第１４章　ヨーロッパとアジアが作る国際秩序

第１４章　ヨーロッパとアジアが作る国際秩序－国際社会におけるＡＳＥＭの意味－

ＡＳＥＭ第１回首脳会議の風景 （１９９６　at Bangkok)

成立の背景 アジアと欧州の首脳が直接対話をする「アジア欧州サミット」構想（ｂｙ　ｺﾞｰﾁｮｸﾄﾝ・ｼﾝｶﾞﾎﾟｰﾙ首相 1994年10月）バラデュール仏首相に打診仏がEU各国に働きかけ今まで相対的に希薄であったアジアと欧州の関係の強化で一致

『アジア欧州会合（ASEM, Asia-Europe Meeting）』が実現　　　　　　　　　　　　（1996年3月）アジア10ヶ国ＥＵ15カ国＋欧州委　　　　　　　　　　　　　　員会過去に宗主国と植民地の関係にあった国々が国際社会の中でダイナミックな変容と発展をとげる二つの大きな地域として、対等な立場で率直な対話ができる場が設定

アジア アメリカの影響力を牽制アジア市場への参入低迷する経済の打開ＥＵアメリカを排除した枠組みに反対日本閉鎖的枠組みを持たなければ受入可能

but アメリカが参加しない国際的集まりの誕生!? 国際経済・政治に影響力を持ちうるか!!

ASEM枠組み

主な活動 ２年に１回首脳会合外相会合、経済閣僚会合、財務大臣会合が毎年開催通常の参加国間の連絡・調整は、アジア側から2か国、欧州側からEU議長国と欧州委員会の合計4代表が調整国としてその任に当たる

高級実務者会合（SOM、 Senior Officials Meeting）が年2回のペースで開催貿易と投資に関する高級実務者会合（SOMTI、Senior Officials Meeting on Trade and Investment）が年1回程度開催

ASEMの活動　－政治－ • アジア欧州協力協議会（CAEC, • Council for Asia-Europe Cooperation） • 政治対話を促進する関連 • で行われている知的交流

－経済－ • 貿易円滑化行動計画（TFAP, Trade Facilitation Action Plan） • 投資促進行動計画（IPAP, • Investment Promotion Action Plan） • アジア欧州ビジネスフォーラム（AEBF, Asia Europe Business Forum）

税関協力（関税局長・長官会議）　－文化・その他－ • アジア欧州財団（ASEF, Asia-Europe Foundation）　 • アジア欧州ヤング・リーダーズ・シンポジウム（別名：ミニダボス会合、AEYLS、 • Asia-Europe Young Leaders Symposium）

第1回首脳会合 96年3月1、2日　バンコク「更なる成長のためのアジア欧州のパートナーシップ」政治対話の促進経済分野での協力の強化その他の分野での協力の促進

第2回首脳会合 98年4月2－4日　ロンドンアジア経済通貨危機地域・国際情勢についての政治対話　　　　　　　　　　　　

第3回首脳会合 2000年10月19～21日、ソウル 21世紀に向けたアジアと欧州の対話と協力「アジア欧州協力枠組み2000（AECF2000, Asia-Europe Cooperation Framework 2000）」「朝鮮半島の平和のためのソウル宣言」

第4回首脳会合 2002年9月22～24日、コペンハーゲン「朝鮮半島の平和のための ASEMコペンハーゲン政治宣言」「国際テロリズムに関する協力のためのASEMコペンハーゲン宣言」

財務相会合 （２００３年７月５～６日インドネシア・バリ）デフレ懸念の強まる欧州の経済動向「バリ・イニシアチブ」金融分野の人材交流日本や欧州の構造改革

「アジア債券市場構想」 ・輸出活性化・円建て取引拡大

第５回首脳会合 2004年10月７～9日、ハノイ

より緊密なASEM経済 パートナーシップに関するハノイ宣言議長声明国連主導によるテロ対策ミャンマー加盟を巡るアジア・欧州の対立「ＡＳＥＭ『ＹＥＳ』債券市場」

ＡＳＥＭと国際・アジア経済 欧州・アジアによる国際経済の牽引・拡大に貢献合意形成の円滑アメリカに配慮した地域協力

第１４章 ヨーロッパとアジアが作る国際秩序