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北上川の自然とそのとらえ方 北上川の自然環境を全体的に把握するために、北上川の各場所の植生と、物理的条件のデータを整理して、北上川の環境を区分しました。 川の形(狭くて深い、広くて浅いなど)によって、冠水頻度(洪水などによって水に浸る頻度)の違う場所ができ、その違いによって、土壌の水分条件も変わり、生育する植物が決まります(図1)。さらに、それらの植物をすみかとして好む生き物も少しずつ変わります。
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北上川の自然とそのとらえ方 北上川の自然環境を全体的に把握するために、北上川の各場所の植生と、物理的条件のデータを整理して、北上川の環境を区分しました。 川の形(狭くて深い、広くて浅いなど)によって、冠水頻度(洪水などによって水に浸る頻度)の違う場所ができ、その違いによって、土壌の水分条件も変わり、生育する植物が決まります(図1)。さらに、それらの植物をすみかとして好む生き物も少しずつ変わります。 こうして、川の形や冠水頻度、植物の特徴を上流から下流まで並べると、同じような環境を持つ場所がいくつかに分けられることがわかりました。これを北上川の川の形や、植生などから分けた区分としました(図2)。 次に、この各区分は、川の中のいろいろな環境の要素で作られていることに着目しました。川には、瀬・淵、河原の礫地、草地、ヨシ原、樹林などのいろいろな小さな環境の要素が集まっています。これらの環境の要素は、川の形の特徴から、その成り立ちを説明できるのではないかということがわかってきました。 植生別冠水頻度の分布 分布が集中している範囲 遷移 撹乱 2 0 年 に 1 回 冠 水 1 0 年 に 1 回 冠 水 遷移 2 年 に 1 回 冠 水 遷移 1 年 に 1 回 冠 水 撹乱 年 間 2 日 冠 水 年 間 5 日 冠 水 撹乱 年 間 1 0 日 冠 水 年 間 2 0 日 冠 水 年 間 5 0 日 冠 水 撹乱 年 間 1 0 0 日 冠 水 常 時 冠 水 河原草地 ヤナギ河畔林 ニセアカシア 高木 礫 二次草地 湿性群落 ヤナギ河畔林 オニグルミ また、環境要素の中には、生物のすみかとなったり、餌場として重要なものがあります。そのような環境を好む生物で、わかりやすいものを注目種として決め、その生息状況から川の環境をモニタリングするため、市民の協力を得ながら調査する試みも始められています。 図1 冠水頻度と 植生の特徴 図2 北上川区分図 工学部建設環境工学科 水域防災工学研究室(内線6448)
Fig. 1 赤川の概要と調査地点 Fig.2St.2とSt.9のpH,金属濃度,水生昆虫の種数,個体数 Fig.3 河床堆積物中の各金属の存在率とChl-a量 赤川の水環境評価に関する研究 赤川に含まれる種々の金属類が水環境中でどのような挙動を示し、水生生物相にどの程度の影響を及ぼすのかを詳細に評価することを目的とした研究を行った。 赤川の水環境評価 赤川において水質と水生昆虫に関する野外調査(Fig.1参照)を3年間実施した結果、上流部(St.1~3)は強酸性(pH:3~4)であるとともに、金属濃度が高く、水生昆虫の種数や個体数が非常に少なく、そのほとんどが耐酸性であった。中和処理施設の稼動によりその本流である北上川の水質は改善されたが、赤川上流部は依然として酸性状態にあると言える。一方、中・下流部(St.5以降)はpHが上昇し、金属濃度が低下するにもかかわらず、水生昆虫の多様性や個体数は一般自然河川に比べて明らかに低い(Fig.2参照)。また、底生動物の餌資源となる付着藻類に注目して研究した結果、赤川においてAl堆積物が多い中・下流部では、調査期間を通して藻類量の指標となるChl-a量が他の地点に比べて顕著に低かった。Alイオンは植物への成長を阻害し、さらにその程度はpHに依存したAlイオンの形態によって異なることが報告されている。河川水中のAl濃度自体は上流部の方が高いことを考慮すると、中流部でのpHの上昇に伴うAlイオンの加水分解過程で生成されるAl重合イオンの存在や、その河床への堆積が、St.6~8での付着藻類の増殖を阻害している一因と考えられる。 工学部建設環境工学科環境衛生工学研究室 (内線6449)
橋名 橋長(m) 幅員(m) 形式 架設年度 岩姫橋 北大橋 夕顔瀬橋 開運橋 明治橋 大正橋 新朝日橋 昭和橋 珊瑚橋 高舘橋 北上大橋 137.3 68.0 93.0 82.5 170.7 183.1 475.8 172.5 254.6 625.0 487.0 6.0 17.5 25.5 18.2 20.7 9.0 20.5 6.0 7.0 12.5 15.5 ワーレントラス 活荷重合成桁 箱桁 ランガートラス プレートガーダー ランガー桁 箱桁 ランガー桁 ゲルバートラス 箱桁 バランストタイドアーチ 昭和41年 昭和43年 平成5年 昭和28年 昭和48年 昭和34年 昭和56年 昭和11年 昭和8年 平成13年 平成14年 北上川の橋について 江戸時代は河川が物資の流通や人々の交通に大きな役割を果たしていた。つまり、河川は道路や鉄道の役割をしていた。ヨーロッパの歴史においても同じことで、皇太子殿下のロンドン留学の研究テーマはテムズ川の交通史であったという。 <北上川の橋の歴史> 大 正 橋 盛岡の南には舟橋が、北には夕顔瀬橋が架けられていた。舟橋は船を多数横に並べて金綱でつなぎ敷板を渡した形式で、洪水時には綱を切り増水を流すのである。夕顔瀬橋は川の中に島を作りそこに橋脚を建て架橋した。 <現代の北上川の橋> 明治になり岩手県にも鉄道が建設され、新しい駅は町はずれに作られたので、北上川に新しい橋「開運橋」が架けられた。 夕顔瀬橋の架け替えや新橋梁建設にあたって、土木工学科や建設環境工学科が技術指導をしたり、卒業生を世に送り橋の設計や架橋工事などに貢献してきた。現在も岩手県内の橋の維持管理の調査や耐荷力の測定を行い、県内の技術力を高める支援をしている。 下記に主な北上川の橋をまとめる。 工学部建設環境工学科 構造工学研究室(内線6435)