290 likes | 423 Views
脈動変光星による銀河系研究と 位置天文衛星の重要性. 松永典之 東京大学 木曽観測所. ミラ・セファイド. ミラ型変光星 AGB (1 ~ 8 M sun ) 周期 100 ~ 1000 日程度 M5 Ⅲ ~ M9.5 Ⅲ セファイド Blue loop (4 ~ 10 M sun ) 周期 1 ~ 100 日程度 F6 Ⅱ ~ K2 Ⅰ どちらも周期光度関係を持つ距離指標。. セファイド. ミラ. ミラとセファイドの周期光度関係. LMC の変光星( IRSF/SIRIUS の観測結果). ミラ、その他の赤色巨星変光星. 2 種類のセファイド.
E N D
脈動変光星による銀河系研究と位置天文衛星の重要性脈動変光星による銀河系研究と位置天文衛星の重要性 松永典之 東京大学 木曽観測所
ミラ・セファイド • ミラ型変光星 • AGB (1~8 Msun) • 周期100~1000日程度 • M5 Ⅲ~M9.5 Ⅲ • セファイド • Blue loop (4~10 Msun) • 周期1~100日程度 • F6 Ⅱ~K2 Ⅰ • どちらも周期光度関係を持つ距離指標。 セファイド ミラ
ミラとセファイドの周期光度関係 • LMCの変光星(IRSF/SIRIUSの観測結果) ミラ、その他の赤色巨星変光星 2種類のセファイド 古典的セファイド 縦軸 K 等級 ミラ Ⅱ型セファイド 横軸 log (周期) Matsunaga et al. (2009) Ita et al. (2004)
変光星の応用 恒星研究 銀河系研究 • 内部構造や進化が • 観測量として現れる。 • まだ残る課題はある。 • (例:セファイドの質量) • 周期光度関係による • 距離の決定。 • トレーサとしての役割。 系外銀河・宇宙論研究 • 周期光度関係による距離の決定。 • LMCの距離は「宇宙のはしご」に • 残る最も大きい不定性の一つ。
位置天文衛星への期待 年周視差 • 高精度の物理量推定 • 周期光度関係の較正 固有運動 • 銀河系中での運動 • 恒星種族の分離
セファイドの年周視差 σπ/π<0.16のセファイドは12個(Hipparcos) HST Fine Guidance Sensor 1rは ±0.2 masレベルの年周視差を 10個のセファイドで得た。 (Benedict et al. 2007) van Leeuwen et al. (2007): HipparcosとHSTによる年周視差を組み合わせ セファイドの周期光度関係を較正
ミラの年周視差 σπ/π<0.16のミラは5個だけ(Hipparcos、黒丸) VLBI の年周視差が得られつつある。 Whitelock et al. (2008)
ミラの周期光度関係がもつ可能性 • JWSTでは非常に遠くの銀河まで距離が測れる。 • セファイドではHSTで行った可視の観測からそれほど距離が伸びない。 ミラ セファイド 30Mpc 0.3Mpc 1Mpc 3Mpc 10Mpc
JASMINE計画への期待 • Hipparcosよりも高精度の固有運動 • 変光星の種類・種族による運動の違い • バルジにある変光星(特にミラ)の年周視差 • 周期光度関係の較正 • 高金属量下での周期光度関係 → Nano-JASMINE → 小型JASMINE
Nano-JASMINEによる固有運動計測 • 少し遠くにあって(~1kpc)、距離は他の方法で得られる天体の固有運動が面白い。 • Hipparcosが年周視差を測ったような星よりも • 変光星 • 散開星団 • 球状星団 5 0 μδ [mas/yr] -5 -10 散開星団M67の固有運動 Bellini et al. (2010) +5 0 -5 -15 μαcosδ [mas/yr]
Nano-JASMINEとミラ型変光星 • Zwバンドの利点 • ミラの赤さ • 振幅 • spotの影響
ミラに対するZwバンドの有効性 Nano-JASMINE Hipparcos Gaia 新たに固有運動を測れるミラが多いだろう。 (年周視差計測の付加はたぶん無い)
