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パワーポイント版 第2部 今日からできる禁煙医療

パワーポイント版 第2部 今日からできる禁煙医療. 神奈川県内科医学会 禁煙指導ツール作成委員会 編 平成19年5月. 神奈川県内科医学会編 『 禁煙医療のための基礎知識 』 中和印刷株式会社発行 http://www.chuwa-p.co.jp/kinen1.htm 2,000 円(税込). 【1】 禁煙医療の心構え. 森川起代巳作画. 禁煙指導の誤解. 禁煙指導は禁煙を無理強いすることだ そうではなく・・・ 正確な知識と禁煙の必要性を伝え、可能と思われることを提案して、応援する 達成できたことに対して賞賛し、意欲と自信を引き出す

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  1. パワーポイント版第2部今日からできる禁煙医療パワーポイント版第2部今日からできる禁煙医療 神奈川県内科医学会 禁煙指導ツール作成委員会 編 平成19年5月 神奈川県内科医学会編 『禁煙医療のための基礎知識』 中和印刷株式会社発行 http://www.chuwa-p.co.jp/kinen1.htm 2,000円(税込)

  2. 【1】禁煙医療の心構え 森川起代巳作画

  3. 禁煙指導の誤解 • 禁煙指導は禁煙を無理強いすることだ そうではなく・・・ • 正確な知識と禁煙の必要性を伝え、可能と思われることを提案して、応援する • 達成できたことに対して賞賛し、意欲と自信を引き出す • 禁煙指導はニコチンパッチを渡すことだ そうではなく・・・ • ニコチンパッチは禁煙補助薬(自転車の補助輪) • 生活指導や意欲を引き出す励ましが中心 • 禁煙指導は収入につながらないから無駄 そうではなく・・・ • 金額に換算できない信頼を得られる • 達成すれば受診者や家族に心から喜ばれる • 禁煙指導は難しいテクニックが必要だ そうではなく・・・ • カウンセリング、心理療法などの技術も有効だが、基本は子供に「勉強は必要だ」と教え、方法を教え、できればほめるのと同じ 高橋裕子『禁煙指導の本』を改変

  4. 対象は禁煙希望者だけではない • 9学会禁煙ガイドライン(2005年12月) • 「喫煙は“喫煙病(依存症+喫煙関連疾患)”という全身疾患であり、喫煙者は“積極的治療を必要とする患者”」 • 禁煙医療の対象はすべての喫煙者である。 • 禁煙意欲が上がらないのはニコチン依存症の症状。 • やめるつもりがないように見える喫煙者の、心の片隅の「やめられるものならやめたい」という気持ちを育てるのも禁煙治療の範疇。

  5. 喫煙者の多様性を認識する • なかなか禁煙できない受診者は、「だらしない」のではなく「依存が強い」。 • 喫煙者には依存の多様性があり、すべてをカバーできる万能の禁煙法はない。 • 禁煙法の適用や変更・併用は、症例ごとに柔軟に対応する必要がある。 • 個人の経験に基づいて、特定の禁煙法に固執すると、経験が仇になる • 例:自身が簡単に禁煙できた医師が「禁煙に必要なのは意志だけ」と思いこむ

  6. 抵抗と付き合う • 受診者の言葉を頭から否定しない • 誤った認識には質問を返し、受診者自身に矛盾を気づかせる • 「それはどうしてですか?」「そう感じることについてどう思いますか?」「それは~という意味ですね?」 (「質問」は重要なアイテム)

  7. 禁煙できないことを受診者の資質のせいにしない禁煙できないことを受診者の資質のせいにしない • 意志が弱いのではなく依存が強い • 「禁煙は不可能」「禁煙は不必要」と感じるのは病気の症状 • 意欲がないように見えても、多くの喫煙者が「やめられるものならやめたい」と考える(現在または将来)

  8. 禁煙医療 その他の心構え • ほめることを探す • 成果・意欲・努力など • 責めても問題解決能力は上がらない • まず始めることが大事 • 簡単な指導だけで禁煙できる軽症者が放置されているのが問題 • 「指導による禁煙成功率」よりも「指導による禁煙成功数」が重要 • 知識に乏しいが故にタバコに寛容な非喫煙者も禁煙医療の対象 • あらゆる機会が禁煙医療の実践の場 • →次スライド

