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技術士二次試験方法の 変更に伴う解説と対策. 広島県庁技術士会. 試 験 の 概 要. ■ 試験制度の改正 <総合技術監理部門を除く技術部門> ( 1 )筆記試験(必須科目) 筆記試験の必須科目を択一式とし、技術部門に係る専門知識を確認する。試験問題の作成に際しては、極端に難易度が高い出題とならないよう留意する。合否決定基準に満たない者については、記述式試験の採点を行わない。(当面は満たない者も採点する)
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技術士二次試験方法の 変更に伴う解説と対策 広島県庁技術士会
試 験 の 概 要 ■試験制度の改正 <総合技術監理部門を除く技術部門>(1)筆記試験(必須科目) 筆記試験の必須科目を択一式とし、技術部門に係る専門知識を確認する。試験問題の作成に際しては、極端に難易度が高い出題とならないよう留意する。合否決定基準に満たない者については、記述式試験の採点を行わない。(当面は満たない者も採点する) (2)筆記試験(選択科目) 従来の選択科目については、解答数の2倍程度を出題数の目安とする。 選択科目に課題解決能力を問う記述式試験を新設する。出題する課題は2問程度とし、普遍的な課題からも出題する。 (3)技術的体験論文 技術的体験論文は廃止する。受験申込み時に提出する業務経歴票について、技術的体験をより詳細に記載できる形式とする。(720字の小論文) (4)口頭試験 経歴の確認、応用能力及び課題解決能力、技術者倫理、技術士制度の認識について問うこととする。技術者倫理については、実務を踏まえた試問を重視する。 試験時間は20分程度を基本とし、必要がある場合は10分程度延長することを可能とするなど、弾力的に運用する。 -1-
試 験 の 概 要 ■試験制度の改正 <総合技術監理部門>総合技術監理部門の必須科目に係る口頭試験は、当該部門に求められる専門知識等を問うこととする。 試験時間は20分程度を基本とし、必要がある場合は10分程度延長することを可能とするなど、弾力的に運用する。 なお、総合技術監理部門を除く技術部門と同様に、技術的体験論文は廃止することとし、受験申込み時に提出する業務経歴票について、技術的体験をより詳細に記載できる形式とする。 -2-
試 験 の 概 要 ■新旧比較表(筆記試験)<総合技術監理部門を除く技術部門> ※ 専門問題と課題解決問題の記述トータルで60%以上となっているが・・・ 課題解決能力の点数が低かったら、口頭試験が厳しくなる -3-
試 験 の 概 要 ■新旧比較表(筆記試験)<総合技術監理部門> ※ 選択科目については、ほとんど免除されるケースが多いので省略 ※ 択一と記述のトータルで60%以上となっているが・・・ -4-
試 験 の 概 要 ■新旧比較表(口頭試験)<総合技術監理部門を除く技術部門> -5-
試 験 の 概 要 ■新旧比較表(口頭試験)<総合技術監理部門> -6-
試 験 の 概 要 ■試験の概要 • 経歴書等 (4~5月8日までに提出) 経歴書の一部として,今年から720字程度の小論文が増えます この小論文は,口答試験時のやりとりにおいて,技術士にふさわしい高度な技術の応用能力や問題解決能力を確認するためのプレゼン資料として使われる見込み。 このため,従来の体験論文と同様の内容で準備しておく必要がある。 NEW 骨 子 法 -7-
試 験 の 概 要 ■試験の概要<総合技術監理部門を除く技術部門> • 筆記試験は,択一式と記述式 択一式により,基礎的な専門知識を評価し, 記述式で専門知識,応用能力,課題解決能力を評価します 択一式(一般問題):20問出題,15問解答 ⇒ 1時間30分 記述式(専門問題,応用能力):600字×4枚 ⇒ 2時間00分 (課題解決能力): 600字×3枚 ⇒ 2時間00分 • 口頭試験の時間 ⇒ 20分程度 経歴票の一部として提出した小論文をベースにした業務経歴と応用能力,適格性及び一般的知識の確認 -8-
