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2007.05.08-09. 基礎数学 IV. 0. 揺らぎとその解析例 1.周波数解析 2.データ処理における問題 3.高次スペクトル解析. 参考文献:日野幹雄 スペクトル解析 杉山高一 多変量データ解析入門 榊原進 ウエーブレット. Fluctuation & Self-Organization. Key words. J. Mather G. Smoot. 2006 Nobel Prize. 宇宙からのマイクロ波の背景光の揺らぎ分布 => 宇宙の構造形成. NASA 2006.
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2007.05.08-09 基礎数学 IV 0. 揺らぎとその解析例 1.周波数解析 2.データ処理における問題 3.高次スペクトル解析 参考文献:日野幹雄 スペクトル解析 杉山高一 多変量データ解析入門 榊原進 ウエーブレット
Fluctuation & Self-Organization • Key words
J. Mather G. Smoot 2006 Nobel Prize 宇宙からのマイクロ波の背景光の揺らぎ分布 => 宇宙の構造形成 NASA 2006
Visible/IR emission+ BB radiation Plasma light emission Spectrum analysis • Line emission • Continuum emission • BB emission Raju, submitted to NF2007
マイクロ波によるBB連続放射の観測 密度揺らぎ計測 プラズマからの揺らぎ計測システム(Wataya, Idei ) NASA
plasma 分布の瞬時の変化 Xrayカメラ 画像解析
中心の突出した分布から中空の分布へ突然変化中心の突出した分布から中空の分布へ突然変化 トーラスプラズマのエネルギー配列が突然変化 秩序から秩序への飛び
t=427 429.52 429.84 430.96 Z (mm) Z (mm) m=2 DR (mm) 2D reconstructed emissivity at the internal disruption #72464 H. Zushi PPCF 1997
2ms 1ms t(ms) 秩序の飛びと構造の爆発的成長 構造の成長
crash before crash after crash 秩序形成の過程 構造振幅 中心集積 中空 秩序
r time 2.0 2.0 1.5 1.5 m=2 amplitude 1.0 1.0 0.5 0.5 0.0 0.0 ms 388 405 389 404 構造の間欠振動の画像解析例 m=2成分の間欠的発達 time r 中空分布 After crash Beam pulse end
秩序と構造 何が中心部への集中を駆動するか • 構造 中心集積 中空 秩序
Fluctuations 任意の物理量Xの時間発展を考える。 ここでXは平均値Xの周りをdXの変動の広がりをもって揺らぎながら変動する。 Define a quantity which represents the average range of fluctuation! ?
揺らぎの解析方法 • フーリエ解析 (周期振動、相関、スペクトル) • 多変量解析 (多変数の相関、主成分分析) • ウエーブレット解析(バースト的な信号の解析)
フーリエ周波数解析 • 自己相関関数 auto correlation • パワースペクトル power spectrum • 相互相関 cross correlation • クロススペクトル cross spectrum 基礎となるのはどのような周期関数も三角関数の級数和で表すことができる というフーリエ理論である。
時間-空間から周波数-空間へ(実際には線スペクトルへの分解ではなく、連続的に変化する周波数スペクトルへの変換)時間-空間から周波数-空間へ(実際には線スペクトルへの分解ではなく、連続的に変化する周波数スペクトルへの変換) • 特定の時間幅に存在する非周期関数を周波数の連続スペクトル • (単一の周波数成分が多数重なり合っている)で表現する。 • X(f)dfは周波数f~f+dfの波の振幅 全体の分布を周波数スペクトル
相関 correlation 解析の一つの目的は 1)変動が意味のある周期振動か? 2)変動が他の因子によって駆動され たものか? 3)変動が他の因子に影響を与えてい るものか? 4)変動が他の因子と相関があるもの か? などを調べることである。 rを相関係数、Eをアンサンブル平均 (母集団平均)という。
自己相関 self correlation 変動の周期性を調べるには、信号x(t)と少し時間をずらした 同じ信号x(t+t)の相関を調べればよい。 この場合だと時間平均のために 時間積分して、時間の間隔でわる。 自己相関係数