セファイドは青い。 Nano-JASMINE Hipparcos Gaia
振幅 ΔV : Δ I : Δ K ~ 2.5 : 1.0 : 0.4 Whitelock et al. (2000)
ミラの輝度分布と年周視差測定 • 潜在的な問題 • 輝度分布が一様ではない。 • hot spot, limb darkening, MOLsphere(detached layer) • 脈動の周期が1年程度。 • 半径が1AUよりも大きい。 非一様性の効果は赤外域で小さいはず。 光赤外線干渉計IOTAによるベテルギウス (not Mira!) の表面輝度分布(H-band!) (Haubois et al. 2009)
Zwバンドの利点 • Hipparcosでは見えなかった天体が見えてくる。 • 長波長域での感度を活かして、少し遠くのミラまで。 • 年周視差測定の精度・確度が上がる可能性。 ミラをNano-JASMINEで再観測する利点は大きい。
小型JASMINEと銀河中心の変光星 • IRSFによる銀河中心サーベイから • どんな天体が観測にかかるか • どんな研究が出来るか
IRSF/SIRIUS • 名古屋大学と国立天文台が南アに建設 • IRSF = InfraRed Survey Facility(主鏡口経1.4 m) • SIRIUS = Simultaneous InfraRed Imager for Unbiased Survey • JHKsフィルターでの同時撮像 • 視野 7.7 分角 (ピクセルスケール0.45秒) http://www.z.phys.nagoya-u.ac.jp/~telescope
IRSF surveys of variable stars in the Galaxy Matsunaga et al. (2009) Sun
幅7分角で -10<ℓ<+10 20分×30分角 Region1 Region2
銀河中心方向のミラ • Matsunaga et al. (2009) • 20分×30分角の領域を探査 • 2001~2008: 90回程度反復 • 1364個の長周期変光星 • 約150個のミラの距離を決定
距離の決定 • 減光量と距離指数を同時に求める。 • ランダム誤差 0.2 mag • 周期光度関係の分散 • 系統誤差 0.15 mag • 周期光度関係の環境依存性 • LMCの距離指数 • 減光の波長依存性 LMCのミラ(100<P<350)の周期光度関係
銀河中心の距離 Matsunaga et al. (2009) • μ0=14.58±0.02stat±0.11syst[mag] ↔ 8.24±0.08stat±0.42syst [kpc] • Sgr A*近傍のS2星公転運動による結果と一致。 • 8.33±0.35 [kpc] , Gillessen et al. (2009) ほぼ全てのミラが±300pc以内に存在 μ0(GC)=14.58 mag
銀河中心ミラの距離決定精度 from P-L relation: μ0=14.52±0.2randommag from JASMINE parallax: π=125±10 μas (統計を稼げれば)JASMINEの 年周視差で、周期光度関係の 系統誤差をほとんど無くせる。 [kpc]
星間吸収の構造 • 視線方向で大きく変わる複雑な構造があることはミラの結果でわかる。 • 画像を見ただけでも。 • 詳細な3次元構造を見るには、ミラ以外も必要。 • cf. 西さんの講演
年周視差の測れるミラの個数 20min×30minにある100<P<350のミラ • 運用年数はぜひエクストラサクセスレベルを! • 中型 JASMINEはぜひ Kバンドで!
JASMINEでしかできないミラの研究 • 赤外線での年周視差計測 • 可視光より不定性が小さいはず。 • 電波(VERA)とは違い、非質量放出星も見える。 • バルジにあるミラの周期光度関係を調べる。 • 銀河系バルジのミラは貴重なサンプル • 統計をかせげる。 • 高金属量下のミラ。
まとめ • 小型JASMINEの運用期間は、ぜひ2年半を。 • 中型JASMINEはできれば、Kバンドで。