  9. 一般診療以外の禁煙医療長谷章編集委員(藤沢市医師会)の実践一般診療以外の禁煙医療長谷章編集委員(藤沢市医師会)の実践 • 禁煙タクシー配車の依頼をしたところ、 • 会社:もう、禁煙車は車庫に入ってしまいました。申し訳ありません • 長谷:医師会が怒ってます。いつも乗りたい時に禁煙車がないですね!! しょうがないので、非喫煙の乗務員のタクシーをお願いします • 乗務員:先生、おひさしぶりです。昨年の5月から禁煙してます • 長谷:えっ、なんでですか? • 乗務員:先生を3月にお乗せした時にタバコの講義をしていただき、俺って、なんで体を壊すようなものに毎日お金を使っているのかと思ったら、馬鹿らしくなって5月からずっと禁煙してます。ありがとうございます。先生のおかげです • 長谷:タクシーに乗るたびにタバコの話をするのですが、実際にやめたのはあなたで2人めですよ!

  10. 【2】日常診療での禁煙医療 森川起代巳作画

  11. 日常診療での禁煙指導の重要性 • 禁煙指導を含む禁煙医療は一部の専門外来だけではなく、かかりつけ医の禁煙のアドバイスが非常に大切である。 • 医師が日常診療において短時間の禁煙のアドバイスをするだけで、しない場合に比べ禁煙する喫煙者の割合が2~3%増加する。 • 日本のすべてのプライマリケア医が日常診療で出会う患者のすべてに禁煙を勧め、そのうち数%が医師の勧めをきっかけに禁煙すれば、社会的インパクトは専門外来よりも大きい。

  12. 日常診療での禁煙指導のインパクト 大 難 専門外来などでの個別指導 1000人×100人×50%=5万人 アクセス 効果 禁煙教室などでの集団指導 一般外来などでの短時間の指導 10万人×100人×5%=50万人 易 小

  13. 米国医療研究品質局(AHRQ)プライマリケアのための禁煙治療ガイドライン(5A)米国医療研究品質局(AHRQ)プライマリケアのための禁煙治療ガイドライン(5A)

  14. 禁煙における行動変容のステージ分類 受診者のステージに合わせたアプローチが必要 神奈川県内科医学会『禁煙医療のための基礎知識』

  15. 行動変容の重要度-自信度モデル 行動変容 (禁煙) 大 重要度 小 小 自信度 大 受診者の状態に合わせたアプローチが必要 松下, 治療87:1941-1946,2005. 小

  16. 米国医療研究品質局(AHRQ)禁煙の動機強化のための5つのR米国医療研究品質局(AHRQ)禁煙の動機強化のための5つのR

  17. 【3】禁煙外来開設の手引き 森川起代巳作画

  18. 開設準備 • 予約外来 • 初診時にまとまった指導時間(30~60分)が必要 • 生活指導、服薬指導、心理療法は医師以外のスタッフでも可(看護師、薬剤師、臨床心理士など) • あったほうがいい物品 • ニコチンパッチ • 呼気CO測定器(保険診療では必須) • 予約簿、問診票、生活指導用パンフ • 広報 • 待合室用掲示、案内チラシ(受付、一般外来) • 「禁煙指導」の広告可能(2001/4・厚生労働省告示第19号) • 「予防接種」「乳幼児検診」などと同様に「禁煙指導」を医業広告に含めることができる(「禁煙外来」は不可) • 簡単に登録できる禁煙外来リスト • ノバルティス社  http://www.e-kinen.jp/ • 禁煙マラソン  http://kinen-marathon.jp/

  19. 9学会合同禁煙ガイドライン2005年12月発表 • タバコを吸うのは、ニコチン依存症と関連疾患からなる「喫煙病」 • 喫煙者は積極的禁煙治療を必要とする「患者」 • 医師・歯科医師は、タバコを吸わない社会習慣の定着を目指して指導性を発揮すべき • 医療従事者が行うべき禁煙治療 • 日常診療での禁煙治療 • 集中的禁煙治療 • 薬物療法 • 行動療法 • 禁煙政策への積極的関与 • 禁煙環境の整備 • 喫煙防止教育 Circulation Journal 69, Supple IV, 1005-1103. http://www.twmu.ac.jp/DNH/byouki/index.html 日本循環器学会、日本呼吸器学会、日本小児科学会、日本産婦人科学会、日本口腔外科学会、日本公衆衛生学会、日本心臓病学会、日本肺癌学会、日本口腔衛生学会

