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公 判

公 判. 2012 年度冬学期「刑事訴訟法」 13-1. 起訴から判決まで (司法制度改革以以降). ・事件の配付 ・起訴状謄本の送達 ・国選弁護人の選任 ・ 公判前整理手続 or 事前準備 ・公判期日の指定・召還等 ・ 裁判員の選任.  起  訴. 公判前の手続. 公判期日. ・人定質問 ・起訴状の朗読 ・黙秘権の告知 ・罪状認否等. 冒頭手続. 期日間整理手続 . 証拠調べ. ・冒頭陳述(検察官・ 弁護人 ) ・ 公判前整理手続の結果の   顕出 ・ 犯罪事実についての証拠   調べ ・ 情状についての証拠調   べ.

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Presentation Transcript


  1. 公 判 2012年度冬学期「刑事訴訟法」13-1

  2. 起訴から判決まで(司法制度改革以以降) ・事件の配付 ・起訴状謄本の送達 ・国選弁護人の選任 ・公判前整理手続or 事前準備 ・公判期日の指定・召還等 ・裁判員の選任  起  訴 公判前の手続 公判期日 ・人定質問 ・起訴状の朗読 ・黙秘権の告知 ・罪状認否等 冒頭手続 期日間整理手続  証拠調べ ・冒頭陳述(検察官・弁護人) ・公判前整理手続の結果の   顕出 ・犯罪事実についての証拠   調べ ・情状についての証拠調   べ 公判準備手続  最終弁論(論告・求刑, 弁論・最終陳述) 公判期日外の証人尋問 捜索・差押え,検証等 判 決 宣 告

  3. 公判前整理手続(2004年改正で導入) ○公判審理の充実・迅速化を図るため,争点・証拠を整理し,審理計画を策定     証拠開示もそれに必要な限りで拡充   ⇒公判は連日的に開廷し,それに従って継続的・計画的に審理 ○一般事件では任意的,裁判員制度対象事件では必要的      (§316の2,裁判員法§49) ○弁護人の関与が必要的(§316の4) ○内容(§316の5)    ・訴因の明確化,変更等    ・両当事者による主張の明示,争点の整理    ・証拠調べの請求,決定,その順序・方法の決定等    ・証拠開示に関する裁定    ・公判期日の指定等

  4. 新たな証拠開示制度の概要と手順(1/4) ①〔裁判所〕事件を公判前整理手続に付する決定 ②〔検察官〕証明予定事実記載書面の提示(§316の13第1項) ③〔検察官〕②の事実を証明するための証拠調べの請求(同第2項) ④〔検察官→弁護側〕③の検察官請求証拠の開示(§316の14)   証人等については,供述録取書or証言予定内容要旨記載書面を閲覧・謄写させる。 《⇒④’〔裁判所〕開示方法等の指定,争いが生じたときの裁定 (§§316の25,316の26)》

  5. ⑤〔検察官⇒弁護側〕 ③以外の一定類型の証拠の開示(§316の15) ○類型 1)証拠物 2)検証調書,鑑定書等 3)証人・証人予定者の供述録取書等 4)参考人の供述録取書等(検察官請求証拠により直接証明しようとする事実の有無に関 する供述を内容とするもの) 5)被告人の供述録取書等 6)取調べ状況の記録 ○特定の検察官請求証拠の証明力を判断するために重要と認められるもの   ○弁護側から対象の証拠を特定し,開示が必要な理由を示して請求 ○開示の必要性の程度と開示により生じるおそれのある弊害の内容・程度を      考慮し,相当と認めるときに開示 《⇒⑤’〔裁判所〕争いが生じたときの裁定(§316の26)》

