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比較優位と生産可能性曲線

比較優位と生産可能性曲線. 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2007 年 11 月 8 日. 比較優位の復習. 何を輸入して何を輸出するかを説明 ある財は他の財に比べてどのくらい費用がかかるかを示す相対費用 日本と中国における今川焼きと杏仁豆腐の貿易. 比較優位の復習 /2. ある財が他国と比べ 相対的な費用 が低い場合にその国はその財に比較優位があると言います 日本は今川焼き,中国は杏仁豆腐に比較優位がある ある国が特定の財のみを作ることを特化 比較優位のある財に特化して輸出する. 比較優位の復習 /3. その代り比較劣位にある財を輸入する

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比較優位と生産可能性曲線

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  1. 比較優位と生産可能性曲線 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2007年11月8日

  2. 比較優位の復習 • 何を輸入して何を輸出するかを説明 • ある財は他の財に比べてどのくらい費用がかかるかを示す相対費用 • 日本と中国における今川焼きと杏仁豆腐の貿易 国際経済の基礎6

  3. 比較優位の復習/2 • ある財が他国と比べ相対的な費用が低い場合にその国はその財に比較優位があると言います • 日本は今川焼き,中国は杏仁豆腐に比較優位がある • ある国が特定の財のみを作ることを特化 • 比較優位のある財に特化して輸出する 国際経済の基礎6

  4. 比較優位の復習/3 • その代り比較劣位にある財を輸入する • 日本は今川焼きに特化し,中国は杏仁豆腐に特化する. • 半分ずつ作るよりも世界全体の生産増 国際経済の基礎6

  5. 比較優位をもう一度 • アメリカと日本 • 小麦とコンピュータのみを作っている • 財を1単位生産するための労働費用 国際経済の基礎6

  6. 比較優位をもう一度/2 • 小麦もコンピュータもアメリカの方が安く生産できます • つまりアメリカは絶対優位にあります • 効率的なコンピュータ産業を持っているアメリカは日本からコンピュータを輸入しています. • 一方,日本はアメリカから小麦を輸入している 国際経済の基礎6

  7. 比較優位をもう一度/3 • この貿易を説明するのが比較優位です • 日本の小麦の費用に対するコンピュータの相対的な費用 =120/8=15 • アメリカの小麦の費用に対するコンピュータの相対的な費用 =100/5=20 国際経済の基礎6

  8. 比較優位をもう一度/4 • 日本での小麦1トン当たりの生産費と比較した,コンピュータの1台当たりの相対的な生産費は,アメリカでのコンピュータ1台当たりの生産費よりも低くなっている. • このとき日本はコンピュータの生産に比較優位を持っていると言います. 国際経済の基礎6

  9. 生産可能性曲線 • 比較優位を説明するために生産可能性曲線を説明しましょう • テキスト p.17 • 企業,個人,社会は様々な制約に直面 • ある財を沢山作れば,他の財を諦める必要がある • 勉強をすれば遊ぶ時間を削る 国際経済の基礎6

  10. 生産可能性曲線/2 • 世の中には様々なトレードオフが存在 • トレードオフとはあるものを選択するには他のものを諦めなければならないこと. • 生産可能曲線とは生産要素を効率的に使ったときの生産物の組み合わせを図に表したものです. • 生産可能性曲線とはトレードオフを図解的に示した曲線 国際経済の基礎6

  11. 生産可能性曲線/2 国際経済の基礎6

  12. 生産可能性曲線/3 • 日本がすべての資源をお米に費やせば1500万トンのお米 • 反対にすべての資源をクルマに費やせば2000万台のクルマが生産できます • そうした可能性の中で日本はお米を900万トン,自動車を1000万台生産しています • 内側の点は非効率な生産です 国際経済の基礎6

