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資料組織概説 第 10 回 分類法(2). 2011 年 11 月 29 日(火) 第4時限 R101 教室. 復習小テスト. 論理学の用語で、ある概念が適用される事物に共通する属性のことを何というか? ある概念に含まれる具体的対象のことを何というか? 上記1.は概念を狭めるとどうなるか?また広げるとどうなるか? 分類法は英語で何というか? 書架分類と書誌分類はどう違うか?. 列挙型分類法と分析合成型分類法(1). 列挙型分類法 すべての主題に対応した分類項目をあらかじめ分類表に用意する方式 (例)デューイ十進分類法、日本十進分類法、米議会図書館分類法
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資料組織概説 第10回分類法(2) 2011年11月29日(火) 第4時限 R101教室
復習小テスト • 論理学の用語で、ある概念が適用される事物に共通する属性のことを何というか? • ある概念に含まれる具体的対象のことを何というか? • 上記1.は概念を狭めるとどうなるか?また広げるとどうなるか? • 分類法は英語で何というか? • 書架分類と書誌分類はどう違うか?
列挙型分類法と分析合成型分類法(1) • 列挙型分類法 • すべての主題に対応した分類項目をあらかじめ分類表に用意する方式 (例)デューイ十進分類法、日本十進分類法、米議会図書館分類法 • 分析合成型分類法(ファセット分類法) • 主題を複数の区分原理に基づいて多次元的に分類し、それらを合成して表す方式 (例)コロン分類法
列挙型分類法と分析合成型分類法(2) • 現実には完全に列挙型である分類表はない • あり得るすべての主題を予測し、列挙しておくことは不可能 • 補助表などの形で合成手法を取り入れている • 準列挙型分類法という概念もある • 基本的には列挙型分類法だが、補助表や組合せ記号を豊富に用意し、かなりの程度合成手法を取り入れているもの (例)国際十進分類法
列挙型分類法と分析合成型分類法(3) • 列挙型と分析合成型という二分法は不適切という指摘も • 表示(列挙表示か合成表示か)と構造(階層構造か多次元構造か)とを分け、これを組み合わせて考えるべき 階層構造:列挙表示 多次元構造:列挙表示 階層構造:合成表示 多次元構造:合成表示 cf. 緑川信之『本を分類する』勁草書房, 1996 • が、一般には列挙型と分析合成型に分ける
世界の主要な分類法 • 列挙型分類法 • デューイ十進分類法(DDC) • 国際十進分類法(UDC) • 日本十進分類法(NDC) • 議会図書館分類法(LCC) • 国立国会図書館分類表(NDLC) • 分析合成型分類法 • コロン分類法(CC) • 書誌分類法 (BC)
十進分類法(1)decimal classification • 分類記号に十進記号法を使う分類法 • 十進記号法:十進法の原理に基づき、十個の数字を用いた記号法(ピリオドなどわずかな種類の記号を含む場合も) • 知識の総和を9区分して1-9の数字で表し(0はどこにも属さないものあるいは全体を表す)、そのおのおのをまた9区分するというように階層的に展開 • 代表例としてデューイ十進分類法、日本十進分類法
十進分類法(2)decimal classification • 0 総記 1 哲学 2 歴史 … 8 言語 9 文学 • 01 図書館. 図書館学 … 09 貴重書. 郷土資料 • 011 図書館政策. 図書館行財政 … 019 読書 • 011.1 図書館行政 011.2 図書館法令… • 121.58913.36 源氏物語 哲学 東洋思想 水戸学 文学 日本文学 平安時代 日本思想 小説 近世
十進分類法(3) decimal classification • 長所 • 順序性が明快でわかりやすい→書架分類に便利で実用的 • 短所 • 1桁あたりの区分肢を10に固定しているが、現実にはぴったり10区分できるとは限らない • 11以上の区分が必要な場合はレベルを深くするしかない。9以下にしか区分できないレベルでは欠番が生じる→階層関係が崩れ、交差分類や非漸進的区分を起こしやすい
デューイ十進分類法Dewey Decimal Classification (DDC) • Melvil Deweyが1876年に発表 • フランシス・ベーコン(1561-1626)の学問分類を逆順にしたウィリアム・ハリス(1835-1909)の分類が元になっている • 17版(1965)以降、分析合成手法を取り入れる • 最新版は2003年刊行の第22版 • 第21版は1996年 • Web版も • 英語圏を中心に世界中で広く使用されている