試 験 の 概 要 ■平成25年度二次試験スケジュール • 受験申込書配布 • 平成25年4月1日(月)~5月8日(水) • 受験申込書提出 • 郵送及び窓口受付 平成25年4月10日(水)~5月8日(水) (消印有効) • 筆記試験 • 平成25年8月3日(土) 総合技術監理部門の必須科目 • 平成25年8月4日(日) 20部門及び総合技術監理部門の選択科目 • 筆記合格発表 平成25年10月下旬 [予定] • 口頭試験 平成25年11月~平成26年1月 • 合格発表 平成26年3月初旬 -9-
ス ケ ジ ュ ー ル 平成25年度のスケジュール 試験方法の解説と対策講座3/10 模擬筆記試験 7月中旬 5/8 8/3~4 出願支援セミナー4/20 10下旬 口頭試験対策講座10月下旬 平成26年3月初旬 -10-
ス ケ ジ ュ ー ル スケジュール上の要注意点 経歴票提出時点までの準備 体験論文がなくなった反面、経歴票の一部として小論文の提出が求められているが、この段階で、業務内容から課題、問題点、解決策を整理し、口頭試験に耐えられる内容や論理的構成を整理してから、経歴票を作成する必要がある。 特に、総監部門においては、総監の頭に切り換えられていないのに小論文を書いたのでは、合格は難しい。 筆記試験の合格発表から口頭試験開始までの期間が短い 体験論文の作成が不要となり、筆記試験の合格発表から面接開始までの期間が短くなった。 このため、筆記試験終了後から、口頭試験に向けた学習に着手する必要がある。 ① 技術士法や技術士倫理の学習 ② 経歴票の小論文に対する想定問答の作成 ③ 模擬面接の実施 -11-
経 歴 票 対 策 合計7年以上 5行しかないので、職名の変更だけなら、まとめても良い ・5行は、めいっぱい埋める。1年間を2分割にしても良い。 ・この見本は、鋼構造をイメージしているので、口頭試験で鋼構造の話題でやりとりできるように 業務内容は鋼構造の部分をクローズアップしている。・期間の重複は厳禁 -12-
経 歴 票 対 策 その他 ・専門とする事項で,必ずしも7年間の経歴が必要ではないが,多少不利 基本的には科学技術に関する経歴で7年以上あれば良い ・経歴書が2~3行になる場合は,その各行を何年かごとに分割して, 5行に整理し,多様な職務内容あるいは技術者として成長している ことをアピールすべき(半分から下は、「及び指導」を付加するなど) ・5行を越える場合は、初期の経歴や専門外の経歴を集約する。 ただし、中抜きした場合などは、口頭試験で質問されることを想定して おくこと ・業務内容は,技術士法に定義する業務に準拠して記述すること 協議,調整,工事監督、数量計算,積算、規格化された土質試験, 測量などは該当しない → せめて工事監理、設計計画などと表記 ※ 技術士法 第2条 科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての 計画,研究,設計,分折,試験,評価又はこれらに関する指導 -13-
小 論 文 対 策 小論文候補の抽出(2つ程度) ・大プロジェクト事業でなくて良い ・専門性があって,ある程度創意工夫がある (オリジナリティがあり,マニュアルどおりでは無い) ・問題解決が困難である (苦労した業務) ・解決策が高度である ・解決策の根拠性が確保されている ・その後の活用性が高い (他の見本となり,売れるくらいの論文) ・主体的に取り組み,一定の役割を担っている ・最近の業務であった方が良い -14-
小 論 文 対 策 経歴ごとの代表業務を書き出して整理する ① 業務名 ② 業務概要 ③ あなたの役割 (計画、研究、設計、分析、試験、評価、指導) ④ 課題 (問題点をまとめたテーマ) ⑤ 問題点 (3つ程度) ⑥ 解決策 (3つ程度) 相互に関連性 骨 子 法 -15-
