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Lite (light) Satellite for the studies of B -mode polarization and I nflation from cosmic background R adiation D etection. 小型科学衛星 LiteBIRD のシステム要求分析 II. 高エネルギー加速器研究機構(KE K) 素粒子原子核研究所 宇宙背景放射(CM B) 実験グループ 羽澄昌史、他 LiteBIRD Working Group ( メンバーリストは次頁 ). 日本物理学会秋季大会(弘前大学) 2011 年 9 月 17 日.
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Lite(light) Satellite for the studies of B-mode polarization andInflation from cosmic background RadiationDetection 小型科学衛星LiteBIRDのシステム要求分析II 高エネルギー加速器研究機構(KEK) 素粒子原子核研究所 宇宙背景放射(CMB)実験グループ 羽澄昌史、他 LiteBIRD Working Group (メンバーリストは次頁) 日本物理学会秋季大会(弘前大学) 2011年9月17日
LiteBIRDワーキンググループ(JAXA小型科学衛星ワーキンググループの一つ:2008年9月設立)LiteBIRDワーキンググループ(JAXA小型科学衛星ワーキンググループの一つ:2008年9月設立) 高エネルギー 物理学 天文学 学際的な 共同研究(約50名) 宇宙論 素粒子論 超伝導・ 低温工学 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK) 竹井洋、福家英之、松原英雄、満田和久、山崎典子、吉田哲也(ISAS/JAXA)、 ASTRO-H, SPICA, DIOS, 大気球 篠崎慶亮、佐藤洋一、杉田寛之(ARD/JAXA)、 石野宏和、樹林敦子、美馬覚(岡山大理)、 Adnan Ghribi、William Holzapfel、Bradley Johnson、Adrian Lee、 Haruki Nishino、Paul Richards、Aritoki Suzuki、Huan Tran (UC Berkeley)、 POLARBEAR, EBEX, APEX, EPIC, BICEP, SPT Julian Borrill (LBNL)、 Planck 大田泉(近畿大)、 吉田光宏(加速器/KEK)、 石徹白晃治、片山伸彦、佐藤伸明、田島治、茅根裕司、永井誠、永田竜、羽澄昌史(主査)、服部香里、 長谷川雅也、松村知岳、森井秀樹(IPNS/KEK)、 QUIET, POLARBEAR (松村はさらにPlanck, BICEP, EBEX) 井上優貴、清水景絵、渡辺広記(総研大) 、 高田卓(筑波大) 、 木村誠宏、 都丸隆行(低温セ/KEK)、 POLARBEAR 小松英一郎(UT Austin)、 WMAP 鵜澤佳徳、関本裕太郎、野口卓(ATC/NAOJ)、 服部誠(東北大理)、 高木 雄太、中村 正吾、村山 慧(横浜国大)、 大谷知行(理研) コンサルタント: 小玉英雄(KEK)、中川貴雄(JAXA)、川邊良平(NAOJ)
回転軸 視線 LiteBIRD概要 スケジュール: 2019年度打ち上げ 2年間の運用期間 3年間のデータ解析期間 2025年度プロジェクト終了 副鏡 (4K) 半波長板 (1/fノイズ低減、変調) 主鏡 (4K) 焦点面 検出器 (100mK) 軌道: L2とLEOを検討中 冷凍機システム (JT/ST + ADR) ソーラーパネル • 宇宙背景放射によるインフレーションの検証 • ミリ波(50-250GHz)の偏光度全天観測 小型衛星 標準バス 重量目標:450kg 電力目標:500W
前回(2011年3月)の学会発表まとめ • ミッションの説明 • サブシステム設計進行状況 • 軌道: L2とLEOの比較 • 焦点面検出器アレイ: TESオプションの具体例、 TES以外の検出技術R&D • 光学系: 反射光学系の具体例 • テレメトリー: 機上データ圧縮と転送レートの具体例 • スキャン: コマ状スキャンの具体例 計7講演 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
本発表の内容 • ミッション要求の再定義 • システム要求の再定義 • 測定誤差の要因(以下の4つ)のそれぞれについて考察 • 統計誤差 • 重力レンズBモード • 系統誤差 • 前景放射 r<0.001達成 次のトーク(片山さん) オプションを減らしコンフィギュレーション 設計へと移行するためのステップ 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
ミッション要求の再定義-ミッション審査を想定した再定義-ミッション要求の再定義-ミッション審査を想定した再定義- • 代表的インフレーションモデルを完全チェック • rの誤差(統計⊕系統⊕前景放射⊕重力レンズ)への要求dr < 0.001 解説 Lythの関係式 • Large field inflation ↔r ≳ 0.002 • rの上限(95%C.L.)< 0.002 Large field inflation棄却 • r > 0.01(多くのモデル) 10s以上で原始重力波発見! インフレーションエネルギー決定! 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
