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保安教育訓練テキスト (原子炉施設、核燃料物質使用施設等、 少量 核燃料物質使用施設等、放射線施設)

保安教育訓練テキスト (原子炉施設、核燃料物質使用施設等、 少量 核燃料物質使用施設等、放射線施設). 東京大学大学院工学系研究科原子力専攻共同利用管理本部. 大学機関等で既に放射線取扱業務従事者の教育訓練を受講している場合、受講した教育訓練の項目に対応する本テキストの該当ページは省略して御読み頂いても構いません。. 1. 関係法令及び保安規定等. 1.1  原子力安全規制等の法体系について. 原子力基本法. 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 (略称「原子炉等規制法」). ● 目的

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  1. 保安教育訓練テキスト (原子炉施設、核燃料物質使用施設等、 少量核燃料物質使用施設等、放射線施設) 東京大学大学院工学系研究科原子力専攻共同利用管理本部

  2. 大学機関等で既に放射線取扱業務従事者の教育訓練を受講している場合、受講した教育訓練の項目に対応する本テキストの該当ページは省略して御読み頂いても構いません。大学機関等で既に放射線取扱業務従事者の教育訓練を受講している場合、受講した教育訓練の項目に対応する本テキストの該当ページは省略して御読み頂いても構いません。

  3. 1.関係法令及び保安規定等

  4. 1.1 原子力安全規制等の法体系について 原子力基本法 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 (略称「原子炉等規制法」) • ●目的 • 原子力の研究、開発、及び利用を推進することによって、将来におけるエネルギー資源を確保し、学術の進歩と産業の振興とを図り、もって人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与することを目的とする。 • ●原子力委員会及び原子力安全委員会の設置 • ●日本原子力研究開発機構の設置 • ●核燃料物質、原子炉等の規制 • ●放射線障害の防止等 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律 (略称「放射線障害防止法」) 放射線障害防止の技術的基準に関する法律 原子力委員会及び原子力安全委員会設置法 独立行政法人日本原子力研究開発機構法 災害対策基本法 (万一の放射性物質大量放出等による被害に対する措置) 電気事業法 (発電用原子炉に係る規制) 道路運送車両法 (放射性物質の陸上輸送に係る規制) 船舶安全法 (原子力船に係る規制及び放射性物質等の海上輸送に係る規制) 航空法 (放射性物質の航空輸送に係る規制) 労働安全衛生法 (放射線業務に従事する労働者の安全確保に係る規制) 薬事法及び医療法 (放射性医薬品等に係る規制) 災害対策基本法 原子力災害対策特別措置法(略称「原災法」)

  5. 1.2 原子炉等規制法 目的 原子力基本法の精神にのっとり、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の利用が平和の目的に限られ、かつ、これらの利用が計画的に行われることを確保するとともに、これらによる災害を防止し、及び核燃料物質を防護して、公共の安全を図るために、精錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉の設置及び運転等に関する必要な規制等を行うほか、原子力の研究、開発及び利用に関する条約その他の国際約束を実施するために、国際規制物資の使用等に関す必要な規制等を行うことを目的とする。

