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SNPを用いたホールゲノム 疾患感受性遺伝子探索 ~関節リウマチでの経験と花粉症への展開~

SNPを用いたホールゲノム 疾患感受性遺伝子探索 ~関節リウマチでの経験と花粉症への展開~. 平成 17 年 9 月 21 日 国立病院機構 相模原病院 集談会 京都大学医学研究科付属ゲノム医学センター 理化学研究所遺伝子多型研究センター 山田 亮. 内容. 連鎖不平衡マッピングの基礎 連鎖不平衡マッピングの実際 関節リウマチと花粉症. 連鎖不平衡マッピングとは. 遺伝子多型を用いた、 ケース・コントロール解析と、 ケース内フェノタイプ別関連解析は、 すべて 「連鎖不平衡マッピング」 の一部です. 連鎖不平衡マッピングとは. 集団 と 集団 との比較.

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SNPを用いたホールゲノム 疾患感受性遺伝子探索 ~関節リウマチでの経験と花粉症への展開~

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  1. SNPを用いたホールゲノム疾患感受性遺伝子探索~関節リウマチでの経験と花粉症への展開~SNPを用いたホールゲノム疾患感受性遺伝子探索~関節リウマチでの経験と花粉症への展開~ 平成17年9月21日 国立病院機構 相模原病院 集談会 京都大学医学研究科付属ゲノム医学センター 理化学研究所遺伝子多型研究センター 山田 亮

  2. 内容 • 連鎖不平衡マッピングの基礎 • 連鎖不平衡マッピングの実際 • 関節リウマチと花粉症

  3. 連鎖不平衡マッピングとは 遺伝子多型を用いた、 ケース・コントロール解析と、 ケース内フェノタイプ別関連解析は、 すべて 「連鎖不平衡マッピング」 の一部です

  4. 連鎖不平衡マッピングとは 集団 と 集団 との比較 遺伝子多型を用いた、 ケース・コントロール解析と、 ケース内フェノタイプ別関連解析は、 すべて 「連鎖不平衡マッピング」 の一部です ゲノムDNAの解析

  5. 連鎖不平衡とは「連鎖」が「平衡」に達していない連鎖不平衡とは「連鎖」が「平衡」に達していない いつかは「昔」からの連鎖は崩れて、「平衡」に達する

  6. 連鎖と独立 • 形質は遺伝する • 形質Aと形質Bの伝わり方は、 • 独立 か • 連鎖しているか のどちらかである。

  7. 連鎖 Linkage • 同一染色体上に存在する2つのローカスは親から子へ伝わるときに、一緒に伝わる。これは、2つのローカスが異なる染色体上にあるときには見られない現象である。 • このような2遺伝子が遺伝上、挙動を共にするときに、2遺伝子は連鎖していると言う。 • したがって、ある遺伝子とある遺伝子は、連鎖の関係にあるか、独立の関係にあるかのどちらかに属する。

  8. 連鎖の束の単位 • 「多数ある遺伝子は、それぞれが“ばらばら”に存在しているわけではなく、(ヒトならば)23個に束ねられている」

  9. 連鎖+組換え • 「多数ある遺伝子は、それぞれが“ばらばら”に存在しているわけではなく、(ヒトならば)23個に束ねられている」 • 「束」に変化がなければ、遺伝解析は23個を相手にすればよいのだが・・・

  10. 組換え体 組換えは起きたり起きなかったり

  11. 組換え • ヒトでは、男女・ゲノム全体での平均が1.22cM/Mb • (The Sequence of the Human Genome by J. Craig Venter et al., Science) • ヒトゲノム30億塩基対(3000Mb) • 3000Mb ->36.6 組換え/1減数分裂 • 1.22 x 10-2 x 3000 = 36.6

  12. 連鎖不平衡とは「連鎖」が「平衡」に達していない連鎖不平衡とは「連鎖」が「平衡」に達していない いつかは「昔」からの連鎖は崩れて、「平衡」に達する

  13. 世代を積み重ねると連鎖が途切れる • 組換えがおきることにより、同一染色体上の遺伝子は、「必ず」一緒に伝達されるわけではない。 → 「必ず」一緒に伝達される遺伝子セットは? → 組換えが起きても分断されないこと → 歴史の結果   ・・・連鎖不平衡