デューイ十進分類法の第一次区分 • 000 コンピュータサイエンス、情報および総記 • 100 哲学および心理学 • 200 宗教 • 300 社会科学 • 400 言語 • 500 自然科学および数学 • 600 技術 • 700 芸術 • 800 文学および修辞学 • 900 歴史および地理
日本十進分類法Nippon Decimal Classification (NDC) • 1928年、もり・きよし(森清)が『和洋図書共用十進分類法案』を発表、1929年、『日本十進分類法』(間宮書店)と解題・刊行 • 1948年、日本図書館協会が維持管理を引き継ぐ。1950年、新訂6版、1961年新訂7版、1978年新訂8版、1995年新訂9版 • 日本のほとんどの図書館が採用 • JAPAN/MARCでもNDC分類を付与
日本十進分類法の第一次区分 • 0 総記 (図書館、図書、百科事典、一般論文集など) • 1 哲学 (哲学、心理学、倫理学、宗教) • 2 歴史 (歴史、伝記、地理) • 3 社会科学 (政治、法律、経済、社会、教育など) • 4 自然科学 (数学、物理学、化学、医学など) • 5 技術 (工学、工業、家政学) • 6 産業 (農林水産業、商業、運輸、通信) • 7 芸術 (美術、音楽、演劇、スポーツなど) • 8 言語 • 9 文学
国際十進分類法Universal Decimal Classification (UDC) • DDC第5版(1894)を国際的視野から拡張 • 1905年国際第1版(フランス語版)、1953年日本語版簡略第1版 • 言語別、詳細度別の諸版を刊行 • 日本語最新版は1994年の中間版改訂第3版 • UDC Consortiumが維持管理、日本版は情報科学技術協会が担当していたが脱退 • 分析合成手法を取り入れ、標数と呼ぶ数字と連結記号を用いて多面的に主題を表現
議会図書館分類法Library of Congress Classification (LCC) • アメリカ議会図書館(LC)のための一館分類法 • 米国内の大学図書館等で採用しているところも • カッターの展開分類法を基礎に1899年最初の大綱を作成 • LC所蔵資料に対応した詳細な展開 • 分類記号はアルファベット1~2文字+数字で表す • USMARCデータに付いているため分類の参考、検索等に広く利用される • アウトラインはWebで閲覧可能。完全版は購入が必要
国立国会図書館分類表National Diet Library Classification (NDLC) • LCCを参考に国立国会図書館が制定 • 1987年改定版が冊子体としては最後 • 2003年3月から最新版をインターネットで公開 • 分類記号はLCC同様、アルファベット+数字 • JAPAN/MARCデータに付いているため分類の参考、検索等に利用される
コロン分類法(1)Colon Classification (CC) • インドのランガナタンが1933年、世界最初の分析合成型(ファセット)分類法として発表 • 1990年第8版 • 名称はファセット指示子として使用されたコロン(:)に由来 • 理論的には優れているが、複雑で難解 • 書架分類に適用できない • インドの少数の図書館のみで採用
コロン分類法(2)Colon Classification (CC) • 例)「1980年代の日本の大学図書館における古文書の整理」という主題を表す分類記号=2,34;128:85.42’N8
書誌分類法Bibliographic Classification (BC) • ブリス(Henry E. Bliss 1870-1955)が1910年概要発表した分析合成型分類法 • ブリス分類法協会が維持管理 • 1977-1996年第2版(BC2) • イギリスの一部の図書館で採用 • 日本でも一部の研究者に支持される • cf. ミルズ『資料分類法の基礎理論』日外アソシエーツ,1997
展開分類法Expansive Classification (EC) • カッター(Charles A. Cutter 1837-1903)が1891年以降発表 • 彼の死後、1911年まで公表され続けたが未完 • 全7表から構成、展開が行える階層性を備える • LCC、NDCに影響を与えるなど歴史的に重要な分類法
第10回のまとめ • 列挙型分類法と分析合成型(ファセット)分類法 • 十進数を記号に使う十進分類法 • デューイ十進分類法、日本十進分類法、議会図書館分類法、国立国会図書館分類法など広く使われているものは列挙型に属するが、分析合成型の手法も取り入れている • コロン分類法、ブリスの書誌分類法など分析合成型分類法は、理論的な評価は高いが、実用性に乏しく実際の採用例は少ない • 歴史的に重要なものとしてカッターの展開分類法