  6. 1.2.1 原子炉等規制法による安全規制~法律等~1.2.1 原子炉等規制法による安全規制~法律等~ 法律 • 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 政令 • 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令 府省令 • 核原料物質の使用に関する規則 • 核燃料物質の使用等に関する規則 • 核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則 • 原子炉主任技術者試験の実施細目等に関する規則 • 文部科学大臣の指定する指定検査機関等に関する規則 • 試験研究の用に供する原子炉等の設計及び工事の方法の技術基準に関する規則 • 試験研究の用に供する原子炉等の設置、運転等に関する規則 • 試験研究の用に供する原子炉等の溶接の技術基準に関する規則 • 特定核燃料物質の運搬の取決めに関する規則 • 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の規定に基づく独立行政法人原子力安全基盤機構の溶接検査及び運搬物確認に関する省令 • 核燃料物質等の工場又は事業所の外における廃棄に関する規則 • 核燃料物質の受託貯蔵に関する規則 • 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第七十二条の三第二項に規定する原子力安全委員会への報告に関する規則 • 試験研究の用に供する原子炉等に係る放射能濃度についての確認等に関する規則 告示 • 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の規定に基づき、指定運搬物確認機関を指定した件 • 核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する技術上の基準に係る細目等を定める告示 • 核燃料物質等の工場又は事業所内の運搬に関する措置等に係る技術的細目等を定める告示 • 原子炉の設置、運転等に関する規則に基づき、口答試験を受験する資格を認める講習機関等を指定する件 • 文部科学大臣の指定する指定検査機関等に関する規制に基づき文部科学大臣が定める研修を定める告示 • 試験研究の用に供する原子炉等の設置、運転等に関する規則等の規定に基づき、線量限度等を定める告示 • 放射線業務従事者に係る放射線管理記録の引渡し機関を指定した件 • 核燃料物質等の工場又は事業所の外における廃棄に関する措置等に係る技術的細目を定める告示 • 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令の規定に基づき国家公安委員会等との関係を定める告示

  7. 1.2.2 原子炉等規制法による安全規制~組織構成~1.2.2 原子炉等規制法による安全規制~組織構成~ 平成13年1月の省庁再編に伴い、原子炉等規制法に基づく安全規制を担当する組織構成が変更された。 文部科学省 試験研究炉 原子炉の設置、運転等 研究開発段階炉(非発電用) 核原料物質及び核燃料物質の使用 これらに付随する核燃料物質の陸上輸送 経済産業省 製錬の事業 加工の事業 実用発電炉 原子炉の設置、運転等 研究開発段階炉(発電用) 貯蔵の事業 再処理の事業 廃棄の事業 これらに付随する核燃料物質の陸上輸送 国土交通省 原子炉の設置、運転等 実用船用炉 これらに付随する核燃料物質の陸上輸送等 すべての核燃料物質の海上輸送・航空輸送

  8. 1.2.3 核燃料物質及び核原料物質の使用に係る安全規制~段階的安全規制~1.2.3 核燃料物質及び核原料物質の使用に係る安全規制~段階的安全規制~ 核燃料物質の使用 核原料物質の使用 その他の核燃料物質の使用 一定の核燃料物質の使用 • 使用の許可 • 使用の許可 • 使用の届出 設計段階 • 施設検査 • 溶接検査 建設段階 • 使用の基準 • 保安規定の認可 • 保安検査等 ※ 使用段階 • 使用の基準等 • 使用の基準等 • 廃止措置計画の認可 • 配置措置完了の確認 • 廃止措置計画の認可 • 配置措置完了の確認 廃止段階 • 廃止の届出 ※特定の核燃料物質を取り扱う場合には使用段階において核物質防護措置義務等が課される。

  9. 1.3 放射線障害防止法 目的 原子力基本法の精神にのっとり、放射性同位元素の使用、販売、賃貸、廃棄その他の取扱い、放射線発生装置の使用及び放射性同位元素によって汚染された物の廃棄その他の取扱いを規制することによって、これらによる放射線障害を防止し、公共の安全を確保することを目的とする。

  10. 1.3.1 放射線障害防止法による安全規制~法律等~1.3.1 放射線障害防止法による安全規制~法律等~ 法律・政令 • 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律 • 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行令 府省令 • 登録認証機関等に関する規則 • 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則 告示 • 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行令第一条第四号の薬物を指定する告示 • 講習の時間数等を定める告示 • 設計認証等に関する技術上の基準に係る細目を定める告示 • 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行令第12条第1項第3号の放射性同位元素装備機器を指定する告示 • 変更の許可を要しない軽微な変更を定める告示 • 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則の規定に基づき記録の引渡し機関を指定する告示 • 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則第10条第2項の工場又は事業所を定める告示 • 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行令第1条第5号の医療機器を指定する告示 • 表示付認証機器とみなされる表示付放射性同位元素装備機器の認証条件を定める告示 • 放射線を放出する同位元素の数量等を定める件 • 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則の規定に基づきフレキシブルディスクの記録の方式等を定める件 • 電磁的方法による保存をする場合に確保するよう努めなければならない基準 • 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則第12条第2項に規定する工場又は事業所を定める件 • 教育及び訓練の時間数を定める告示 • 使用の場所の一時的変更の届出に係る使用の目的を指定する告示 • 放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された物の工場又は事業所の外における運搬に関する技術上の基準に係る細目等を定める告示 • 放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された物の工場又は事業所における運搬に関する技術上の基準に係る細目等を定める告示 • 荷電粒子を加速することにより放射線を発生させる装置として指定する件

