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Back to the future

Back to the future. News week. Past now. 歴史. 1817 年に英国の James Parkinson により, shaking palsy (paralysis agitans) として発表され,世に知られるようになった. その後,病理学的研究から黒質緻密層のメラニン含有細胞の選択的な変性,さらに青斑核,迷走神経背側核などのメラニン含有細胞の変性や,これらの細胞に出現する Lewy 小体が特徴であることが明らかにされた.. パーキンソン病の原著. 日本の教科書. 臨床症候.

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Presentation Transcript


  1. Back to the future Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  2. News week Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  3. Past now Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  4. 歴史 • 1817年に英国のJames Parkinsonにより,shaking palsy (paralysis agitans)として発表され,世に知られるようになった. • その後,病理学的研究から黒質緻密層のメラニン含有細胞の選択的な変性,さらに青斑核,迷走神経背側核などのメラニン含有細胞の変性や,これらの細胞に出現するLewy小体が特徴であることが明らかにされた. Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  5. パーキンソン病の原著 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  6. 日本の教科書 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  7. 臨床症候 • 発症年齢は50代がもっとも多く,40代,60代がこれに続く.性差はない. • 初発症状としては,振戦が多く,ついで歩行障害.部位としては一側上肢から始まり,同側の下肢,対側上肢→対側下肢と伸展することが多い.進行期においても,初発側の症状の強いことが多い. Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  8. パーキンソン病の疫学 • 本邦における有病率は人口10万人あたり50-80, 欧米では100-180程度と推測されている.家族内発症はまれではあるが,上記の常染色体性劣性遺伝性のAR-JPや常染色体優性遺伝性を示すものなど,いくつかの家族性パーキンソニズムがあると考えられている Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  9. 臨床症候 • 臨床症候としては, • 1. 筋固縮(筋強剛) • 2. 振戦, • 3. 無動, • 4. 姿勢反射障害が,本症の4大徴候と呼ばれ中核の臨床症候となる. Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  10. 振戦 • 4-5 Hzの規則的で比較的粗い振戦で(本態性振戦ではもっと速い8-10Hz程度の振戦であり,対照的である),静止時,安静時に出現しやすく,姿勢保持や動作で減弱あるいは消失する傾向がある.手指,前腕,足関節など四肢遠位部に多いが,下顎,頭部などに及ぶ場合もある. Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  11. 振戦の鑑別 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  12. 筋固縮(筋強剛) • 関節を受動的に動かしたときに(正確には,関節運動により特定の筋を伸展させたときに)一定の抵抗としてとらえられる. • 鉛管様強剛 (lead-pipe rigidity) と呼ばれ,鉛の管を曲げるときのような一様な抵抗としてとらえられる場合と,歯車様強剛 (cogwheel rigidity) と呼ばれ,ガクッガクッという断続的な抵抗としてとらえられる場合がある. Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  13. 無動 • 床からの起きあがり,歩行,寝返りなどの動作ののろさとして気づかれる.また顔の表情も乏しくなる (仮面様顔貌,mask-like face).検査としては,finger tappingのスピード,diadochokinesisのスピード,ベッド上での寝返りや,起きあがりなどのスピードをみるのがよい.書字では字がだんだん小さくなってしまう (micrographia) ことも特徴である Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  14. 姿勢反射障害 • 立位の姿勢としては,頭部,上体を前に出し,膝を少し屈曲した前傾姿勢が特徴的である.姿勢反射障害としては,立ち直り反射の異常としてとらえられる. Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  15. 歩行障害 • 歩行は小刻みで,上肢の振りが乏しい.歩き始めると早足になり止まれなくなる現象 (festination), 歩き始めで足が前に出にくい (initial hesitation), ターンの時などに足が床に張り付いてしまって前に出なくなる現象 (freezing phenomenon) などが特徴である. Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  16. 自律神経障害 便秘が最も多い症状その他に頻尿が多い 発汗過多、流涎(よだれ)、あぶら顔、起立性低血圧、インポテンスなどの症状が見られることがある.しかし,起立性低血圧は検査するとあるが症状としてはそれほど多くない. Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  17. 精神症状 • 抑うつ的で、なににでも億劫がり依頼心が強くなる場合が多い。時には抑うつ症状が病気の初期から強く、他の症状を自覚できないため、精神科を最初に訪れることもある。不眠の訴えも多い。 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  18. 診断 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  19. 疾患の定義と発症機構 • 病理学的には,黒質緻密層のドーパミン作動性ニューロンが選択的に変性とLewy小体の出現をみる変性疾患 • 臨床症候としては,安静時振戦,筋強剛,無動,姿勢反射障害が特徴 • ドーパミンの前駆物質であるL-Dopaや,ドーパミンのagonist(ドーパミン受容体刺激薬)が著効を示す疾患である. Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  20. パーキンソン病の発症機構 • 1979年に米国の青年が麻薬を密造した際に副産物として生じたMPTP (1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine) を摂取して重度のパーキンソニズムを生じた事例が発生し,このことをきっかけにMPTPによるパーキンソニズムの発症機構の研究が進んだ.現在までに明らかにされたことは,MPTPは,脳内に入りグリア細胞内においてmonoamine oxidase B (MAOB) によってMPP+という物質に酸化され,このMPP+が選択的に黒質ドーパミン作動性ニューロンに取り込まれ,ミトコンドリアの電子伝達系複合体Iを阻害し,ミトコンドリア機能を低下させることが発症機構であることが明らかにされてきている. Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  21. 