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ニュートリノ振動実験 OPERA における ECC 内のガンマ線サーチ. F 研究室 中塚裕司. 1-prong. 3-prong. 5-prong. t → m ~17.7%. t →3h ~15.0%. t →5h ~0.001%. t →e ~17.8%. t →h ~49.5% (with ~36.5%). OPERA 実験では約 10 イベントの τ 反応検出を目指している. τ 粒子の崩壊モード. t. t. τ 粒子崩壊の ~85% は 1-prong 崩壊である(崩壊による荷電粒子がひとつしか出ない)
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ニュートリノ振動実験OPERAにおけるECC内のガンマ線サーチニュートリノ振動実験OPERAにおけるECC内のガンマ線サーチ F研究室 中塚裕司
1-prong 3-prong 5-prong t→ m ~17.7% t →3h ~15.0% t →5h ~0.001% t →e ~17.8% t →h ~49.5% (with ~36.5%) OPERA実験では約10イベントのτ反応検出を目指している τ粒子の崩壊モード t t • τ粒子崩壊の~85%は1-prong崩壊である(崩壊による荷電粒子がひとつしか出ない) • その中でτ→h崩壊は約50%であり、そこでの検出効率の向上が重要である • またp0が付随するものは36.5%である。(ct~25nm)
t→h崩壊におけるバックグラウンド h h • τ→h崩壊において、ハドロンの二次反応がバックグラウンドになる • Kinematical cut 娘粒子の横向き運動量Pt>600MeV/c • γ線が付随している場合はPt>300MeV/cに緩めることができる • →τの検出効率を上げることができる。 ハドロンの二次反応 (原子核との衝突) t ハドロンの二次反応におけるPt分布 p0がつくものは事象数が少ない。 バックグランド同じでPtカット半分 h t→h崩壊
τ→h崩壊チャンネルにおける娘粒子のPt分布(娘粒子運動量>2GeV/c,kink angle>20mrad (MC) [ Angle acceptance : |qx|<0.6rad, |qy|<0.6rad ] Pt(GeV/c)
τ→h崩壊チャンネルにおける娘粒子のPt分布(娘粒子運動量>2GeV/c,kink angle>20mrad (MC) [ Angle acceptance : |qx|<0.6rad, |qy|<0.6rad ] 600MeV cut Pt(GeV/c)
τ→h崩壊チャンネルにおける娘粒子のPt分布(娘粒子運動量>2GeV/c,kink angle>20mrad (MC) [ Angle acceptance : |qx|<0.6rad, |qy|<0.6rad ] 600MeV cut 300MeV cut (>0 gamma) Pt(GeV/c)
τ→h崩壊チャンネルにおける娘粒子のPt分布(娘粒子運動量>2GeV/c,kink angle>20mrad (MC) [ Angle acceptance : |qx|<0.6rad, |qy|<0.6rad ] 600MeV cut 300MeV cut (>0 gamma) γ線をとらえることで、τの検出効率を 上げることができる Pt(GeV/c)
研究の目的 • τの検出効率を上げる。 • そのためにECC内でγ線を検出する系統的な方法を開発する。 • そのPointing精度を検証し、kink pointかprimary vertexからγ線が • 来たのかを区別できるかを調べる。
→2γ線のエネルギー分布 (MC) 反応に伴う→2γ線により生成されたγ線のエネルギー分布 (MC) t→h崩壊に伴うp0→2γ線のエネルギー分布 (MC) [ Angle acceptance : |qx|<0.6rad, |qy|<0.6rad ] [ Angle acceptance : |qx|<0.6rad, |qy|<0.6rad ] gamma >= 500MeV/c → 70% gamma >= 500MeV/c → 70% daughter P > 2GeV/c kink angle > 20mrad daughter Pt > 300MeV/c Momentum(GeV/c) Momentum(GeV/c)