  11. 1.4 原子力科学研究所放射線障害予防規定

  12. 1.5 災害対策基本法・原災法 災害対策基本法 目的 国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、防災に関し、国、地方公共団体及びその他の公共機関を通じて必要な体制を確立し、責任の所在を明確にするとともに、防災計画の作成、災害予防、災害応急対策、災害復旧及び防災に関する財政金融措置その他必要な災害対策の基本を定めることにより、総合的かつ計画的な防災行政の整備及び推進を図り、もって社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資する 原災法 目的 原子力災害の特殊性にかんがみ、原子力災害の予防に関する原子力事業者の義務等、原子力緊急事態宣言の発出及び原子力災害対策本部の設置等並びに緊急事態応急対策の実施その他原子力災害に関する事項について特別の措置を定めることにより、原子炉等規正法、災害対策基本法その他原子力災害の防止に関する法律と相まって、原子力災害に対する対策の強化を図り、もって原子力災害から国民の生命、身体及び財産を保護する

  13. 1.6 労働安全衛生法 目的 労働災害の防止のための危害防止の基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進する 事業者等の責務 • (第3条) • 事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力しなければならない。 • (第4条) • 労働者は、労働災害を防止するため必要な事項を守るほか、事業者その他の関係者が実施する労働災害の防止に関する措置に協力するように努めなければならない。

  14. 安全衛生教育 • (第59条第3項) • 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならない。 • 危険又は有害な業務として、 • (安衛法規則第36条28の2号) • 加工施設、再処理施設又は使用施設の管理区域内において核燃料物質若しくは使用済燃料又はこれらによって汚染された物を取り扱う業務 • (安衛法規則第36条28の3号) • 原子炉施設の管理区域内において核燃料物質若しくは使用済燃料又はこれらによって汚染された物を取り扱う業務 • などがある。 放射線による健康障害の防止のための具体的な措置は、電離放射線障害防止規則(以下「電離則」)に定められている。

  15. 加工施設等において核燃料物質等を取り扱う業務に係る特別の教育加工施設等において核燃料物質等を取り扱う業務に係る特別の教育 電離則第52条の6第1項の規定による特別の教育は、学科教育及び実技教育により行うものとする。

  16. 1.7 電離則 目的 事業者は、労働者が電離放射線を受けることをできるだけ少なくするように努めなければならない。 第27条(放射性物質取扱用具) 放射性物質の取扱に使用する用具にその旨を表示し、他の用途に使用してはいけない 第31条(退去者の汚染検査) 身体と衣服の汚染の検査をしなければならない 第32条(持出し物品の汚染検査) 物品を持ち出す際に汚染の検査をしなければならない 第41条の2(喫煙等の禁止) 放射性物質を吸入摂取又は経口摂取するおそれのある作業場での喫煙や飲食をしてはならない

  17. 1.8.1 保安規定(原子炉施設) 原子炉等規制法 第56条の3 使用者は、政令で定める核燃料物質を使用する場合においては、文部科学省令で定めるところにより、保安規定を定め、使用開始前に、文部科学大臣の認可を受けなければならない。 保安規定に掲げる事項(試験研究の用に供する原子炉等の設置、運転等に関する規則 第15条)