  14. 連鎖不平衡 • 家系(2-5代)ではなく、集団(>数十代)を対象にするときには、連鎖不平衡ブロックが「伝達」追跡の単位

  15. スタート2人、交差率1/10^8bp回、1000SNP、定常5000人(10000hap)、出力1000人、変異率1/10^6bp回スタート2人、交差率1/10^8bp回、1000SNP、定常5000人(10000hap)、出力1000人、変異率1/10^6bp回 100世代 300世代 Maf>5%のみ 500世代 1000世代 遺伝子の伝達の単位は、染色体ではなく、それが分割された「連鎖不平衡ブロック」

  16. 組換え体 染色体全体で考えると、親子関係は複雑(複数の祖先がいる)だが、部分的には、単純(祖先は1つ) 染色体5’端 染色体中央部 染色体3’端 000 111 000 111 000 111 000 001 001 011 111 000 001 001 011 111 000 001 001 011 111

  17. 塩基配列DNA(String of SNPs) 時間経過 集団 100 SNPs 5 generations 1->2->4->7->5 chromosomes (0+1+1+4)=6 recombinations 青●→赤●にて感受性変異が生じたものとし、赤●は伝達された感受性変異を表す

  18. 疾患遺伝子解析は・・・ • 集団の遺伝子伝達は、 • 祖先から現代人への伝達の「木」 • ゲノムは「木」が並んだ「林」 • 疾患関連遺伝子検出は、 • 疾患リスクを上げる「木」を「林」から見つけ出すこと

  19. 単一遺伝子病 家系

  20. 木を見つける

  21. 複合遺伝性疾患 マーカーの木は存在する

  22. 木の葉の部分が不確実 • ペネトランスが低い • Phenocopyが存在する • ・・・別の木が邪魔をする • ・・・民族が代わると、森の枝ぶりが変わる

  23. 染色体 赤〇は着目変異の祖染色体とその変異を継承した染色体。 〇と〇をつなぐ線は染色体の親子関係。 黒丸の親子関係は省略してある。 時間経過・世代経過(11代) 歴史の経緯によっては、「多型」は断絶する

  24. 連鎖不平衡 • 相互に連鎖の関係にある2つの多型の間に存在しうる関係。 • ある2つの多型が同一の染色体上にあるとき、この2つの多型は「連鎖」している。 • この2多型間で組換えが起きなければ、2多型のアレルの組み合わせは1つしかなく、片方の多型のアレルがわかればもう片方のアレルも自動的に決まる。 • この2つの多型が発生して後、時間が経過するにしたがって、2点間には、組換えが繰り返し起きる。 • 「十分に多数回」組換えが起きると、片方のアレルがわかってももう片方のアレルは全く予想できない。 • 片方のアレルからもう片方のアレルの予想がつく関係を「連鎖不平衡」の関係にある、といい、予想が全くつかない関係を「連鎖平衡」の関係にある、という。 • 連鎖不平衡は、「連鎖」関係にある多型において、その間におきた組換えの歴史を反映したものとなる。また、「組換えの歴史」は個々の染色体が持つものではなく、集団が持つものであるから、「連鎖不平衡」はある「集団」の「2つの多型」の間に存在するものである。

  25. 染色体全体で考えると、親子関係は複雑(複数の祖先がいる)だが、部分的には、単純(祖先は1つ)染色体全体で考えると、親子関係は複雑(複数の祖先がいる)だが、部分的には、単純(祖先は1つ) 組換え体 染色体5’端 染色体中央部 染色体3’端 000 111 000 111 000 111 000 001 001 011 111 000 001 001 011 111 000 001 001 011 111

  26. 疾患遺伝子マッピング • ゲノム探索をするための、地図の作成 • 地図には、多型マーカーを配置 • 広範囲スクリーニングデータからの候補領域同定 • 領域のFine mapping • 標的領域の原因バリアント探索 • 複数多型の複合効果 • 同一遺伝子内複数多型 • 遠位ローカス間の複合効果

  27. 疾患感受性遺伝子の探索 • 疾患形質と関係のある遺伝子の探索とその生物学的根拠の解明 • 遺伝コード情報の差異の探索 • 個体・状態における遺伝子の働きの差異の探索

  28. 疾患関連遺伝子とは 全遺伝子 疾患感受性遺伝子 (DNAに刻まれたもの) 疾患病態関連遺伝子 (病的状態において特徴的な役割を果たす遺伝子) 疾患関連遺伝子 トランスクリプトーム・プロテオーム 疾患感受性多型を有する遺伝子 ゲノム・多型

