つ目の条件は本研究でのみ扱われる条件 • 文献よりも体系の一般化を進めたため、必要となった
補足2.通常のcut除去との関係 通常のcut除去 異質な体系 本質的cut除去 • 条件を満たさない規則があるが、 • その規則を使う機会のない体系 • 2. cutを除去することで無駄が増えるような体系 還元性と代入性
補足3. cut除去定理の証明方法 • 変数の定義 • degree … cutされる論理式の複雑さ (≧ 0) • rank …cutされる論理式が出続ける高さ (≧ 2) • 二重数学的帰納法 • (d1, r1) > (d2, r2) ((d1 > d2) or (d1 = d2 and r1 > r2)) • 例 (2,3) > (2,2) >(1,10)>(1,9)>…>(1,2)>(0,14)>…>(0,2) • この順序関係に対して数学的帰納法を適用 • cutの高さが一時的に低くなることもある
補足4. 一般化した体系 公理 構造規則 X ⇒ X Υ1 ⇒ Ψ1 … Υn⇒ Ψn Θ ⇒ Ξ (R) 論理規則 Υ1 ⇒ Ψ1 … Υn⇒ Ψn Θl, ★(X), Θr ⇒ Ξ Υ1 ⇒ Ψ1 … Υn⇒ Ψn Θ ⇒ Ξl, ★(X),Ξr (★右) (★左) cut規則 Θ ⇒ Ξ1, X, ΞrΘl, X, Θr ⇒ Ξ Θl,Θ,Θr ⇒ Ξl,Ξ,Ξr (cut)