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平成20年12月6日 ポスト医ゼミ in 山形

平成20年12月6日 ポスト医ゼミ in 山形. 障害者の今を知る -発達障害と特別支援教育- 上野一彦 東京学芸大学教授 日本LD学会会長. 今、学校で. 現象  学力の低下、いじめ、不登校、授業崩壊・・・ 環境の変化    子ども・保護者・教師        少子化・モンスターペアレンツの出現               学校選択制・格差社会と進学熱・・・ 課題       保護者との信頼関係            教師の指導力. 特別支援教育が 学校教育を変える !. 知的な遅れのない 『 発達障害 』 は 通常 の 学級 に

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平成20年12月6日 ポスト医ゼミ in 山形

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Presentation Transcript


  1. 平成20年12月6日ポスト医ゼミ in 山形 障害者の今を知る -発達障害と特別支援教育- 上野一彦 東京学芸大学教授 日本LD学会会長

  2. 今、学校で 現象 学力の低下、いじめ、不登校、授業崩壊・・・ 環境の変化   子ども・保護者・教師        少子化・モンスターペアレンツの出現               学校選択制・格差社会と進学熱・・・ 課題      保護者との信頼関係            教師の指導力 特別支援教育が学校教育を変える!

  3. 知的な遅れのない『発達障害』 は通常の学級に  (LD・ADHD・高機能自閉症)  どれくらいいるのか (文部科学省2002.10) 学習面か行動面に 著しい困難を持つと 担任教師が回答した数 ほかに知的障害および その周辺と推定される者 3% 6.3% ADHD 2.5% 学習面の困難 行動面の困難 2.9% L D 4.5% HFA*       0.8%*高機能自閉症

  4. LD等を取り巻く環境は大きく変わった 平成17年 発達障害者支援法の施行       特別支援教育体制推進事業の開始   (幼稚園・保育所、高等学校へ拡大)平成18年 学校教育法       「通級による指導」の対象として明記平成19年 特別支援教育への全面転換

  5. 「発達障害」を再考する  本来,発達障害は以下の定義で使用されてきた。                       ICD-10(WHO 1992) 1.発症は常に乳幼児期或いは小児期であること 2.中枢神経系の生物学的成熟に深く関係した機   能発達の障害或いは遅滞であること 3.精神障害の多くを特徴づけている、寛解や再発   が見られない安定した経過であること

  6. 発達障害支援法の『発達障害』 自閉症、アスペルガー症候群(障害)  その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定められている (日本LD学会編 LD・ADHD等関連用語集第2版) 6

  7. その他 脳性麻痺 社会性の発達 運動の発達 微細運動の発達 学習能力の発達 注意・行動コン トロールの発達 言語能力の発達 認知の発達 精神遅滞 発達障害の範囲   厚生労働省大塚専門官作成 <主な発達の領域>  <障害名> <法律名> 身体障害者福祉法 知的障害者福祉法 広汎性発達障害 (自閉症・アスペルガー症候群) 学習障害(LD) 支援法 発達障害者 支援法 (ICD-10 F80・90) 注意・欠陥多動性障害 (ADHD) 発達性言語障害 政令 発達性協調運動障害 その他の障害 省令

  8. 特別支援教育の理念(文部科学省 平成19年4月1日) 特別支援教育の理念(文部科学省 平成19年4月1日)  特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加 に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒 一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や 学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支 援を行うものである。  また、特別支援教育は、これまでの特殊教育の対象の障害だけで なく、知的な遅れのない発達障害も含めて、特別な支援を必要とす る幼児児童生徒が在籍するすべての学校において実施されるもの である。  さらに、特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒への教育にと どまらず、障害の有無やその他の個々の違いを認識しつつ様々な 人々が生き生きと活躍できる共生社会の形成の基礎となるものであ り、我が国の現在及び将来の社会にとって重要な意味を持っている。 特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加 に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒 一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や 学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支 援を行うものである。  また、特別支援教育は、これまでの特殊教育の対象の障害だけで なく、知的な遅れのない発達障害も含めて、特別な支援を必要とす る幼児児童生徒が在籍するすべての学校において実施されるもの である。  さらに、特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒への教育にと どまらず、障害の有無やその他の個々の違いを認識しつつ様々な 人々が生き生きと活躍できる共生社会の形成の基礎となるものであ り、我が国の現在及び将来の社会にとって重要な意味を持っている。 8