LiteBIRD焦点面感度要求 測定のノイズレベル:全天観測で2 mK・arcmin以下 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
LiteBIRD焦点面 UC Berkeley TES オプション 3色(100/150/220GHz) Bolometers 100GHz Sinuous antenna 2色(60/100GHz) 150GHz 1926 TES bolometers (POLARBEAR2の約1/4) @100mK (Al/Mn) 220GHz 2 mK・arcmin (w/ 4K mirrors) Fabricated Triplexer Filter このオプションとほぼ同じ構成でr<0.001を達成(2011年3月学会・永田のトーク) 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
L2 (ラグランジュ点)vs. LEO(地球周回) 茅根 永田 3シグマ発見領域 L2 case LEO Katayama-Komatsu 2011 L2 前景放射除去と系統誤差を考慮すると LEOはぎりぎり、L2なら若干余裕あり L2では、最近Planckで宇宙線による影響が大きいと報告あり。LiteBIRDでの影響を検討中 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
系統誤差 (特にlow lで)最大のものの 一つ = Differential gain (Dg) ClBBDg = f(Dg)2ClTT f:変調による抑制 (空の回転と半波長板) • Instrumental polarization • Cross polarization • Scan Synchronous signals • Thermal stability • Others lの全ての範囲でClBBDg< ClBBlensを要求すると、 変調による抑制がない(f=1)場合Dg < 10-4 f=0.01を仮定するとDg < 10-3 fについては 次頁 システム要求:f<0.01, Dg<0.001 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
光学系の回転によるClBBDgの抑制 才差運動するコマのような スキャンストラテジー 連続回転する半波長板(HWP) により、偏光の向きを回転 回転半波長板の例 T. Matsumura, doctoral thesis 上記二つにより、f<0.01は達成できる見込み。 真の問いは、HWPなしで達成できるかどうか? 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
まとめ • 現状 • 統計誤差 • 重力レンズBモード • 前景放射: r<0.001達成(次のトーク) • 系統誤差: 進行中 • 今後の課題 • 系統誤差に関するシステム要求の完成 • コンポーネントオプションの絞り込みなど、システム設計のイテレーション まとめてr<0.001達成 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
バックアップ 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
JAXA system design framework mission requirements top-level diagram system design mission components design architecture design requirements for mission components mission components specifications system requirements analysis configuration design design (system/ subsystem) analysis/ validation tests requirements for system system feasibility evaluation constraints preconditions data disclosure 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
What powered Big Bang ? • 宇宙の起源 = 宇宙科学のグランドチャレンジ • ビッグバン以前 = 現代宇宙論最大の課題 LiteBIRDはこの大問題に 真っ向から挑む小型衛星 C 50GHz – 250GHz M B 観測内容 • 宇宙背景放射 • (Cosmic Microwave Background • = CMB) • の偏光度を全天で超精密観測 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
CMB偏光観測の意義 • ビッグバン以前に何があったかは、偏光(方向のある情報)でしかわからない! (他の方法では感度が悪い) ビッグバン以前を記述する 最有力かつ「非常識」な仮説 CMB ビッグバン 「空間の量子ゆらぎ」をともなう 宇宙の急激な加速膨張 = インフレーション仮説 • 原始(背景)重力波の生成 • CMB偏光マップに“渦”を生成 CMB偏光観測は、 インフレーション検証の切り札 時間の矢 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
