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東南アジア地域における季節予報の 応用分野に関する調査. 気象庁 気候情報課 アジア太平洋気候センター. 調査の目的. 大目標: 詳細かつ確率的な季節予報支援資料の提供、およびその応用利用の推進を通じて、アジア太平洋諸国における気候サービス業務の活性化に資する。. 当面の目標: 気象庁現業1か月予報に基づき、東南アジア地域に適用可能な確率情報作成のための統計的ダウンスケーリング技術を確立する。. 現在までの進捗状況 H16 : 現業 1 か月アンサンブル予報を用いた確率分布予測資料 の作成手法の検討( 3 年分の資料、格子点、主要地点)
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東南アジア地域における季節予報の応用分野に関する調査東南アジア地域における季節予報の応用分野に関する調査 気象庁 気候情報課 アジア太平洋気候センター
調査の目的 大目標:詳細かつ確率的な季節予報支援資料の提供、およびその応用利用の推進を通じて、アジア太平洋諸国における気候サービス業務の活性化に資する。 当面の目標:気象庁現業1か月予報に基づき、東南アジア地域に適用可能な確率情報作成のための統計的ダウンスケーリング技術を確立する。 現在までの進捗状況 H16: 現業1か月アンサンブル予報を用いた確率分布予測資料 の作成手法の検討(3年分の資料、格子点、主要地点) H17: 東南アジア地域の地上気象観測データ(日別値)の整備 JRA-25を用いた統計的ダウンスケーリング手法の高度化 気候情報の応用分野に関する現地調査(タイ・マレーシア)
これまでの成果の概要 (1) H16: 現業1か月アンサンブル予報を用いた 確率分布予測資料の作成手法の検討 2001年3月~2004年2月 156週、26アンサンブルメンバー 対象:2.5°格子点2m気温&降水量(週・28日平均)と 東南アジア約30地点の気温&降水量(週・28日平均) 結果 • 確率予測情報を作成する手法のうち「ガウス分布仮定法」の精度が平均的には最も良かった。 • 格子点値の28日平均および1,2週目の平均気温に関しては、標準偏差以上の偏りを持つ確率についても、意味のある確率情報を作成できる可能性がある。 • 格子点値の28日および1-2週目降水量に関しては、平年値以上となる確率について、意味のある確率情報を作成できる可能性がある。 • 地点の気温・降水量についても、格子点と同様の傾向だが、降水量については、地点間の精度のバラつきが大きい。
これまでの成果の概要 (2) H17: 東南アジア地域の地上気象観測データ(日別値)の整備 日平均/最高/最低気温、日降水量。1961年以降可能な限り。 利用したデータセット
H17: 東南アジア地域の地上気象観測データ(日別値)の整備 (続き)H17: 東南アジア地域の地上気象観測データ(日別値)の整備 (続き) 複数のデータソース(含むCLIMAT-月気候通報)の比較による品質管理(品質フラグ付加)。観測地点・期間の拡充。 作成した統合データセット 日別データの存在率(日降水量) 1961-2005年、45年間全て存在する場合100% 日別平年値を作成した地点数 (気温70%以上、降水量90%以上ある地点) 除くインド、バングラディシュ、中国、オーストラリア 最高・最低気温の日別平年値は、今回初めて整備された。
これまでの成果の概要 (3) H17: JRA-25を用いた統計的ダウンスケーリング手法の高度化 1979年1月~2001年12月 (23年間) 被予測因子:東南アジア約300地点の降水量(月・7日平均) 正規分布に近づけるため、1/4乗して用いる 予測因子:①JRA-25の降水量(観測地点に最も近い格子点の値) ②JRA-25の850hPaの風と詳細な地形勾配(GTOPO30)との内積 月毎、地点毎に、ステップワイズ重回帰で、最適な予測因子を選択する。 東南アジアの地形 左: GTOPO30 0.083°格子 右: JRA-25 1.125°格子
結果(全体:月平均) 相関係数(クロスバリデーション) : 観測値が18年以上あるところ 単回帰 重回帰 1月 危険率5%で有意:黄 6月 危険率1%で有意:赤
結果(各地点:月平均) 1月 左: JRA-25平年値 右: 地点毎の平年値 いずれも1979-2001平均 Miri 地形効果を考慮した方(赤線)が、JRA と観測降水量の対応が良くなる。 補正なしでも、JRA-25降水量(点線)が 観測された降水量(実線)と良く対応。
6月 左: JRA-25平年値 右: 地点毎の平年値 いずれも1979-2001平均 単回帰では相関が 無いが、地形効果を 入れると、年々変動 が再現される。
結果(各地点:週平均) 6月 11月 11月
H17: JRA-25を用いた統計的ダウンスケーリング手法 の高度化 (まとめ)H17: JRA-25を用いた統計的ダウンスケーリング手法 の高度化 (まとめ) • 大規模な場は比較的良く表していると考えられる再解析値においても、格子点降水量から地点降水量に翻訳(ダウンスケーリング)するためには、統計的手法を用いる必要がある。 • 冬の北東モンスーン期には、降水量の単回帰(バイアス修正)によって、変動を比較的良く再現できる地点が多く、地形効果の寄与は小さかった。(例外:風向変動の大きいボルネオ北西部) • 夏の南西モンスーン期には、特にインドシナ半島でJRA降水量との単相関が悪くなる地点が多い。しかし、地形効果因子を加えることにより、相関が向上する地点が比較的多く見られた。 • 週降水量についても、ほぼ同様の傾向が見られた。夏季には、JRA降水量との単相関はやや向上するが、地形効果因子を採用する地点は、少なくなった。週単位での降水量の変動を再現するためには、地形効果以外の要因も考慮すべきかもしれない。 ・JRA-25の降水量及び循環場と地点の降水量を、月単位、週単位で比較する 図が作成された。循環場と陸上降水量の関係を調査する足掛かりができた。
ハインドキャストの仕様 ・ 1992年-2001年 (10年間) ・ 月3回 (10日、20日、月末 初期日) 全3960ラン ・ 1初期値あたり、11メンバー (Control+5摂動x2) 平成18年度の調査計画 目標: 1か月予報長期事後予報実験(ハインドキャスト)を用いた 地点確率予測資料の開発と検証。現地気象機関への提供 調査内容7日・28日平均気温と14日・28日降水量がターゲット 1) 格子点における確率分布作成手法の適用と精度検証 2) 単純なダウンスケーリングによる地点予測の作成と精度検証 3) 少し複雑な統計式による地点予測の作成と精度検証 (必要なら、地形効果以外の新たな説明変数の検討) 4) 地点における確率分布予測資料の作成と検証 5) 精度に見合った利用方法の検討 ⇒ 意思決定に利用しやすい発表形態
北日本太平洋側の2週目気温 (2001~2003年の春) 70%信頼区間 予想気温中央値 かなり高い 平年値 黒:実況 青:数値予報(平均誤差のみ補正) 赤:数値予報(平均誤差と確率分布を補正) 気温 平年並 頻度 かなり低い 7 0 14 21 28 現在 日付 気温偏差℃ 地点確率予測資料の具体的イメージ 意思決定に利用可能な形態 ・ 地域的に詳細な予測 ⇒ 代表地点、又は県単位程度 ・ 時間的に詳細な予測 ⇒ 7/14日移動平均時系列 ・ 平年と比較した階級ではなく絶対値を知りたい (特定地点なら) ⇒ 予測確率分布を直接示す ⇒ 任意の閾値を超える確率