→2γ線のエネルギー分布 (MC) 反応に伴う→2γ線により生成されたγ線のエネルギー分布 (MC) t→h崩壊に伴うp0→2γ線のエネルギー分布 (MC) [ Angle acceptance : |qx|<0.6rad, |qy|<0.6rad ] [ Angle acceptance : |qx|<0.6rad, |qy|<0.6rad ] gamma >= 500MeV/c → 70% gamma >= 500MeV/c → 70% daughter P > 2GeV/c kink angle > 20mrad daughter Pt > 300MeV/c Momentum(GeV/c) Momentum(GeV/c) → h崩壊の分布と似た形をしている → h崩壊からのγ線検出、pointing精度の良い 検証ができる
鉛中でのγ線と対生成された電子(陽電子) γ線はエネルギー ~数百MeV領域では相互作用はほとんど対生成反応のみ 対生成するまではvertex pointから鉛中を直進する。 一方発生した電子(陽電子)は鉛中で散乱を受ける。 e+ e- γ線 原子核 Conversion length Xp : 鉛中~7.2mm 鉛中での電磁波の相互作用の断面積
ニュートリノ反応点であるprimary vertexの周囲の飛跡を、飛跡読み取り装置で測定 されたデータ上で再構成する。飛跡とprimary vertex結ぶ仮想的なγ線を考える。 ECC内でのγ線サーチ 原子核乾板0.3mm 鉛1mm vertex point n vertex plate
ECC内でのγ線サーチ 条件:飛跡がフィルム2枚以上つながる。つなぎの条件は500MeV/c, 3σ x,y projectionでdq < 30mrad250MeV/cの電子の86%相当を含む角度。 vertex plateに飛跡は存在しない。 原子核乾板0.3mm 鉛1mm d vertex point n vertex plate
Track/30event mm/30event Track/event mm/event 選ばれた飛跡本数 探索鉛枚数 123 173 4.1 5.77 primary track (読み取り装置のineffciency) 47 (~38%) 1.6 Cosmic Ray 7 (~6%) 0.2 Fake track 37 (~30%) 1.2 Electron track候補 32 (30γ) (~26%) 1.1 選び出した飛跡の目視によるマニュアルチェックランダムに選んだOPERAニュートリノ反応30イベント(CC22 NC8) Fake track バックグラウンドからの低エネルギー電子による偽の飛跡。 Cosmic ray(輸送時) イタリアへの輸送時に原子核乾板に写った宇宙線の飛跡。データ上で除外することができる。 Vertex track ニュートリノ反応点からの飛跡。
ECC内でのγ線サーチ 条件:飛跡がフィルム2枚以上つながる。つなぎの条件は500MeV/c, 3σ x,y projectionでdq < 30mrad250MeV/cの電子の85.9%相当の散乱角を含む。 vertex plateに飛跡は存在しない。 原子核乾板0.3mm 鉛1mm check vertex point n vertex plate
ECC内でのγ線サーチ 条件:飛跡がフィルム2枚以上つながる。つなぎの条件は500MeV/c, 3σ x,y projectionでdq < 30mrad250MeV/cの電子の85.9%相当の散乱角を含む。 vertex plateに飛跡は存在しない。 原子核乾板0.3mm 鉛1mm electron × ineff vertex point n vertex plate
MCと実際のデータとの比較 OPERAニュートリノ反応イベントに対し鉛探索範囲~6mmに対し期待される γ線検出数は 0.9γ/event 実際の30イベントに対しサーチを行った結果は 1.0+-0.2γ/event 高い検出効率でγ線が見つかっている
n 電子対を確認できたγ線 14 片方の電子(陽電子)しか確認できなかったγ線16 見つかったγ線の分類 一本の飛跡しか確認され なかった 16γ ~100micron以内の範囲に 片方がいる 5γ 数micron離れている 9γ <~100um ? 100micron以上離れて しまっている可能性がある。
γ線のPointing精度 dz d Impact Parameter vertex point τ粒子の平均IP ~ct87micron Vertex分離のための値の目安
Pairが確認された Pointing精度32γ 片方しか確認されなかった
Pairが確認された Pointing精度32γ 片方しか確認されなかった Vertexの分離を議論 できる目安 ct~87micron