周期関数の相関関数は 周期関数 ノイズ成分が大きくなると 周期関数の周期性はみる ことができにくい ノイズ成分の性質によって 相関時間が変化する。 無相関ノイズはd関数となる
揺らぎの寿命と自己相関 相関関数の対称性(偶関数) 不規則振動の性質の指標 ここで、tcを相関時間といい、不規則振動の時間スケールの 目安である。たとえば揺らぎの寿命に相当する。
Power spectrum Eはensemble average X(w)は複素フーリエ成分 Tは観測時間幅 Sは実数の偶関数 Wiener-Khintchine formula
“1/f noise spectrum”は何を意味しているか J. Appl. Phys. 1973
揺らぎの中で大きなパワーを持つ成分を調べる。揺らぎの中で大きなパワーを持つ成分を調べる。 マイクロ波の漏洩強度計測 プラズマ密度の増加
剛体球の弾性散乱の計算機シミュレーション (例)(希薄な場合はBoltzmann 分布) 低密度 速度相関関数 拡散係数 C(t) 高密度 衝突時間で規格化 した時間 T (1次でTaylor expansion) Alder PRL 1967
C(t)-CB(t) 高密度では長時間記憶が保持 衝突時間で規格化した時間
相互相関の特性 一般にlag time=0に対して 非対称
Cross spectrum X,Y信号のうち相関の強い周波数帯の強度分布が解析可能。
Cross phase ここで、qxyは信号xおよび信号yの位相角の差を表す。 qxy(w)= qx(w)- qy(w) X、Y揺らぎの信号がお互いに位相がずれていることを意味する。
密度と電位の揺らぎ 密度の空間分布をBoltzmann 分布とすると、電位の揺らぎによる 密度分布は となり、電位揺らぎが運動エネルギーに比べて十分小さい近似の下 では密度揺らぎは と書ける。 一方、電位変動による磁場に垂直方向の流体のドリフト速度は
揺らぎに駆動された拡散束 平衡状態では流れがない もし、密度揺らぎと径方向速度揺らぎが90度位相のずれがあれば、 いくら揺らぎ振幅が大きくても、正味の拡散束は0となる。 すべての周波数帯の積分から、正方向の拡散束が得られれば、 “観測位置においては”、揺らぎによって粒子が“磁場のかご”から 漏れだしていると結論できる。 1)磁場のかごのすべての位置からの正味の損失を意味するもの ではない。
揺らぎのcoherence gが1に近いということは二つの信号が極めて強い相関のある 揺らぎであることを意味している。
降雨と河川流出量の相互相関 一日程度の時間遅れ 流出量=地表面流出+ 時間遅れのある滲透流成分
降雨と流出量のcoherence f=0.25 day-1 でcoherenceに差がある。 1)即ち四日周期以下は表面流出と考えられる。そのピークはほぼ半日周期であり、 降雨後、6時間後に最大である。 2)浸透流出は0.325,0.42d-1程度の周期性を有す。
実空間と波数空間 二点の観測点が距離Lだけ離れていれば、 coherentな波動の揺動振幅とその周波数に おける位相差から、 1 2 揺動の伝播速度が求まる。
2-2bHaの応答時間遅れ(t=0:密度上昇時と定義)2-2bHaの応答時間遅れ(t=0:密度上昇時と定義) Toroidal array Ha摂動のFFT解析 1)Pol 断面では 内側ー外側に変動振幅のピーク 基本周期は1.5 Hz Poloidal array 閉じ込め緩和振動に伴うHa変動は同一トーラス位置で内外位相遅れを保持したまま、トーラス全体のHaを変動させている。
空間モード数の決定(例) 円柱プラズマの周囲にポロイダル磁場を 計測するコイルを配置する。 4 3 5 コイルの巻き線数N 磁束の時間変化 あるいは特定の周波数 に比例した電圧が発生 2 6 1 7 プラズマ中に揺らぎの電流密度が存在すると 11 8 9 10 ある特定の周波数に対して、 のポロイダル構造を持つ場合について考える。
低位のモード 膨張と収縮 1)m=0 3) m=2 cos2q 楕円変形 2) m=1 cosq 4)m=3 cos3q △変形 Horizontal shift bent
モードの決定 1)coherentな周波数 fc を探す 2)基準のコイルに対して、cross phaseを fcの場合について 計算する。 q11,q12, q13………… q1n 3)コイルの設置角度を基準に、観測位相差を表示し、最小2乗 fitを行う。 m=infinite m=2 位相差 m=1 m=0 1 n コイル位置
モード数の最大値は? • 設置可能なプローブ数N(たとえば均等配置)と決定可能なモード数の関係は?
2.データ処理の問題点 • 0)digital 計測(サンプリング時間)に伴う誤差 • 1)有限観測時間と周波数解析 • 2)信号のdrift除去 • 3)アンプの周波数特性と周波数解析 • 4)FFT
1. 有限長のデータ列と分割平均 1) データ列の長さTで決まるより低周波数(1/2T)は解析できない 2) データ列の長さTを長さsの分割で解析する場合は1/2sより高 周波数は解析できない