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2011 年 原子核三者若手 夏の学校 2011 高エネルギーパート 2011/08/19-20 山崎祐司(神戸大). LHC 実験最新結果 その 1 SM, Top, SUSY, Exotics. 講演の内容. LHC の運転状況 研究の 成果 標準模型の検証 トップクォーク SUSY など , BSM 探し Higgs 探し – 次のパート. 結果が一部 ATLAS 中心なのは,お許しください. Tevatron 実験. 2TeV 衝突実験 アメリカ・フェルミ 研究所 LHC の直前まで energy frontier
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2011年 原子核三者若手 夏の学校 2011 高エネルギーパート2011/08/19-20 山崎祐司(神戸大) LHC 実験最新結果その1 SM, Top, SUSY, Exotics
講演の内容 • LHC の運転状況 • 研究の成果 • 標準模型の検証 • トップクォーク • SUSY など, BSM 探し • Higgs 探し – 次のパート 結果が一部 ATLAS 中心なのは,お許しください
Tevatron 実験 • 2TeV 衝突実験 • アメリカ・フェルミ研究所 • LHC の直前まで energy frontier • 今年9 月まで運転 • 各実験約 取得予定 • これまで… • トップクォークの発見 • 質量の測定 • BS quark による CP violation • Electroweak 精密測定 • W mass など • Higgs exclusion 積分ルミノシティ:どれだけ衝突が起こったかを表す値断面積 の逆数
LHC (Large Hadron Collider) at CERN* *CERN: 欧州原子核研究所 • 標準模型の予言する質量起源のヒッグス粒子,標準模型を超える粒子・相互作用の発見が目的 • 世界最大,最高エネルギーの加速器 モンブラン ジュネーブ市街 周長27km (電子・陽電子衝突実験LEP トンネルの再利用) 7TeV = 7 兆電子ボルト(TeV = 10¹² eV)陽子同士の衝突 重心系エネルギー14 TeV (現在 7 TeV衝突)40MHz 衝突 建設期間 14 年 レマン湖 スイス CERN フランス
LHC運転と近未来 • 2011: ? • 2012: 7 TeV run 継続 10 目標 • 2013-14 18ヶ月でマグネット修理 → 14 TeV run へ 2011/08/18 現在2.43 2010 ~ 2.5!!! すでに60倍! 夏のコンファレンスで発表
衝突エネルギーとパートン衝突の確率 • クォーク,グルーオンとも低い運動量でずっと多い • 同じ質量のものを生成するなら,高エネルギー衝突が圧倒的に有利 • Tevatron と LHC 大体同じ
どんなものがどれだけできるか 大体今のルミノシティ • Soft QCD 過程 • クォーク・グルーオン散乱:100MHz • Hard QCD 過程 • ジェット 100 GeV: 1kHz • W/Z: ~ 100 Hz もう取るの大変 • Top: 0.1 Hz • ほしいもの • 350GeV : 1 Hz(実際に観測できるものはずっと少ない) • ヒッグス生成:0.001-0.01 HzS/N 10⁻¹⁰ 散乱断面積 事象頻度 今のLHCのエネルギー
衝突頻度と実験 • 最新の加速器ではビームを 程度に絞り,まれに起こる事象も起こりやすくする • 副作用:1回の陽子バンチ衝突でたくさんの陽子・陽子散乱が起きる • これだけのたくさんの飛跡の中から,高い運動量を持つ2本のミューオンの飛跡が選び出せている! • 特にニュートリノ(残り)の運動量に影響
標準模型の検証 すでにわかっているものが,きちんと測れるか
大基本: Drell-Yan (W, Z production) • 電弱相互作用 • 理論で正確に予測 • 検出器,パートン密度の理解 運動量の 成分だけで計算した不変質量
生成断面積(衝突で生成される頻度) • Good news: 大体あっている • 検出器もほぼ所期の性能を達成 • 精度向上 → クォーク密度の精密決定へ白点:様々な PDF による違い 白抜き:理論の予想 黒:データ緑:データの不定性
Jet 生成(1) • パートンがハドロンに破砕化パートンとほぼ同じ運動量 • 断面積:グルーオンにも感度 これも,まあおおむねあっている(強いて言えば,やや低め) → 信号,バックグランドの計算まあ信頼できる
細かく見ると… • CMS も NLO とおおむね合っている • 強いて言えば,やや低め? Anti-kT, R = 0.5PDF4LHC = centre of the envelope ofMSTW08, CTEQ6.6, NNPDF2.0 • 測定精度はjet energy scale (JES) でほぼ決まる JES (particle flow) 2.5 – 4% uncertainty
前方のjets • 測定値は NLO よりかなり低い ATLAS JES central rapidity: CMS とほぼ同じ JES: low pTで大きいが,高いところでは 3%
W, Z + jets • W, Z 生成の際にquark, gluon が放射されたもの • 高次の QCD 計算:計算が難しく,不定性大きい • Heavy particle 測定のバックグランドになる • Higgs WW channel • Top (特に ) • SUSY ()などなど Top -> dileptonオレンジが W/Z + jets
W + jets • 緑点: Pythia • leading order + parton shower では足りない • 他の点・バンド: NLO 計算 • おおむねデータを再現,不定性は大きい
Diboson production colour flow • WW, ZZ • Higgs → WW・ZZ と同じ終状態 • 新物理にも感度 • Triple Gauge-boson coupling(右の diagram) 1個目のZの不変質量 分布。信号少ない。大きいものを選ぶ 2個目のZの不変質量
Dibosonproduction:結果 • ZZ production まで測れた • SM と矛盾なし! いろいろな標準模型粒子生成の断面積測定結果