  20. 中央社会保険医療協議会での議論 • 保険適用に賛成する意見 • ニコチン依存症はICD-10、DSM-IV-TRで疾患と認定されている • 米英加などですでに保険診療が実施されている • アルコール依存症、肥満症に保険診療が行われている • 将来の喫煙関連疾患を抑制する • 保険適用に反対する意見 • 禁煙治療の効果を疑問視 ← JTの間接的な圧力? • 結論 • 限定的な実施 • 2006年4月より薬剤費除外でスタート → 6月より薬価収載 • 施設:敷地内禁煙(賛成派と反対派の利害一致?) • 対象:依存症スクリーニングテスト、積算喫煙量で制限あり • 回数:スケジュール固定の計5回 • 毎年7月に治療の結果報告を義務づけ、2年後に再評価 • 呼気一酸化炭素濃度検査にて判定

  21. 厚生労働省健康局長通知「診療報酬の算定方法を定める件」等の改正等について2006年3月6日・保発第0306012号厚生労働省健康局長通知「診療報酬の算定方法を定める件」等の改正等について2006年3月6日・保発第0306012号 • ニコチン依存症管理料の新設 • 初回(1週目)         230点  • 2、3、4回目(2、4、8週目) 184点 • 5回目(最終回)(12週目)  180点 • 対象患者(以下の条件をすべて満たす者) • TDS(タバコ依存スクリーニング)で依存を診断 (全喫煙者の54%が陽性) • ブリンクマン指数(1日本数×年数)200以上(若年者は困難) • 標準手引書での治療に文書で同意(日程通り5回の通院を確約) • 施設基準 • 経験医師(非常勤でも可、経験の程度は記載なし) • 専任の看護職員(看護師又は准看護師、専従でなくても可) • 呼気一酸化炭素測定器(薬事法承認番号のある機種) • 医療機関の敷地内禁煙(屋外喫煙所不可) • 算定要件 • 禁煙成功率を地方社会保険事務局長へ報告(毎年7月) • 初回算定日から1年を超えないと再算定不可

  22. TDS(タバコ依存スクリーニング)「はい」5項目以上でICD-10定義のニコチン依存症(感度95%、特異度81%とされているが・・・)TDS(タバコ依存スクリーニング)「はい」5項目以上でICD-10定義のニコチン依存症(感度95%、特異度81%とされているが・・・) • 自分が吸うつもりより、ずっと多くのタバコを吸ってしまうことがありますか? • 禁煙や節煙(本数を減らす)を試みてできなかったことがありますか? • 禁煙や節煙でタバコが欲しくてたまらなくなることがありましたか? • 禁煙や節煙で次のどれかがありましたか? (イライラ、神経質、落ち着かない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手の震え、食欲増進、体重増加) • 上の症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか? • 重い病気にかかって、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか? • タバコのために健康問題が起きていると分かっていても吸うことがありましたか? • タバコのために精神的問題が起きていると分かっていても吸うことがありましたか? • 自分はタバコに依存していると感じることがありますか? • タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何回かありましたか? 禁煙や節煙を試みた経験のない者や、ニコチン依存症の病識のない者は拾えない

  23. 呼気一酸化炭素測定器 • 禁煙の動機づけや禁煙時の身体変化自覚に有効 • 一般外来でも有用 • 受動喫煙、呼気水素ガス、機器誤動作による偽性数値上昇もある • 禁煙継続の評価は総合的に行う

  24. 別添2 実施開始時提出書類 • (別添2)特掲診察料の施設基準に係る届出書 • [ニコチン依存症管理料]と記入 • (様式8の1)ニコチン依存症管理料に係る届出書添付書類 • 担当医氏名 • 選任看護職員氏名 • 呼気一酸化炭素測定器の機種名 • (様式4)[禁煙治療]に勤務する従事者の名簿 • 職種、氏名、常勤非常勤の別、専従非専従の別、勤務時間 • 以上を正副2通提出 用紙は日本禁煙学会HPからダウンロード可 http://www.nosmoke55.jp