代表業務の棚卸し(骨子法) 何をやったっけ? なぜそれをしたっけ? この問題の解決策? 論理のチェック -16-
代表業務の棚卸し(骨子法) これらの課題は? 課題と問題点の関連性は? -17-
代表業務の棚卸し(骨子法) -18-
小 論 文 対 策 課題、問題、解決の方向性、具体的な解決策 ○ 課題(やるべきこと) ・~しないといけない ・~が求められた ○ 問題点(ボトルネック) ・~できない ・~が困難 ○ 解決の方向性(考え方、ねらい) ・私は~と考えた ○ 具体的な対応策 ・実現性 ・多様な視点で検討しているか 問題点とは・・・ 課題を行おうとしたが、何かがあって、できなかったこと、難しい条件など問題点を処理しないと課題解決はできない -19-
小 論 文 の 例 1行 【業務の概要】長大橋におけるケーブルエレクション斜吊り工法の張力計測・管理システムの構築 【立場,役割】県の技術主任者として、空港大橋上部工の計画、設計、検討、工事監理及び調整を行った。 【課題,問題点】国内最大の長大アーチ橋を安全に架設する。 ① 地形的な制約から、後方索の角度が急となり、斜吊索の張力は最大5000kNとなるため、斜吊索の応力の 一部を橋脚にも負担させている。また,橋梁直下に鉄道及び県道がある。 ② 斜吊索の張力が大きいため、架設途中で張力調整による形状の修正は不可能であり、完成時の形状精度を 確保するためには、架設の初期段階から、形状精度を確保するための方策を講じる必要があった。 【技術的提案】 ① 張力・計測管理システムを導入し、張力、歪み、応力度を常時監視し,解体計算と比較しながら工事を進 めた。 ② 完成時の形状精度を確保するため、3次元自動追尾式トータルステーションを活用し、架設の初期段階か ら、解体計算に基づいて、段階ごとの形状確認を行った。 【成果】 ① 張力・応力度については、設計値の7%以内となり、安全な施工が確保された。 ② 架設精度を向上させた結果、閉合直前の相対差は16㎜という高精度で、主構を閉合することができた。 1行 課題は1行 技術的提案に多くの行を割り当てる 成果は1~2行 ・48文字×15行 ・図表は不可 ・文字の大きさは10.5ポイント ・問題点及び解決策は、1~2項目 基本的には1項目 ・成果は行数の余りを活用 -20-
小 論 文 対 策 小論文作成上のポイント ○ 文字数が少なくなったことや、図・表が使えなくなったので、書き込める情報量がものすごく 少なくなった。 そのため、技術士にふさわしいことを活字でアピールすることは困難であり、口頭試験時に 質疑応答という形で求められると思われます。 したがって、小論文は、パンフレットのような役割になってくると考えられます。 ○ そうはいっても、口頭試験でのやりとりを考えると、小論文候補にすべき業務については よく検討し、整理しておく必要がある。 -21-
小 論 文 対 策 小論文候補の抽出上のポイント ○ 小論文作成上のポイント その2 ・論文のテーマとなる創意工夫・課題解決策は、従来と同様、技術士としてふさわしいものであること。 ・応用能力・論理的考察力・課題解決能力をPRできる論文構成であること。 対処すべき課題について、問題の抽出整理が的確にできること 必要な分析が論理的にできること 解決策や創意工夫が論理的に導かれること、実現可能なものであること (単なる思い付きや論理の飛躍、理論的裏づけの欠如などがないこと) 最新の技術動向を踏まえたさらなる改善についても論じられること (単に過去を振り返って「あれは正当だった」というのではなく、最新技術などを考慮した上で 「今ならこういうよりよい方法がある」ということを論じられること) ① 課題の説明 ② 問題点の抽出と分析 ③ 創意工夫・解決策 特に解決策に至る過程・正しい解決策である根拠が、知識・経験に基づいて論理的に、 また、実現可能な内容で、そして多様な視点から検討されていることの説明 ④ 今後の改善策 ⑤ 最新技術動向の把握、それを応用したさらなる改善策の提示 あなたが苦労し、色々調べ、考えた結果、問題が解決した業務 -22-
