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目的. 阿膠(アキョウ)は Asini Corii Collas という学名をもつ局外生規で掲載されている生薬で,ウマ科動物のロバ Equus asinus L. の毛を去った皮を水で加熱抽出し,濃縮乾燥したニカワの塊であり,中国では 1963 年より「中華人民共和国薬典」に正式掲載されている生薬である.阿膠は現代において主に補血・止血・滋陰・潤燥・安胎作用で用いられ, 本実験では生薬阿膠の放射線及び化学療法骨髄機能抑制改善作用について報告する.. 方法. 1 .シクロホスファミドによる造血機能抑制への作用
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目的 阿膠(アキョウ)はAsini Corii Collasという学名をもつ局外生規で掲載されている生薬で,ウマ科動物のロバEquus asinus L.の毛を去った皮を水で加熱抽出し,濃縮乾燥したニカワの塊であり,中国では1963年より「中華人民共和国薬典」に正式掲載されている生薬である.阿膠は現代において主に補血・止血・滋陰・潤燥・安胎作用で用いられ,本実験では生薬阿膠の放射線及び化学療法骨髄機能抑制改善作用について報告する.
方法 1.シクロホスファミドによる造血機能抑制への作用 体重18 - 22 g前後の雌雄ICRマウス70匹を雌,雄性が同じ割合を占めるように無作為に対照群,シクロホスファミド対照群,阿膠低,中,高用量群,メチルテストステロン群,複合礬丸剤群計7群に分け,それぞれNS,NS,阿膠3,6,9 g / kg / day,メチルテストステロン20 mg / kg / day,複合礬丸剤1 g / kg / dayを3日間経口胃注入してから,対照群にNS,他の各群にシクロホスファミド100 mg / kgを腹腔に1回 / 日,3日間注射しながら阿膠,メチルテストステロン,複合礬丸の投与をそのまま継続経口胃注入し,シクロホスファミド注射停止後も4日間継続経口胃注入し,最終回の経口胃注入後1 – 2時間に後ろ大腿骨より骨髄モノプラスミド懸液を作成し,各種処理して骨髄細胞周期,CD34+細胞割合,造血幹細胞及び骨髄細胞アポトーシスパターンを測定した. 2.Co60照射による造血機能抑制への作用 体重18 - 22 g前後の雌雄ICRマウス70匹を雌,雄性が同じ割合を占めるように無作為に対照群,Co60照射対照群,阿膠低,中,高用量群,複合礬丸剤群計6群に分け,それぞれNS,NS,阿膠3,6,9 g / kg / day,複合礬丸剤1 g / kg / dayを3日間経口胃注入してから1 – 2時間後,対照群を除く他の各群にCo60 (5 gy )照射し,NS,NS,阿膠,複合礬丸の投与をそのまま8日間継続経口胃注入した.最終回の経口胃注入後1 – 2時間に後ろ大腿骨より骨髄モノプラスミド懸液を作成し,各種処理して骨髄細胞周期,CD34+細胞割合,造血幹細胞及び骨髄細胞アポトーシスパターンを測定した.
まとめⅠ 実験結果 1-1.シクロホスファミド対照群に比べ,阿膠中,高用量群では骨髄細胞中のG0/G1期細胞割合の減少と,G2/M期細胞割合及び増殖指数PIの顕著な上昇が明らかとなった. 1-2.シクロホスファミド対照群に比べ,阿膠中,高用量群ではCD34+細胞割合の顕著な上昇が明らかとなった. 1-3.シクロホスファミド対照群に比べ,阿膠中,高用量群では骨髄造血幹細胞及び全骨髄細胞アポトーシスの顕著な低減が明らかとなった. 2-1.Co60照射対照群に比べ,阿膠中,高用量群では骨髄細胞中のG0/G1期細胞割合の減少と,G2/M期細胞割合及び増殖指数PIの顕著な上昇が明らかとなった. 2-2.Co60照射対照群に比べ,阿膠中,高用量群ではCD34+細胞割合の顕著な上昇が明らかとなった. 2-3.Co60照射対照群に比べ,阿膠中,高用量群では骨髄造血幹細胞及び全骨髄細胞アポトーシスの顕著な低減が明らかとなった.
まとめⅡ 考察 化学及び放射線療法の臨床治療によって骨髄機能抑制が引き起こされ,末梢白血球が減少し,免疫力が低下する.本実験の結果より,生薬阿膠はシクロホスファミド及びCo60の使用による一時上昇した骨髄増殖指数及び造血幹細胞割合を更に顕著に増加させ,シクロホスファミド及びCo60の使用による骨髄造血幹細胞及び全骨髄細胞アポトーシスの上昇を明らかに低下させたことより,生薬阿膠は化学及び放射線療法を受ける腫瘍患者の骨髄機能抑制による白血球減少や免疫力低下などの副作用を軽減し,迅速な体力回復に有効だと考えられる.