  25. 様式8の1 実施開始時提出書類 • (別添2)特掲診察料の施設基準に係る届出書 • [ニコチン依存症管理料]と記入 • (様式8の1)ニコチン依存症管理料に係る届出書添付書類 • 担当医氏名 • 選任看護職員氏名 • 呼気一酸化炭素測定器の機種名 • (様式4)[禁煙治療]に勤務する従事者の名簿 • 職種、氏名、常勤非常勤の別、専従非専従の別、勤務時間 • 以上を正副2通提出 用紙は日本禁煙学会HPからダウンロード可 http://www.nosmoke55.jp

  26. 様式4 実施開始時提出書類 • (別添2)特掲診察料の施設基準に係る届出書 • [ニコチン依存症管理料]と記入 • (様式8の1)ニコチン依存症管理料に係る届出書添付書類 • 担当医氏名 • 選任看護職員氏名 • 呼気一酸化炭素測定器の機種名 • (様式4)[禁煙治療]に勤務する従事者の名簿 • 職種、氏名、常勤非常勤の別、専従非専従の別、勤務時間 • 以上を正副2通提出 用紙は日本禁煙学会HPからダウンロード可 http://www.nosmoke55.jp

  27. 毎年7月提出書類 • (別紙8の2)ニコチン依存症管理料に係る報告書 • 管理料の初回点数を算定した患者数 • 12週計5回の指導を終了した患者数 • うち禁煙に成功した患者数 • 5回終了時点で4週間以上の禁煙を継続 • 呼気一酸化炭素濃度測定によって禁煙を確認 • うち禁煙に成功しなかった患者数 • 成功率(成功者数/初回点数算定者数) 別紙8の2 用紙は日本禁煙学会HPからダウンロード可 http://www.nosmoke55.jp

  28. 禁煙治療のための標準手順書 • 2006年3月発表 • 2007年1月改訂 • 下記HPからダウンロード可能(同じもの) • 日本循環器学会 http://www.j-circ.or.jp/ • 日本肺癌学会 http://www.haigan.gr.jp/ • 日本癌学会 http://www.jca.gr.jp/

  29. 標準手順書の内容 • 初診の手順 • 2~5回目の診療の手順 • 帳票 • 禁煙治療の概要説明資料 • スケジュール・料金等の説明用 • 禁煙治療に関する問診票 • 喫煙の有無 • 喫煙量と喫煙年数 • 禁煙への関心 • TDS • 同意署名 • 禁煙治療問答集 • ニコチン製剤の使い方

  30. 診療のスケジュール ← できれば禁煙開始1週間目の臨時再診 禁煙開始困難者には1~3日おきの臨時再診が非常に有効

  31. 標準手順書記載の診療手順 • 初診 • 保険診療の適用判定 • 呼気一酸化炭素測定 • 禁煙開始日の決定 • 問題点の把握とアドバイス(問答集) • ニコチン製剤の適用判定と使用説明 • 次回受診日の決定 • 再診 • 喫煙状況等の問診 評価 • 呼気一酸化炭素測定 • 問題点の把握と検討(問答集) • ニコチン製剤の使用状況確認と継続の相談 • 次回受診日の決定

  32. 算定方法(1) • 初診 • 初診料:270点 • ニコチン依存症管理料1回目(230点) • 薬剤費:ニコチネルTTS(355.8~401.8点)×(日数+α) • 処方料+調剤料+調剤技術基本料(月1回)+薬剤情報提供料(月1回) • 院外処方では処方せん料 • 再診 • 再診料(+外来管理加算) • ニコチン依存症管理料2~4回目(184点)、5回目(180点) • 薬剤費:ニコチネルTTS(355.8~401.8点)×(日数+α) • 処方料+調剤料+調剤技術基本料(月1回)+薬剤情報提供料(月1回) • 院外処方では処方せん料

  33. 算定方法(2) • 臨時再診(5回の管理料算定日の間) • 以下のいずれかで算定 • ニコチン依存症の保険診療 • 管理料なしで再診料のみ(+外来管理加算) • 患者の都合による(レセプトにコメントが必要かも知れない) →ニコチネルTTS処方(おそらく)可能 • 他疾患の保険診療 • 再診料(+外来管理加算)のみ • 例:気管支炎 皮膚炎 糖尿病 →ニコチネルTTS処方不可 • 電話再診でも算定可 • 5回の保険診療終了後の診療 • 以下のいずれかで算定 • ニコチン依存症の自由診療 • 初回管理料算定日から1年間は保険の禁煙治療不可 →ニコチネルTTS処方可能 • 他疾患の保険診療 • 保険診療後1~2回のフォローアップが必要なときなど →ニコチネルTTS処方不可 • 電話再診でも算定可

