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『 経産省の山田課長補佐、ただいま育休中 』 から7年、変わったこと、変わらなかったこと 国際医療福祉大学大学院公開講座 乃木坂スクール. 2013年11月27日(水) 山田 正人. 本日お話させていただく内容. パパの育休という選択 子育ての苦しみと楽しみ 山田家の様子( TV ニュース映像他) 育休を取って変わったこと、変わらなかったこと 家族 職場 政府 社会. 2. 育休を取得したきっかけ. 2004年11月~2005年10月末まで1年間 第3子の育休(上の双子は妻が育休) 夫婦で同じ年に同じ大学の同じ学部を卒業し、同じ役所に同期入省
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『経産省の山田課長補佐、ただいま育休中』から7年、変わったこと、変わらなかったこと国際医療福祉大学大学院公開講座 乃木坂スクール『経産省の山田課長補佐、ただいま育休中』から7年、変わったこと、変わらなかったこと国際医療福祉大学大学院公開講座 乃木坂スクール 2013年11月27日(水) 山田 正人
本日お話させていただく内容 • パパの育休という選択 • 子育ての苦しみと楽しみ • 山田家の様子(TVニュース映像他) • 育休を取って変わったこと、変わらなかったこと • 家族 • 職場 • 政府 • 社会 2
育休を取得したきっかけ • 2004年11月~2005年10月末まで1年間 • 第3子の育休(上の双子は妻が育休) • 夫婦で同じ年に同じ大学の同じ学部を卒業し、同じ役所に同期入省 • 第3子妊娠の受けとめ方の違い • 「子育てはお母さんにしかできないの?」という素朴な疑問(一種の社会実験) 3
決断した際の周囲の反応 • 妻 • 子ども(双子) • 実の両親 • 妻の両親 • 職場の上司 • 職場の同僚 • 友人・知人 4
実際に男性が育児を始めてみると・・ • 育児は大変! • 体力・筋力 • 睡眠 • 想定外惨事 • 理屈通じず • 「密室育児」 → おしゃべり → 仕事から離れるつらさ 5
男性ならではのつらさも ・近所からの好奇の目(マンションの管理人、医者) ・保育園からの疎外 ・公園デビューの難しさ ・居場所・訪ね先がない → 風邪をきっかけに一種の「プチうつ」に 6
プチうつからの脱却 職場の先輩・友人・後輩からの励まし 「完璧」主義からの決別 → 「無理しない育児」をスローガンに 7
無理しない育児 ・推奨される子育て法は時代によって異なる cf 品田知美「子育て法革命」(中公新書) ・推奨される子育て法は世界ではバラバラ cf すくすく子育て(NHK教育) ↓ 子どもの個性は千差万別 とすれば、 ベストの子育て法も千差万別なはず 自分の子にあった子育て法を見つければよい
無理しない育児各論① 離乳食 すりつぶし → 洗い物が大変 生協のにんじんペーストやカボチャペーストの冷凍ブロックを活用 冷やご飯をベースに、 シラス、残り野菜、のり、などを冷凍ブロックと煮込む → 1度に5パック × 3 種類 を冷凍
無理しない育児各論② ぐるぐる巻 すくすく子育てで紹介されていたモンゴルの子育て法。 「手足を揃えて布で赤ちゃんをピッチリ巻いてあげると、赤ちゃんはよく眠る。」らしい。 → さっそく実践してみる。
夜も目を覚ます回数が減ります 昼寝からなかなか目覚めなくなります ピッチリきつめに巻いて下さい ぐるぐる巻写真を入れる
新しい発見と成長を感じる6つの点~パパの子育ての満足度は高い~新しい発見と成長を感じる6つの点~パパの子育ての満足度は高い~ →パパの育休の満足度は高い(多くの経験者が語る) ① 子どもの成長が目に見える喜び ② 無償の愛に気付く(自分が育てられる) ③ 親子関係によい影響(しつけ) ④ 地域社会とのつながり(子育て支援拠点) ⑤ 職場が“特殊な社会”との自覚 ⑥ 夫婦間のコミュニケーションの改善(家事・育児の価値)
子どもが生まれる前の家事量を10とする 理念は、夫:妻=5:5の分担比率 ↓ 現実は、理想とする家事のレベルが違った! 「君が必要だと思うなら、君がやってよ」 妻が満足する家事水準 家 事 量 7 夫が満足する家事水準 =健康で文化的な生活に必要な最小限度 3 夫 妻
子どもが生まれると 家事量は10→100に! 子どもの健康・衛生を考えると、“必要論”はナンセンス <双子育児の頃(妻が育休、夫が継続勤務)> 夫:妻=3:7 ⇒ 夫:妻=10:90 夫:「今までの3倍以上やっているのに・・・」 結局のところ100の必要家事量の全貌を理解せず 妻:「夫は前にもまして家事をやらなくなった(怒)」
育休をとった後の家事分担 家事・育児の最終責任者となる。 初めて必要家事量が100であることを実感。 改めて、50:50の分担を理想に。 → 合理化できるところは合理化(洗濯) → 機械化できるところは機械化(新三種の神器) 二人とも家事・育児ができると、何も言わずにアイコンタクトすらなく意思疎通ができる!
