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ウイルス

ウイルス. ウイルスと疾患. 風疹の再流行 2013 トリインフルエンザ（ H7N9 ）の流行 2013 新型インフルエンザの流行 2009 麻疹の再流行 2007 トリインフルエンザ（ H5N1 ）の流行 2004 SARS の流行 2003 西ナイル熱の流行（米国） 2002 C 型肝炎ウイルスの発見 1989 AIDS 病原体としての HIV の発見 1983. ウイルスの性状. ビリオン ウイルス粒子 カプシド タンパク質からなる殻 ヌクレオカプシド 核酸を包含するカプシド カプソメア カプシドの単位構造

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Presentation Transcript

  1. ウイルス

  2. ウイルスと疾患 風疹の再流行 2013 トリインフルエンザ（H7N9）の流行 2013 新型インフルエンザの流行 2009 麻疹の再流行 2007 トリインフルエンザ（H5N1）の流行 2004 SARSの流行 2003 西ナイル熱の流行（米国） 2002 C型肝炎ウイルスの発見 1989 AIDS病原体としてのHIVの発見 1983

  3. ウイルスの性状 ビリオン ウイルス粒子 カプシド タンパク質からなる殻 ヌクレオカプシド 核酸を包含するカプシド カプソメア カプシドの単位構造 （正二十面体または螺旋状） エンベロープ 外被 （核膜または細胞膜由来）

  4. ウイルスの構成成分 化学組成 共通 核酸 ＋ タンパク質 エンベロープ 脂質 ＋ 炭水化物 ＋ タンパク質 ウイルス核酸 DNA 二本鎖（直鎖状，環状） 一本鎖・・・パルボウイルス RNA 一本鎖（＋鎖，ー鎖） 二本鎖・・・レオウイルス，ビルナウイルス

  5. 感染性核酸 核酸のみを細胞内に入れることで感染が成立する 二本鎖DNAウイルス ポリオーマウイルス，アデノウイルス，ヘルペスウイルス 一本鎖（＋）RNAウイルス ピコルナウイルス，カリシウイルス，トガウイルス フラビウイルス，コロナウイルス 感染効率は低い レセプターは必要としない・・・感染宿主の広域化 核酸が遺伝情報の担い手であることを証明

  6. ウイルスタンパク質 主要構成タンパク質数 3～4 パルボウイルス，ピコルナウイルス，カリシウイルス フラビウイルス，トロウイルス，レトロウイルス コロナウイルス，ブニアウイルス，アレナウイルス ビルナウイルス 5～10 ポリオーマウイルス，アデノウイルス，ヘパドナウイルス トガウイルス，オルトミクソウイルス，ラブドウイルス フィロウイルス，レオウイルス 11～ イリドウイルス，ヘルペスウイルス，ポックスウイルス パラミクソウイルス

  7. ポリオウイルスRNA（6 kb） 前駆体タンパク質（250 kDa） ビリオン構成タンパク質×４ RNAポリメラーゼ プロテアーゼ 翻訳 プロテアーゼ

  8. ウイルス酵素 RNA依存性RNAポリメラーゼ 　レトロウイルス以外のRNAウイルス 逆転写酵素（RNA依存性DNAポリメラーゼ） 　レトロウイルス DNA依存性RNAポリメラーゼ 　ポックスウイルス ノイラミニダーゼ 　オルトミクソウイルス

  9. ウイルスの培養 培養細胞 初代培養細胞（組織から調製） 株化培養細胞 動物種，由来組織に対する特異性 ウイルスによる細胞変性効果（CPE） 発育鶏卵 6～10日卵 尿膜腔内，羊膜腔内，卵黄嚢内，漿尿膜内 ウイルス収量多い→ワクチン生産 実験動物 感染実験 動物種に対する特異性

  10. ウイルスの定量法 ウイルス粒子数の計数 電子顕微鏡下で標準ラテックス粒子と比較計数 終末点希釈法 段階希釈系列を作成し，バイオアッセイにより力価検定 TCID50 (50% tissue culture infectious dose) EID50 (50% egg infectious dose) MLD50 (50% mouse lethal dose) ポック計数法 鶏卵漿尿膜上のポック（斑点）を計数 プラーク計数法 単層培養細胞上のプラーク（細胞死滅斑）を計数 赤血球凝集反応 段階希釈系列を作成し，最小赤血球凝集濃度を測定

  11. ウイルスの増殖機構 吸着・・・特異的レセプターへの吸着 細胞への侵入・・・細胞膜またはファゴソーム膜との融合 脱殻・・・ウイルス核酸の細胞中への放出 ウイルス素材の複製・・・遺伝情報の複製 → ウイルスタンパク質合成 成熟・・・ヌクレオカプシドの形成 → 核膜または細胞膜周辺に集積 → 出芽（エンベロープ形成） 放出・・・出芽，細胞膜貫通，細胞破壊

