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日本言語政策学会 緊急研究報告会:災害・震災時,情報弱者のための言語政策について考える 2011 年 5 月 29 日 麗澤大学東京サテライトキャンパス. インターネットによる多言語情報 提供の支援. 青山亨 東京外国語大学 多言語・多文化教育研究センター. 報告の流れ. 被災地の多言語状況 東京外国語大学の多言語対応 災害情報の多言語提供支援の経緯 見えてきた課題と今後の展望. 東北地方太平洋沖地震災害救助法適用市町村(除く,東京都)の外国人登録者数 (法務省 3 月 31 日). 青森. 岩手. 宮城. 福島. 栃木. 茨城. 千葉.
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日本言語政策学会 緊急研究報告会:災害・震災時,情報弱者のための言語政策について考える 2011年5月29日 麗澤大学東京サテライトキャンパス インターネットによる多言語情報提供の支援 青山亨 東京外国語大学 多言語・多文化教育研究センター
報告の流れ • 被災地の多言語状況 • 東京外国語大学の多言語対応 • 災害情報の多言語提供支援の経緯 • 見えてきた課題と今後の展望
東北地方太平洋沖地震災害救助法適用市町村(除く,東京都)の外国人登録者数(法務省3月31日)東北地方太平洋沖地震災害救助法適用市町村(除く,東京都)の外国人登録者数(法務省3月31日) 青森 岩手 宮城 福島 栃木 茨城 千葉
東京外国語大学の多言語対応 • 学部外国語学部 • 学部生数3792人 • 教員数216人 • 専攻語数26言語 • 英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、チェコ語、ポーランド語、 • 中国語、朝鮮語、モンゴル語、インドネシア語、マレーシア語、フィリピン語、タイ語、ラオス語、ベトナム語、カンボジア語、ビルマ語 • ウルドゥー語、ヒンディー語、ペルシア語、アラビア語、トルコ語 • 日本語
多言語・多文化教育研究センター • 設立2006年4月 • 目的多言語・多文化化する日本社会の問題の解決 • 特色研究者と実践者の協働実践研究 • 事業分野教育、研究、社会連携 • 多言語・多文化社会専門人材養成講座 • 多文化社会コーディネーター • コミュニティ通訳 • 9言語、23人 • 語学ボランティア • 外大OB・OG、教職員 • 26言語、121人
多言語情報提供の支援活動の経過 • 3月11日(金) • 地震発生 • 3月12日(土) • 支援のためのメーリングリストを立ち上げ • コミュニティー通訳 • 語学ボランティア • 仙台市の広報から必要な情報を抽出し、仙台市国際交流協会に送信 • 3月15日(火) • センターのウェブサイトでも多言語情報の提供を開始 • 3月18日(金) • 放射線医学総合研究所の情報の多言語による提供を開始 • 3月22日(火) • 入国管理局の情報の多言語による提供を開始 • 3月25日(金) • センターでの多言語情報提供を専用ウェブサイトに移行 • 4月3日(日) • 情報の更新を停止し、支援メーリングリストを閉鎖 • 未翻訳テキストのみ新規掲載
翻訳ボランティアと翻訳言語 • 翻訳ボランティア • 126人 • 女98人、男28人 • 海外在住者を含む • 外国人18人を含む • 翻訳言語(21言語) • イタリア語、インドネシア語、英語、韓国語、カンボジア語、スペイン語、タイ語、中国語、ドイツ語、ヒンディー語、ビルマ語、フィリピン語、フランス語、ベトナム語、ベンガル語、ペルシア語、ポーランド語、ポルトガル語、マレーシア語、ルーマニア語、ロシア語
翻訳の内容 • 仙台市災害対策本部の災害情報 • ライフライン、病院、交通、給水・ごみ・下水道・ガス、火災予防、市役所手続き、児童施設災害ダイアル、ボランティアセンター立ち上げ、ごみの収集、がれき置き場、長距離バス、高速バス、り災証明書、建物被害認定調査 • 放射線総合医学研究所 • 放射線被曝に関する基礎知識 I~V • 入国管理局 • お知らせ 1~3