小 論 文 対 策 小論文候補の抽出上のポイント ○ 小論文作成上のポイント その3 1/2 ① 課題(問題点)が安易なものではないこと それなりのレベルの技術者にお出まし願わねば解決しそうにない困難な課題を解決することが 「技術士ならでは」になってきます。 ② いろいろな制約条件がある コスト・工期・周辺配慮(インフラ供用継続など)・スペース(近接施工など)の制約条件があるにも かかわらず相当レベルの品質を求められるといったケースです。 ③ マニュアルが通用しない 何らかの理由があって、マニュアル通りにやっていたのでは解決しないケースです。 ④ 自分で考えていること マニュアルに従ったとか、誰かのアドバイスに従ったというのはダメです。ただし、まるっきり一から考える 必要はありません。大事なのは「課題解決策を組み立てる部分は自分で考える」ことです。 ⑤ マニュアルをなぞっていないこと 結果的にマニュアル通りになったとしても、「書いてあったから」ではなく、論理的に解決策を導き出した結果、 たまたまマニュアル通りであったという書き方が適当です。 逆にマニュアルから外れる場合は、それ相当の論理的な理由が必要です。 -23-
小 論 文 対 策 小論文候補の抽出上のポイント ○ 小論文作成上のポイント その3 2/2 ⑥ 主体的に解決していること 文献引用でも何でもいいのですが、上司や指導技術士に言われて、そのまま機械的にこなしている だけでは、どんなに高度な技術計算でも技術士としてふさわしいとはいえません。 受身的に割り当てられた役割の中でかまいませんから、主体的に課題・問題点を抽出・分析し、その 解決策・創意工夫を主体的に考案していることが必要です。 ⑦ 効果的であること ⑧ 実現可能であること ⑨ 多様な視点から検討していること -24-
小 論 文 対 策 小論文作成上のポイント ○ 小論文の題材 業務ではなく課題解決プロセスで選ぶ 「小論文のテーマ」とは、従事した業務ではなく課題解決プロセスであるということをしっかりと 認識してください。 ×「私はこんなに大きな(あるいは重要な)仕事に携わりました」 ○「私はこんな問題に直面して、このように課題解決をしました」 ① 現状に関する情報をきちんと整理して、そこから問題点が論理的に導き出されている ② その問題点にきちんと対応して、論理的に、かつ実現性をもって解決策が提案されている ③ その解決策による結果に対して、現時点での技術水準に照らしたさらなる改善案がされている さらにできれば、次の要件を満たしていればベストです ・問題点がマニュアルでは解決できないこと、あるいは複雑であること ・解決策に創意工夫があること -25-
小 論 文 対 策 小論文作成上のポイント ○ 問題点の抽出上のポイント 技術士として問われることは、「問題が顕在化し、顕在化してから対応するのではなく、問題が顕在化 する前から問題点を抽出し、問題が顕在化する前に対処する、あるいは顕在化したらあらかじめ 検討していた対策を講じる。」ということです。 したがって、「技術士の目」とは、そこに内在する問題点を抽出することと言えます。 ですから、小論文作成上においても、問題点を抽出する能力が問われます。 ○ 解決策記述上のポイント 根拠と具体性があること 問題点がしっかり絞り込まれていれば、解決策はおのずと導かれます。 しかし、その解決策は単なる思い付き、根拠のない経験則、試行錯誤、マニュアル依存ではいけません。 きちんと論理的根拠をもって提案すること、そしてそれは実現可能であることが必要です。 ① 論理的な根拠が示してある ② 具体的に検討してある -26-
