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センサネットワークにおける協調型データ蓄積方式 に関する研究. 情報学研究科 2 年 7083-0040 渡辺研究室 高田 悠 研究報告 2010 年 2 月 20 日. 0 目次. 背景・目的 提案方式 CB CB の評価 提案方式の拡張 ECB ECB の評価 考察 まとめと今後の課題. 1 背景・目的 ( 1/2 ). センサネットワーク 多数の小型センサノードでイベント観測 ノードはセンシングしたデータをシンクへ送信 ノードのリソースの制約 処理能力 , 通信機能 , バッファサイズ センサノードの省電力化は重要
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センサネットワークにおける協調型データ蓄積方式に関する研究センサネットワークにおける協調型データ蓄積方式に関する研究 情報学研究科2年 7083-0040 渡辺研究室 高田 悠 研究報告 2010年2月20日
0 目次 • 背景・目的 • 提案方式 CB • CBの評価 • 提案方式の拡張 ECB • ECBの評価 • 考察 • まとめと今後の課題
1 背景・目的 (1/2) • センサネットワーク • 多数の小型センサノードでイベント観測 • ノードはセンシングしたデータをシンクへ送信 • ノードのリソースの制約 • 処理能力, 通信機能, バッファサイズ • センサノードの省電力化は重要 • 画像、音声などの情報を用いた高度な観測 • 小型で安価なCMOSセンサ、カメラ、マイクロフォンなどの開発 ノード シンク カメラ(レンズ径1mm) 数百万画素
目的:遅延耐性がある大容量データを扱え, かつ消費電力の少ないセンサネットワークの構築 1 背景・目的 (2/2) • データの特徴 • 従来 • 気温, 湿度, 光などの数値データ → データ量が小さい • 本研究で対象とする高度センサネットワーク • データ量が多い • イベントの発生時にバースト的に発生 • 遅延に対する制約は緩い (Delay Tolerant) • 適用事例 • 動物の生態観測, 海上治安維持, 犯罪捜査, 深海水産資源開発など • 従来のマルチホップ型はデータの中継による消費電力が大きい 例)動物の生態観測 広範囲, イベント発生頻度は低い 観察車両を移動シンクとして利用
本研究では, 移動シンクを利用した • Cooperative Buffering (CB)を提案 • 複数の近隣ノードと協調してデータをバッファ • ノードのハードウェア的制約はそのままに シンクの到着まで大容量データを蓄積→ ノードの省電力化と大容量データ蓄積を実現 2 提案方式 CB (1/4) • ノードは, 発生データを自身のバッファに蓄積 • ノード単体のバッファではデータがあふれる • 関連研究(移動シンクを利用するセンサーネットワーク) • Data Mules[R. Shah, S. Roy, S. Jain, and W. Brunette., IEEE Workshop on Sensor Network Protocols and Applications (SNPA), 2003] • DFT-MSN’s[Y. Wang, H. Wu, F. Lin, and N. Tzeng., IEEE JOURNAL ON SELECTED AREAS IN COMMUNICATION, Vol 26, No.5, pp.809-819, June 2008]
シンクの移動パターン • ランダムに移動 • 全ノードを巡回訪問 • ノードからの依頼で移動 2 提案方式 CB (2/4) Cooperative Buffering (CB)の概要 • 発生データを近隣のノードと協調して蓄積 • 送信すべきデータが残っている・・・ • マルチホップでさらに1ホップ先のノードへ • CBで蓄積したデータをシンクが回収 大容量データ発生ノード (ソースノード) D4 source node D3 D1 D2 D5 D3 D4 D0 vacant node D1 D2 D5 sink generated data
2 提案方式 CB (3/4) <バッファの使用> • データ蓄積用 (buffer)とデータ転送用 (relay)の2つに分割 • 転送用は2ホップ以上離れた協調ノードへのデータ送信に利用 <近隣ノードテーブル (Neighbor Table)> • Node_ID • HC (Hop Count) - 自分の先で0でないRBLをもつノードがいる最低HC • RBL (Remaining Buffer Level) - 自身からHC先のノードのRBLの合計値 buffer relay RBL (Remaining Buffer Level) stored 最も近距離(ホップ数が少ない場所)にあり, かつRBLが最大のノードへ蓄積
120 1 0 2 提案方式 CB (4/4) <具体的な動作例> CB開始 → データ送信 → テーブル更新 n7, 50 n8, 60 n6, 40 Node 1, 2, 3の合計 Node S’s Neighbor Table Node 3’s Neighbor Table n5, 20 n1, 30 n2, 40 ns , 20 → 0 n3, 50 n4, 20 蓄積用領域: 100
