1 / 64

免疫担当細胞と疾患  2008

免疫担当細胞と疾患  2008. 日本大学医学部  3 年生  病理学 講義  2008 年 4 月 4 日 早川 智. 免疫担当細胞. 免疫に係る細胞で狭義には 中枢リンパ組織と末梢リンパ組織を構成する 細胞 骨髄に由来する血球細胞が主体 血管内皮細胞や , 脂肪細胞 , 線維芽細胞などもサイトカインを産生 内胚葉や外胚葉に由来する上皮細胞も関与. 炎症に関る細胞群. 生体防御系としての免疫系の特徴. Peter Parham, 1990. Complement. Ag/Ab complexes. ANTIGEN. Killing of bacteria.

clarke
Download Presentation

免疫担当細胞と疾患  2008

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. 免疫担当細胞と疾患 2008 日本大学医学部 3年生  病理学 講義 2008年4月4日 早川 智

  2. 免疫担当細胞 • 免疫に係る細胞で狭義には中枢リンパ組織と末梢リンパ組織を構成する細胞 • 骨髄に由来する血球細胞が主体 • 血管内皮細胞や,脂肪細胞,線維芽細胞などもサイトカインを産生 • 内胚葉や外胚葉に由来する上皮細胞も関与

  3. 炎症に関る細胞群

  4. 生体防御系としての免疫系の特徴 Peter Parham, 1990

  5. Complement Ag/Ab complexes ANTIGEN Killing of bacteria Inflammation Inactivation of viruses Allergy APC Proliferation B ANTIBODY AFC Antigen Differentiation processing F Antigen- ( M et al. ) AUTOIMMUNITY specific T-cell triggering T H2 "help" T-CELL FUNCTIONS Antigen T "presentation" T T-cell killing: transplants, C tumor cells Mixed Lymphocyte Reaction (MLR) T H1 Delayed type hypersensitivity, (DTH); e.g. tuberculin reaction T Suppression/Regulation (Tolerance) S/R AFFERENT 求心性 CENTRAL 中心性 EFFERENT 遠心性 免疫応答における三つの枝“LIMBS"

  6. 急性炎症 acute inflammation • Calor • Tumor • Rubor • Dolor • Functio laesa

  7. 血管内皮傷害 血管内皮結合の破綻・内皮傷害 顆粒球による血管内皮破壊・transcytosisの亢進

  8. 好中球の活性化と血管外遊走

  9. 炎症に関る接着分子

  10. 好中球の活性化=活性酸素 • Oxygen-Independent Antimicrobial Activity Bactericidal permeability increasing protein (BPI)causesphospholipaseactivation, phospholipiddegradation and increased membrane permeability Lysozymecauses degradation of bacterial coat oliggosaccharides Major basic protein (MBP)is cytotoxiccomponent of eosinophilgranules Defensinsare pore-forming antibacterial peptides

  11. 自然免疫 • 免疫学的記憶がない • 病原体特異的な構造を認識 • 無脊椎動物から進化の上で保存されている TLR ショウジョウバエのToll に類似 LPS(TLR4), fulagerin(TLR5), dsRNA(TLR3), ssRNA(TLR7,8),CpG(TLR9),Toxoplasmagondii(TLR11) Nods 1,2 植物の病原体センサーに類似 muradymyl dipeptide MDPを認識 獲得免疫系とクロストークする

  12. 単球・マクロファージ系細胞 • 無脊椎動物にも存在(メチニコフがヒトデ幼生で発見) • 全てのマクロファージは単球に由来と考えられてき(mononuclear phgocyte system MPS) • 個体発生初期に未熟造血細胞が末梢組織に定着し、resident macrophageとして維持 • 前駆脂肪細胞からも分化する

  13. 単球・マクロファージの機能 抗原提示細胞である単球・マクロファージ(MΦ)は、細菌を貪食し、細胞内(エンドゾーム)で消化し、細菌の蛋白を、分解・断片化しアミノ酸数が約10~15程度のペプチドにする。 樹状細胞やB細胞も、抗原提示する。

  14. マクロファージのマーカー • CD14:LPS レセプター • CD68:リソゾーム膜蛋白の一つで修飾LDLを認識する.パラフィン切片で染色可能 • CD163:組織マクロファージに強く発現するが樹状細胞は陰性。Hemoglobin scavenger receptor • CD169 :シアル酸認識レクチン(Siglec-1)炎症性マクロファージに強く発現 • CD204:class A scavenger receptor 修飾LDLや陰性荷電分子を認識 組織マクロファージと未熟DCに発現