翻訳活動の流れ 定住外国人・外国人周辺の日本人 ウェブによる 多言語情報 被災地 仙台市国際交流協会 本センター 全国機関 入管・放医研 翻訳ボランティアのネットワーク
ヒット数の変化 3月16日~4月11日 24,246ヒット 9,217アクセス(3月28日) 19,291ヒット (3月18日) 専用ウェブサイトへの移行(3月25日) 平均8,632ヒット(3月16日~25日)
訪問者の出身国(日本を除く上位30国) 3月19日~4月30日 日本 74,045
訪問者のアクセス手段 3月19日~5月18日
外国人周辺の日本人からの反響 • インドネシア語の情報について たすかりました。インドネシアの国営放送では、放射能は10時間で東京上空に到着する、人体に影響のある量である、と報じたらしく、国の親御さんたちがパニックになっています。親が帰れコールするとき、インドネシアの情報のほうが信頼できると思ってしまうようです。こんなとき、少しでも母語の情報が安心材料だと思います。予想を超えて在留外国人の危機意識はたかぶっているようです。 • ベトナム語の情報について ベトナム人の方々が大変不安を持っておりました。日本語も簡単な言葉は理解できますが、日本人でも難しい今回の原発他の情報、いくら報道を見ても安心できず、外国では最悪の情報ばかりが報道されるばかりで、本国からは帰って来いと急かされ、本人たちも帰りたいと泣くばかりでした。 なんとかベトナム語の情報をと思ったのですが、英語・韓国語・中国語は見つかるものの、ベトナム語の翻訳はなかなか見つからず、逆に全てベトナム語ではこちらが内容を理解できず、ほとほと困っているときにこちらのサイトを見つけ、大変助けられました。安心できたかどうかは解りませんが、きちんとした情報を知ることが出来、多少余裕も出来たようです。コピーして友人同士で読んだりしていたようです。私たちだけではうまく説明ができなかったので本当に助かりました。
多言語情報提供への反応 • 母語による正確な情報提供 • 日本に留まることの不安感の軽減⇐母国の親族からの帰国願い⇐国外での報道 • 少数言語による情報提供 • 英語・中国語・韓国語以外の言語 • 日本語と対応した情報提供 • 外国人周辺の日本人が検索可能 • ウェブ上の文字による情報提供 • プリント、コピーして回覧が可能
見えてきた課題と今後の展望 • 非常時の多言語情報提供体制の構築 • 日常活動の継続⇒語学ボランティアネットワークなど • 情報の正確性と迅速性と妥当性 • 翻訳の質の担保⇒留学生などの活用 • 翻訳体制のコーディネーション • 適切な情報源の選択 • 地元レベルの情報と全国レベルの情報 • 全国レベルの情報に対応⇒政府との連携も視野 • 多面的な技術的対応 • 多言語による文字の表示⇒Unicodeフォント • 新しい技術への対応⇒スマートフォン、Twitterなど
ご清聴ありがとうございました。 Ver 1.2 2011-05-26, 2011-05-23, 2011-05-10
参考URL • 多言語・多文化教育研究センター • http://www.tufs.ac.jp/blog/ts/g/cemmer/ • 厚生省(東日本大震災関連情報) • http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000015dbd.html • 警視庁(東日本大震災について) • http://www.npa.go.jp/archive/keibi/biki/index.htm • 仙台市国際交流協会(仙台市災害多言語支援センター) • http://www.sira.or.jp/saigai/ • 放射線医学総合研究所(原発事故関連) • http://www.nirs.go.jp/index.shtml • 法務省入国管理局(東日本大震災への対応) • http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/saigai0002.html • NPO法人多文化共生マネージャー全国協議会(東北地方太平洋地震多言語支援センター) • http://eqinfojp.net/ • 日本中国語学会(多言語・情報弱者対応災害支援リンク集) • http://www.chilin.jp/dz/dz.html