  12. 二本鎖DNAウイルスの複製 ウイルスDNA 核内移行 RNAポリメラーゼⅡ mRNA DNAポリメラーゼ 細胞質移行 タンパク質合成 DNA複製 核内移行 ヌクレオカプシド

  13. ポックスウイルス 自前のRNAポリメラーゼにより細胞質内で 遺伝情報（含DNAポリメラーゼ）を転写 細胞質内で自己複製 ヘパドナウイルス 部分的一本鎖を修復（ 二本鎖DNA） 宿主RNAポリメラーゼ ＋鎖RNA（プレゲノム） 逆転写酵素 －鎖DNA DNAポリメラーゼ ウイルスDNA

  14. 一本鎖（＋）RNAウイルスの複製 ＋鎖RNA（mRNA） タンパク質合成 ウイルスRNAポリメラーゼ －鎖RNA ウイルスRNAポリメラーゼ ＋鎖RNA ヌクレオカプシド

  15. 一本鎖（－）RNAウイルスの複製 －鎖RNA ウイルスRNAポリメラーゼ ＋鎖RNA（mRNA） ウイルスRNAポリメラーゼ タンパク質合成 －鎖RNA ヌクレオカプシド

  16. 二本鎖RNAウイルスの複製 二本鎖RNA ウイルスRNAポリメラーゼ ＋鎖RNA（mRNA） ウイルスRNAポリメラーゼ タンパク質合成 二本鎖RNA ヌクレオカプシド

  17. レトロウイルスの複製 一本鎖（＋）RNA ウイルス逆転写酵素 二本鎖DNA インテグラーゼ 染色体DNA中に組込み RNAポリメラーゼⅡ mRNA（＋鎖RNA）

  18. ウイルス感染による細胞の変化 細胞死 細胞変性効果 cytopathic effect (CPE) 高分子合成能をはじめとする細胞機能障害 細胞表面の変化 赤血球凝集エンベロープ→細胞膜上→赤血球吸着 細胞膜融合型エベロープ→細胞膜上→細胞融合→多核細胞 封入体の形成 ウイルス粒子，ウイルス成分の結晶状マトリックス，細胞構造変化 狂犬病ウイルス核内好酸性封入体（Negri小体） ポックスウイルス，ヘルペスウイルス，アデノウイルス 形質転換 腫瘍ウイルスがん遺伝子→接触阻止の消失，足場依存性の消失

  19. ウイルスの干渉現象 ウイルスが感染したことにより，後から感染した同一または異種ウイルスの増殖が抑制される現象 感染によるウイルスレセプターの破壊 ラウス肉腫ウイルス → 白血病ウイルス ニューカッスルウイルス → 他のパラミクソウイルス 欠損ウイルスがウイルス産生を抑制 インフルエンザウイルス，水痘性口内炎ウイルス ウイルス感染によるインターフェロン産生 インターフェロンα，β，γ

  20. IFN-a IFN-b IFN-g 産生細胞 B細胞，マクロファージ 線維芽細胞 T細胞 分子量 15,000～21,000 22,000～23,000 20,000～25,000 遺伝子数 12以上 1 1 アミノ酸残基数 165～172 166 146 糖鎖 ± ＋ ＋ 誘起物質 ウイルス，ds RNA ウイルス，ds RNA T細胞マイトジェン 適用 C型慢性肝炎 Ｃ型慢性肝炎 腎がん B型慢性肝炎 Ｂ型慢性肝炎 悪性リンパ腫 腎がん，多発性骨髄腫 悪性黒色腫

  21. 宿主とウイルス 種特異性・・・動物種に特異的 ポリオウイルス→霊長類，トリインフルエンザ→鳥類，ヒト？ 変異により特異性が変化する可能性 不顕在感染・・・感染は成立しているのに症状が現れない 麻疹，痘瘡　100%顕在化 日本脳炎　発症率0.1% 局所感染・・・特定の組織に限局した感染 インフルエンザウイルス　呼吸器粘膜 全身感染 感染組織 → 第１次ウイルス血症 → 特定臓器 → 第２次ウイルス血症 → 各種臓器

  22. ウイルスの感染様式 急性感染 感染→潜伏期（数日～２，３ヶ月）→発症→回復→ウイルス消失 持続感染 顕在感染が長期持続←宿主の防御機構低下 潜伏感染 感染（発症）後，ウイルスが消失せずに，体内に潜伏 ヘルペスウイルス→三叉神経節，脊髄神経節 遅発性感染 非常に長い（１～数年）潜伏期間の後，発症 腫瘍原性感染 ウイルス感染→腫瘍形成