  15. マクロファージと代謝疾患 • 粥状硬化とマクロファージ細胞死 • 単球が活性化された動脈内皮に付着しMCP-1などの作用で内皮下に侵入し、Mpに分化、SVRを介して変性LDLを取り込み、泡沫細胞に分化し,アポトーシス後粥状硬化に至る

  16. 肥満とマクロファージ • 脂肪細胞はアデイポサイトカインを分泌する。Leptin,adiponectin,TNF-a,resistin,IL-6,plasminogen activator inhibitor-1 ,angiotensinogen etc. • 肥満状態におけるアデイポサイトカイン異常が耐糖能異常を起こす • 肥満患者では脂肪組織中のCD68細胞が増加する • 同時にマクロファージの血管内皮への接着侵入が亢進し動脈硬化促進因子となる

  17. TLR4 多型性と疾患 • TLR4 Asp299Gly • 動脈硬化になりにくいが敗血症に弱い • Van der Graaf CA, Eur Cytokine Netw. 2006 Mar;17(1):29-34. • クローン病になりやすい • Brand S, Inflamm Bowel Dis. 2005 Jul;11(7):645-52. 感染症に対する抵抗性 動脈硬化や自己免疫疾患

  18. 樹状細胞 • 1868年 PaulLangerhansが皮膚の樹状細胞を報告 • 1973年 Ralph Steinmannが脾臓より単離 • 抗原呈示能があり、ナイーブT細胞を活性化する機能がある • 全身に広く分布し、末梢で抗原をトラップしてリンパ器官に移動し、免疫応答もしくは寛容を誘導(非リンパ器官における免疫監視細胞→抗原情報伝達細胞→抗原呈示細胞

  19. 樹状細胞の抗原呈示 • 直接経路 内在性抗原の呈示:ウイルス感染など • 間接経路 貪食した抗原由来のペプチド呈示 • クロスプライミング 細菌やウイルスに感染した細胞を貪食したDCが抗原を呈示 • リンパ節に移行する過程で成熟しT細胞活性化分子を表現するようになる

  20. 樹状細胞のサブセット • ミエロイドDC(myeloid DC):Mpや顆粒球と近縁にある CD8α-DC • リンパ球系DC(plasmocytoid)DC:食作用がなくTCR,Igrearrangementが生じていることがある CD8α+DC I型IFN産生 最近では前者をconventional DCという

  21. DCの分布 • 多くの末梢組織とくに粘膜組織に分布 • 末梢血(c-DC,p-DC前駆細胞)やリンパ組織(classIIMHC陽性の成熟DCが主体)にも分布 • 末梢組織からリンパ器官に移動する細胞をveiled cellという • 末梢組織のMHCclassI はCTLのtargetとなっても naiveT cellからCTLの 誘導はできない

  22. DCの食作用とサイトカイン産生 • C-DCは主にTh1,P-DCは主にTh2サイトカインを産生(例外も多い) • C-DCはtype-1サイトカイン産生からtype-2サイトカイン産生細胞に分化する • 未熟な段階でIL-1,TGF-b、PGE2などの影響を受けるとTr1を誘導するようになる:寛容誘導性DC tolerogenic DC • P-DCは食作用はないがTLR7,9やを介した刺激でIFN-αを産生し,OX-40Lを介してTh2サイトカインを誘導する DCの免疫制御作用 • 生体内で自己物質を捕捉してペプチドを呈示 • 自己反応性T細胞の除去(IDOを介する) • 制御性T細胞の誘導

  23. NK細胞 • ウイルス感染細胞や、腫瘍細胞を 抗原特異性や、MHC拘束性はなく認識し傷害する。 • CD2+CD3-TCR-、CD161+、CD16+CD56+IL-2Rβ+LFA-1+で、形態は、大型顆粒リンパ球(LGL)。 • CD16は、免疫グロブリンのFc部分に対するリセプター(FcγRIII:Fcγ受容体タイプIII) • CD56は、NCAM-1であり,末梢血はCD56dim,粘膜型はCD56bright • アシアロGM1を細胞表面に発現(未熟なT細胞も)  • CD161(レクチン様受容体)により、標的細胞の特定の糖鎖を認識し、また、MHCクラスI分子受容体により、標的細胞のMHCクラスI分子の有無を認識し、MHCクラスI分子を失った細胞を傷害する。