  18. 1.8.2 保安規定(核燃料物質使用施設等) 原子炉等規制法 第56条の3 使用者は、政令で定める核燃料物質を使用する場合においては、文部科学省令で定めるところにより、保安規定を定め、使用開始前に、文部科学大臣の認可を受けなければならない。 保安規定に掲げる事項(核燃料物質の使用等に関する規則 第2条の12)

  19. 1.8.3 原子力科学研究所少量核燃料物質使用施設等保安規則1.8.3 原子力科学研究所少量核燃料物質使用施設等保安規則 目的 原子力科学研究所核燃料物質使用施設等保安規定に掲げる施設以外の核燃料物質の使用施設、貯蔵施設及び廃棄施設に係る保安について定め、もってこれらに係る災害を防止することを目的とする。 • 第1章 通則(第1条~第6条) • 第2章 組織及び職務 • 第1節 組織(第7条~第11条) • 第2節 職務 • 第1款 総括(第12条) • 第2款 統括及び放射線管理に係る総括(第13条・第14条) • 第3款 使用、運転及び保守(第15条) • 第4款 核燃料物質の管理(第16条) • 第5款 放射線管理(第17条~第24条) • 第6款 放射性廃棄物の管理(第25条~第27条) • 第7款 核燃料物質等の運搬(第28条~第30条) • 第8款 核燃料取扱主任者の職務(第31条) • 第9款 委員会の職務(第32条)

  20. 1.9 保安管理体制(例.少量核燃料物質使用施設等)1.9 保安管理体制(例.少量核燃料物質使用施設等) 原子力科学研究所長 核燃料取扱主任者 使用施設等安全審査委員会 原子力研修センター長 駐在組織施設管理総括者 バックエンド技術部長 安全試験施設管理部長 ホット試験施設管理部長 研究炉加速器管理部長 工務技術部長 放射線管理部長 保安管理部長 原 子 炉 特 研 管 理 責 任 者 F N S 棟 管 理 責 任 者 ト リ チ ウ ム プ ロ セ ス 研 究 棟 管 理 責 任 者 廃 止 措 置 課 長 高 減 容 処 理 技 術 課 長 放 射 性 廃 棄 物 管 理 第 2 課 長 放 射 性 廃 棄 物 管 理 第 1 課 長 臨 界 技 術 第 2 課 長 臨 界 技 術 第 1 課 長 ホ ッ ト 材 料 試 験 課 長 未 照 射 燃 料 管 理 課 長 燃 料 ・ R I 管 理 課 長 加 速 器 管 理 課 長 研 究 炉 技 術 課 長 研 究 炉 利 用 課 長 工 務 第 3 課 長 工 務 第 1 課 長 工 務 技 術 課 長 放 射 線 計 測 技 術 課 長 線 量 管 理 課 長 放 射 線 管 理 第 2 課 長 放 射 線 管 理 第 1 課 長 環 境 放 射 線 管 理 課 長 危 機 管 理 課 長 施 設 安 全 課 長 安 全 対 策 課 長

  21. 1.10.1 保安教育(原子炉施設、核燃料物質使用施設等)1.10.1 保安教育(原子炉施設、核燃料物質使用施設等) 各項目は毎年度1回以上実施する。ただし、変更・改正があったときは、その都度、変更・改正内容に応じた時間教育する

  22. 1.10.2 保安教育(放射線施設)

  23. 1.11 記録・保存・報告 記録及び保存 施設管理者又は課長等は所掌する施設或いは業務従事者に関する記録を作成し、所定の期間保存しなければならない。 報告 原子炉設置者、核燃料使用者等は法令報告事象等が発生した場合は、その旨を直ちに、その状況及びそれに対処する処置を主務大臣に報告することとしている。

  24. 2.施設の構造、性能及び運転

  25. 2.1JRR-3(原子炉施設・核燃料物質使用施設等)2.1JRR-3(原子炉施設・核燃料物質使用施設等) JRR-3は熱出力20MW、軽水減速冷却、重水反射体を用いたプール型研究用原子炉である。 炉心部には垂直・水平方向から9本ずつの垂直実験孔(HR-1、HR-2、PN-1、PN-2、PN-3、SI、DR、SH、CNS)、水平実験孔(1G~6G、7R、8T、9C)が設けられている。 炉心部の垂直照射孔として合計9本(VT-1、RG-1~4、BR-1~4)が設けられている。 JAEAホームページ参照