小 論 文 対 策 良くない小論文の例 1/2 2 空港大橋上部工工事に係る計測管理システムの構築(平成○年○月~平成○年○月) (1)あなたの立場と役割 私はJVの担当者として,主任技術者の指導のもと・・・・・・。 担当者として、主任技術者のお手伝いをしていたのでは不適切です 技術者として、自ら考え、問題点を抽出し、解決したということでなければなりません (2)業務を進める上での課題及び問題点 空港大橋は、アーチスパンが380mであり、完成すると日本一のアーチ橋となる。 また、上路アーチであるため、路面から河川までの高さは190mとなり、非常に高い橋梁となる。 さらに空港大橋の下には山陽本線と県道東広島本郷忠海線がある。 アーチ形状はバスケットハンドル形式で、ブレースドリブ固定アーチ橋である。 設計基準風速は45m/s、設計震度はKh=0.17である。 事業の概要は理解できますが、何が課題で何が問題点なのかわかりません 色々な特徴の中から課題や課題を解決していく上で問題となる点を見つけることが求められています -27-
小 論 文 対 策 良くない小論文の例 2/2 (2)業務を進める上での課題及び問題点 ① 空港大橋は、鋼重が1万tであり、斜吊りケーブルの張力は5000tに達する。 このため、通常の斜吊り設備は使用できないため、斜吊り設備に対する応力を把握し、架設時の安全を 確保する必要があった。 ② 解体計算の結果、斜吊り設備にかかる応力が大きいため、斜吊りケーブルを緊張する方法で、施工 途中の形状を変更することはできなかった。 このため、解体計算の結果に基づいて、アーチ端部の架設段階から、架設形状を所定の精度で 仕上げるとともに、架設中のアーチ先端の位置を正確に計測する必要があった。 (3)あなたが行った技術的提案 ① 地元の理解を得るため、イメージアップとしてバリケードにクリスマスデコレーションを施した。 ② 工場製作において、溶接品質を向上させるため、超音波試験の頻度を増やした。 ③ TBMやヒヤリハット運動を通じて、作業員の安全意識の向上を図った。 ④ 交通誘導員を増やして、安全対策を強化した。 ⑤ 大型の高輝度LED標識を設置し、視認性を高め、通過交通の安全対策を行った。 ⑥ JRと十分な協議を行うなど、円滑な工事の施工に向けて、調整を行った。 「課題及び問題点」と「解決策(技術的提案)」が全くかみあっていない。 それぞれの技術的提案は正しくても、論理的な文章となっていない。 -28-
択 一 試 験 対 策 択一試験の狙い ・従来の建設一般論文を択一式にしたようなものと考える。 ・部門全般的な基礎知識 ・社会的な課題解決に方法などの関する知識 (一般知識、問題解決能力) ・業務に関連する法制度 学習方法 ・建設白書(H22~24)、省庁の予算関係資料や各種審議会のHPなどから、 社会的な課題解決の方法、ざっくりしたボリューム感や具体的な施策を覚える。 ・過去の択一問題を解いてみる。 (日本技術士会HPの平成16年度から平成18年度の過去問題) 当面、択一問題による一次選抜は行われないが、 将来的には択一試験による一次選抜が行われる。 -29-
択 一 試 験 対 策 ○ 部門全般的な基礎知識 1~2問? ・技術部門に不可欠な技術 教科書から出題 ○ 社会的な課題解決の方法などに関する知識 (一般知識、問題解決能力) ・社会的に重要なキーワード 国土交通白書から抜粋 ○ 業務に関連する法制度 ・業務における法制度 混在した問題が多い 過去の択一も同様の範囲 ただし、社会的な重要なキーワードが多かった 誤っているものを選ぶ問題が多かったが、正しいものを選ぶ問題もある 誤っているものを選ぶ問題は、語尾の変更などが多い 過去問題の流用も考えられる 極端に難易度が高い問題にはならない 問題を作る気になったら・・・ -30-
