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腫瘍:がん治療の選択肢 腫瘍と化学療法. 主な死因別にみた死亡率の年次推移. 昭和. 平成. 厚生労働省:平成 17 年 人口動態統計の概況. 死亡率の年次推移. 1950 年代の初めまで脳神経疾患での死亡が 1 位であった。 1960 年代の初めから悪性新生物(がん)の死亡が第一位になる。 がんによる死亡率の上昇は急激で、近い将来国民の二分の一ががんで死亡すると言われている。 第 2 位は心疾患で、やはり死亡率は増加傾向。. 癌は怖いものから治るものに。. 1970 年代の初め頃まで、癌は怖いもの、癌になると必ず死んでしまうと考えられていた。
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腫瘍:がん治療の選択肢 腫瘍と化学療法
主な死因別にみた死亡率の年次推移 昭和 平成 厚生労働省:平成17年 人口動態統計の概況
死亡率の年次推移 • 1950年代の初めまで脳神経疾患での死亡が1位であった。 • 1960年代の初めから悪性新生物(がん)の死亡が第一位になる。 • がんによる死亡率の上昇は急激で、近い将来国民の二分の一ががんで死亡すると言われている。 • 第2位は心疾患で、やはり死亡率は増加傾向。
癌は怖いものから治るものに。 • 1970年代の初め頃まで、癌は怖いもの、癌になると必ず死んでしまうと考えられていた。 • がん検診の普及、診断法の進歩により早期発見・早期治療が可能になる。 • 癌治療の進歩により、従来治らないとされていた進行癌の生存率も向上した。
ここまでの腫瘍学で 学んだこと 腫瘍とは? 良性腫瘍と悪性腫瘍の違いは? 発生・発育・浸潤・転移 がん遺伝子 腫瘍マーカー がん治療は?????
癌の治療を始めます ? 患者さんに納得の行く 説明を行う義務がある 患者 外科医
患者さんからの質問 私の 癌の治療法には どんなのもが あるのですか?
患者さんからの質問 先生のお奨めの 治療法は何ですか? その理由は?
患者さんからの質問 その治療で どのような効果が 期待できる のでしょうか?
患者さんからの質問 危険性とか 副作用とかは 無いのですか?
患者さんの心配 いくらかかるんだろう?
患者さんの心配 普通の生活が 送れるのだろうか?
??? 答えて下さい
癌治療の選択肢 ?
癌の治療にはどんなものがあるの? 外科治療? 化学療法? 放射線療法? 免疫療法? 温熱療法?
日本では胃癌治療の進歩ががん治療の進歩を推進した日本では胃癌治療の進歩ががん治療の進歩を推進した • 胃癌は国民病と言われる程多い疾患だった。 • バリウムによるエックス線二重造影法の開発 • 胃カメラの発明 • 胃ファイバースコープの発明 • 胃癌取扱い規約による進行度の設定
患者さんの 理解のために
術前診断 T2(MP) N0 M(-) Stage IB
術後診断 T2(MP) N1 H0 P0 M(-) Stage II 手術時間 4:55 出血量 357g
外科治療=手術 適応:局所に限局 限界: 過進展 微少癌転移(→再発)
外科治療 • 根治切除された消化器癌の予後は非根治手術に比べ明らかに良好である • 胃癌根治度別5年生存率 • 根治度A 91.2% • 根治度B 53.3% • 根治度C 11.5% • 大腸癌肝転移 • 切除例5年生存率 25%以上 • 非切除例 5年生存 ごく稀 • 適応:局所限局 • 限界:過進展、潜在性転移
放射線治療 • 適応:局所 • 限界:感受性、副作用 • 食道癌では術前 chemoradiation が standard therapy になりつつある • 欧米では直腸癌においても standard になりつつある 放射線治療については別に講義があります
化学療法 • 適応:外科手術不能例、再発、微小遺残 • 限界: • total cell kill • 副作用 • 感受性 今回の講義の中心となります。
免疫療法 • 適応:外科治療不能例・・・未知 • 限界:効果・・・・・・・・弱い • 新しい免疫療法の展開 • 活性化リンパ球療法 • 免疫を介した遺伝子治療への道
温熱療法 適応:検討中 限界:検討中 42〜43℃で癌細胞が死滅する 臨床的には正常組織には急性の組織障害を起こさないような加熱で癌細胞のみを死滅させる。 microwave, 腹腔内温熱潅流 思ったほど普及していない
ホルモン療法 適応:乳癌、前立腺癌 限界:感受性限られる 乳癌では術後補助療法や再発治療で確固たる位置 レセプターの有無を検査:エストロゲン、 プロゲステロン 前立腺癌でも治療が一変するほど効果が期待できる。
遺伝子治療 • 癌を標的にした遺伝子治療の試み • 現時点では壊滅的 • 将来に期待 • 一方で、遺伝子解析から新たな治療法の開発
癌治療の選択 腫瘍の種類、病期、全身状態などにより選択される治療法は異なる。 各々の治療法に適応と限界がある。 癌の発育・進展を念頭に置いた治療法の選択が重要。
豆知識 ECOG (Eastern Cooperative Oncology Group) Performance Status (PS) PS 0:無症状で社会活動ができ、制限を受けること無く発病前と同等にふるまえる。 PS 1:軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や坐業はできる。(例えば軽い家事、事務など。 PS 2:歩行や身の回りのことはできるが、時に少し介助がいることもある。軽労働はできないが、日中の50%以上は起居している。 PS 3:身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助がいり、日中の50%以上は就床している。 PS 4:身の回りのこともできず、常に介助がいり、終日就床を必要としている。
化学療法の目的 1. 治癒 2. 延命 3. 症状緩和、QOL向上
抗がん剤が効く癌、効かない癌 A群:治癒が期待できる B群:延命が期待できる C群:症状の緩和が期待できる D群:効果の期待が少ない
奏効率 • Response Rate = CR+PR • CR : Complete Response • PR : Partial Response • NC : No Change • PD : Progressive Disease
7x7 10x10 5x5 10x10→7x7 51%の縮小=PR
有効性と安全性の評価 • Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE) • Response Evaluation Criteria in Solid Tumors (RECIST)
A群:治癒が期待できる(奏効率80%以上) 急性骨髄性白血病 急性リンパ性白血病 Hodgkin病 非Hodgkinリンパ腫(中・高悪性) 精巣腫瘍 絨毛がん
豆知識 腫瘍マーカー (片対数グラフ)
B群:延命が期待できる(奏効率60-80%) 卵巣がん 乳がん 肺小細胞がん 多発性骨髄腫 非Hodgkinリンパ腫(低悪性度) 慢性骨髄性白血病