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見つめ直す JCO 臨界事故:原因と影響・4年後の射程 2003 年9月 27 日. 中性子被曝線量を再評価する - 環境に漏洩した中性子の挙動計算 -. 今中哲二 京都大学原子炉実験所. JCO 事故による被曝. 沈殿槽からのガンマ線・中性子線による被曝(直接放射線) 転換試験棟から環境に漏洩した放射能による被曝(放射能汚染). < JCO 事故の環境影響の特徴> 沈澱槽から転換試験棟の壁を透過して環境に漏洩した中性子が主役であった.. JCO 事故で被曝した人たち - 科学技術庁報告 2000 年 10 月-. 転換試験棟の中で作業していた( 3 人)
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見つめ直すJCO臨界事故:原因と影響・4年後の射程見つめ直すJCO臨界事故:原因と影響・4年後の射程 2003年9月27日 中性子被曝線量を再評価する- 環境に漏洩した中性子の挙動計算 - 今中哲二 京都大学原子炉実験所
JCO事故による被曝 • 沈殿槽からのガンマ線・中性子線による被曝(直接放射線) • 転換試験棟から環境に漏洩した放射能による被曝(放射能汚染) <JCO事故の環境影響の特徴> 沈澱槽から転換試験棟の壁を透過して環境に漏洩した中性子が主役であった.
JCO事故で被曝した人たち- 科学技術庁報告 2000年10月- • 転換試験棟の中で作業していた(3人) • 臨界停止水抜き“決死隊”(24人) • その他のJCO職員(145人) • 防災関係者(235人) • 周辺住民(207人) • 報道関係者(26人) • 一時滞在者(28人) 合計 668人
転換試験棟にいた3名の被曝量-健康管理委員会報告 2000年3月-
その他の被曝者の被曝量健康管理委員会 2000年3月
JCO敷地外での中性子線量推定値- 今中の計算と事故調報告 -
中性子挙動計算の目的 • 日本の原子力開発史上最悪の事故であったJCO事故で起きたことをできる限り解明しておく. • 中性子モニタリングデータや環境サンプル放射化データを用いて独自に計算を行い、事故調報告の値を検証する. • 屋内での中性子スペクトルを計算し、周辺住民の被曝量を独自に評価する.
科研費小村班などによる敷地周辺の放射化サンプル採取位置科研費小村班などによる敷地周辺の放射化サンプル採取位置
中性子挙動3次元詳細計算の進め方 • ステップ1:沈澱槽漏洩スペクトル計算 • ステップ2:冷却塔SUS放射化と総核分裂数の計算 • ステップ3:転換試験棟周辺サンプルの放射化計算 • ステップ4:JCO敷地内建物分布を考慮した3次元計算(~80m程度) • ステップ5:JCO敷地周辺計算:3次元と2次元の比較(数100mまで)(一応ここまで終了) • ステップ6:forward-adjoint coupling計算と家屋透過効果の評価(現在進行中)
ステップ1:沈澱槽漏洩中性子エネルギースペクトルと方向分布ステップ1:沈澱槽漏洩中性子エネルギースペクトルと方向分布
中性子スペクトルの比較2次元無遮蔽モデルと3次元モデル中性子スペクトルの比較2次元無遮蔽モデルと3次元モデル
ここまでのまとめ • 3次元モデルに基づく中性子挙動計算により、敷地周辺屋外モニタリング点での中性子線量をうまく計算できた. • 放射化データとの比較では、熱中性子反応についてはまずまずだが、速中性子反応、とくにCl35(n,α)P32について、計算と測定が合わない. • 家屋の遮蔽効果を考慮すると、速中性子データについても計算が改善されると思われる.(Forward-Adjoint Coupling手法を用いて、家屋をモデル化した遮蔽計算を現在行っているところ).
法令が変わると被曝量が変わった?2000年4月から新法令が施行された法令が変わると被曝量が変わった?2000年4月から新法令が施行された
おわりに<JCO事故調査の経験を通して> • 調査すべきことが残されている段階で責任当局の調査は幕を下ろした. • 沈澱槽溶液の詳細測定をしなかった • 投入したウランの2kgが行方不明 • 科研費グループの調査が拒否された • 原子力村の専門家による個人的調査は期待できない. • JCO事故では「放射能は漏れていない」という情報統制があった.次の大事故での情報統制はもっと大きくなるだろう.