択 一 試 験 対 策 過去の択一問題の出題内容 -31-
択 一 試 験 対 策 過去の択一問題の出題形式 -32-
専 門 問 題 対 策 ・選択科目に関する専門知識と応用能力 ・原稿用紙 6枚→4枚 ・3:30→2:00 少し時間がきつくなる 問題数は4問の中から2問答えるのでは? だとすると、得意な問題が出るとは考えられない 幅広に予想しておくこと 想定される問題 ○ 選択科目に関する専門知識 ・知っている専門知識を記述する ・業務遂行上の留意点を記述する ・鋼構造及びコンクリートでは従来からこのような形だった ○ 社会経済と専門技術との関係から、一般的対策を問う問題 ・国土交通白書に記載されているレベル?の対応策 ・従来の建設一般問題に近い -33-
専 門 問 題 対 策 ○ 社会経済と専門技術との関係から、一般的対策を問う問題 ○○に関する あり方について述べよ ○○である現状で 社会資本整備について 考えられる方策を述べよ ○○が言われる中で あなたの意見を述べよ 社会的問題の例 ・少子高齢化社会 ・経済活性化 ・交通弱者 ・グローバル経済 ・災害 ・技術立国 ・観光振興 ・長寿命化、維持管理 ・TPP(環太平洋パートナーシップ) -34-
専 門 問 題 対 策 試験対策の基本は、受験部門と社会とのかかわりという視点で知識・見識を 身につけること。 建設部門であれば、国にとってのインフラ整備、その中での技術・技術者の あり方といった視点になります。 【参考文献】 国土交通白書 内閣府や国交省、自民党などのホームページ 環境白書 【論文の作成練習】 ・模擬問題などで答案を書いてみて、それを添削してもらうのがよい。 ・暗記するための文章を作るのではなく、練り上げる過程で論理展開力・ 表現力・文章力を身につけるのです。 ・できるだけ多くの問題例に対して繰り返しトレーニングを行う -36-
課 題 解 決 問 題 2 TPPが建設業に与える影響 ・外国のゼネコンやコンサルタントが進出してきます。 → 我が国の技術者のレベル向上 ・外国の資材が入ってきます。 → 外国資材の品質確認 ・地域の建設業者の保護・育成 → 災害などから地域を守る建設業者の保護(地域保全型入札、適切な地域要件の設定) ・産業間で不均衡が生じるので、社会資本整備の観点から対応が必要となります。 → 過疎地域の支援として社会資本整備、観光振興、移動する権利の保護 3 原子力発電所の停止 ・電気料金の値上げ、電力不足 → エコなまちづくり、交通流の円滑化、物流の効率化 4 消費税の引き上げ ・高齢社会対応 ・物流円滑化によるコスト低減 ・エコ 最新動向知識 インターネットなど 重 要 課 題 当年度版白書第Ⅰ部 最 新 動 向 当年度版白書第Ⅱ部 インフラ整備の動向知識 前年度版白書第Ⅱ部 -37-
課 題 解 決 問 題 ・選択科目に関する課題解決能力 ・原稿用紙 3枚以内 問題数は1問を小設問として出題? 想定される問題 ○ 選択科目に関する社会的変化に関する ・現状認識 ・課題の整理 ・問題点(ボトルネック)の抽出 ・解決の方向性 ・具体的な対応策 骨 子 法 -39-
課 題 解 決 問 題 想定される問題のパターン ○ 題文から課題を記述しなさい ・文章から ・統計データから ○ 課題解決の方向性や具体策を記述しなさい 国の施策 -40-
課 題 解 決 問 題 ・課題を整理し,その解決に至る上での問題点を的確に抽出できる ・問題点に対応した的確な解決策を提示することができる ・その解決策は実現可能で,かつ多様な視点から提案されている ・それらのことを,根拠付け,論理立てて考えることができる 確かな知識,論理的な考察,問題点の整理と的確な解決策の提示という着実な課題解決 ・専門知識の習得 ・使いこなせる応用能力の訓練 【合格のポイント】 論理的明快さと読みやすさ -41-
