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(4)株式市場の役割 ○自社株買いについての補足説明. 自社株買い=自己株式取得 自社株買いのデメリットは? デメリットという程の問題はないが、従来自社株買いは禁止されていた。 なぜ? 「資本維持の原則」:債権者保護 自社株買いにより自己資本が減少し、債権者の利益が侵害される恐れ 1994 年の商法改正により自社株買い・消却が解禁 2001 年の商法改正により金庫株解禁 自社株買いの限度:配当可能限度額 利益積み立て等による剰余金. ・自社株買いとその処理方法. 自社株買い →金庫株:議決権なし →金庫株の処理方法 消却 株式交換・合併等で使用
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(4)株式市場の役割○自社株買いについての補足説明(4)株式市場の役割○自社株買いについての補足説明 • 自社株買い=自己株式取得 • 自社株買いのデメリットは? • デメリットという程の問題はないが、従来自社株買いは禁止されていた。 • なぜ? • 「資本維持の原則」:債権者保護 • 自社株買いにより自己資本が減少し、債権者の利益が侵害される恐れ • 1994年の商法改正により自社株買い・消却が解禁 • 2001年の商法改正により金庫株解禁 • 自社株買いの限度:配当可能限度額 • 利益積み立て等による剰余金
・自社株買いとその処理方法 • 自社株買い • →金庫株:議決権なし • →金庫株の処理方法 • 消却 • 株式交換・合併等で使用 • 売出し等で株を放出
東京証券取引所「自己株式の取得及び処理状況」東京証券取引所「自己株式の取得及び処理状況」
自社株買いのルール:取引所の立会取引の場合自社株買いのルール:取引所の立会取引の場合 • 基本的考え方:金融商品取引法上の「相場操縦的行為」にならないようにする • 「相場操縦的行為」:自己の利益を得るために、相場を変動させる等人為的に操作すること • 買付けの時間:取引終了直前30分以外の時間、終値への影響をなくす • 買付けの価格:注文は指値注文、 • 寄り付き前に注文する場合:前日終値以下 • 寄り付き後の場合:その日の高値を上回る価格での注文は不可 • 注文の数量:買付け週の直近4週間の1日平均売買数量の25%まで • 自己株式立会外買付取引 • 立会取引では制約が多く、必要数量を買い集めるのが難しいので、大口の株主から立会外取引で買い付けることも多い • 前日終値での買い付け
⑤コーポレート・ガバナンス機能 • 株価は、企業の投資計画、経営戦略、現行の経営陣の質に対する投資家の判断を示す • 企業が買収される危険性 • 株価低迷は買収される危険性を高める→経営陣に対する株式市場からの強い圧力 • 特にPBR(株価純資産倍率)が1以下といった企業は買収の対象になりやすい • 株式の非公開化:ワールド05.11. ポッカ05.12. 吉本興業10.2. • 株式市場からの資金調達の必要性が低い企業、株式市場からの経営に対する圧力・関与を避ける、企業買収の危険性を避ける
⑥資本の集中とリスクの分担 • 株式会社制度 • 株式の発行を通じて幅広く事業に必要な資本を集中、事業リスクを多くの株主間で分担 • 多くの投資家から資本を提供(リスクを負担)してもらうには、流動性のある株式市場②が必要
リスク負担の裏側:ハイリターンの投資対象を投資家に提供する(という株式市場の役割)リスク負担の裏側:ハイリターンの投資対象を投資家に提供する(という株式市場の役割) • 資本集中とリスク分担という制度の矛盾: • 幅広い投資家による事業のリスク分担 • →所有と経営の分離 • →企業への出資者である株主の利益を実現するよう、本当に企業が管理・運営されるのか? • →コーポレート・ガバナンスの問題
○リスク分担の促進の例: • IPOにおける企業家保有株の売出し • 売出し:大株主が保有する既発行株を不特定多数の投資家に売却し、取得させること • 新規株式公開IPO時の売出し株と新規株式発行額:新規株式発行よりも売出の金額が大きい • 国有企業の民営化 • 国有企業株の売り出し:多くの株主に事業リスクを分担してもらう • NTT、JR、郵政?
○第1章参考文献 • 福光・高橋編『ベーシック証券市場論』第3章、6章、同文舘出版 • 井出正介・高橋文郎『ビジネスゼミナール経営財務入門』日本経済新聞社、第4章 • 日本証券経済研究所『詳説:現代日本の証券市場2010年版 』日本証券経済研究所 • 日本証券経済研究所『図説:アメリカの証券市場2009年版』日本証券経済研究所
第2章. 証券会社と証券業務(1).証券会社の業務第2章. 証券会社と証券業務(1).証券会社の業務 ○伝統的業務 • 発行市場関連 • 新規に証券が発行される市場 • ① • ② • 流通市場関連 • 既発行証券が投資家間で売買される市場 • ③ • ④ • 証券業:金融ビッグバンの中で98年12月から「免許制」から「登録制」に移行
①引受業務→引受手数料 • 証券発行体の審査・評価、市場情報の提供・発行計画の立案、投資家への情報提供と販売、売れ残りリスクの引き受け • 企業審査の専門性・リスク負担能力・販売能力が必要 →日本ではこれまで大手証券会社が独占、近年外資系や銀行系証券会社も引受け
・株式引受ランキング:日本 Thomson Reuters
・社債引受ランキング:日本 ・債券引受では、株式引受に比べて銀行系証券会社の力が強い Thomson Reuters
・株式引受ランキング:世界 Thomson Reuters
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IPO業務(Initial Public Offering 新規公開発行) • 引受業務の一部分(新株発行・売出) • 新興企業の株式公開増大 →証券会社にとって業務としての重要性増大、新興企業に関してはIPO後も増資のチャンスが多い • 通常の引受業務(公開企業の新株発行増資)よりも深い専門性が必要 →手数料も通常高い
・IPO引受ランキング:日本 Thomson Reuters
・証券発行引受シェア:証券会社タイプ別 ・ ・ ・外資系:大型の株式発行引受に強い
・引受手数料率 ・ ・歴史的に引受手数料は株式も債券も世界的に低下傾向 ・日本の債券発行手数料は、銀行系証券会社の参入に 伴い急激に低下