職場に復帰した後の仕事は? 週2回(水・金)の定時退庁 周辺にも変化が発生 配属先の工夫 スタッフ職 時間の融通がきくライン職 (妻の実家を2世帯にした上で)管理職 2009年12月~昨年3月横浜市副市長に 「パパがいなくなった!」 水・金を定時退庁に戻すことに 昨年4月~夫婦とも経産省の管理職 16
山田家流の仕事と育児との両立のヒント 最も頼るべきは配偶者(パートナー) 水金と月火木に当番日を固定化。周囲に認識させる。 二人とも絶対に休めない、ということはそうそうない。(夫の仕事を聖域化すると、妻は、常に仕事と育児の板ばさみに)。 夫の戦力化により緊張感は半分どころか1/5に。 17
育休の経験が仕事にもたらしたもの 仕事の能率の向上 自分の仕事を客観視・相対視 部下に対する心の余裕(管理能力の向上) 組織へのロイヤリティの向上 ↓ ・ 広い意味での人生全体でプラス、なのはもちろん ・ 仕事という狭い世界の中でもプラスでは? 18
社会実験の結論は? 男性でも子育ては全く問題ない。 第一声 ぱっぱっぱっぱっ パパと一緒に寝る子に 唯一の例外は初乳のみ 腕力・体力という点では男性が優位な点も多い。
山田家の様子 in2006 TBSニュース23
最近の山田家 • 小5の男女の双子と小3の男児 • 小1プロブレム • 小4プロブレム • 物理的には手を離れるが。。。。 • 男女共同参画的価値観 • 課題は食育、勉強 • 少なくとも夫婦どちらかは一緒に食卓を囲む • PTAの役員にくじで当選
変わったこと、変わらなかったこと(1)家族変わったこと、変わらなかったこと(1)家族 • 夫婦仲、家族仲がよくなった。 • 子どもが健全に発育した。 • 親族全体を含めて、夫婦でともに子育てするという山田家の方針に対し理解が深まった。
変わったこと、変わらなかったこと(2)職場変わったこと、変わらなかったこと(2)職場 • 私たちの働き方は尊重していただけている。 • 職場で女性職員からのシンパシーが高まった。 • 支持してくれる男性職員も多い。 • 少なくとも直接文句を言われることはない。 • 経産省でも各省でも男性の育休取得者が続いた。 • 育児を理由に休むことがタブーではなくなった。 • 出版、講演、テレビなど世間で取り上げられることが身を守っているのかも。 • それでも、通常残業省の実態は変わらない。
変わったこと、変わらなかったこと(3)政府変わったこと、変わらなかったこと(3)政府 • 平成26年度に男性の育休取得比率を10%とする政府目標ができた(H17第2次男女共同参画基本計画)→H32に13%(H223次計画) • 育児休業給付金が3割→7割を検討 • 厚生労働省のイクメンプロジェクト、イクメン企業アワードが始まった。 • イクメン首長サミット、イクメン知事の子育て同盟 • イクメン議連の結成 • ワークライフバランス、子ども子育て三法(消費増税) • それでも、霞が関は不夜城
イクメン~昨年3月に野田総理を訪問~政府もイクメンを称揚イクメン~昨年3月に野田総理を訪問~政府もイクメンを称揚
変わったこと、変わらなかったこと(4)社会変わったこと、変わらなかったこと(4)社会 • 男性の育休取得率:0.5%→2.6%(2011) • イクメンが新語・流行語大賞にてトップ10(2010) • パパの保育所送迎、抱っこひも姿もよくみられるように。 • ファザリングジャパン(NPO)の出現 • 男性向け育児雑誌 FQJapanの出現 • 持ち手の位置が高いベビーカーがでてきた! → まだまだ変わっていないのか? → 氷山の軋む音が聞こえているのでは?
