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「建築構法」 2回目の授業. 住宅構造の変遷. 平成26年4月21日(月) 講師 今岡 克也. 住宅とは?. 「生活の器」 :人が生活するための空間 快適(健康・省エネ),安心・安全,接客,外観 ‥ ‥ 「住む人を表現するもの」 : 住宅は住人の考え方・裕福さ・家族などを表現 「時代と文化を映す鏡」 : ① 気候や風土,災害 などの自然条件 ② 生活する場 (ケ) と 接客の場 (晴れ) ③ 技術の進展 (最新)や 社会の規制 (合理性). 3つの時代区分. (1)弥生時代から江戸時代まで 竪穴式→高床式→寝殿造
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「建築構法」 2回目の授業 住宅構造の変遷 平成26年4月21日(月) 講師 今岡 克也
住宅とは? • 「生活の器」:人が生活するための空間 快適(健康・省エネ),安心・安全,接客,外観‥ ‥ • 「住む人を表現するもの」: 住宅は住人の考え方・裕福さ・家族などを表現 • 「時代と文化を映す鏡」: ① 気候や風土,災害などの自然条件 ② 生活する場(ケ)と接客の場(晴れ) ③ 技術の進展(最新)や社会の規制(合理性)
3つの時代区分 (1)弥生時代から江戸時代まで 竪穴式→高床式→寝殿造 →書院造→農家造→町屋造 (2)明治から昭和にかけて 延焼の防止,水道・電気・ガスの普及 (3)平成から現在 耐震壁や接合金物,工法の多様性
環濠集落と竪穴式住宅 前3世紀~2世紀頃 住宅跡 環濠 約 120 m 横浜市 大塚遺跡 115棟の竪穴式住宅
環濠集落の立地条件 • 湿気を避けた乾燥した場所 • 日当りの良い高い丘の上 • 排水性が良い土の上 ・周囲に溝である濠を巡らせる およそ120m×170m
竪穴式住居の遺跡の例 地面から80cmほど掘り下げて 柱の根本を地中に埋める(掘立柱)
竪穴式住宅の軸組構造 むねぎ たるき 棟木 垂木 けた 桁 梁 柱に桁を取り付け梁をかけて, 縄などで固定 垂木を放射状に架け 棟木を3本材で支える
竪穴式住宅の特徴 ① 約 80cm 掘り下げて柱を地中に埋める ② 丸太で柱と桁や梁を組み縄で固定 ③ 垂木を放射状に掛け,藁や茅を葺く ④ 炉やカマドが中央やや奥にある ⑤ 床は土間で,寝間には板や藁を敷く
軸組の拡張 桁行方向 桁 梁間方向 桁行方向に拡張させて,大きくする
高床式住宅の構造 梁に柱のほぞ を挿す頭貫 柱に梁のほぞ を挿す貫構造 4世紀頃
も や ひさし 母屋と庇 母屋の外周部に 1間(1.82 m)幅の 庇(広縁)を造る 1.82 m 3.64 m 1.82 m 梁間 母屋の梁間を2間 (3.64 m)にすれば 桁行は拡張が可能 桁行
寝殿造の特徴 ① 礎石の上に掘立ての丸い柱 ② 板敷きの床で,人が座る場所に畳 ③ 屋根裏には天井を張らない ④ 開放的な大空間 →多目的に利用 ⑤ 南側に庭園を造り広縁と一体化
慈照寺(銀閣寺)内の東求堂 1490年頃
角柱 天井 書院造の例 なげし 長押 ちがいだな 違棚 つけしょいん 付書院 畳 1500年頃 銀閣寺の東求堂の同仁斎
書院造の特徴 ① 柱は正方形(角柱),梁は長方形 ② 畳敷きの床(間取りの基準化) ③ 水平な板で天井を張る ④ 襖や引違戸で部屋を仕切る ⑤ 床の間に付書院と違棚
農家造の構造と平面 住宅の中央に 大黒柱等を設ける 変形田の字型平面 大黒柱 小黒柱 田の字型平面
農家造の特徴 ① 屋根が茅葺や板葺が多い ② 東側に土間があり,厩(うまや)を兼ねる ③ 田の字型の平面で,西端には床がある ④ 南側には縁側があり,北側にはない ⑤ 土間の北側に流しやかまどがある
江戸時代の大火防止対策 ・ 明暦の大火: 1657年3月2日~3日 江戸の大半を焼失,死者約10万人 江戸城天守閣も焼失 <大火防止対策> ①火除地や広小路の設置 ②火消組や木戸番制度の設置 ③土蔵造や瓦葺屋根の奨励 屋根を板葺きや茅葺きから(桟瓦1674年~)
明治中期の都会の賃貸住宅 1890年(明治23年)建築 約130㎡ 夏目漱石の借家 ・瓦葺きの寄棟屋根 ・土間がなくなる ・座敷が南で茶の間は北 ・台所は玄関に近い
明治の都市住宅の特徴 ① 屋根が瓦葺き ② 南側に縁側と客間がある ③ 2階は狭く,子供部屋などに利用 ④ 台所が玄関に近い ← 水道の未発達 ⑤ 便所が離れた場所にある ←汲取り式
大正の洋風住宅 北米の2×4の 壁式住宅を輸入
大正の住宅改善運動 ① 洋間としてイス座とする ② 家族の生活を最優先とする ③ 実用的な設備を導入する ④ 実用的な家具とする ⑤ 田園都市や共同住宅を奨励する
電灯とガスの普及率 電灯の 普及 薪から プロパンガスへ ガス炊飯釜 の特許 ガス焚き 風呂釜の販売 関東大震災
上水道の普及率の変遷 井戸水から 水道水へ
ガスの普及による炊事場の変化 昭和10年 薪からプロパンガスへ
中廊下型住宅の例 昭和初期 西側に玄関,南面に広縁と居間や客間
中廊下型住宅の特徴 ① 南側に居間と広縁などを配置する ② 他の部屋を通らずに移動できる ③ 応接として洋間を設ける ④ 台所・風呂・便所などを北側にする
平成からの木造軸組住宅(1) ① 床下の湿気を防止:柱脚や土台の腐朽防止 ・べた基礎にして換気口を設ける ・布基礎にして防湿フィルムで覆う ② 木材の加工は,プレカット工場で機械化 ③ 耐力壁をバランス良く配置する → 4分割法:1/4側端部に壁量規定
平成からの木造軸組住宅(2) ④ 筋交いや柱,梁の接合部を金物で補強 ⑤ 屋根の軽量化 → 平瓦や化粧スレート屋根等 ⑥ 通し柱の中間欠き込みを防止 ・管柱にして梁や胴差を優先させる ・通し柱の断面を大きくして,金物で梁と接合 ⑦ 2階床の根太をなくして,28mm以上の合板を 釘打ちして,床剛性や施工性を高める
梁(集成材) 管柱と梁 柱頭のほぞ
2×4工法の住宅の施工 現場で壁や床パネルを製作して取付ける
軽量型鋼によるのユニット 5.6×2.4(m) 軽量型鋼 ボード類・合板類 プラスチック建材 などの大量生産化