  29. Map-based Approach 7 6 2 8 1 3 5 4 9 Gene D Gene A Gene B Gene C Gene-based Approach 8 9 2 3 1 7 4 6 5 Gene D Gene A Gene B Gene C Two Ways of Whole Genome LD Mapping

  30. Gene-based Approach関節リウマチ

  31. 遺伝子のカバー率 • SNPもしくはblockによって、一部でも検証された遺伝子の数 • 12,890 (60.9%) • 遺伝子あたりのSNP数および密度 • 5.0±6.4 個/遺伝子 • 0.2±0.3 個/kb 常染色体総遺伝子数:21,153 カバーされず 8,263 8,381 12,890 Blockでカバー 4,509 SNPでカバー

  32. A C G C G G T G A C T C A C G C T G G G C A A C G T G G T C A C T C A G G C A C G T G G T C A C T C LDマッピングの結果 • ブロックを構成するSNP数 • 5.6±6.5個 • ブロック数およびブロック平均長 • 7,875個、28.1±69.6kb • ブロックあたりのハプロタイプ(>5%) 数 • 2.6±1.0個 • ブロックあたりのhtSNP数 • 1.6±0.9個

  33. 全染色体への分布

  34. Identification of rheumatoid arthritis-associated PADI4, SLC22A4/A5, FCRL3 & PTPN22

  35. Major findings from SNP-based studies • PADI4 : RA • Post-translational enzyme to produce targets of the most RA-specific autoantibodies. • SLC22A4 /A5 : RA & Crohn • Ergothioneine or carnitine transporter expressed in hematologic lineages. • FCRL3 : RA, SLR & AITD • Fc receptor homolog on B-cell membrane • PTPN22 : T1DM, SLE, RA & AITD • Lymphoid-specific intracellular phophatase

  36. PADI4Ca2+-dependent post-translational modification Arginine Citrulline NH2 NH2 C=NH2 + C=O NH NH CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 PADIs HCNH3+ HCNH3+ COO- COO- Loss of ionic NH2+ of Arg residue Effects on intra- and inter- molecular interactions

  37. PADI4CitrullinationAntigenicity この部分だけ!

  38. Association Plots in the PADI Cluster PADI4 -log10(P)=5

  39. Enzyme substrate

  40. Hypothetical mechanism of RA-susceptible variant

  41. Chromosome 5q31 IL3, IL4, IL5, IL9, IL13, CSF2, IRF1 and TCF7 are in the region • Recessive association • Relative Risk = 2

  42. The SNPs associated with RA or Crohn disease 10kb RIL SLC22A4 SLC22A5 IRF1 Genes Caucasian Japanese Exons Crohn Psoriatic Arthritis RA & Crohn SNPs Heat shock element-binding site RUNX1 binding site L503F Tokuhiro, S. et al. Barton, A. et al. Peltekova, V. D. et al.

  43. Ethnic difference in allele frequency of disease-related SNPs 10kb SLC22A4 SLC22A5 IRF1 RIL Genes Exons SNPs intron1 intron2 Leu→Phe promoter(slc2F2 ) (slc2F1) J vs. C J vs. AC vs.A J CAP value FST P value FST P value FST SNP10.290.090.04 <0.00001§0.064*<0.00001§0.12* 0.14 0.012 SNP20.290.090.04 <0.00001§0.066*<0.00001§0.12* 0.14 0.012 SNP30.0010.390.04 <0.00001§0.24*<0.00001§ 0.018<0.00001§0.19* SNP40.001 0.520.58 <0.00001§0.35* <0.00001§0.40*<0.00001§0.0038 §P<0.01, *FST> 0.05 Mori, et al. J Hum Genet 2005 May 10

  44. Assumption of common responsible variant Japanese Caucasian 0W01M0 0W01M0 0M1 1M1 Segregation

  45. FCRL3Fc Receptor-like 3 Transmembranous protein (734aa) FcγR homolog 6 Ig-like domains outside Multiple tyrosin motifs (ITAM, ITIM, hemi-ITAM) Expressed by B cells in germinal centers

  46. FCRL3 and others in 1q21-23 マウス ヒト FcγRI FCRL1~5 CD1 FcγRII/III CD3Z CIA(Mcia2) 1q21 mCh3 1q23 mCh1 EAE,TMEVD (Eae3, Tmevd2) Psoriasis Multiple sclerosis NOD (Idd10, Idd17) SLE Lupus models (sle1, swrl1) RA

  47. NFkB regulates FCRL3 expression Binds C > T

  48. Lymphoid organs and B cell- specific expression

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