  26. 2.2JRR-4(原子炉施設・核燃料物質使用施設等)2.2JRR-4(原子炉施設・核燃料物質使用施設等) JRR-4は20%濃縮ウラン板状燃料(ETR型)を用いた軽水減速冷却のスイミングプール型熱中性子炉で、原子炉の最大熱出力は3500kWである。 原子炉炉心部は炉心ブリッジから吊り下げられた炉心タンク内に収められ、水深9.8mのプール中央に置かれている。 JRR-4には照射設備として、簡易照射筒設備(Tパイプ、Sパイプ、Dパイプ、Nパイプ)、気送管照射設備がある。また、実験設備としてはプール設備、中性子ビーム設備がある。 JAEAホームページ参照

  27. 2.3JRR-3実験利用棟第2棟(主要な設備の構造、機能、性能)2.3JRR-3実験利用棟第2棟(主要な設備の構造、機能、性能) JRR-3実験利用棟第2棟(少量核燃料物質使用施設、放射線施設)は、研究炉を利用した分析化学研究及び研究炉の運転管理に関わる放射化学分析等を行うため、昭和63年に建設された。 地上1階、地下1階、延べ床面積5132m2の建家である。地上1階部分は放射性物質及び核燃料物質の取扱が可能なホット実験室で、地下1階部分が機械室となっており、ホット実験室の空調を行うための排気設備及び放射性液体廃棄物のための排水設備が整備されている。

  28. 2.4JRR-3実験利用棟第2棟(主要な設備の運転管理)2.4JRR-3実験利用棟第2棟(主要な設備の運転管理) JRR-3実験利用棟第2棟の使用、運転及び保守は下表に掲げる者が行う。

  29. 2.5JRR-3実験利用棟第2棟(主要な設備の保守管理)2.5JRR-3実験利用棟第2棟(主要な設備の保守管理) 巡視及び点検 自主検査 施設管理者は、毎月1回以上巡視し、点検しなければならない 施設管理者は、毎年1回以上自主検査を行わなければならない

  30. 2.6 異常時の措置に関すること • 原子力科学研究所の敷地内で、火災、人身事故、放射線事故等の異常事態が発生し、又は発生するおそれのあるときは臨機の措置を講じなければならない。 • 1.安全保持 • 人命及び身体の安全を第一とし、物質損耗への配慮は第二とする。 • 2.通報 • 火災及び人身事故の発見者は、付近に居る者に知らせるとともに、直ちに119番に通報後、非常用電話に通報する。 • 放射線事故等の発見者は、直ちに非常用電話に通報する。 • 尚、内線電話がない場合は、中央警備室へ直ちに通報する。 • 3.拡大防止 • 人身事故の場合には救助に努める。放射線事故の場合には、大きな危険のない範囲内で汚染の拡大を最小限にくい止める。火災の場合は初期消火と延焼防止に努める。 • 4.過大評価 • 事故の危険性は過大評価することがあっても、過小に評価することがないようにする。

  31. 事故の通報要領 異常を発見した場合は、次の要領で的確迅速に通報する • イ.いつ • ロ.どこで • ハ.どんな事故か • 放射線事故か • 火災か • 人身事故か • どんな故障か • ニ.その内容は • 発生状況 • 拡大性の有無 • 死傷者の有無 • ホ.通報者の所属、氏名 • ヘ.今後の連絡先(電話番号など)

  32. 3.放射線管理

  33. 3.1 管理区域等の区分

  34. 3.2 管理区域の入退域の管理 管理区域出入口の見やすい場所に次の設備を設置する。 第1種管理区域 第2種管理区域 第1種管理区域と同様の設備を設置する。ただし、ニ、ホ、へ、トは省略。