  34. 患者負担(標準的薬剤使用・3割負担) • 1回目:初診料等+薬剤費2週分=約3,500円       ↓ 2W • 2回目:再診料等+薬剤費2週分=約3,000円       ↓ 2W • 3回目:再診料等+薬剤費4週分=約4,500円       ↓ 4W • 4回目:再診料等=約900円       ↓ 4W • 5回目:再診料等=約900円 ← 臨時再診(他疾患再診料=330円) 合計 約13,000円

  35. 処方の注意点 • ニコチネルTTS(ニコチンパッチ)の処方 • 新規薬価収載薬品であっても1回処方量制限なし • 自由診療での実績があるため • 10週を超えて連続投与不可 • 能書に記載あり • 能書上の禁忌例には使用不可 • 妊婦、授乳婦、不安定狭心症、急性期の心筋梗塞や脳梗塞など • 院外処方せんには「ニコチン依存症管理料算定に伴う」と記載 • ニコレット(ニコチンガム)を使用する場合 • OTCなので、使用法、使用個数などを説明した上で、受診者に町の薬局で購入するよう指示する

  36. その他保険診療の注意点 • 病名は「ニコチン依存症」 • 途中で治療中断 → その回まで請求可、ただし、7月提出の報告書では「不成功例」として扱う • 電話等で禁煙継続が分かっていても、受診して呼気測定で禁煙継続を確認しない限り「不成功例」になる • レセプト適用欄に初回管理料算定日を記載 • すでに禁煙を開始してから初診を受診した者でも、医師の判断で「ニコチン依存症」と判定できれば保険診療可 • 2006年12月日本禁煙科学会学術集会における厚生労働省保険局医療課主査の公式発言として • DSM-IV-TRの定義でも、物質依存から寛解したと見なすには1ヶ月以上の離脱状態が必要 • 標準手順書添付の初診時問診票では、前喫煙者の禁煙期間は1ヶ月単位で記入するようになっていて、1ヶ月未満は喫煙者と見なされる

  37. 保険適用の社会的意義 • ニコチン依存症という保険病名の誕生 • 社会一般および医療関係者の意識変化 • 禁煙支援者の増加 • 禁煙治療の標準化 • 医療機関敷地内禁煙化の促進 • 報道などによる話題性 • 禁煙のきっかけ

  38. 自由診療 • 保険の施設基準を満たした医療機関でも必要 • 絶対的適用 • 医療機関が施設基準を満たさない • 受診者が適用要件を満たさない • 保険診療の期間を超える診療 • 相対的適用 • 保険の日程に従わないきめ細かい診療が好ましいと判断されるとき • 自信の十分でない方 • 精神疾患を治療中の方 • 妊婦、授乳婦など使用禁忌である症例にインフォームドチョイスとしてニコチンパッチを使用する場合 → メリット・デメリットを説明し、自由意志で選択していただく

  39. 自由診療のメリット・デメリット(受診者から見て)自由診療のメリット・デメリット(受診者から見て) • メリット • きめ細かい日程調整が可能 • 期限を気にせず治療計画が立てられる • 自費での支払いが禁煙動機を強化する場合もある • デメリット • 禁煙の障害を過大評価する受診者には敷居が高い • タバコ代を払い続けるより安上がりなのに高いと感じるのは、禁煙できない理由を探してしまう依存症の「認知の歪み」 • 出費の比較を図示して認知を修正するのも治療の一環 • 次スライド • 医療機関の儲け主義と誤解する人がいる • 自由診療の方が医療機関の収益が少ないことを説明する • 他疾患の保険診療と同日に行うと混合診療になる可能性がある • パッチかぶれに対処する外用薬などは保険で処方できない

