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Robert E. Lucas 1937 ~. 7 : 新古典派マクロ経済学. 1960 ~ 70 年代,マネタリズムはケインジアンの裁量的財政・金融政策に代わって次第に影響力を強めていった。 一方, 1970 年代に,マネタリズムはルーカス( Robert E. Lucas Jr. )とサージェント( Thomas J. Sargent )などによる 合理的期待学派 へと進化した。
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Robert E. Lucas1937~ 7: 新古典派マクロ経済学 1960~70年代,マネタリズムはケインジアンの裁量的財政・金融政策に代わって次第に影響力を強めていった。 一方,1970年代に,マネタリズムはルーカス(Robert E. Lucas Jr.)とサージェント(Thomas J. Sargent)などによる合理的期待学派へと進化した。 ルーカスらは合理的期待(rational expectations)という仮説を導入した。「期待」は「合理的」に形成されているならば,裁量的な金融政策はもとより如何なるマネーサプライの変化も民間部門の予想に折り込まれている限り,「予期されない」インフレーションを生み出さない。 従って,「予想された」金融政策は実態経済に影響を与えない。民間部門の期待に裏切る「予想されない」マナーサプライの変化のみ,実体経済に影響を与える 「合理的期待学派」のマクロ経済学は,マネタリズムの「貨幣的景気循環理論」に理論的な基礎づけを与えた。 合理的期待学派とリアル・ビジネス・サイクル理論 アメリカのシカゴ大学ロバート・ルーカス教授は,「合理的期待の仮説を開発して応用し,マクロ経済分析を一変させて経済政策の理解を深めた業績を讃えて」という理由で,1995年ノーベル経済学賞を受賞された。
7: 新古典派マクロ経済学 1960~70年代,マネタリズムはケインジアンの裁量的財政・金融政策に代わって次第に影響力を強めていった。 一方,1970年代に,マネタリズムはルーカス(Robert E. Lucas Jr.)とサージェント(Thomas J. Sargent)などによる合理的期待学派へと進化した。 1970~80年代,「合理的期待」仮説はケインズ経済学に代わって新古典派的マクロ経済学を復権させる上で絶大な力を発揮した。「合理的期待学派」もマクロ経済学に大きな影響を与えた。 「合理的期待学派」の特有の主張: 予期されない金融政策のみが実体経済に影響を与える。 しかし,現実的には予想された金融政策が実体経済に大きな影響を与えることが明らかになったため,今日では「合理的期待学派」の影響力は小さくなった。 1980年代から,リアル・ビジネス・サイクル理論(real business cycle theory,実体的景気循環理論)と呼ばれるマクロ経済学が盛んになった。 合理的期待学派とリアル・ビジネス・サイクル理論
7: 新古典派マクロ経済学 1980年代から,リアル・ビジネス・サイクル理論(real business cycle theory,実体的景気循環理論)と呼ばれるマクロ経済学が盛んになった。 景気循環の主因について 合理的期待学派とリアル・ビジネス・サイクル理論 ケインズ理論の考え 技術進歩は景気循環を生み出す重要な要因の1つである。 技術進歩が期待利潤率re上昇の原因となって,これによる投資需要の増大を通して実質GDPに影響を与える。 RBS理論は合理的期待学派よりさらに極端な新古典派均衡理論である。 マネタリズムや合理的期待学派の考え マネーサプライの変動を景気循環の主因と考えている。 リアル・ビジネス・サイクル理論の考え 実体的な要因,とりわけ技術進歩を景気循環の主因と見なしている。 RBS理論は,新古典派均衡理論の枠組みの中に「技術進歩」という「ショック」を導入した上で,景気循環を「均衡」それ自体の変動として分析する。均衡自体の変動から常に効率的な資源配分が達成されていると考え,例えば不況を「緩和」することは資源配分上望ましくないという結論が導かれる。景気安定化の意義は全くない。
+ + - - - 投資 貯蓄 経常収支 政府支出 7: 新古典派マクロ経済学 ISバランス理論の2国モデル (1) 各国の実質GDP,Yが生産要素の完全雇用と技術(生産関数)によって決まる。 Y=Y*(潜在GDP) (2) 貨幣数量説:物価水準PやインフレーションP は,マネーサプライMとその変化率によって決まる。 日本の財市場均衡式: 外国の財市場均衡式: オープン・エコノミーの新古典派理論 外生変数 A1: 貯蓄関数をシフトさせるパラメーター A2: 投資関数をシフトさせるパラメーター A3: 輸出入関数をシフトさせるパラメーター 注) 外国側の変数に「^」をつける。
+ + - - - 7: 新古典派マクロ経済学 ISバランス理論の2国モデル (1) 各国の実質GDP,Yが生産要素の完全雇用と技術(生産関数)によって決まる。 Y=Y*(潜在GDP) (2) 貨幣数量説:物価水準PやインフレーションP は,マネーサプライMとその変化率によって決まる。 日本の財市場均衡式: 外国の財市場均衡式: 世界全体のISバランス式: 利子率平価式: 購買力平価式: オープン・エコノミーの新古典派理論 2国間で実質利子率rが均等化する。 世界全体のISバランス式:
- 7: 新古典派マクロ経済学 ISバランス理論の2国モデル 世界全体のISバランス式: 両国のYはそれぞれの「潜在GDP」に等しく,両国の政府支出は外生変数であるから,世界全体のISバランス式により,両国で均等化している実質利子率 rが決まる。(世界全体は閉鎖経済であることに注意したい。) 日本のISバランス式: オープン・エコノミーの新古典派理論 rが決まれば,CAの値がまず決まる。均衡における交易条件tは,経常収支CAが均衡値に等しくなるように決まる。交易条件tが決まれば,内外の物価を所与として,名目為替レートeも決まる。 CAは名目為替レートeの増加関数である。
- CA(e) e 0 国内貯蓄超過CA 7: 新古典派マクロ経済学 ISバランス理論の2国モデル 世界全体のISバランス式: 両国のYはそれぞれの「潜在GDP」に等しく,両国の政府支出は外生変数であるから,世界全体のISバランス式により,両国で均等化している実質利子率 rが決まる。(世界全体は閉鎖経済であることに注意したい。) 日本のISバランス式: オープン・エコノミーの新古典派理論 CAは名目為替レートeの増加関数である。 経常収支CAの黒字(赤字)は,その国の貯蓄(投資)超過に等しい。 e* S-(I+G)
- CA(e) CA'(e) e 0 国内貯蓄超過CA 7: 新古典派マクロ経済学 ISバランス理論の2国モデル 世界全体のISバランス式: 両国のYはそれぞれの「潜在GDP」に等しく,両国の政府支出は外生変数であるから,世界全体のISバランス式により,両国で均等化している実質利子率 rが決まる。(世界全体は閉鎖経済であることに注意したい。) 日本のISバランス式: オープン・エコノミーの新古典派理論 日本の輸出競争力が高まると,A3が変化し,同じ交易条件t の下で,CAは増加して,右へシフトする。 → e*↓(円高) 貯蓄性向が上昇する(A1が変化)と,国内貯蓄超過が増加する。 → e*↑(円安) 投資ブームが起こる(A2が変化する)と,国内貯蓄超過が減少する。 → e*↓(円高) e* S-I-G