  9. 知的な遅れを伴わない「発達障害」 発達障害は何らかの学習困難を伴う 発達障害はスペクトラムである 連続体 発達障害という用語について    ・アメリカではMR(精神遅滞)からIDD(知的及び発達の障害)へ変化しつつある・『発達障害』 はわが国での法制的な統一用語で                 インターナショナルな用語ではない 9

  10. IQ(知能指数)の分布 特殊教育から特別支援教育への転換 特別支援教育 特殊教育 発達障害  スロー ラーナー 知的障害  盲・聾・肢体不自由等 70 85 100 115 130

  11. 障害カテゴリーについて   米国 LD スピ-チ/言語障害精神遅滞 情緒障害 聴覚障害 肢体不自由 その他健康上の障害 視覚障害 自閉症 盲・聾 外傷性脳損傷   日本 視覚障害 聴覚障害 知的障害 肢体不自由 病弱 情緒障害 言語障害 自閉症 LD ADHD    英国 ○ 認知と学習ニーズ  ・特異な学習困難(→ LD) ・中度学習困難  (→ 軽度MR ) ・重度学習困難  (→ 中度MR ) ・最重度重複学習困難 ○ 行動・情緒・社会的発達ニーズ ○ コミュニケーションと相互関係ニーズ ・スピ-チ / 言語 / コミュニケーション障害 ・自閉症スペクトラム障害 ○ 感覚と身体的ニーズ ・視覚障害  ・聴覚障害  ・重複感覚障害  ・肢体不自由  11

  12. 知的な遅れのない発達障害最新の概念整理

  13. 脳は情報のファイリングボックス LDのはなし 脳機能 言語機能 空間機能 短期記憶 作動記憶        など 処理 判別・照合 分類・体系化 モニタリング          など 入力 視 覚 聴 覚 触 覚 運動覚 など 出力 ことば 文 字 記 号 図・絵 動 作    など

  14. LDに関する教育・医学用語の対比(上野,2005)LDに関する教育・医学用語の対比(上野,2005) 1)learning disabilities2)learning disorders

  15. 知的能力の評価 全般的な知能の遅れがない 個人内の認知能力のアンバランス 国語等の基礎能力の評価 国語等の基礎能力に著しいアンバランス 医学的な評価 他の障害や環境的要因で説明できないことの判断 LD判断の基準

  16. LD指導の基本原理 一般的な指導配慮 動機づけ・学習のレベル・速度                   スモールステップ・・・ (学習遅滞と共通の指導原理) 特別な指導配慮 認知のレベル・情報処理(認知)の特性 (LDに固有な特別な指導原理) 教科の補充指導にどう活かすか

  17. ADHDとは   (注意欠陥/多動性障害) 多動性 衝動性 不注意 不注意優勢型 多動性-衝動性優勢型 混合型

  18. ADHD児が見せる教室での行動 • 席にじっと座っていない • 口をはさむ • 教室での課題が終了しない • 教科でケアレスミスをしたり,作業が雑 • 校則を守れない • 宿題を忘れたり,やり終えない • 口頭での指示に従えない • 気が散りやすく,フラストレーションを感じやすい • 状況に過度の反応する • 日常の決まった行動のパターンが確立しにくい • 教室内の決まった仕事の変化に適応できない • ソーシャルスキルが弱い

  19. ADHDをもつ子の力(abilities)(NHK福祉フォーラム:上林靖子、2001)ADHDをもつ子の力(abilities)(NHK福祉フォーラム:上林靖子、2001) 創造力がある 熱中力 よく気がつく なかなかの役者 自己主張ができる 思いやりがある 決断力がある いつも考えている おもしろい エネルギッシュ 気軽