「経産省の山田課長補佐、ただいま育休中」が文庫化(文春文庫)「その後の山田家」「勝間和代の解説」を追加是非、御一読を!「経産省の山田課長補佐、ただいま育休中」が文庫化(文春文庫)「その後の山田家」「勝間和代の解説」を追加是非、御一読を!
11月29日(金)午前10時半~ “どう解決?育休の疑問” 放送予定です
男女とも仕事と子育てを楽しめるワークライフバランス社会にするために男女とも仕事と子育てを楽しめるワークライフバランス社会にするために 男性の「育休希望」35.8%(中公新書「男性の育児休業」) 実際の取得率は2.63%(厚労省「雇用均等基本調査(2011)」) なぜ取れないのか? 職場の理解(85.1%) 昇格に影響(80.7%) → 勤務先の意識の問題 特にトップほど男性の育休に否定的 (中公新書「男性の育児休業」) 33
男性も子育ての楽しみを味わいたいが現実は厳しい男性も子育ての楽しみを味わいたいが現実は厳しい (出典)H17 男女共同参画社会白書 34
共働き世帯が例外から主流に (出典)H21男女共同参画白書 35
はじめて反対が賛成を上回る (出典)H17男女共同参画白書 36 36
世代間で異なる意識 37 (出典)お茶の水女子大学御船美智子教授作成資料
子育て期の男性は、残業させられている その一方で、女性はパートタイム労働が多い。 38 38 平成16年度労働白書
男性が働きすぎると女性は働けない 岩手 青森 徳島 長野 三重 岡山 広島 静岡 沖縄 宮城 滋賀 (出典)橋本 由紀・宮川 修子「なぜ大都市圏の女性労働力率は低いのか― 現状と課題の再検討 ― 」(経済産業研究所ディスカッションペーパー08-J-043) 39
家に帰らない日本の父親 午後7時までに夫が帰宅する割合 ー ストックホルムで8割、ハンブルグで6割、パリで5割 ー 東京では2割 ・ 夕食を何回家族全員で取るのかに対して週7回と答えた人の割合 ー パリで46%、ハンブルグで38%、ストックホルムで32% ー 東京では17%。 (出所)永井暁子(2006)「家族政策と家族生活の日欧比較」 幼児(就学前の3~6歳児)のいる家庭で午後11時以降に帰宅する父親の割合: ーソウル(9.9%)、北京(2.0%)、上海(2.1%)、台北(5.0%)。 ー東京(25.2%), (出所)ベネッセ「幼児生活アンケート;東アジア5都市調査」速報。2006年2月。 40
圧倒的に少ない日本の父親の育児・家事時間~しわ寄せは母親に~圧倒的に少ない日本の父親の育児・家事時間~しわ寄せは母親に~ (出典)平成18年版厚生労働白書 41 41
少子化の推移 1986年 機会均等法 42 42 (出典)H16少子化白書
外れ続ける出生率予測 2006年推計 43 (グラフ出所)2006年3月1日読売新聞に2006推計を追加
2005年をピークに人口減少へ 2006年推計 下方修正 6538万人(高位低位) 4771万人(中位中位) 3663万人(低位高位) (出典)国勢調査+日本の将来推計人口(2002)+同左(2006) 44 44
働き方・働かせ方の変革が重要 「公務員だから」 「大企業だから」 「実力があるから」 → 自分との違いをレッテル貼りして、自分が子育てをしない口実を作っている! ↓ 必要なのは、 男女共同参画の時代に合わせて、男性を含めてワークライフバランスのとれた働き方・働かせ方に変えること (参考)「日本をダメにした10の裁判」(日本経済新聞) 45
究極的には家庭内での男女平等が大切 ① きちんと理念を共有する - 男女平等 - 男女共同参画 といった当たり前の理念を夫婦間で確認する。 (参考図書)「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」遙洋子著 ② 家庭内での意識は職場に伝播 何気ない一言が敵を作っているおそれ 46