干渉計重力波探索との関係 CMBのほうが感度が高いので、原始重力波の発見にはCMB偏光Bモードがベスト。 CMBによる原始重力波の 発見は、将来の干渉計 重力波探索に定量的な 大目標を与える。 CMB偏光Bモード観測は 従来の光学観測と 将来の重力波観測との 懸け橋となる! 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
要求される観測精度 測定精度 1K CMBの発見(ペンジャス、ウィルソン) 1978年ノーベル物理学賞 「ビッグバンの証拠」~3K 1mK CMB非等方性の発見~30mK、プランク分布の証明(スムート、マザー) 2006年ノーベル物理学賞 「インフレーション宇宙を示唆、時空の量子揺らぎの証拠」 測定精度の向上 発見から揺らぎの精密測定へ WMAP, PLANCK : 解像度の向上 宇宙年齢、ダークエネルギー 1mK 現在、日米共同でこの辺の感度で地上実験準備中 LiteBIRD(日本が主導) 1nK 数nKのでこぼこをとらえる“超伝導ミリ波カメラ” 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
発見の可能性大! (勿論、観測のみが真実をもたらす) 2010 2011 地上観測 2013 3シグマ“発見”領域 ~2014 Planck CMB偏光“渦” (“Bモード”) のパワースペクトル: 代表的なインフレーション 理論の予言 LiteBIRD 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
L2 vs. LEO 3シグマ発見領域 LEO L2 前景放射除去と系統誤差を考慮すると LEOはぎりぎり、L2なら若干余裕あり 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
何故、小型でやるか? 10 1 角度分解能は 0.5度(@150GHz) で十分 有効直径~50cmの 望遠鏡でよい LiteBIRD • 小型なら世界に先駆けて打ち上げられる • 小型で究極の観測ができる!(小型の方がミラーの冷却が楽) • 「どうしても衛星でしかできないこと」をやる。地上大望遠鏡で相補的観測をおこなう。 欧米は、中-大型(~1000億円?)、多目的、2020年代中盤以降の可能性大 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
LiteBIRD光学系 回転半波長板 光学系全体を 極低温に冷却する。 空からの 入射光 30cm 副鏡 半波長板 T. Matsumura, doctoral thesis 利用可能な焦点面 焦点面 主鏡 30cm 設計は完了、現在、 プロトタイプ試験中 GroundBIRD(後述)で使用 50cm 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
LiteBIRD焦点面感度要求 測定のノイズレベル2 mK・arcmin以下 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
LiteBIRD 観測波長の決定 • 前景放射の除去 50GHz-250GHzで5バンド 最近の進展 N. Katayama and E. Komatsu, ApJ 737, 78 (2011) (arXiv:1101.5210) pixel-based polarized foreground removal (モデルによらない) バイアスはr~0.0006程度 (60,100,240GHzの3バンド) 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
LiteBIRD焦点面(続き) MKID オプション : 信号多重化が容易 :国立天文台ATC+理研+KEK+岡山大(新学術領域「宇宙創成の物理」) NEP ~ 10-17WHz-1/2 を既に達成(ATC) 新しい読み出し方式 (tesonant tracking) を開発(KEK/岡山) MKIDの原理 ミリ波(96GHz)検出 CMB(ミリ波)以外の波長にも応用可能。日本で自在に大焦点面検出器アレイが作れるようになることが、我が国の宇宙電波天文観測の将来にとって極めて重要。 CMB観測R&Dにより貢献したい 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
高田・都丸・ 松村・満田・SHI LiteBIRD熱設計 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK) 予冷系の熱解析を行った結果、冷却マージン28.8%の解が成立。構造解析も併せて行い、トラス構造の場合の剛性評定は小型衛星の要求仕様に近い値を達成。 3段ADRについて検討。観測中漏洩磁場はADRから100mmの距離を取れば0.5Gaussまで下げられる。重量は32kg。
LiteBIRDDAQ・テレメトリー 石野 データ圧縮実装試験実施済み Planckと同様の方法で Virtex-5QV 2個相当のLUT • 技術的挑戦 • 機上データ圧縮 • 10GB/dayのデータ転送 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
LiteBIRDL2軌道・スキャン θBS = 55,θAS = 45 3rpm 90min. 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)
LiteBIRDL2軌道・スキャン • Pros • 理想的な環境 系統誤差最小 • 地球、月の影響がない 常に観測可能 • 熱設計等がよりシンプル • Cons • L2へ行くこと • 宇宙線の影響(glitches) 観測時間 クロスリンク 日本物理学会2011年秋季大会(弘前大学) 羽澄昌史(KEK)