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WINTER. シニアの高価格商品購買躊躇の解消 ~心理的シェアリングによる関係強化の有効性~. 多摩大学 豊田ゼミ 駒井班 駒井伸司 丹木茜 村上夏未. 目次. 背景 既存研究 本論 インプリケーション 仮説検証 今後の展望 参考文献. 01. 背景. はじめに高齢化の進展は顕著である 2050 年には国民の 4 人に 1 人がシニア (60 歳以上 ) になる. 健康に対する不安. 60代を過ぎると 購買が落ち込む. いつまで生きてしまうか わからない. 生活に必要なものは揃っている. マーケットでシニアの存在はさらに増加する.
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WINTER シニアの高価格商品購買躊躇の解消~心理的シェアリングによる関係強化の有効性~ 多摩大学 豊田ゼミ 駒井班 駒井伸司 丹木茜 村上夏未
目次 • 背景 • 既存研究 • 本論 • インプリケーション • 仮説検証 • 今後の展望 • 参考文献
01 背景
はじめに高齢化の進展は顕著である 2050年には国民の4人に1人がシニア(60歳以上)になる 健康に対する不安 60代を過ぎると 購買が落ち込む いつまで生きてしまうか わからない 生活に必要なものは揃っている マーケットでシニアの存在はさらに増加する ※出典:内閣府「全国消費実体調査」 1 /29 ※出典:株式会社シニアコムシニアの消費の「7つの消費意識」
(万円) ≪解くべき課題≫ シニアの自分のための 高価格商品購買の躊躇を解消させる マーケットが縮小してしまう 経済的に余裕があるシニアに消費を起こさせる ? シニアは何に 価値を置いているのか 2 /29 ※出典:総務省「家計調査(2人以上世帯)」
シニアは「縁」を大切にする 他者と繋がりや出会いを「縁」と捉えている 「孫との交流は無条件に楽しい」や「他者といつまでも繋がっていたい」 などが挙げられる 縁=繋がり ※出典:株式会社シニアコムシニアの消費の「7つの消費意識」 シニアにとって、「縁」を 深める購買にはお金を惜しまない Ruth・Frederic(1999) 「ギフトを贈ることによって 人と人との縁をより強化される」 ⇒関係強化に影響 3 /29
孫 ギフトは購買躊躇がおきにくい! ギフトマーケティングの研究は多くされている 最終的に「縁」を感じる他者に 譲渡できる(使ってくれる)と思えば 自分のための購買躊躇を解消できる ギフトマーケティングでの購買躊躇の解消ではなく ギフトは購買躊躇がおきにくいという知見 自分のためだけの購買は躊躇が乗り越えられないという問題 4 /29
02 既存研究
「景品付きセールスプロモーションの有効性」Quelch (1989)「景品付きセールスプロモーションの有効性」Quelch (1989) 恩恵を受けるタイミングが違うと 得られる価値が変わることに着目!! [即時型] 購買した時点ですぐに恩恵を受ける (おまけ) [延期型] 購買後ある期間を経てから恩恵を受ける (懸賞) 5 /29
「シェアリング」田中洋(2011) • モノやサービス、労力など自分の持つ資源を他者に無償で使わせる行動のこと • 共有すること 主に家族の中で行われる行動で返礼を期待しない 金銭的交換・ギフト・所有の移動 6 /29
既存研究と本論の橋渡し 即時型・延期型 恩恵を受けるタイミングが違うと得られる価値が変わる 同じように シェアリングでも 共有(恩恵)を受けるタイミングが違うと得られる価値が変わる 新しいモデルを構築した 7 /29
03 本論 1.即時型シェアリング・延期型シェアリング 2.新モデル心理的シェアリングの提案 3.心理的シェアリングによるベネフィット 4.心理的シェアリングの手段と財 5.手段の仕組み