測定された角度ずれと散乱量から推測される角度ずれ測定された角度ずれと散乱量から推測される角度ずれ 電子のもつ角度ずれの主な原因、鉛中の多重散乱→運動量に相当。 鉛中で対生成を起こした深さ→不定性がある。 電子(陽電子)の運動量に相当する各フィルム間での角度差を測定する。 実際の角度差との比較をする。 dq 運動量から推測される角度ずれ
Pairが確認された Pointing精度32γ 片方しか確認されなかった 0.04rad 0.02rad 0.02rad 0.04rad
鉛1mm 原子核乾板0.3mm 電子(陽電子)の飛跡の散乱量の推定方法 γ線 電子(陽電子)の飛跡 制動放射のエネルギーロス 補正項 = = = =
推定された散乱量と実際の角度ずれの比較サンプル:20γ推定された散乱量と実際の角度ずれの比較サンプル:20γ Primary vertexとの 角度ずれ 運動量からの 推定値
推定された散乱量と実際の角度ずれの比較サンプル:20γ推定された散乱量と実際の角度ずれの比較サンプル:20γ Primary vertexとの 角度ずれ 運動量からの 推定値 τ→h γ2 τ→h γ1 混じってしまう 分離できる
推定された散乱量と実際の角度ずれの比較サンプル:20γ推定された散乱量と実際の角度ずれの比較サンプル:20γ Primary vertexとの 角度ずれ 運動量からの 推定値 τ→h γ2 τ→h γ1 混じってしまう 分離できる
τからのγ線をとらえ、検出効率の向上を目指している。τからのγ線をとらえ、検出効率の向上を目指している。 OPERAニュートリノ30イベントに対して、30γを見つけた。 MC 0.9γ/event 本手法により、ECC内でのγ線を、高い検出効率でサーチできることがわかった。 Pointing精度はまだ課題があるが、primary vertexから来たのか、kink pointから来たのかを判定できることを示した。 課題 統計数を上げる。 より正確な運動量推定方法。 まとめと展望
測定された角度ずれと散乱量から推測される角度ずれ測定された角度ずれと散乱量から推測される角度ずれ 電子のもつ角度ずれの主な原因、鉛中の多重散乱→運動量に相当。 鉛中で対生成を起こした深さ→不定性がある。 電子(陽電子)の運動量に相当する各フィルム間での角度差を測定する。 実際の角度差との比較をする。 Primary vertex dq2 dq1 Secoundary vertex
τ→h崩壊チャンネルにおける娘粒子のPt分布(娘粒子運動量>2GeV/c,kink angle>20mrad (MC) [ Angle acceptance : |qx|<0.6rad, |qy|<0.6rad ] (399+352)/399=1.88倍 70% 1.6倍 鉛5mm ~1.3倍 600MeV cut 300MeV cut (>0 gamma) Pt(GeV/c)
運動力学的なカット OPERAにおけるhadronic kink候補の判断基準 (10年前のプロポーザルで定めた基準 → ブラインド) ・1ry vertexの下流の鉛2枚以内でkinkしている ・kink角は20mrad以上 ・daughterの運動量は2GeV/c以上 ・decay Ptは600MeV/c以上(ガンマ線がkinkについている場合は300MeV/c以上) ・1ry vertexにおけるmissing Ptは1GeV/c以下 ・合成ハドロン運動量ベクトルと親粒子運動量ベクトルの方位角の差がp/2 rad以上
Mean 104.3 m IP distribution for: ntevents (MC) NC+CC nm events (MC) NC+CC nm events (Data) IP distribution for: ntevents (MC) expanded scale 崩壊探索方法 MCによるニュートリノ反応のIP分布 (ⅰ) 10 < IP < 500 [m]の飛跡を候補として選別する (ⅱ) IPが大きい理由を特定する [ IPが大きくなる理由 ] ・実際に崩壊様式 ・鉛による多重電磁散乱 (ⅲ) 運動力学的カット
Pairに見えるものの割合。 その原因。 Pair間のopening angle,両者の距離。 角度ずれと比較してどうか。 Pairの見え方
ECC内でのγ線サーチ エネルギー500MeV/cまでのγ線をとらえることを目標とする。 片方の電子が少なくとも250MeV/c以上のエネルギーを持つとして、電子の受ける 角度ずれの推定 対生成時のopening angle 鉛500micronで電子の受ける多重散乱量 X0=5.6mm 飛跡読み取り装置の角度精度 0.03rad ~ 1.8σ=92.7% (92.7%)^2=85.9%相当の散乱角を含む
原子核乾板:OPERAフィルム 厚さ205micronのプラスチックベースの両端に44micronの乳剤を塗布してある。 荷電粒子が通ると乳剤層に飛跡を残す。乳剤の組成:AgBr結晶とゼラチンの混合物。 荷電粒子が通った跡に沿ってイオン化されたAgが出来る。 実際の飛跡の写真