  24. NK活性の測定 • 赤白血病細胞株K562に対する傷害性で測定する. • K562は、MHCを発現せず、CD54(ICAM-1)、CD58(LFA-3)が細胞表面上に存在し、それぞれ、NK細胞表面のLFA-1(CD11a)、LFA-2(CD2)と、接着する。

  25. NKレセプター • NK細胞のMHCクラスI分子受容体には、KIR受容体(免疫グロブリン・ファミリー)と、NKG2受容体(C型レクチン・ファミリー)とが、存在する。 • 両者共に、NK細胞活性を亢進させる活性化型と、NK細胞活性を抑制する抑制型の、2種類が存在する。 • NK細胞は、標的細胞の糖鎖を認識したNK細胞受容体から、ONのシグナルを受け、抑制型のMHCクラスI分子受容体から、OFFのシグナルを受けない時標的細胞を、障害する

  26. NK細胞の機能 • NK細胞は、ウイルス感染の初期から働く。 •  ウイルス感染時に、ウイルス感染細胞から産生される、IFN-α、IFN-βは、NK細胞活性を増強させる。 • IL-12で活性化されたNK細胞は、IFN-γを産生する。IFN-γは、さらにNK細胞活性を増強させる。 • 腫瘍細胞における表面抗原の変化やMHC発現低下を認識(CTLよりは弱い) • 一部のNK細胞はIL-4,5,6を産生し免疫抑制に作用する(NK2細胞:MS寛解期や移植片の生着時に出現

  27. LAK細胞 • NK細胞は、低親和性のIL-2レセプター(IL-2Rb)を有するが,高濃度のIL-2で活性化され増殖したのが、LAK細胞(lymphokine-activated killer cells) • 腫瘍に対する免疫療法で誘導される

  28. 細胞傷害性T細胞 • 以前はキラーT細胞と呼ばれた細胞群 • 細胞表面にCD8分子を表出している • MHCclass Iを認識 • ウイルス感染や腫瘍化により変化したclass Iを認識 し顆粒を放出して破壊する • サイトカイン産生パターンによりTc1とTc2がある

  29. 細胞傷害顆粒(Lytic granules) • 細胞傷害性T細胞(CTL)やナチュラルキラー細胞に存在する特殊な細胞小器官で、内部pHが約5.5の酸性に維持されている。構成成分として、ポア形成タンパク質パーフォリン(Perforin)、セリンプロテアーゼであるグランザイムファミリー(Granzyme)、プロテオグリカンであるセルグリシン(Serglycin)、カルシウム結合タンパク質カルレティキュリン(Calreticulin)、カテプシン(Cathepsin)等のリソソーム酵素などが含まれている

  30. B細胞は飛道具(大砲)T細胞NK細胞は白兵戦 • FasL • TRAIL related apoptosis-inducing ligand)癌細胞にアポトーシスを誘導する事が、正常細胞には作用を示さない.但しHIV感染細胞では感受性となる

  31. Zhang L et al. Intratumoral T Cell s , Recurrence, and Survival in Epithelial Ovarian Cancer . N Engl J Med. 2003 Jan 16;348(3):203-13 卵巣癌186例において腫瘍内に浸潤したCD8陽性リンパ球数と予後を検討した.: 独立した予後因子である

  32. ヘルパーT細胞 • TCR・CD3複合体は、単球・マクロファージ表面の、抗原が結合したMHCクラスII分子を認 • 同時に抗原提示細胞の補助刺激分子CD86とTが細胞の受容体CD28を介した刺激が必要 • IL-2によって活性化し、B細胞の抗体産生や細胞傷害性T細胞の活性を調節する

  33. Th1 細胞性免疫 IL-12 IL-2 IFN-g Th0 液性免疫 Th2 IL-4 IL-5 IL-6 IL-10 IL-13 IL-4 Th1とTh2

  34. Th17細胞 • STAT1, T-bet, STAT4 and STAT6を発現 • IL-4,IFN-γを産生しない • Th1,Th2とは別のlineageに属する

  35. 自己反応性T細胞の選択 • 骨髄に由来するリンパ系前駆細胞は胸腺で増殖する • 胸腺の抗原呈示細胞が発現する自己MHCと自己抗原ペプチドに強く反応するT細胞は死滅する(負の選択) • あるいは末梢に移行して制御性T細胞となる • 自己MHC/ペプチドに弱く反応するT細胞は成熟し(正の選択)末梢に移行する

  36. 胸腺は士官学校 • ハーグ陸戦条約 • 胸腺外T細胞は正式の教育を受けない民兵

  37. 制御性T細胞 • IL-2Rα鎖(CD25)陽性のCD4T細胞は免疫抑制活性を有する • CTLA-4を介したシグナル伝達 • FOXP3遺伝子が分化を支配

