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IC 443 の特異なプラズマ構造 ~ 放射再結合連続線の発見 ~. 内容: 1. IC 443 の紹介 多波長での姿 2.すざくの観測. ♪ 小澤碧 、小山勝二 ( 京都大学 ) 山口弘悦、平賀純子 ( 理化学研究所 ) 尾崎正伸、馬場彩 (ISAS). 1. 超新星残骸 IC443. 45’ ~ 20pc. d~1.5kpc (銀河中心と反対側) l=189.1, b=+3.0 Mixed-Morphology SNR ( X線で中心集中、 電波でシェル状の構造 ) Type II. XMM-Newton による
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IC 443の特異なプラズマ構造~放射再結合連続線の発見~ 内容: 1.IC 443の紹介 多波長での姿 2.すざくの観測 ♪小澤碧、小山勝二(京都大学) 山口弘悦、平賀純子(理化学研究所) 尾崎正伸、馬場彩(ISAS)
1.超新星残骸IC443 45’ ~ 20pc • d~1.5kpc (銀河中心と反対側) l=189.1, b=+3.0 • Mixed-Morphology SNR (X線で中心集中、 電波でシェル状の構造) • Type II XMM-Newtonによる IC 443のX線画像(1.4-5keV)
青:チャンドラとROSATのX線観測 緑:超大型電波干渉計(VLA)の電波観測 赤:デジタルスカイサーベイDSSの可視観測
2.Suzaku Observation@07/March 40ksec 45’ ~20pc ↑XMM-Newton X-rayimage (0.3-5keV) ↑Suzaku X-ray image brown:0.7-3keV、contour:3-5.5keV
Ne Mg Si S Fe-L Ar Ca O βlines! Fe Suzaku XIS Spectrum(Non-X-ray BGD subtracted / FI2台)
Kα Lyα 10+ 10+ 10+ 10+ Number ratio -> Electron temperature Lyβ Kβ Number ratio -> Ionization temperature Emission mechanism He-like ion H-like ion
Fitting : 衝突電離平衡プラズマ 赤:BI 黒:FI NH=7e21 /cm2(固定) 温度 1.04 (1.03-1.05)keV アバンダンス Si~1.4, S~1.2, Ar~1.3, Ca~1.0, Fe~0.6 Reduced χ^2 = 6.19 [χ^2/d.o.f = 1789/289]
New model : Bremss+lines Bremss 1.06(1.05-1.07)keV βγδ/α比 0.16(0.00-0.28)keV Si Lyα/Kα比 1.06(1.05-1.06)keV SArCa Lyα/Kα比 1.35(1.32-1.37)keV χ^2 = 2.97[χ^2/d.o.f = 845/285]
S S n=∞ n=∞ : : n=2 n=2 EX K輝線 放射再結合連続線 n=1 n=1 possibly radiative recombination continuum(RRC:放射再結合)!? n=3 RRCの幅= 電子の運動エネルギーに相当 EX
Bremss+lines+FRRC+HRRC Bremss 0.95(0.92-1.00)keV βγδ/α比 0.59(0.52-0.66)keV RRC 0.41(0.37-0.48)keV Si Lyα/Kα比 1.08(1.07-1.09)keV SArCa Lyα/Kα比 1.38(1.35-1.41)keV χ^2 = 1.09[χ^2/d.o.f = 306/280]
通常の衝突電離プラズマよりも3桁近くRRCが強い通常の衝突電離プラズマよりも3桁近くRRCが強い
何がおこっているのか? 超新星残骸の常識 衝撃波加熱 熱平衡プラズマ RRCは弱い
Pulsarが Off-beamで照らしてる? もしかして GRB-remnant!? 一部のGRB残光からRRCの検出 (GRB 070828 / GRB 991216)
おまけ:bonus Astro-H If we observe IC 443 with microcalorimeter…
まとめ • すざくで超新星残骸IC 443を観測した • 制動放射+ラインのモデルではスペクトルに大きな残差が残った • 放射再結合連続線を加えるとよく合う • 放射再結合の強度が異様に強い
σ • 光電効果でイオンと自由電子が作られる K輝線 再結合線 光電効果の断面積 S S • 電子は光電吸収エッジ超えの僅かなエネルギー ∝E-3 E • 励起できず再結合→再結合の連続線 衝突電離プラズマと光電離プラズマ • 衝撃波で加熱された熱的プラズマ(衝突電離) • 自由電子とイオンは熱平衡 自由電子エネルギー = イオン化エネルギー 光照射で加熱されたプラズマ(光電離)