  13. 生産可能性曲線/4 • 生産可能性曲線はどうやって作ることができるのか,なぜ2財しか考えないのかの疑問が浮かぶかもしれません. • その作り方は経済学を深く学ぶと出て来る • ここでは比較優位のアイディアを印象的に伝えるために2財のような簡単化を行ったのです. 国際経済の基礎6

  14. 生産可能性曲線/5 • ここでは比較優位のアイディアを印象的に伝えるために2財のような簡単化を行ったのです. • 現実は複雑ですが,それを簡単化して経済のエッセンスだけを取り出したモデルを考えています. 国際経済の基礎6

  15. 生産可能性曲線の特徴 生産可能性曲線にはいくつかの特徴があります. • 右下がりである • 外側に向かって凸である • 1はトレードオフを表します • 2は収益逓減を意味する 国際経済の基礎6

  16. 収益逓減 • 収益逓減-ある投入物の量を一単位増加させる結果として生産量は増加するが,その増加分は次第に小さくなっていくことを表す. • つまりお米を生産するほど自動車の生産を減らさなければなりません • お米が増えれば増えるほど減らさなければならない自動車の台数は増えていきます 国際経済の基礎6

  17. 収益逓減/2 • 最初はお米作りに長けた人が自動車生産からお米生産へ移るでしょう • そのうちそのような人々がいなくなって,お米作りが不得意で自動車作りが上手い人も移動する • そうすると減らさなければならない自動車は増えます • 生産は増加するが,その増加割合は減少 国際経済の基礎6

  18. 生産可能性曲線を用いた比較優位の説明 • テキストp.22 • アメリカと中国が航空機と衣服を生産しているとします • もちろん,中国は衣服に比較優位を持っています • 二カ国の生産可能曲線を同じ図に描いてみましょう 国際経済の基礎6

  19. 比較優位の説明/2 国際経済の基礎6

  20. 比較優位の説明/3 • まずE点から始めましょう • 中国は航空機を100機減らすことにより衣服を1万着分増加させることができます • E→E’ • それとは逆にアメリカが航空機を100機増産した場合に減らさなければならない衣服は1千着分です • E→E’’ 国際経済の基礎6

  21. 比較優位の説明/4 • つまり,両国で航空機を減らすことなく 100-100=0 • 衣服を9千着増加させることができました 9000=10000-1000 • つまり両国の生産のトレードオフが異なる限り中国が衣服にアメリカが航空機に特化するとこによって得をすることが分かります 国際経済の基礎6

  22. 比較優位の説明/5 • 特化とはある国が特定の財に集中して生産を行うことです. • ここで難しい用語を導入しますが,生産可能曲線のトレードオフを限界変形率といいます • ここでは航空機と衣服の限界変形率(marginal rate of transformation)です • 限界変形率は MRT と記号で書きます 国際経済の基礎6

  23. 比較優位の説明/6 • 限界変形率(MRT)は航空機を1機増やすにはどれだけ衣服を減らさなければならないことを示します • 限界変形率は生産可能性曲線の傾きの絶対値に等しいことが分かります • 中国のMRT > 米国のMRT • 1単位の航空機生産による諦めなければならない衣服の量は,中国の方が大きい 国際経済の基礎6

  24. 比較優位の説明/7 • つまりアメリカは航空機に比較優位をもつ • 反対に中国は衣服に比較優位を持つ • 限界変形率を知ることによって比較優位を知ることができる 国際経済の基礎6

  25. 比較優位と特化 • なぜ特化は生産性を向上させるのか • 移動の時間の節約 • 同じ事を繰り返すことによる熟練 • 発明の基盤 • 分業 Division of labor 国際経済の基礎6

  26. 分業 • 習熟から発明へ • 特化の限界 • 規格化された財 • 大量生産 • 繰り返しによる退屈 • 生産性の低下 国際経済の基礎6

  27. 何が比較優位を決めるのか • 天然資源 • 取得した資源 • 優れた知識 • 特化 国際経済の基礎6

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