  38. Increased frequency ofregulatory T cells in malignancies • Curiel TJet al. Specific recruitment of regulatory T cells in ovarian carcinoma fosters immune privilege and predicts reduced survival. • Nat Med. 2004 Sep;10(9):942-9

  39. 妊娠と制御性T細胞 • 脱落膜T細胞の14% がCD4+CD25+ で多くはintracellular CTLA-4 (CTLA-4i)を発現し,GITR ,OX40陽性である • 末梢血でも妊娠初期に増加するがIDO誘導活性は低い Phenotypic characterization of regulatory T cells in the human decidua. Heikkinen J et al.Clin Exp Immunol. 2004 ;136:373-8. • 妊娠初期のヒト脱落膜には大量のCD4+CD25brightT 細胞が存在し CD152(CTLA-4) を発現する • これらの細胞はCD3刺激によるCD4+CD25-T 細胞の増殖を抑制する • 流産患者ではCD4+CD25brightT 細胞の頻度は著しく減少する ( Sasaki Y et al.Decidual and peripheral blood CD4+CD25+ regulatory T cells in early pregnancy subjects and spontaneous abortion cases.Mol Hum Reprod. 2004 ;10(5):347-53)

  40. CD8+サプレッサーT細胞 やはり存在する! James EA, Kwok WW. CD8+ suppressor-mediated regulation of human CD4+ T cell responses to glutamic acid decarboxylase 65. Eur J Immunol. 2007 Jan;37(1):78-86Elrefaei M et al . HIV-specific IL-10-positive CD8+ T cells suppress cytolysis and IL-2 production by CD8+ T cells. J Immunol. 2007 Mar 1;178(5):3265-71.

  41. NKT細胞 • NK細胞とT細胞両方の表面マーカーを有する (NK細胞受容体(CD161)と、TCR,CD3) • VDJ 再構成は生じているが,抗体様レセプターの多様性は著しく低い (Vα14/Vβ8,Vα24Vβ11 ) • 胸腺でも胸腺外でも分化する • 粘膜や肝臓,骨髄に多く存在し,type-1,type2何れかのサイトカインを産生して免疫調節に作用する

  42. NKT細胞の認識抗原 • 活性化には抗原刺激に加えて,T細胞と同様に、CD28/B7共刺激回路やCD40/CD154(CD40L)共刺激回路が必要 • スフィンゴ糖脂質αガラクトセラミドを認識し活性化する • スフィンゴ糖脂質の誘導体(OCHという合成糖脂質)により、活性化されると、IL-4のみを産生するので,多発性硬化症の治療への応用も試みられている • α1,3-オリゴ糖により、CD161が刺激され、活性化されると、IFN-γのみが産生されるので悪性腫瘍治療への応用が試みられている

  43. NKT細胞の機能 • NKT細胞は、NK細胞と同様に、抑制受容体を有しており、MHC分子を失った標的細胞だけを傷害する • NKT細胞は、細胞表面に、自己MHC分子を認識する受容体が存在し、自己MHCを有する細胞と結合した場合は、抑制シグナルが入り傷害できない • NK細胞と同様に、Fasリガンドを発現したり、パーフォリン/グランザイムを産生し、標的細胞(癌細胞など)を傷害する。 • ステロイドや放射線に対する抵抗性が強い

  44. 胸腺外T細胞 胸腺を欠くヌードマウスで少数のT細胞が存在 CD3dim,NK1.1+,gdT細胞,自己反応性, 限られたTCRレパトア ヒトの胸腺外T細胞 脱落膜における分化 Hayakawa, S et al. J. Immunol .1994, 153:4934-9 Mincheva-Nilsson,L. et al. J. Immunol 1997, 159:3266-77. 腸管粘膜内リンパ球 Lynch Set al. Eur J Immunol. 1995 25:1143-7.

  45. 粘膜における大顆粒リンパ球

  46. ヒトにおける胸腺外T細胞の発見

  47. gdT細胞 • 進化の上ではabT細胞よりも古い • TCRVgI-IV,Vd1-6 と少数のレパトアを使用する • ヒト末梢血では1-3%,小腸粘膜では40%,脱落膜では5-20%を占める • HSPや非ペプチド抗原を認識する

  48. Murinecellular immune response against transplanted B-16 melanoma cells , both early innate and late acquired , exclusively express Th2,Th3 or Tr1 phenotypes

More Related