シェアリングにおける即時型と延期型 ⇒ 新しいコートを買ったよ 即時型シェアリング 購買後すぐ(即時)に孫と共有 現在から将来にかけて祖父母と孫が共有して使用 祖父母 孫 ⇒ 延期型シェアリング 購買した物を将来的(延期)に孫に受け継ぎ時間をずらして共有 購買後は祖父母が使用し将来的に孫に継承する それぞれのシェアリングについて [即時型] シェアリング [延期型] シェアリング 8 /29
孫が使ってくれるか 分からないという不安で 購買に至らない 祖父母と孫では サイズや別居によりされにくい 延期型シェアリングを発展させた 心理的シェアリングを提案 現在 将来 即時型シェアリング 使わせて~!! 購買躊躇を乗り越えやすい 大きくなったから あげるよ 延期型シェアリング 『おさがり』として多くされている 9 /29
新モデル提案 心理的シェアリング 祖父母は購入した商品を所有する。使用している際に将来的に継承する孫への縁を実感し商品を通して心理的な繋がりをもつことができる。 祖父母はただ使用するのではなく孫との繋がりを感じ、さらに孫も喜んでくれているだろうという様々なベネフィットを得られる。 10 /29
心理的シェアリング でも、ほんとに喜んでくれるかなぁ? っあ! 孫との縁を感じられるなぁ 将来あげられるし 買ってもいいか 心理的シェアリング によるベネフィット 延期型シェアリングの躊躇 商品を通して他者(孫)と心理的な繋がりを感じられ 購買の躊躇を解消できる 11 /29
仮説Ⅰ.高価格という理由で購買を躊躇する場合でも、仮説Ⅰ.高価格という理由で購買を躊躇する場合でも、 それを将来、縁を大切にする相手に譲渡(使ってくれる)と思えば、購買の躊躇を乗り越えやすい。 仮説Ⅱ.心理的シェアリングを意識できれば自分への 高価格商品購買の躊躇を解消できる。 追加的ベネフィットとは 12 /29
この子が使ってくれると思うと集めるのも楽しいなこの子が使ってくれると思うと集めるのも楽しいな この子とこれを通して繋がりをもちたいな この子と一緒に成長を感じたいな ・仮説Ⅱ-Ⅰ.心理的シェアリングの他者のために集めることが楽しいというベネフィットが購買意向を高めることができる。 ・仮説Ⅱ-Ⅱ.心理的シェアリングの他者と同じものを共有しているというベネフィットが購買意向を高めることができる。 ・仮説Ⅱ-Ⅲ.心理的シェアリングの他者と一緒に成長しているというベネフィットが購買意向を高めることができる。 13 /29
現在 将来 この子が使ってくれると思うと 集めるのも楽しいな この子とこれを通して繋がりをもちたいな この子と一緒に成長を 感じたいな 心理的シェアリング 有効な手段と財は? 嬉しいなぁ 14 /29
手段として 定期的に購買し、積み上げていくことを提案 「定期蓄積購買」 アクセサリー 15 /29
2日に分けてインタビュー式街頭アンケートを実施1日目50人にヒアリング調査2日に分けてインタビュー式街頭アンケートを実施1日目50人にヒアリング調査 2日目100人に定量調査 定期蓄積購買 心理的シェアリング どういう仕組みで? インプリケーションへ... 未来完成型 随時完成型 16 /29
04 インプリケーション
未来完成形 • アクセサリーの • 基盤購買 • 毎年一つずつ宝石を • 埋め込んでいく • (定期蓄積購買) • 全てが埋まった時 • 孫に渡す。 17 /29
随時完成形 • チェーンを購買 • 毎年一つずつ真珠を • 増やしていく。 • (定期蓄積購買) • 譲渡した時が節目になる。 18 /29
埋まった宝石(通った真珠)の数で孫の歳が分かる埋まった宝石(通った真珠)の数で孫の歳が分かる 受け取った孫は自分が何歳の時に貰ったかを確認できる 19 /29
インプリケーションが成り立つ仮説 • 仮説Ⅱ-Ⅳ.随時完成型のほうが未来完成形と比べて、他者のために集めることが楽しいというベネフィットを強く感じられる • 仮説Ⅱ-Ⅴ.未来完成型のほうが随時完成型と比べて、孫と一緒に同じものを共有しているというベネフィットを強く感じる 20 /29