  40. 自由診療の費用 初診料3000円、再診料1000円×6回、パッチ430;400;380円として

  41. 入院患者への禁煙治療 • 療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて • (2005/9/1・保医発第0901002号) • ニコチンパッチの処方は、予防接種、診断書作成などと同等で、「治療と直接関係ないサービス」とすることができる • 妥当な値段であり、十分な説明を行って、内容の区別できるの領収書を発行すれば、保険診療と同時に処方を行っても混合診療とは見なさない • 薬剤費のみ請求でき、指導料は請求できない • 訂正 • (2006/9/27・保医発第0927001号) • スクリーニングテストを実施してニコチン依存症と判定されなかった場合に限る

  42. 【4】禁煙外来における初回面談の手順 森川起代巳作画

  43. 初回面談の手順(1)受診者の緊張を解く • 笑顔で迎える • 自己紹介 • アイスブレイキング • 緊張を解くための前置きの会話;天気、交通、待ち時間など(非常に重要) • これまでの禁煙経験を共感的に評価 • 禁煙方法を指導する外来であって、禁煙を強制する外来ではないことを伝える

  44. 初回面談の手順(2)状況の把握(問診票を使うと取りこぼしがなく時間の節約になる)初回面談の手順(2)状況の把握(問診票を使うと取りこぼしがなく時間の節約になる) • 保険適用条件 • TDS、ブリンクマン指数、即座の禁煙意思、日程 • 喫煙状況 • 喫煙量、初回喫煙年齢、過去の禁煙経験、呼気CO • 今回の禁煙 • 受診の動機、自信 • 関連因子 • 身体的依存度(FTND)、心理的依存度(KTSND) • 家族の喫煙 • 既往歴、治療中の疾患、服用中の薬

  45. ファガストローム式ニコチン依存度テスト(FTND)ファガストローム式ニコチン依存度テスト(FTND) 0~3点:軽度  4~6点:中等度  7~10点:重度

  46. 加濃式社会的ニコチン依存度テスト KTSND(Ver.2.1)30点満点(10点以上は心理的依存あり)加濃式社会的ニコチン依存度テスト KTSND(Ver.2.1)30点満点(10点以上は心理的依存あり) 神奈川県内科医学会『禁煙医療のための基礎知識』

  47. 初回面談の手順(3)状況の評価 • 他疾患の治療要否 • 検査や専門科相談 • 不安定な疾患の治療先行を検討 • 禁煙の促進要因 • 喫煙関連疾患、受動喫煙関連疾患(本人、家族) • 結婚、妊娠、出産、家族の禁煙、家族の応援、職場の禁煙化 • 禁煙の阻害要因 • 各種精神疾患 • 家族の喫煙、喫煙を容認する職場 • 心理的依存の病態査定 • タバコの効用に関する認知 • 禁煙の障害に対する認知(欲求不満耐性) • 認知の絶対論性(非合理的信念)

  48. 初回面談の手順(4)必要な治療の見極め • 禁煙に適した時期 • 至近の宴会の有無、仕事の繁忙期か否か • 受診継続の可否 • 禁煙法・禁煙指導法の選択 • ニコチンパッチの適用と禁忌の確認 • 保険診療と自由診療の選択 • 受診間隔や期間 • 適した心理的アプローチ • 励まし、受容や共感、認知の再構成、医学知識の啓発など

  49. 初回面談の手順(5)知識の共有 • 知識の解説 • 依存のメカニズム • ニコチン置換療法の意義 • 節煙や軽いタバコの害 • 質問により受診者自らに気付かせる • 喫煙は嗜好でも習慣でもない • タバコにストレス解消作用はない • 禁煙のメリット • 禁煙の最大の障害は「禁煙の障害を過大評価する心理」 リセット禁煙法は、上記を構造化面接シナリオにまとめた治療パッケージ

  50. 初回面談の手順(6)目標の設定と実行方法の相談初回面談の手順(6)目標の設定と実行方法の相談 • スタート日設定 • 受診日の翌日が一般的 • 仕事中の喫煙量多ければ週末開始 • 仕事の都合や宴会などによって調整 • ニコチンパッチの使用法 • パンフレット「今日から始める禁煙生活ガイド」参照 • 準備指示 • 禁煙グッズ、喫煙具処分、生活パターン見直し • 禁煙中のアドバイス • パンフレット「今日から始める禁煙生活ガイド」参照 • 禁煙促進因子の利用 • パンフレット「あなたの禁煙を望んでいるご家族にお見せ下さい」参照

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