標準模型と同じ信号を出す新粒子 • 新しい粒子が2個の標準模型粒子に壊れるとジェットのペア,レプトンのペアなどの不変質量にピークができる • 新しい(高いエネルギーだけで起きる)相互作用があると,運動量の大きな粒子の生成が変化する 2ジェットの不変質量 Jet がでたときの欠損運動量(ニュートリノなど) 標準模型と矛盾なし
トップクォーク あって当然,だけではないかも
トップクォークの物理 • GeV • W, Z より重い唯一の粒子 (Higgs よりも?) • Higgs とのカップリング Yt ~ 1(なにかおかしくない?) • 重い = 重い未知の粒子とつながるかも • Standard Model を超える物理の影響が見えやすいかも • 例:charged Higgs からの 2-jet resonance
実験的に • LHC: top factory • 高統計の精密測定で新物理に感度 • 夏のコンファレンスでTevatronの統計を超えた • どうやって捕まえるか • ほぼ100%b-quark tagging をする • (leptonic) か (hadronic)
Top candidate: Dileptondecay の例
Top quark cross section • バックグランド少ない • 精度のよい結果 • NNLO と大体合っている Dilepton channel: Z+jetsがバックグランド From EPS 2011/ talk by Frederic Deliot
Single top production • Electroweak productionなど様々な物理 • LHC では明快なシグナル • Cut-based の解析でも見つけることができる From EPS 2011/ talk by Frederic Deliot 2jet (上の d, b) うち一つが b-tagged
Top quark の質量 • Top の質量に応じて輻射補正の量が変わる • Z mass, W mass の関係に影響 • Higgs の mass を予言 • LHC は mass の測定精度はまだまだ • 検出器,イベントの理解 From EPS 2011/ talk by Frederic Deliot http://gfitter.desy.de/
Top forward-backward asymmetry • :s-channelboson with axialvector coupling • LO では 0, NLO では 5% (カットなし) • 実験 : 8 4%, 理論 1 2% (low ) • LHC に期待,と言いたいが,見えにくい(vs. )Charge による central vs forward の分布の違い もしここに From EPS 2011/ talk by Frederic Deliot
トップクォークの崩壊 • 例えば電荷のある Higgs 粒子(標準模型にはない)があると,タウレプトンができやすい • 右の絵の赤い部分 • が大きいと に decay しやすい • 今のところ超過なし
SUSY search 本命?
ちょっとだけまじめに • 超対称演算子 : boson-fermion を交換するオペレータ • , • 反交換関係 • : 2回演算すると,時空における平行移動 • : と交換する → 質量を変えない全ての粒子に質量の同じパートナーが存在 • 何でも,これ以外に時空の平行移動のオペレータを内部対称性=ゲージ対称性と同居させる方法はないそうな。 • なので,理論屋さんはたいていSUSY は何らかの形態で実在すると信じている。ただ,TeVスケールにあるかは別。
超対称性粒子たち 重い電荷のない粒子 重い ~ ~ ~ 0 1 2 軽い 一番軽い粒子はこれ以上崩壊できず,安定 暗黒物質 もし超対称性が見つかれば, 素粒子・宇宙のみかたが全く変わる
超対称性の御利益 • Higgs boson 質量の2次発散が防げる • Fermion loop とBoson loop でキャンセル(符号反対)log の発散だけが残る • 理論として安定 • 大統一 • 暗黒物質 • 超対称のたいていのモデルでは,R-parity conservation を仮定 • 普通の粒子はR > 0, 超対称粒子は R < 0超対称粒子はペアで生成 • すると,一番軽い超粒子 (LSP, lightest super particle) は安定
超対称は破れている • でないと,511 keVの が見つかるはず • 質量は手で入れるのではなく,Lagrangean をちょっと変形すると出てきてほしい • 自発的対称性の破れで入れられるような,=低エネルギーで真空の期待値が0でないときのみ現れるような超対称粒子とのみカップリングのある項の形は,決まっている • ただし,カップリングのある項は,MSSM (= 最小セットの SUSY) の粒子によってdynamical に生み出されては困るらしい。 • Higgs のように,scalar の期待値が質量を出すとかは,だめ • SUSY の破れている世界 Hidden sector との相互作用により,これらの項が出てくるべし S. P. Martin: “A Supersymmetry Primer” hep-ph/9709356
細かな質量スペクトラム • ひとたびSUSY breaking で高いエネルギーでの質量が決まってしまえば,低エネルギーでの質量スペクトラムは • 輻射補正 = 繰り込み群方程式と • 質量行列で決まる。質量行列は実験により強い制限がかかる • 輻射できる粒子が多いほど,質量が走って重くなる • Squarkが sleptonより • Gluinoが Bino, Wino より • 第3世代粒子は軽いほうが軽い • 右巻き,左巻きの混合が,Higgs とのカップリングが大きい top では大きい • 対角化すると,軽いもの,重いものに分かれる
超対称粒子たち • 同じ相互作用をするが,スピンの違う粒子 • ~ を頭につけて表す • ボゾン (spin 0, 1) のパートナーのフェルミオン (spin ½) は –ino例 gluon → gluino, Higgs → Higgsino • フェルミオン (spin ½) のパートナーのボゾンは s- を頭にselectron, sneutrino, stau, sbottom, stop …. • 質量が大きい • 「現世」で質量が重いほど,軽い傾向がある • LHC では quark, gluon から squark, gluinoetc.