2 提案方式 CB (4/4) <具体的な動作例> CB開始 → データ送信 → テーブル更新 n7, 50 n8, 60 n6, 40 Node S’s Neighbor Table Node 3’s Neighbor Table n5, 20 n1, 30 n2, 40 ns , 0 n3, 50 n4, 20 最大RBL0になるまで送信 蓄積用領域: 100
2 20 2 20 70 1 2 提案方式 CB (4/4) <具体的な動作例> CB開始 → データ送信 → テーブル更新 n7, 50 n8, 60 n6, 40 Node S’s Neighbor Table Node 3’s Neighbor Table n5, 20 n1, 30 n2, 40 ns , 20 n3, 0 n4, 20 互いにテーブル情報交換 蓄積用領域: 100
評価指標:消費電力評価 全ノードの送受信消費電力 シミュレーションパラメータ 評価モデル 10×10の格子配置 ノード間隔:10m ノードのバッファサイズ MICAzと同じ512kB 128kB, 256kBを蓄積用と仮定 node source node sink • データ発生間隔:1 sec(CBR) • MACプロトコル:CSMA/CA 2way • 通信速度電力消費 MICAz Moteに搭載されているCC2420(Zigbeeチップ)を基準 3 CBの評価 (1/3) (Zigbee 802.15.4を参考)
3 CBの評価 (2/3) <マルチホップと比較したCBの優位度の評価> Improvement = EnergyMulti – EnergyCB K = 5 K = 4 K ≧ 3 K = 3 K = 2 K ≦ 2 K = 1 蓄積用buffer 256kB • K≦2ではImprovementは正の領域と負の領域が存在 • CBでは近隣に蓄積する分消費電力が大きいため • K≧3では常にImprovementが正の値をとる • マルチホップにおけるデータ中継の消費電力がCBを上回るため
3 CBの評価 – 消費電力推移 (3/3) <バッファサイズ変化させたときの消費電力量の評価> buffer= 128kB buffer = 256kB • 蓄積用バッファサイズが大きい程低総消費電力 • ノード単体でバッファできるデータ量が大きいため • 発生データ量が大きいほど消費電力の増加も大きい • 協調ノードへデータを送信する際のホップ数が増加するため
4 提案方式の拡張 ECB(1/3) • 課題 耐遅延でも遅延は短いことが求められる • 許容される伝送遅延の超過 データ回収時間を考慮したCBの検討が必要 • シンクの移動特性に適応した蓄積方式 Extended Cooperative Buffering (ECB) • CB:近傍ノード型(Concentric Type) • ECB1:ランデヴーポイント型(Rendezvous-point Type) • ECB2:経路沿線型(Along-route Type)
4 提案方式の拡張 ECB(2/3) ECB1:ランデヴーポイント型(Rendezvous-point Type) • rendezvous pointを中心に, 同心円状に蓄積 • 付近まではマルチホップでデータを送信 rendezvous pointシンクが定期的に訪れる場所
4 提案方式の拡張 ECB(3/3) ECB2:経路沿線型(Along-route Type) • シンクの移動経路沿いのノードに蓄積 • ソースから最小ホップで届く経路付近のノードまでのデータ伝送には通常のマルチホップ sink’s route
5 性能評価 (1/2) node source node rendezvous-point sink sink’s route • 評価トポロジ <データ回収時間の評価> ECB2:経路沿線型 ECB1:ランデヴーポイント型 CB:近傍ノード型 ノード間隔:10 mシンクの速度:20 km/h※通信遅延は無視 CBに比べECB1, ECB2の回収時間が短い
5 性能評価 (2/2) <蓄積方式ごとの消費電力量の評価> 蓄積用buffer 256kBECBの結果はソースの場所をランダムに設定10回の平均値 • CBに比べてECB1, ECB2の消費電力が大きい • ソースからのマルチホップの分の消費電力が加算されるため • ECB2と比べてECB1の消費電力が大きい • ランデヴーポイントは1箇所しかなく, ホップ数が増えやすいため ECB1: Rendezvous-point ECB2: Along-route CB: Concentric
6 考察 • 定性評価 • 回収時間および消費電力を考慮したセンサネットワーク構築 • アプリケーションやシンクの移動特性に応じた蓄積方式の選択が必要 CB1) Concentric Type, ECB1) Rendezvous-point Type, ECB2) Along-route Type 経路の構成, 長さにより変化 ソースの位置により変化