  35. 3.3 管理区域等の遵守事項等~その1~ 一般的注意事項 管理区域の入室時に関する注意事項 管理区域の退室時に関する注意事項

  36. 管理区域等の遵守事項等~その2~ 放射線作業に関する注意事項

  37. 3.4 一般物品の搬出管理 第1種管理区域及び低レベル区域から物品を持ち出すときは、表面密度が下表の値を超えていないことを確認後、区域放射線管理係に連絡し確認を受けること。

  38. 3.5 放射線と放射能 放射線とは 放射線とは、電磁波又は粒子線のうち、直接又は間接に空気を電離する能力をもつもの。 主なものとして、α線、β線、中性子線(粒子線)、X線、γ線(電磁波)がある。 放射能とは • 放射能には、 • ①原子核が自発的に放射性壊変して、α線、β線、γ線などを放出する性質 • ②原子核の単位時間当たりの壊変数(すなわち放射能の強さ) • という意味がある。

  39. 3.6 放射線の種類 α線 陽子2個と中性子2個からなる、ヘリウム原子核と同じ構造を持つ粒子。+2価の電荷をもち、電離作用が強い。 透過力は弱く、紙一枚でも遮ることができる。 β線 β壊変により放出される電子(β-線)や陽電子(β+線)の流れ。普通β線という場合はβ-を示す。 透過力は比較的弱く、アルミニウム板や薄い金属板、厚いプラスチック板で遮ることができる。 γ線 励起状態にある原子核が、より安定した状態に遷移するときに放出する電磁波。 γ線は電磁波の一種で、透過力は強く、鉛やコンクリートなどで遮蔽する。 X線 電磁波の一種で高速の電子を金属に衝突させ、発生させる。 γ線と同様に透過力が強いため、鉛で遮蔽する。 中性子線 中性子の流れで、電荷を持たない。 透過力が非常に強く、水やパラフィン、厚いコンクリートなどで遮蔽する。

  40. 3.7 放射線の透過力

  41. 3.8 放射線の単位 ベクレル[Bq] • 放射能の量の単位。1Bqは1秒間に1個の原子が崩壊することを意味する。以前はキュリー(Ci)という単位が使用されていた。 • 1Ci=37GBq 電子ボルト[eV] • エネルギーの単位。電荷が1の電子等が1Vの間を移動したときに得るエネルギー。 • 1eV=1.6×10-19J グレイ[Gy] • 吸収線量の単位。吸収線量はある物質が1kg当たりに放射線から与えられたエネルギーの量を表す。 • 1Gy=1J/kg シーベルト[Sv] • 線量当量の単位。線量当量は放射線の種類による生物に対する影響の違いを加味して、同じ数値なら同じ生物学的影響を与えるようにしたものである。 • 線量当量[Sv]=吸収線量[Gy]×線質係数 • 線質係数は放射線の種類による生物学的な影響の強さを表す。

  42. 3.9個人線量計の種類と測定範囲

  43. 3.10 放射線検出器 主なγ(X)線用サーベーイメータの種類と測定範囲

  44. 線量当量率測定用サーベイメータ 電離箱式 シンチレーション式 GM管式

  45. 表面汚染検査用サーベイメータ α線用シンチレーションサーベイメータ β・γ線用GMサーベイメータ

  46. 3.11 放射線等の防護

  47. 3.12 放射線モニタリング 放射線を定期的に又は連続的に測定監視することを放射線モニタリングという。 放射線業務従事者や施設周辺住民を放射線障害から守るために、原子力発電所等では管理区域内の線量当量率や汚染の状況、施設から放出される気体状や液体状の放射性物質の濃度などを測定し、放射線防護基準と比較して安全な状況が維持されていることを確認している。 放射線モニタリング 管理区域の設定 空間線量率の設定 表面汚染の測定 空気中の放射性核種の濃度測定 水中の放射性 核種の濃度測定

  48. 放射線モニタリング(実際のマップ)

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