質量スペクトラムの例 mSUGRA • Gluino/squarkが重く,sleptonが軽いのは共通 • Sleptonを一番軽くしてはいけない (charged “dark” matter) • 縮退度などには差がある (c) の は < 1 GeVの例 GMSB AMSB
どうやって捕まえるか どのような超対称粒子がどう質量を持つかは不明だが,大体共通なことは • 散乱で生成:カラー粒子 • カスケード崩壊 + additional • Lepton が出るときがある • たくさんのジェットが出る • R-parity 保存(超対称粒子の数の保存)を仮定 • 一番軽い粒子は中性で安定とする → 検出器を逃げる Missing Multi-Jet(4) + MissingEt (+ lepton(s)) のイベントを探す いっぱい粒子がある = いっぱい中間(エネルギー)状態がある = いっぱい状態遷移から粒子がでる
SUSY 事象の例(シミュレーション) • 左から中性粒子が逃げ出し,残りの粒子のバランスが悪くなっている • 逃げ出した粒子は中性の超対称粒子 • 崩壊しなければ,暗黒物質の最有力候補
レプトンあり・なしの解析の例 • が大きいもの • もとの が生成されたときの不変質量に近いの質量が大きいことが反映される bクォークを伴う崩壊 ( が生成)
リミットの例 • 信号は,いまのところ見つかっていない • 質量に関連したパラメータを排除 → SUSY 粒子は,あるとしてもかなり重い 14TeV run に期待 高いエネルギー領域での超対称フェルミオン(gluino, neutralino etc.) の質量 高いエネルギー領域での超対称性ボゾン (squark, slepton) の質量
b-tagged SUSY • Cascade decay の最後のほうに のある場合 • が lightest squark • , などにより b-quark が出る • Sensitivity 上がる,また に constraint かけられる
参考:暗黒物質との関係 • WMAP の結果 • から制限青の領域許される(水色はWMAP以前) • Muon g-2 favoured • excluded • g-2 と矛盾ないところはCMSSM (mSUGRA)ではあまりない • 大きいところが残る 暗黒物質を超対称性で説明するのはかなり難しくなっている J.Ellis, K. A. Olive, Y. Santoso, V. Spanos (2003)
SUSYは今のところ見つかっていないが • 「普通の」SUSY が,軽いところにはない • Etmiss, multijetの出るもの • 質量の関係が自然なもの • 重いだけかも (14 TeVに期待) • 検出器内では NLSP (next-lightest stable particle) が崩壊していないだけかも • Long-lived particle : いくつかの version あり • R-parity non-conserved? • まだまだやることはたくさんある
さらに QCD background を落とすために… • CMS の解析 • “Razor” method: どのくらい最初の squarkと LSP との間に差があるかを示す量を用いるEstimator: • method: • QCD のmissing Et はジェット方向に出るとすると,(3つめのジェットを失った場合を除く)
その他の BSM physics Extra dimension, W’/Z’, 4-th generation, heavy neutrino, leptoquark ....
信号別に見ていきます • resonance • Multijet excess (black hole etc.) • Monojet + missing (Extra dimension) • Dijet resonance • Lepton-pair resonances ( KK graviton …) • + missing (Extra dimension) もちろん他にもいろいろありますが割愛
粒子と重力子の振る舞い • 例: domain-wall picture • 普通の粒子は domain-wall に並行に光速で動く • 重力子は,あるエネルギーより高ければ自由に動ける • Massless KK graviton in bulk = 4 + extra dimension は4次元では Massive KK graviton • 高エネルギーではたくさんの状態が コンパクト化のスケールを表すエネルギーだと思ってよい domain-wall ゲージボソンを閉じ込めるのは難しいらしい
高次元モデルの御利益 • ものすごくざっくり言うと, • 標準模型粒子が高次元方向にどのような波動関数を持っているかによって • 境界条件からあり得ない物理を排除できる例:左巻きのみの世界を作れる (SM!) • 積分により質量やカップリングをコントロールできる3世代構造なども,出せなくはないらしい • つまり,SM で見えている物理「パラメーター」は高次元での幾何学的構造からより必然的に出す