  20. 自閉症とその仲間たち(自閉症スペクトラム)自閉症とその仲間たち(自閉症スペクトラム) 高機能広汎性発達障害 (高機能PDD) 広汎性発達障害    (PDD)  アスペルガー症候群 高 IQ 低 高機能自閉症 IQ70以上 対人関係 の困難 コミュニケーション (ことば)の 発達の遅れ こだわり 興味・関心 の狭さ 自閉症 (自閉性障害)

  21. 高機能PDD における具体例(高機能自閉症・アスペルガー症候群)高機能PDD における具体例(高機能自閉症・アスペルガー症候群) • 友達と仲良くしたいのにうまく関係が作れない。 • 球技やゲームで仲間と協力してプレーできない。 • 多弁だが、場の空気、相手の感情・立場を理解しないでしゃべってしまう。 • 含みのある言葉の意味を理解しない。表面的。 • 特定の分野の知識があり、みんなから「○○博士、○○教授」といわれるが、極端に苦手なこともある。 • 空想の世界と現実との切り替えが難しい。 • こだわると他のことができなくなってしまう。 • 自分なりの独特な手順があり、変更や変化をきらう。

  22. 自閉症スペクトラムを理解する 何が好きかわかりやすい 興味の範囲が狭い 何度も同じことをいう 言いたいことがわかりやすい 遠回しな表現が通じない 具体的な指示なら理解できる しつこさが目立つ 忘れずよく憶えている 同じことでも飽きずに続けられる 新しい変化に弱い イマジネーションが弱い 直接的な表現のほうが伝わる

  23. これからの特別支援教育課題と展望 医療と教育・心理学との連携専門家チームの役割

  24. 構成スタッフと判断資料 校内委員会 管理職・特別支援教育コーディネーター 特別支援教育担当教員 通常学級担当教師 ・養護教諭 ほか 行動観察/LDI/教育記録/成績ほか 教育委員会スタッフ 特別支援教育担当教師 通常学級担当教師 心理アセスメント担当スタッフ 医師など 生育歴/各種記録  校内委員会からの教育記録 WISC-Ⅲ/K-ABCほか 専門家による 巡回相談 専門家チーム

  25. 知能検査における新しい課題 現行の診断方法(知能と学力のディスクレパシー モデル)は,特別支援教育サービスの利用基準 を満たすかどうかに焦点があてられてきた • 神経認知プロセスとの関連性への探求 (→新しい心理検査の開発) • 児童に対する教育指導方法につながる説明や対処情報の提供  (→ラベリングから真の診断・処方へ)

  26. 信頼される教育相談のポイント • よい分岐点にする覚悟と専門性 あいまいな説明,先延ばし,たらいまわしをしない・・・ • 知的障害と発達障害への深い理解 遅れとかたよりのちがいをどこまで伝えられるか・・・ • 長期的な見通しへの具体的選択肢の提示 残された可能性の中で,進路をどのようにイメージするか・・・ • 認知の特性と具体的支援への深い知識 心理アセスメント結果を指導に活かす知識と工夫・・・ • 学校・地域にある支援リソースへの知識とアプローチの仕方 どこで,だれが,なにをできるのか,その利用の仕方と関わり・・・ • 家庭と本人への深い理解 家庭の事情をどこまで把握しているか・・・ • 校内委員会とのよい関係性 情報の共有と連携にたいする見通しは・・・ • フォローアップへの責任性    環境調整と家族への継続的関わり・・・

  27. LD(learning differences) 学び方がちがう子ども 子どもの特性と学び方を知ること 子どもが求める支援サービスの提供

  28. 障害とは個性である 理解と支援を必要とする ENDカズ先生のEdubloghttp://edublog.jp/kaz1229

  29. 子どもたちの学びと個性 L D と ディスレクシア 上野一彦 講談社+α新書 学習障害 読み書き障害

  30. パパ LD教授の贈り物   ふつうであるよりも   個性的に生きたい   あなたへ    上野一彦  講談社

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