(StepA)Bremss+lines 赤:BI 黒:FI 緑:Bremss 灰:CXB 水:He-like 青:H-like Bremss 1.06(1.05-1.07)keV βγδ/α比 0.16(0.00-0.28)keV Si Lyα/Kα比 1.06(1.05-1.06)keV SArCa Lyα/Kα比 1.35(1.32-1.37)keV χ^2 = 2.97
(StepD)Bremss+lines+FRRC+HRRC Bremss 0.95(0.92-1.00)keV βγδ/α比 0.59(0.52-0.66)keV RRC 0.41(0.37-0.48)keV Si Lyα/Kα比 1.08(1.07-1.09)keV SArCa Lyα/Kα比 1.38(1.35-1.41)keV χ^2 = 1.09
電離・電子温度を求める手順 1.熱的平衡なプラズマが出す 輝線強度比をモデルから求める (下図。APECモデル使用) 2.すざくのスペクトルから輝線強度 比を求め、下図から温度を求める ① ③ ② Ly-beta ④ 水素状/ヘリウム状 = ② /① Lyβ/Lyα = ④ / ② 電離温度 電子温度 ~0.35keV ~0.22keV
3.考察 過電離状態の物理的解釈 • SNR内での温度勾配によって熱伝導で電子が急に冷やされた にも関わらず重元素イオンの再結合が間に合っていない • すざくでも温度勾配を確認
(StepD)Bremss+lines+FRRC+HRRC Bremss 0.95(0.92-1.00)keV βγδ/α比 0.59(0.52-0.66)keV RRC 0.41(0.37-0.48)keV Si Lyα/Kα比 1.08(1.07-1.09)keV SArCa Lyα/Kα比 1.38(1.35-1.41)keV χ^2 = 1.09
(StepB)Bremss+lines+FRRC Bremss 0.94(0.88-0.97)keV βγδ/α比 0.56(0.50-0.64)keV RRC 0.48(0.44-0.59)keV Si Lyα/Kα比 1.08(1.07-1.09)keV SArCa Lyα/Kα比 1.39(1.39-1.42)keV χ^2 = 1.21
(StepC)Bremss+lines+HRRC Bremss 0.91(0.86-0.95)keV βγδ/α比 0.61(0.48-0.68)keV RRC 0.59 (0.53-0.64) keV Si Lyα/Kα比 1.08(1.07-1.09)keV SArCa Lyα/Kα比 1.23(1.19-1.25)keV χ^2 = 1.53
RRCから求めた電離温度 (薄い橙はエラー) Lyα/Kαの比から求めた電離温度
1.North、Southのスペクトル(7.5’半径) 左領域のFIスペクトル.NXBをひいてある XISのイメージ (0.7-3keV) • 以下のスペクトル解析は全てNorthのもの。 • NXBはひいてある。 • CXBはKushino et al.(2002)の値に固定。
Step2).Lyラインを足す。 • kT~0.35keV, NH~4.9e21/ アバンダンスO~0.2、Ne~0.5、Mg~0.4, SI~0.8, Fe~0.2 • RRCらしき構造は明らかには見えない(Fe-Lの入れ方で隠されている可能性もある) • RRCのモデルを加えてもNormalizationは0となる 実線:完全電離->H-like(K殻へ) 点線:H-like->He-like(K殻へ) 一点鎖線:完全電離->H-like(L殻へ) S (L殻への遷移) Ne O Si (L殻への遷移)
Step1. Bremss • Siエッジ以上はゲインが+3.2eVずれてる(FI)ので一様にずらす • 吸収は7e21固定 Bremss0.82keV/ χ^2=87 Step2.ガウシアン(α&β)を加える • β のライン強度はαの(温度の関数)倍で固定 • (温度の関数)は、APECのモデルを用いて次頁のようにA-B*exp(-kT/C) の形で再現 • ・実際のフィットの際は、以下のモデルでとりこんでいる 上記の(温度の関数) A,B,Cは固定値なので 温度のみがフリーパラメータ (温度の関数) 温度はsiheと共通 wabs*( bremss + ga + sihe*ga + ga + sih*ga +…) SiのKβ (normをKαと共通に) SiのLyβ (normをLyαと共通に) SiのKα SiのLyα