見つかったγ線からの電子(陽電子)の飛跡 サーチによるγ線 30 先頭のsegmentのbase trackが飛跡読み取り装置で測定された 21γ~70% 電子対が確かめられた 14γ~47% 電子対の両者ともが飛跡読み取り装置で測定された 2γ~7% 合計30γ(32電子track)をデータ上で探した候補の中からマニュアルチェックを経て確認した。 Vertex plateでのγ線 2 (系統的には探していない) 電子対 1γ 電子対の両者とも飛跡読み取り装置で測定された 1γ
Track/30event mm/30event Track/event mm/event 選ばれた飛跡本数 探索鉛枚数 200(vtx plate除かない) 173 6.6 5.77 Vertex plateに飛跡が存在 124 (~62.0%) vtx 77 ineff 47 4.1 Electron track候補 32 (30γ) (~16.0%) 1.1 Fake track 37 (~18.5%) 1.2 Cosmic ray 7 (~3.5%) 0.2 選び出した飛跡の目視によるマニュアルチェックランダムに選んだOPERAニュートリノ反応30イベント Fake track バックグラウンドからの低エネルギー電子による偽の飛跡。 Cosmic ray(輸送時) イタリアへの輸送時にフィルムに写った宇宙線の飛跡。データ上で除外することができる。 Vertex track ニュートリノ反応点からの飛跡。
選ばれた飛跡の詳細 Ineff vtx track 47 electron 32 fake track 37 CR (TrCR6) 7 サーチする飛跡 123 Vtx plateにも存在 200 77 vtx track Vtx base track effciency=77/(47+77)=77/124=62%
OPERAフィルムに写る飛跡 micro track base track micro track 生成粒子 OPERAフィルム断面図 y z 反応点 x neutrino OPERAフィルム
OPERAフィルムに写る飛跡 micro track base track dz micro track dx,dy 生成粒子 OPERAフィルム断面図 y z 反応点 x neutrino OPERAフィルム
γ線の検出効率の運動量依存性(MC) [ Angle acceptance : |qx|<0.6rad, |qy|<0.6rad ] 鉛に角度(0,0)のγ線を打ち込んだときの電子対の一方が角度(0.03,0.03)以内 になるようなものの割合。鉛は無限大の長さ。エネルギー依存性を見ている。
MCの説明0.9γ/eventpythia OPERAニュートリノ反応1000イベント CC762,NC238 ↓ CC2319γ + NC709γ= 3028γ (~1500π0) ↓ dθ<0.03 , linkletでつながる 1700γ ↓ 鉛6mm904γ ↓ Θ<0.6 866γ 866/1000 ~ 0.9 シミュレーション条件: 電子の飛跡が2枚以上つながっている 最上流の電子の飛跡が角度30mrad以内でvertex pointに向かっている 飛跡の検出効率は100% 電子対のうち一つ以上を検出できる 鉛探索範囲は6mmである
1000個のMCνμイベントについて 2011/02/13
π0について rho eta Delta omegaの崩壊からのpi0も多数含まれるが、 これらは短寿命なため、1ryからのpi0と認識される。 →1ry or decayの区別はしていない CC:1102個 (762イベント) NC:333個 (238イベント) 合計:1435個 (1000イベント) Epi0 [GeV]
Eγ [GeV] Angle [rad] 3028個のγ線について エネルギーとその角度sqrt(ax*ax+ay*ay)の2次元plot
En [GeV] 平均23.6GeVinteractedなニュートリノエネルギー! (注意)CNGSのビームとしては平均17GeVであるが、 実際にニュートリノ反応をするものはエネルギーに比例して 反応断面積が増加する効果が見えている。
ニュートリノ振動 あるニュートリノの種類が別の種類のニュートリノへ変化する現象。弱い相互作用 の固有状態(香りの固有状態)が質量固有状態の重ね合わせになっている。 1962年名古屋大学の牧、中川、坂田氏らによって提唱された。 2世代間での混合行列 振動確率はnm→ntのとき、 L:ニュートリノの進んだ距離 E:ニュートリノのエネルギー 質量があれば振動が生じる