  6. ⑥〔弁護側〕③の検察官請求証拠に対する意見表明(§316の16)⑥〔弁護側〕③の検察官請求証拠に対する意見表明(§316の16) ⑦〔弁護側〕公判ですることを予定する主張の明示(§316の17第1項) ⑧〔弁護側〕⑦の証明予定事実を証明するための証拠調べの請求(同第2項) ⑨〔弁護側⇒検察官〕⑧の弁護側請求証拠の開示(§316の18) 《⇒⑨’〔裁判所〕開示方法等の指定,争いが生じたときの裁定           (§§316の25,316の26)》

  7. ⑩〔検察官〕 ⑧の弁護側請求証拠に対する意見表明(§316の19) ⑪〔検察官⇒弁護側〕⑦の弁護側主張に関連する証拠の開示(§316の20)    ○弁護側から対象の証拠を特定し,開示が必要な理由を示して請求    ○開示の必要性の程度と開示により生じるおそれのある弊害の内容・      程度を考慮し,相当と認めるときに開示 《⇒⑤’〔裁判所〕争いが生じたときの裁定(§316の26)》 《⑫〔検察官〕証明予定事実の追加・変更(§316の21) ⇒この場合,③,④,⑥も準用。繰り返しあり》 《⑬〔弁護側〕主張の追加・変更(§316の22) ⇒この場合,⑧,⑨,⑩も準用。繰り返しあり》

  8. 裁判員制度 ○一般の国民(各地方裁判所管轄地域在住の衆議院議員選挙権者)の中か    ら無作為に選ばれた6名の裁判員が   刑事事件の第一審の裁判に参加,3名の裁判官とともに裁判体を構成   公判の審理に出席(証人に対する質問も可) 裁判官とともに,有罪・無罪の判定および有罪の場合の量刑を行う    (法の解釈,訴訟手続事項の判定は裁判官の専権) ※公訴事実について争いがなく,事件の内容その他の事情を考慮して適当と         認められる場合⇒ 裁判官1名・裁判員4名で構成する裁判体で審判可 ○対象事件 ・死刑または無期の懲役・禁錮に当たる罪   ・短期1年以上の懲役・禁錮に当たる罪であって    故意の犯罪行為により被害者を死亡させたもの    ⇒年間約1,700~1,800件(地裁通常第一審事件の2%)      罪名別トップ3は,強盗致傷,殺人,現住建造物等放火

  9. ○裁判員となることができない者   ①欠格 国家公務員不適格者,義務教育未終了,禁錮以上の刑に処せられた者      心身の故障のため裁判員としての職務に著しい支障のある者   ②就職禁止       法律専門家,国会議員・国の官庁の幹部,自衛官   ③事件関連の不適格      被告人・被害者本人やその親族等,捜査関係者,弁護人etc.   ④不公平な裁判をするおそれのある者 ○裁判員を辞退できる者 70歳以上の人,学生・生徒    県市町村議会の議員(会期中) 5年以内に裁判員や検察審査会委員を務めたか,1年以内に裁判員候補者とし     て裁判所に出頭した人    裁判員を務めることが困難な特別の事情のある人(重い病気・障害,親族や同居人      の介護・養育,事業上の著しい損害発生のおそれ,親族の結婚式等,身体上・精神上の      重大な不利益発生,妊婦・出産後8週間以内,地裁管轄外の遠隔地居住etc.)

  10. ○裁判員選任プロセス

  11. ○これまではすべて,裁判官3名・裁判員6名構成○これまではすべて,裁判官3名・裁判員6名構成    補充裁判員は2名が大半,事件により1~6名の幅 ○毎年30万人前後,累計約90万6千人が候補者名簿に登録    ・2012年5月末までに     ⇒約33万人が個別事件の裁判員候補者として選定     ⇒辞退を認められた者を除き,約14万7千人が呼出し     ⇒約11万6千人(79.1%)が選任手続に出席     ⇒21,944名が裁判員に,7,630名が補充裁判員に選任 ○相当余裕のある数の候補者を選定,比較的緩やかに辞退を認容    ・1件平均86.5名を選定,59.1%辞退(2011年の実績)    ・複雑困難・長期審理事件では多人数を選定     ①450名(鹿児島老夫婦殺し,選任~判決:40日),②330名(首都圏連続不審     死,100日),③200名(覚せい剤営利目的輸入,当初予定57日)      ⇒2012.9公判開始の鳥取連続不審死事件では700名(75日) ○参加するまでは積極的な人は多くないが,参加後は肯定的意見が大多数