1.ゲイン FI ・SiとSのKα、Lyαを用いてゲインを調べた ・ 様々なラインが交じり合っているため狭い範囲でフィットした ・パワーローとガウシアン(幅0)でフィット ・パワーローの傾きは3.5に固定(~1keVプラズマはこの程度の傾きに相当) ・一様なゲインのずれが認められた。右図を定数フィットしFI +4eV、BI -9eVを得た。 ・以下のフィットでは、一律この値だけゲインをずらす S Kα S Lyα Si Kα Si Lyα BI 黒 FI 赤 BI ライン中心の理論値からのずれ(eV) ライン中心エネルギー(eV)
2.下準備その1:β、γ、δのαに対する比を温度の関数としてモデル化2.下準備その1:β、γ、δのαに対する比を温度の関数としてモデル化 H-like イオン He-like イオン 青β/α 赤γ/α 緑δ/α (黒はlinearフィットの線) Si Ar S Ca • β/α(或いはγ/α、δ/α)強度比をAPECモデルから求める • β/α= A*exp(-B/kT)の関数形を仮定してフィットでAとBを求める • 横軸1/kT、縦軸をln(β/α)などとすると、図のように直線となるのでこの仮定はまあいいだろう Fe
3.下準備その2.Lyα/Kα比を温度の関数としてモデル化3.下準備その2.Lyα/Kα比を温度の関数としてモデル化 Si(紫)を exp関数でフィット(黒) • APECモデルからLyα/Kαの比を温度に対して求める • これを便宜的に a+b*exp(kT/c)の関数でフィット • フィット結果(黒)は右図。モデルとAPECデータでは殆どずれはない。 紫Si,赤S,緑Ar、青Ca、 (黒はフィットのモデル)
4.下準備その3:RRC強度の温度依存性 黒:Lyα/Kα 赤:FRRC/HRRC 緑:FRRC/Kα 青:FRRC/Lyα ここで、FRRCは完全電離(Full ionized) イオンからのRRC, HRRCはH-likeイオン からのRRCを指す S Si APECモデルを利用して、RRCの強度(肩の高さ)やKα、Lyαの強度の関係を求めた
5. フィッティング • ゲインはFIで+4eV, BIで-9eVずらす • 吸収7e21固定 • CXBはKushino et al.(2002)の値に固定 • ライン中心固定、ライン幅0固定 • Si,Sはα、β、γ、δ輝線まで考慮、Ar,Caはβ輝線まで考慮 • β、γ、δ輝線強度はαのa(=電子温度の関数)倍 (この資料2章) • Lyαの強度はKαのb(=電離温度の関数)倍 (この資料の3章) • RRCは明らかに残差の残るSiとSのみ考慮 • RRCの温度は元素間で共通 • 1.8-8keV、FIとBIの同時フィット 基本方針 モデル wabs*( bremss + power + redge + .. + [ga + siheb*ga + sihec*ga + sihed*ga ] + sia * [ga + sihb *ga + sihc *ga + sihd *ga] + …) 赤は電子温度の関数 (β~δ、元素間で温度共通) 青は電離温度の関数 (Siと、S&Ar&Caの2つの電離温度を定める:理由は次頁) PowerはCXB
(StepD)Bremss+lines+FRRC+HRRC MgのRRC!? Bremss 1.05(1.03-1.08)keV βγδ/α比 0.37(0.29-0.49)keV RRC 0.11(0.09-0.13)keV Si Lyα/Kα比 1.07(1.06-1.09)keV SArCa Lyα/Kα比 1.33(1.27-1.39)keV χ^2 = 1.48
(StepF)MgのFRRC+HRRCを加える Bremss 1.66(1.37-1.68)keV βγδ/α比 1.15(0.73-2.53)keV RRC 0.16(0.13-0.18)keV Si Lyα/Kα比 0.97(0.94-1.02)keV SArCa Lyα/Kα比 1.48(1.43-1.54)keV χ^2 = 1.01
2.二温度 Vapec~2温度間のアバンダンス共通~ 温度 1.15(1.13-1.17)keV 0.55(0.50-0.72)keV アバンダンスSi~1.5, S~1.3, Ar~1.3, Ca~0.9, Fe~0.3 Reduced χ^2 = 6.05 [χ^2/d.o.f = 1738/287] 3.二温度 Vapec~2温度間のアバンダンス別個~ 温度 1.12(1.11-1.13)keV 0.21(0.17-0.22)keV 高温成分アバンダンスSi~1.4, S~1.2, Ar~1.2, Ca~0.8, Fe~0.3 低音成分アバンダンスSi~117,その他0 Reduced χ^2 = 5.74 [χ^2/d.o.f = 1620/282]
5.Bremss+lines+FRRC Bremss 0.94(0.88-0.97)keV βγδ/α比 0.56(0.50-0.64)keV RRC 0.48(0.44-0.59)keV Si Lyα/Kα比 1.08(1.07-1.09)keV SArCa Lyα/Kα比 1.39(1.39-1.42)keV χ^2 = 1.21[χ^2/d.o.f = 340/282]