  23. ウイルスの伝播様式 水平伝播　同一世代の同種または異種動物間を伝播 垂直感染　母から子に伝播 　経胎盤感染・・・風疹ウイルス，HIV，サイトメガロウイルス 　産道感染・・・B型肝炎ウイルス，HIV 　母乳感染・・・HIV，成人T細胞白血病ウイルス

  24. ウイルスの感染経路 飛沫感染・・・インフルエンザ，風疹 　　咳，くしゃみ → 飛沫（> 100 mm）　 飛沫核感染（空気感染）・・・麻疹，水痘 　　飛沫 → 水分蒸発 → 飛沫核（< 5 mm） 接触感染・・・流行性角結膜炎 　　皮膚や粘膜の接触，間接的接触 　性感染・・・ヘルペス，AIDS，B型肝炎 　咬傷感染・・・狂犬病 経口感染・・・ポリオ，A型肝炎 　感染動物の肉，糞便で汚染された水 → 経口摂取 血液感染・・・AIDS，B型肝炎，C型肝炎 昆虫媒介感染・・・日本脳炎

  25. ウイルスの分類

  26. DNAウイルス

  27. ポックスウイルス科 ・二本鎖直鎖DNA ・エンベロープ ・動物ウイルスで最大，多形状体 ・DNA依存性RNAポリメラーゼ ・細胞質中で増殖 痘瘡ウイルス 天然痘 種痘ウイルス 痘瘡ワクチン製造 サル痘ウイルス

  28. ヘルペスウイルス科 ・二本鎖直鎖DNA ・エンベロープ，外殻 ・正二十面体カプシド，円筒形コア HHV-1 単純ヘルペスウイルス１型 HHV-2 単純ヘルペスウイルス２型 HHV-3 水痘帯状疱疹ウイルス HHV-4 EBウイルス HHV-5 サイトメガロウイルス Bウイルス　サルヘルペスウイルス

  29. HHV-1 単純ヘルペスウイルス１型（HSV-1） 不顕在感染 → 潜伏感染 → 口唇ヘルペス HHV-2 単純ヘルペスウイルス２型（HSV-2） 不顕在感染 → 潜伏感染 → 性器ヘルペス HHV-3 水痘帯状疱疹ウイルス（VSV） 水痘（小児） → 潜伏感染 → 帯状疱疹（成人） HHV-4 EBウイルス（EBV） 伝染性単核症，バーキットリンパ腫 HHV-5 サイトメガロウイルス（CMV） 巨細胞封入体症，サイトメガロウイルス網膜炎 HHV-6 ヒトヘルペスウイルス６型　突発性発疹 HHV-7 ヒトヘルペスウイルス７型　突発性発疹 HHV-8 ヒトヘルペスウイルス８型　カポジ肉腫

  30. アデノウイルス科 ・二本鎖直鎖DNA ・正二十面体カプシド，エンベロープなし ・ヒトアデノウイルス・・・41型 流行性角結膜炎 咽頭結膜熱（プール熱） 急性気道疾患（新兵熱） 齧歯類培養細胞を形質転換

  31. ポリオーマウイルス科 ・二本鎖環状DNA ・正二十面体カプシド，エンベロープなし シミアンウイルス40（SV40） 　　アフリカミドリザルの腫瘍ウイルス 齧歯類細胞を形質転換 　　ヒト細胞の分裂寿命延長 DNA複製，DNA修復，発がんのモデル研究

  32. パピローマウイルス科 ・二本鎖環状DNA ・正二十面体カプシド，エンベロープなし ヒトパピローマウイルス（ヒト乳頭腫ウイルス） 疣贅（イボ）・・・良性腫瘍 尖圭コンジローマ 子宮頸がん・・・16型，18型

  33. ヘパドナウイルス科 ・不完全二本鎖環状DNA ・正二十面体カプシド，エンベロープ ・逆転写酵素をもつ B型肝炎ウイルス（HBV） 垂直感染，輸血感染，性交感染

  34. パルボウイルス科 ・一本鎖直鎖DNA ・正二十面体カプシド，エンベロープなし ・病原性ＤＮＡウイルスで最小 ヒトパルボウイルスB19 伝染性紅斑（リンゴ病） 多発性関節痛

  35. RNAウイルス

  36. レオウイルス科 ・二本鎖直鎖RNA ・正二十面体カプシド，エンベロープなし ・RNA依存性RNAポリメラーゼ ロタウイルス 感染性胃腸炎

  37. ポリオウイルス 　　急性灰白髄炎（小児麻痺） コクサッキーウイルス 　　ヘルパンギーナ（CA，夏かぜ症状） 　　手足口病（CA16） 　　コクサッキー心炎（CB） エコーウイルス 　　無菌性髄膜炎 エンテロウイルス 　　急性出血性結膜炎（E70） 　　手足口病（E71） ライノウイルス 　　普通感冒 A型肝炎ウイルス 口蹄疫ウイルス ピコルナウイルス科 ・小さな（pico）RNAウイルス ・（＋）鎖RNA ・正二十面体カプシド ・エンベロープなし