  12. 審理期間 ○公判開始~判決の期間は,大半の事件で3~5日,長くて20日くらい (その場合でも,公判期日の実日数は10日前後)      *公判前整理手続は3~5回,3~8ヵ月 ○裁判員の選任は第一回公判期日の前日までに実施することが多い    数日を超える審理日程の場合,3日に1日休みを入れるような期日設定     ・・・裁判員の負担の軽減,仕事・家事等との調整の必要 ○長期化の傾向    特に公判前整理手続・・・1年超,さらには2年超の例も      ・全面否認,複雑困難,精神鑑定事件等の公判開始      ・自白事件でも長期化傾向      ・様々な原因指摘(詳密すぎる争点整理,五月雨的証拠開示請求,弁護側主張・証         拠意見の形成に要する期間の長期化etc.)      ⇒不都合(証人の記憶減退,被告人の身柄拘束の長期化等)    裁判員の選任~判決(職務従事期間):平均は4.7日      長期事件        ①さいたま地裁首都圏連続不審死事件100日(公判日数36日)        ②鳥取地裁連続不審死事件75日(24日)        ③大阪地裁パチンコ店放火殺人事件60日(15日) 

  13. 公判の審理 ○全般的には,裁判員に分かり易い,「目で見て聞いて分かる」審理が実現    ・公判審理のビジュアル化    ・当事者主義,公判中心主義の実質化(書証⇒人証) ○自白事件を中心に,調書使用の増加傾向の指摘(争いのある事件との資源配      分?;従来型実務運用からの非脱皮?;証人の負担への配慮?)    ⇒分かり易さの低下?    ⇒裁判所は,人証中心の立証の徹底を強調 ○分かり易さについての裁判員経験者の評価高いものの,低下傾向    ⇒いくつかの見方が可能 ・「普通」の増加=当初の昂揚の沈静・落ち着きを示す⇒合わせると大多数        ・否認事件や複雑困難事件の公判開始        ・自白事件でも評価低下⇒調書使用の増加?        ・検察官・弁護人の気の緩み?          ⇒弁護人の主張・立証の分かり易さについての評価,さらに低下              検察官の主張・立証の分かり易さについての評価も低下傾向

  14. 裁判官裁判と裁判員裁判との罪名別無罪率比較裁判官裁判と裁判員裁判との罪名別無罪率比較

  15. 量刑 ○法定刑の幅大きく,裁判員には「相場感」なし⇒最もとまどう点 検察官の求刑・弁護人ンの意見⇒手がかり ○最高裁事務総局「量刑検索システム」 2008年4月以降に言い渡された裁判員裁判対象罪種に係る事件の判決のデータ集積 ⇒類似事件の量刑の範囲・分布状況がグラフで示される ○実績:全般的には,裁判官のみの裁判の場合と顕著な差なし ・求刑×0.75~0.80くらい ・求刑を上回る量刑の例〔⇒#23-24〕,大幅に下回る例も ・重大な事件ではやや重くなる傾向(特に性犯罪,傷害致死)〔⇒#25-26〕 ⇒ 一般国民の意識・感覚の反映=裁判員制度の趣旨の発現      合理性・妥当性・公平性⇒量刑不当は控訴理由

  16. 裁判員制度の合憲性 ○最(大)判平成23年11月16日・刑集65巻8号1285頁 ○最(二)判平成24年1月13日・刑集66巻1号1頁

  17. 参考文献 ①井上正仁「国民の司法参加の意義・現状・課題」 刑事法ジャーナル32号(2012年)4頁以下

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