05 仮説検証 仮説Ⅰ群⇒t検定 仮説Ⅱ群⇒回帰分析
仮説Ⅰの検証:自分のために購買する場合と他者に譲渡できると意識する場合での購買意向の差の検定仮説Ⅰの検証:自分のために購買する場合と他者に譲渡できると意識する場合での購買意向の差の検定 Q1 自分のためにアクセサリーが欲しいと思いますか? Q2-1 孫と共有して使うことができると買いたいと思いますか? 《即時型シェアリング》 他者を意識すると 購買意向が高まる 3.66 2.76 Q2-2 孫が将来的に使ってくれると思ったら買いたいと思いますか? 《延期型シェアリング》 2.06 21 /29 (N=50)
仮説Ⅰの検証:自分のために購買する場合と他者に譲渡できると意識する場合での購買意向の差の検定仮説Ⅰの検証:自分のために購買する場合と他者に譲渡できると意識する場合での購買意向の差の検定 他者を意識すると高価格商品への購買意向が高まる 「仮説Ⅰ.高価格という理由で購買を躊躇する場合でも、それを将来、縁を大切にする相手に譲渡(使ってくれる)と思えば、購買の躊躇を乗り越えやすい。」 立証された 自分のために購買する場合の購買意向と他者 共有することを意識することでの購買意向 支持 自分のために購買する場合の購買意向 将来的に他者あげることを意識することでの購買意向 支持 22 /29
仮説Ⅱの検証:得られるベネフィットによる購買意向の差の検定仮説Ⅱの検証:得られるベネフィットによる購買意向の差の検定 Q4.未来完成型 Q3.随時完成型 1.孫のために集める楽しさを感じられますか? 2.孫も一緒に同じものを共有していると感じられるますか? 3.孫と一緒に成長を感じられますか? 4.それぞれ購入したいと思いますか? 随時完成型、未来完成形それぞれどのベネフィットが 購買意向に影響を与えているのかを回帰分析で検定 23 /29
仮説Ⅱの検証:得られるベネフィットによる購買意向の差の検定仮説Ⅱの検証:得られるベネフィットによる購買意向の差の検定 随時完成型 未来完成型 (N=100) 24 /29
仮説Ⅱの検証:得られるベネフィットによる購買意向の差の検定仮説Ⅱの検証:得られるベネフィットによる購買意向の差の検定 「仮説Ⅱ.心理的シェアリングを意識できれば自分への高価格商品購買の躊躇を解消できる。」 立証された 他者を意識した購買をさせる際 心理的シェアリングの 「他者のために集める楽しさ」「他者と共有している」 を意識させる事が有効 この結果から 随時完成型では「孫のために集める楽しさを感じること」 未来完成型では「孫のために集める楽しさを感じること」 「孫と一緒に同じものを共有していると感じること」 高価格商品購買の躊躇の解消の手助けとなる 採択 「孫と一緒に成長していると感じる」は棄却 アンケート対象者の孫の年齢が比較的に高く、 「一緒に成長」ということがイメージしづらかったため支持に至らなかった。 25 /29
仮説Ⅱ-Ⅳ .Ⅴの検証:インプリケーションの有効性の検定 他者のために集める楽しさというベネフィットを 強く感じられる随時完成型 他者と共有しているというベネフィットを 強く感じられる未来完成形 インプリケーションとして有効である 仮説Ⅱ-Ⅳ.随時完成型のほうが他者のために集めることが楽しいというベネフィットを強く感じられる 仮説Ⅱ-Ⅴ.未来完成型のほうが孫と一緒に同じものを共有しているというベネフィットを強く感じる 26 /29
結論 シニアは他者を意識すると購買意向が高まる 心理的シェアリングは他者との関係強化を感じられ 様々なベネフィットにより 高価格商品購買の躊躇を解消できる 27 /29
今後の展望 • 他のカテゴリーでの応用可能性の検討 • ターゲットの多様性 • 心理的シェアリングから得られる他のベネフィットの検討 28 /29