骨 子 法 骨子法のメリット ・予想外の出題形式に対応しやすい ・問題点の過不足が防げる ・多様な視点から検討できる ・論点が明確になり,論理の矛盾が防げる ・簡潔でありながら,現状から解決策までの流れに 論理的なつながりが確保できる ・骨子メモが残るので,論文の復元が容易である → 口頭試験対策 -42-
骨 子 法 骨子法による論文の組み立てかた 関 連 性 -43-
骨 子 法 良い例 骨子法による論文の組み立てかた 類似する項目をまとめて グループ化している 関 連 性 -44-
骨 子 法 悪い例 骨子法による論文の組み立てかた 関 連 性 関連する 項目が無い 関連する 項目が無い -45-
骨 子 法 骨子法メモの作成上の注意事項 現状 ・現状のみを記入し,意見を述べない 問題点 ・現状から抽出されることに限定する 最後に類似の内容を グループ化して整理する 解決の方向性 ・1つの問題点と関連する内容とする 具体策 ・1つの解決の方向性に関連する内容とする 試験時間の1/3~1/2程度の時間をかけてじっくりと 骨子を整理する -46-
課 題 解 決 問 題 一般論文の作成例 1/3 H23年の出題 建設産業は、住宅・社会資本の整備だけでなく、その維持・管理や災害対応など多面的な役割を果たすことが期待されているが、近年、建設投資が急激に減少していること、就業者の減少及び高齢化が進行していることなどから産業全体としてかつてないほど厳しい状況に直面している。 このような状況下、建設産業の課題を3つ挙げ、その内容を説明せよ。 また、建設産業の活力を回復させるため、これらの課題に対してどのように取り組むべきか、あなたの意見を述べよ。 1.はじめに 建設投資は、ピーク時の50%減、就業者は25%減にも関わらず、業者数は15%減にとどまっており、受注競争が激化し、低入札価格が増えている。 このような状況のもと、建設産業の課題を述べる。 ポイント ① 具体的な数値をあげながら、一般的な知識を持っていることをアピール ② 建設産業の課題を記述する導入部としてのスムースな話の展開を図る -47-
課 題 解 決 問 題 一般論文の作成例 2/3 2.建設産業の課題 (1) 優良な建設業者の倒産と不良不適格業者の増加 低入札価格が増加しており、従来のように手間をかけて施工していたのでは利益が上がらず、検査に合格する程度の雑な施工や下請けいじめを行う不良業者の方が利益が上がる。これにより優良な業者が倒産し、不良業者の割合が増加し、公共工事の品質確保が困難となる。 このため、優良な建設業者の存続と不良不適格業者の排除が課題である。 (2) 地域の安全安心を確保する地域の建設業者の衰退 入札契約の透明性、競争性を向上するため、全国知事会PTの指針により、一般競争入札が拡大し、応札可能者も20~30者以上に拡大された。 これにより、地域の業者と街なかの業者との価格競争となり、経営基盤の弱い地域の建設業者が衰退している。 また、品確法に基づく総合評価においても、技術と経営力が低い地域の建設業者の受注が難しくなっている。 このため、地域の建設業者の存続が課題となっている。 (3) 優秀な技術者の確保と技術の伝承 低入札に伴う労働条件の悪化から、建設業に従事する若者が減少し、建設業従事者の高齢化は進む一方である。 このままでは、建設技術の伝承が困難となり、将来、建設投資が増加することがあっても、対応できなくなる。 このため、優秀な技術者の確保と技術の伝承が課題である。 -48-
