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AM and T. Hirano, Phys. Lett. B 703, 583 (2011). 相対論的粘性流体によるカラーグラス凝縮からの時空発展. 門内 晶彦 東京大学理学系研究科物理学専攻 共同研究者:平野 哲文. 日本物理学会 2011 年秋季大会 2011 年 9 月 16 日、弘前大学. はじめに. 相対論的重イオン衝突におけるクォークグルーオンプラズマ (QGP). Hadron phase. (crossover). QGP phase. sQGP. ( wQGP ?). 相対論的重イオン衝突型加速器 (RHIC).
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AM and T. Hirano, Phys. Lett. B 703, 583 (2011) 相対論的粘性流体によるカラーグラス凝縮からの時空発展 門内 晶彦 東京大学理学系研究科物理学専攻 共同研究者:平野 哲文 • 日本物理学会 2011年秋季大会 • 2011年9月16日、弘前大学
はじめに • 相対論的重イオン衝突におけるクォークグルーオンプラズマ (QGP) Hadron phase (crossover) QGPphase sQGP (wQGP?) • 相対論的重イオン衝突型加速器 (RHIC) ほぼ完全流体なQGPの発見 より定量的な理解には粘性の効果が重要 • ハドロン衝突型加速器 (LHC) これまでで最も高温領域での重イオン衝突実験 RHICにおける描像はLHCでも有効であるのか? はじめに
はじめに • 高エネルギー重イオン衝突反応のモデリング 粒子描像 t t 凍結 ハドロンカスケード描像 流体から粒子へ QGP相 ハドロン相 相対論的流体描像 局所 熱平衡前 熱平衡化 z カラーグラス凝縮描像 カラーグラス凝縮 (CGC) 衝突直前の原子核中のグルーオン飽和状態 (τ < 0 fm/c) 相対論的流体力学 重イオン衝突反応におけるQGPの時空発展を記述 (τ ~ 1-10 fm/c) ALICE実験によるデータ
ALICE実験による結果 • 中央ラピディティのマルティプリシティ K. Aamodtet al. PRL105252301 Pb+Pb, 2.76 TeV at η = 0 CGC ALICE データ (most central 0-5%) CGCはRHICのデータとコンシステント だがLHCのデータより大分小さい 重イオン衝突反応とCGC
重イオン衝突反応とCGC • MC-KLN模型における飽和スケール • CGC + Hydrodynamic Model D. Kharzeevet al., NPA 730, 448 H. J. Drescher and Y. Nara, PRC 75, 034905; PRC 76, 041903 λ=0.38 観測量との直接比較によって決めている λ=0.28 λ=0.18 dNch/dηはλが大きいほど傾きが急になる RHIC データは λ~0.28 を支持 dN/dy CGCの初期条件 観測された粒子分布 観測された粒子分布 CGCの初期条件 流体力学的 時空発展 現在欠けているピース CGCに対する流体的時空発展による効果を (i) 非ブースト不変な膨張 を考慮して評価する (ii) 粘性による補正 粘性流体モデル
粘性流体モデル • 完全な2次の粘性流体方程式 + エネルギー運動量保存則 AM and T. Hirano, NPA 847, 283 体積粘性応力 ずれ粘性応力 全ての項を保持 (1+1)次元(=横方向のフローがない)系において相対論的座標を用いてこれらの数値解を求める 流体へのインプット
流体へのインプット • 状態方程式と輸送係数 • 初期時刻 における境界条件 状態方程式: 格子QCD S. Borsanyiet al., JHEP 1011, 077 P. Kovtunet al., PRL 94, 111601 ずれ粘性係数: η = s/4π A. Hosoyaet al., AP 154, 229 体積粘性係数: ζeff = (5/2)[(1/3) – cs2]η AM and T. Hirano, NPA 847, 283 緩和時間: 相対論的運動学 他の2次係数: 相対論的運動学 流速: Bjorken解 (i.e. 流速ラピディティ Yf = ηs) エネルギー密度分布: MC-KLN型 CGC 粘性量分布: 結果
結果 • CGC初期分布と流体発展後(Tf = 0.16 TeV)の分布 LHC RHIC 外向きエントロピー流 分布の平坦化 エントロピー生成 分布の増加 True λがRHICにおいて大きければLHCのdN/dyは大きくなる 流体効果がLHCにおけるCGCと観測量の差を説明する可能性 結果
結果 • 流体力学のパラメータ依存性 • CGCのパラメータ依存性も見る必要がある • エントロピー生成は輸送係数に比例して増加する • 流体時空発展においては、体積粘性に比べずれ粘性の効果が大きい 実際のλ をラピディティ分布とセントラリティ依存性から決める 結論と展望
結論と展望 • CGC型の初期分布に対し、完全な2次の粘性流体を(1+1)次元系において解いた • 将来の展望 • CGC側のパラメータ依存性の評価, rcBKの導入, etc… • (3+1)次元の粘性流体モデルにおいて横方向の流速の効果を取り入ることによるより定量的な評価, etc… 非自明なCGCのラピディティ揺らぎが (i) 外向きエントロピー流(非ブースト不変性の効果) (ii) エントロピー生成 (粘性の効果) によっておこる 粘性流体の効果がLHCにおける大きなマルティプリシティを説明するのに重要な役割を持つ可能性 AM & T. Hirano, in preparation 講演終わり
講演終わり • ご静聴ありがとうございました • Website: http://tkynt2.phys.s.u-tokyo.ac.jp/~monnai/index.html