  38. カリシウイルス科 ・（＋）鎖RNA ・正二十面体カプシド，エンベロープなし ・培養細胞系での増殖に成功していない ノロウイルス（小型球形ウイルス，ノーウォーク様ウイルス） 感染性胃腸炎 E型肝炎ウイルス → 独立の科

  39. トガウイルス科 ・（＋）鎖RNA ・正二十面体カプシド ・エンベロープあり 風疹ウイルス 飛沫感染 子宮内感染（先天性風疹症候群） 東部ウマ脳炎ウイルス 西部ウマ脳炎ウイルス ベネズエラウマ脳炎ウイルス 鳥類が自然宿主，蚊が媒介

  40. フラビウイルス科 日本脳炎ウイルス・・・ブタ 黄熱ウイルス・・・サル，ヒト デング熱ウイルス・・・サル，ヒト ウエストナイル熱ウイルス・・・鳥類 哺乳類鳥類が自然宿主，蚊が媒介 C型肝炎ウイルス 輸血・血液製剤感染，（垂直感染，性交感染） 培養細胞での増殖に成功（2005年） ・（＋）鎖RNA ・正二十面体カプシド ・エンベロープあり

  41. コロナウイルス科 ・（＋）鎖RNA ・螺旋状ヌクレオカプシド ・エンベロープあり ヒトコロナウイルス 普通感冒 SARSウイルス 重症急性呼吸器症候群

  42. レトロウイルス科 ・（＋）鎖RNA ・エンベロープあり ・逆転写酵素をもつ ヒト免疫不全ウイルス－1（HIV-1） ヒトT細胞白血病ウイルス（HTLV-1） Rous肉腫ウイルス がん遺伝子src マウス乳がんウイルス マウス白血病ウイルス

  43. パラミクソウイルス科 ムンプスウイルス 　　流行性耳下腺炎 麻疹ウイルス RSウイルス ニパウイルス パラインフルエンザウイルス 上気道感染症 センダイウイルス 細胞融合 ・（－）鎖RNA：非分節ゲノム型 ・螺旋状ヌクレオカプシド ・エンベロープあり ・RNA依存性RNAポリメラーゼ

  44. ラブドウイルス科 ・（－）鎖RNA：非分節ゲノム型 ・螺旋状ヌクレオカプシド ・エンベロープあり ・RNA依存性RNAポリメラーゼ 狂犬病ウイルス 　　咬傷感染 　　潜伏期約１ヶ月 リッサウイルス感染症 　　コウモリ

  45. フィロウイルス科 ・（－）鎖RNA：非分節ゲノム型 ・螺旋状ヌクレオカプシド ・エンベロープあり マールブルグウイルス エボラ出血熱ウイルス

  46. オルトミクソウイルス科 ・（－）鎖RNA（7～8分節） ・螺旋状ヌクレオカプシド ・エンベロープあり ・RNA依存性RNAポリメラーゼ インフルエンザウイルス 　　ヘマグルチニン（HA） 　　ノイラミニダーゼ（NA） HAワクチン NA阻害剤

  47. インフルエンザウイルス (A型) ヘマグルチニン（H） ノイラミニダーゼ（N） 亜型：H 1～16, N 1～9 1918年 スペインかぜ H1N1 1957年 アジアかぜ H2N2 1968年 ホンコンかぜ H3N2 1977年 ソ連かぜ H1N1 2003年 トリインフルエンザ H5N1

  48. アレナウイルス科 ・（－）鎖RNA（＋鎖部分あり，２分節） ・螺旋状ヌクレオカプシド ・エンベロープあり ・RNA依存性RNAポリメラーゼ ・数個のリボソーム ラッサウイルス ラッサ熱 リンパ球性脈絡髄膜炎（LCM）ウイルス フニンウイルス，マチュポウイルス， グアナリトウイルス，サビアウイルス 　　南米出血熱

  49. ブニヤウイルス科 ・（－）鎖RNA（＋鎖部分あり，３分節） ・螺旋状ヌクレオカプシド ・エンベロープあり ・RNA依存性RNAポリメラーゼ ハンタウイルス（属） 腎症候性出血熱（HFRS） 　　ハンタウイルス肺症候群 クリミア・コンゴ出血熱 ウイルス

  50. ウイロイド 植物に対して感染性をもつ一本鎖環状RNA タンパク質をコードしない デルタ肝炎因子（D型肝炎ウイルス） 　デルタ肝炎（D型肝炎）の病原一本鎖環状RNA 　デルタ抗原遺伝子を含む B型肝炎ウイルス感染細胞中でのみ増殖できる RNAポリメラーゼⅡにより転写される 　リボザイム活性を有している

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