課 題 解 決 問 題 一般論文の作成例 3/3 3.建設産業の活力を回復させるための私見 建設産業の活力を回復させるための私見を以下に述べる。 (1) 優良な建設業者の存続と不良不適格業者の排除 ① 優良な建設業者の受注を確保する。 ・価格と技術力を総合的に評価し、技術力のある建設業者の受注を確保する。 ・工事成績評定結果を入札参加資格に反映し、優良な建設業者の受注を確保する。 ・企画・経営力のある建設業者の受注を確保するため、コンセッション方式(PPP/PFI)の導入を促進 ・設計・マネジメント能力を活用できる設計施工一体調達方式の導入を促進 ・技術開発能力を活用する技術開発・工事一体調達方式の導入を促進 ・主に施工に関する独自の技術を認め、有利な仕様で入札できる入札時VEの導入を促進 ② 優良な建設業者の利益の確保 ・最低制限価格及び低入札価格調査基準価格の引上げ (2) 地域の建設業者の存続 ・路線管理、除雪、災害対応等の地域貢献や地域精通度を総合評価落札方式や入札参加資格で適切に加点評価する。 ・地元下請けや資材を活用する業者を評価する地元企業活用促進型総合評価落札方式の導入を促進 ・応札可能者数にとらわれない適切な地域要件の設定 (3) 優秀な技術者の確保と技術の伝承 ・建設マスターや登録基幹技能士の活用を評価する現場従事技術者評価型総合評価落札方式の導入を促進 ・工事成績評定や表彰を総合評価落札方式で加点評価 ・若手技術者の育成を図るため、総合評価落札方式において、受注実績や資格より、工事成績評定や表彰に配点を多くする ・建退協の加入の徹底を始めとする労働条件の向上 -49-
課 題 解 決 問 題 専門論文の作成例 1/3 H20年の出題 コスト抑制が強く求められる一方、社会資本として本来備えるべき品質も確保される必要がある。建設分野における品質確保を取り巻く現状と課題を述べるとともに、品質を確保する上で重要と考える方策を2つ挙げ、それぞれについてその具体的内容と今後のあり方について、あなたの考えを述べよ。 1.はじめに 我が国の社会資本整備については、安全で安心な社会を確保するため、これまで様々な施策を行ってきた。しかし、昨今、高速道路の資材偽装、官製談合で知事が逮捕されるなど、次々と信頼を失墜するような事件が発生している。そして、マスコミの一斉報道もあり、公共事業全体のイメージを悪くさせ、国民からは社会資本の品質に対する信頼性が薄らいでいると考えられる。 また、昨年は米国のミネソタ州の高速道路で落橋事故が発生し、日本でも疲労により損傷した橋梁が現れている。そして、今後、社会資本の老朽化が進展することにより、安全・安心な社会を脅かされる危険性がある。 ポイント ① 具体的な数値をあげながら、一般的な知識を持っていることをアピール ② 品質確保に関する記述に入るためのスムースな話の展開を図る -50-
課 題 解 決 問 題 専門論文の作成例 2/3 2.品質確保を取り巻く現状と課題 2-1 ダンピング受注による品質低下 1990年代後半から半減した建設発注量に対し、建設業者数は1割程度しか減っていない。これにより、作業員が従事できる仕事を確保するため、過当競争が激化し、採算を度外視した価格競争が多発してきた。採算を度外視したダンピング受注は、耐震偽装事件のように、技術者のモラル低下を招きかねない。 また、安かろう悪かろうの業者より、誠実な施工をする業者の経営が厳しくなってくるので、地域の優良な建設業者が倒産し、災害時の応急対応や災害復旧など地域の安全・安心確保ができなくなりつつある。 さらに、一般競争入札の拡大により、入札契約制度の透明性が向上する一方、一定の要件を満たせば入札参加できるため、不良不適格業者の参入による公共工事の品質低下が懸念されている。 3-2 公務員の削減 公共団体の財政が厳しくなってきており、技術職員を含めた人員削減が進んでいる。 公共工事の落札率の低下により、監督強化を図る必要があるにもかかわらず、技術職員の削減に伴い、積算に追われて現場に行くことが困難になってきている。 3-3 工事成績評定の実施 国や県では統一的な評定基準により、工事成績評定が行われているが、市町村においては検査は行うが工事成績評定は行わないという所も多い。 公共工事のうち、国が発注する工事の割合は4割に過ぎず、残り6割は地方公共団体の発注であり、市町村を含めた工事成績評定の実施が課題となっている。 -52-