参考資料 1.内閣府「全国消費実体調査」 http://www5.cao.go.jp/j-j/cr/cr11/chr11030300.html 2.総務省「家計調査(2人以上世帯)」(2011)http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2012/gaiyou/pdf/1s1s.pdf 3.株式会社シニアコムシニアの消費の「7つの消費意識」 http://www.seniorcom.co.jp/work/pdf/06_shouhi.pdf 4.JULIE A. RUTH,CELE C. OTNES,FREDERIC F. BRUNEL(1999) 「Gift Receipt and the Reformulation ofInterpersonal Relationships」 5.Quelch(1989)「朝日新聞販売時報」(2000年5月号掲載) 6.田中洋(2011)「朝日新聞社広報局」http://macs.mainichi.co.jp/space/web024/01.html 7.Belk, R. (2010)「Sharing. Journal of Consumer Research」 8.池田健三郎(2009)JAREA 鑑定のひろば(4月号No.166) 9.西日本新聞(2010年2月号)http://www.nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/topics/20090829/20090829_0001.shtml 10.大西由希子・良村貞子(1997)伝統的母性観の影響下における母親の育児観: 母親役割期待に関する調査から 11.南知恵子(1998)『ギフト・マーケティング』-儀礼的消費における象徴と五酬性-千倉書房 29 /29
仮説Ⅰの検証:自分のために購入する場合と他者に譲渡できると意識する場合での購入意向の差の検定仮説Ⅰの検証:自分のために購入する場合と他者に譲渡できると意識する場合での購入意向の差の検定 自分のためなら我慢する アクセサリーに興味がないわけではない 今後のために貯金 病になったときが不安 73% が欲しいと思っていない Q1.「自分のためにアクセサリーが欲しいと思いますか?」 23
提案先 宝飾品の製造、販売をしている。国内直営9店舗・全国百貨店などで64店舗、海外ではロンドン、パリ、ニューヨーク、上海、バンコクなど17店舗を展開。 →店舗数が多く、毎年店舗まで気軽に行ける 29 出所:MIKIMOTO http://www.mikimoto.com/jp/
購買きっかけキャンペーン 子供(孫)が産まれたお母さん(娘)は 空のチェーン(空の基盤)をお母さん(祖母)に プレゼントするキャンペーンを実施する ⇒娘は子供の成長と完成していくアクセサリーを重ね、願掛けを込めて贈る。 ⇒祖母は半強制的に積み上げていくが強いられているのではなく孫への愛情から喜んで積み上げていくだろう。 28
追加的ベネフィット 仮説Ⅱ-Ⅰの要因 池田(2009)によると、集めることは時間・空間を超越した楽しみが広がり、ささやかな「資産」を持った気分にさせてくれる、まさに宝物であったといっている。 ⇒本研究に置き換え、他者のために宝石を集めることによって心理的シェアリングを感じることができるのではではないか。 仮説Ⅱ-Ⅱの要因 他者と揃いの物を持つことによって満足感を得て、他者との絆を維持することができると西日本新聞(2010年2月号)に掲載されている。 ⇒本研究に置き換え、宝石を通し、他者と同じものを共有することによって心理的シェアリングを感じることができるのではないか。 仮説Ⅱ-Ⅲの要因 大西・良村(1997)によると女性は子供の成長と共に自分自身も成長したいということが実証されている。 ⇒本研究に置き換え、宝石を通し、他者の成長を感じることによって心理的シェアリングを感じることができるのはないか。