7 まとめと今後の課題 • まとめ • 耐遅延データを扱う協調型データ蓄積方式Cooperative Bufferingを提案, 評価 • シンクまで一定以上の距離がある場合はCBが優位 • バッファサイズが大きい程全体の消費電力は少ない • シンクのデータ回収時間を考慮したCB (ECB)の提案 • データ回収時間, 消費電力の評価 • ECBはデータ回収時間の削減が可能, 一方で消費電力は高い アプリケーションやシンクの移動特性に応じた蓄積方式の選択が重要 • 今後の課題 • 実アプリケーションを想定した回収時間の詳細な評価 • 研究業績 (1) 高田悠,萬代雅希,木谷友哉,渡辺尚:[奨励講演] 移動シンクを用いた協調型データ蓄積方式,電子情報通信学会,ネットワークシステム研究会(NS), Vol.109, No.228, NS2009-99, pp.127-132 (2009). (2) Takada, Y., Bandai, M., Kitani, T., Watanabe, T.: Cooperative Data Buffering with Mobile Sinks for Wireless Multimedia Sensor Network, Journal of Information Processing Society (JIP), Vol.18 (2010 年3 月掲載予定). (3) 他,研究会3件,総合大会1件発表
なぜツリーか • RBL重複カウントの防止 n8, 60 Node S’s Neighbor Table n6, 0 n5, 0 n1, 0 n2, 0 ns , 0 n3, 0 n4, 0 n9, 70
ツリー作成 <ソースノードを根とするツリーの作成> • 閉路をなくし, RBLの重複カウントを防止 1.ソースノードがネットワーク全体にHC (Hop Count) packetを送信, HC packetを受信したノードはインクリメントして転送 ※HC:ソースノードからのHC 2.各ノードは重複した親ノードのリンクを互いに削除 3.リンクを削除したノード同士は以後データの送受信はしない n7 n8 , 3 , 3 n6 , 2 n5 , 2 n1 , 1 n2 ns , 1 , 0 n3 , 1 n4 , 2
sink’s route n1’s communication range mobile sink mobile sink sink’s route n2’s communication range data flow シンクの移動方式 • ランダム:アルゴリズム自体は楽、データ回収にばらつきがでる • ノード依頼:依頼が単一なら確実、オーバーヘッド追加 • 固定経路:シンクの手間が省ける、ホップ数増加の可能性あり(下図) • 全ノード訪問:確実なデータ回収、 • ノード依頼
マルチソースの例 Source1 → Source2の順にCB 蓄積用256kBソースノードで2560kB(ノード10個分)発生したときの例 Source 1 Source 1 Source 2 Source 2 分割無し 分割有り
移動シンクとなりうる移動体 (1/2) • 移動における制約が比較的ゆるい移動体(ある程度自由に移動可) • 人 • バイク, 自転車 • 動物(牧牛, 野鳥など) • 移動における制約が厳しい移動体(移動経路がある程度決まりやすい) • バス, 電車, タクシーなどの自動車 • 船 • 飛行機 • 衛星 • その他ロボットなど • 遠隔操作もしくは自動操縦可能な機械 MULE: storage + transreceiver ① ② ③
移動シンクとなりうる移動体 (2/2) ※移動のしやすさ → 小回りが利くか 移動パターン, 速度様々 → 移動シンクごとに合わせたCBの方法 同心円, 直線, データセンター…
問題 離れたノードへの送信が必要となり, 省電力性が低下 マルチソースCB (1/2) • 複数のノードが近距離でソースノードとなるときの動作 • S1でCB後, S2でCBをおこなうときの例 s1 , s2,n1 ,n2 ,n3のRBLは0 n5 n2 n6 s2 s1 n3 ソースノード n1 データを持つノード n4 空のノード
事前に複数の蓄積用領域を確保 → 複数データの受け入れが可能 s2 マルチソースCB (2/2) • 解決方法 • バッファの分割 → 蓄積用バッファをm分割 蓄積用バッファ分割数m = 2 の例 蓄積用(ソース2) 蓄積用(ソース1) s1 n5 n2 転送用 s2 s1 n3 ノード単体の蓄積量が減るため必要となる協調ノード数が増加 n1 n4 適切な分割数mの設定が必要
マルチソースCB • N分割以外の検討案 • データ上書き • 記録時刻 新しいデータを優先して保存 • 重要度 取得したデータの価値が高い方を保存ex) 一番対象物がはっきり写った写真 • 削除 • 必要な容量分だけデータを削除 • 一定の時間が経ったら自動で一部のデータを削除 • データ圧縮 ・データの上書きや削除は結果としてデータ損失を招く ・いずれの方法もアプリケーションやハードウェアに依存
Total Battery Cost ()の算出(1/3) • の定義: 発生データを※シンクに届けるまでの総消費電力(ソースノードから最大hホップまでのノードと協調) • ①~③の和で, 送受信消費電力は送信するデータ数に比例 • ①近隣ノードへの送信消費電力 • ②シンクへの送信消費電力(訪れたシンクに対して1hopで送信) • ③ノードの受信消費電力(近隣ノードのoverhearing含む)また, ホップ数が近いノードから順にバッファしていくものとする • TBCで使用するパラメータ • RX: 受信消費電流 • TX: 送信消費電流 • h: ソースノードからのホップ数 • C: ノードのバッファサイズ(バッファ1でデータ1つを蓄積可能) • D: 発生データ数 • N: 近隣ノード数 ※シンクの移動コストは含んでいない
①近隣ノードへの送信消費電力 • ②シンクへの送信消費電力 • ③ノードの受信消費電力(overhearing含む) Total Battery Cost ()の算出(2/3)