病理 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  22. Lewy小体 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  23. 治療法 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  24. 治療 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  25. 歴史2 • 生化学的には,1960年に,我が国の佐野,オーストリアのHornkiewiczらにより明らかにされ,黒質から線条体に投射するドーパミン作動性ニューロンの変性に対応する生化学的変化として確立され,また,今日のL-Dopa療法の基礎になった Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  26. 治療 L-ドーパ (レボドパ) ⇩ ドーパミン L−ドーパ 及び 脱炭酸酵素 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  27. ヤールの重傷度分類 • I(1)度 症状が片方の手足のみ • II(2)度 症状が両方の手足にみられる • III(3)度 姿勢反射や歩行の障害(小刻みな歩行、 ゆっくりとした動作)が加わる • IV(4)度 起立、歩行は可能だが非常に不安定、 介助が必要となる • V(5)度 車椅子使用か、ほとんど寝たきり Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  28. 長期服用で生じる問題点 • 1.薬の効果減弱 • 2.不随意運動(ジスキネジア、ジストニア)の出現 • 3.症状の日内変動 Wearing-off(すり減り)現象 ・on-off(オンオフ)現象 • 4.精神症状の出現 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  29. On-off現象 理想的な 薬の効果 ▼服薬  ▼ ▼ 多動 長期間 大量に 服用 ▼服薬  ▼ ▼ 寡動 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  30. 新しいパーキンソンの薬 ブロモクリプチン パーゴライド カベルゴリン L-ドーパの働きを助ける薬 (ドーパミン・アゴニスト) Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  31. 新しいパーキンソン病の治療 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  32. 食事療法 • パーキンソン病の薬は水に溶けにくく、酸性にすると吸収されやすくなるので、酢の物や柑橘類のジュースなどで酸を補うようにしましょう。ビタミンCと一緒にのむとよい場合もあります。 • 便秘を予防するため、食物繊維をたっぷり摂りまましょう。 • 朝、昼など薬の効果を高めたい時間帯はできるだけタンパク質を含む食品を摂らず、1日の必要量は夕食で摂ると、日中のL−ドーパの効果を高めることができます。 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  33. 日常生活 • 散歩を日課に取り入れましょう。 • 仕事や趣味など、できるだけこれまでのライフスタイルを継続しましょう。 • 廊下や風呂場に手すりをつけ、倒れない工夫をしましょう。 • 薬は、必ず医師の指示どおりにのみましょう。 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  34. 精神面 • ストレスは症状を悪化させます。ストレスをためず、前向きな気持ちを保ちましょう。 • うつ状態になることがあります。意欲ややる気がないときは、医師に話しましょう。 • パーキンソン病をよく理解し、自分の症状をよく知ってうまくコントロールしましょう。 • 家族や職場の方の理解も重要です。 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  35. 新しい治療1 【定位脳手術】 視床・淡蒼球 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  36. 新しい治療2 【脳深部刺激】 視床・淡蒼球・視床下核 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  37. これはまだ分かりませんが • 5月の神経学会でゾニサミドというてんかんの薬がon-offに効いたと言う報告があった. • 頭部への磁気刺激が効果があるという報告もあった. • しかし,どちらもまだ結論は出ていない. Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  38. 【これからの治療法】 • 細胞移植から神経細胞を「作る」時代に • 胎児の黒質から • ドーパミン産生細胞を分離し移植 ⇩ • 未分化の幹細胞を培養し、 • ドーパミン産生細胞に変える Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  39. 鑑別を要する疾患 • 脳血管障害(脳血管性パーキンソニズム) • 薬剤性パーキンソニズム向精神病薬(セレネース、コントミン、ドグマチール)や消化器病薬(プリンペラン)、降圧剤(レセルピン)などドパミン受容体遮断作用のある薬剤による。 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  40. 類似した変性疾患 • 進行性核上性麻痺 progressive supranuclear palsy: PSP体幹を中心とする無動・筋固縮、垂直方向の眼球運動制限、首の過後屈、仮性球麻痺、痴呆など呈する。線条体黒質変性症 siriate-nigral degeneraition: SND黒質のほか線条体(被殻)の著しい萎縮・変性が特徴。無動・筋固縮あるが振戦なし。錐体路症状、自律神経症状伴う。OPCAやShy-Drager症候群と類似した病変を示し、これらをまとめ多系統萎縮症multisystem atrophy: MSAと呼ぶ。 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  41. 類似した変性疾患 • 大脳皮質基底核変性症 corticobasal degeneration: CBD大脳皮質症状(失行)と錐体外路症状(無動、筋固縮)を合併し、左右差がある。核上性眼球運動障害、ミオクローヌス、他人の手徴候など種々の神経症状を合併。 • び慢性レビー小体病diffuse Lewy body disease: DLBDパーキンソン症状と痴呆を主症状とし、パーキンソン病同様の黒質、青斑核の病変、アルツハイマー病同様の老人性変化のほか大脳皮質にLewy小体がみられるのが特徴。 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  42. 3T-MRS パーキンソン病 MSA Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  43. 3T-MRS 正常なパターン Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  44. 3T-MRS Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  45. PET Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  46. PET 左 SND 右 PD Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  47. 大脳基底核の繊維連絡 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

  48. 黒質細胞死の機序 Department of neurology, Nagoya University, School of Medicine

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