300 likes | 495 Views
授業内容: 大気中の物質はその物理化学的特性に応じて、地球の放射収支、大気質、物質循環の担い手として地球システムに多大な影響を与えている。本講義では、まずこれらの大気中の物質の役割を概観し、また大気化学反応の基礎を学ぶ。そして成層圏・対流圏の大気化学の中心であるオゾンについて、そのグローバル分布と、その分布を支配する放射、輸送、光化学反応、除去過程について論ずる。またオゾンに関連する各種のラジカル成分についても概説する。大気中の気体物質の観測手法についても触れ、大気環境変動研究に関する最新の知見を概説する。. 大気海洋物質科学 I. シラバスには上のようにあるが、
E N D
授業内容: 大気中の物質はその物理化学的特性に応じて、地球の放射収支、大気質、物質循環の担い手として地球システムに多大な影響を与えている。本講義では、まずこれらの大気中の物質の役割を概観し、また大気化学反応の基礎を学ぶ。そして成層圏・対流圏の大気化学の中心であるオゾンについて、そのグローバル分布と、その分布を支配する放射、輸送、光化学反応、除去過程について論ずる。またオゾンに関連する各種のラジカル成分についても概説する。大気中の気体物質の観測手法についても触れ、大気環境変動研究に関する最新の知見を概説する。 大気海洋物質科学I シラバスには上のようにあるが、 都合により、順序として 1.大気の基本構造と対流圏における輸送 2.大気の放射過程(放射収支、温室効果) 3.成層圏における輸送 4.化学反応の基礎 5.成層圏オゾン(化学反応、極域オゾン、経年変化など) 6.対流圏オゾン(化学反応、グローバル収支、都市大気化学) 7.対流圏ラジカル(窒素酸化物、水素酸化物、VOC、ハロゲン) 8.対流圏硫黄化合物 9.エアロゾル 10.大気環境問題と今後の大気化学、レポート課題説明
0章:始めに(大気の基本的な構造と物質) 0章:始めに(大気の基本的な構造と物質) 図は、圧力,密度、および温度で、地球の標準大気と呼ばれる全球平均の鉛直構造を示している. 圧力p,密度ρについて高さとともにexp( -z/H)的に減少、 静力学平衡と理想気体から 高度 地表は約290Kになっていて,それから温度勾配約6.5K/km程度でほぼー様に減少 T(z)=T(0)−Γz 約11kmまで(全球平均で) <ー対流圏この領域では水とからんだ対流が起こる 11〜20km はほぼ等温的な層(安定な大気)になっている.11kmあたりからを成層圏ー>より高い層は高度とともに温度上昇(オゾンによる大気加熱) 対流圏と成層圏の境界は対流圏界面と呼ばれる、2℃/km以下の温度減率がおこる最低のlevelが対流圏界面:極域では約9km,赤道域では約16km 約50km〜約85kmは中間圏、高さとともにゆるやかに温度降下
物質的に大気をみると: 主成分の窒素、酸素については、気象学ではよく混ざっているとして1つの流体として取り扱う ー>運動の様子(風)を議論 水蒸気の凝結;気象学のメインテーマであろう 化学物質は幾つもあって、また観測結果もいっぱいあって、、、ですが;ここの話は スケールの大きな運動の様子を概観して、 流体粒子や放射性物質が輸送の確認として使われている 温暖化物質として重要である、寿命の長いCH4 比較的寿命の長い物質であるCO 最後に大気汚染の代表としてのオゾンを例示する 1章、3章では全球的物質輸送の問題をあつかう 大気の成分 CH4 10-6(ppmv) 成層圏オゾン(に関わる輸送については3章で) 大気微量成分の平均的な高度分布
第1章:輸送方程式と化学物質 1−1:輸送方程式 運動にからむ基礎方程式を述べることにします。詳しくはHolton の An Introduction to Dynamic Meteorology 等を参照。式だけ書いておきます.連続体近似として、流体力学の方程式によって流体の運動を議論する。 基本の式が数個である ー>大気を連続媒体と見なして場の変化の方程式を作る。そこでは,大気の運動を表す流体の速度が必要である。これはv = v ( x, y, z, t )と表され、場の関数である。さらに2つの熱力学量が必要である。例えば圧力p = p ( x, y, z, t ) と密度ρ = ρ( x, y, z, t )が必要である。この5つの量で流体の状態は完全に決定されると書いてある。それで例えば温度T = T ( x, y, z, t )は状態方程式から決まる。 高度100km程度までは空気はよくまざっていて、1つの密度、圧力であらわす。 ー>オゾンなどはあとで別にあらわす 夏季の海面気圧場(hPa)を示す、高気圧や低気圧が場として表現 2002年9月25日の全オゾン分布 大気化学成分の1つであるオゾンなども場の関数として現すとわかりやすいかも? 2002年は変動パターンが普段と異なる
輸送(運動)にからむ基礎方程式を書いておきます. 輸送(運動)にからむ基礎方程式を書いておきます. オゾンなどの化学成分の輸送としては、成分の連続の式が増えていく (右図は全オゾンの場の1例) 具体的な方程式 連続の方程式(大気全体) (1) 運動方程式(東西、南北、鉛直方向)は種々の近似をして以下のよう (2) 2003年9月11日のオゾンホール(全オゾンの分布) (3) 現状の、全球をあつかう大気大循環モデル(GCM)では静力学平衡になっている (4) 理想気体(大気)の状態方程式、 R = 287 J / kg / K (5) 熱力学の方程式: (6) cpは定圧比熱 ( = 1004 J / kg / K ) 断熱運動では温位が保存される。 変形して-> 水蒸気の式(混合比の保存)
個々の大気中物質(例えばオゾン)の体積混合比 について 例えば、Muller and Brasseur(1995)から 1−2:化学物質輸送 混合比が保存するように運動している式となる(分子拡散は無視) この式に、化学変化として右辺に生成/消滅の項を付け加えることで、物質循環を議論すればいいであろう。 生成/消滅は化学反応として、あとで議論される。 大気へのソースとしての、地表からのemissionや地表へのdeposition 輸送問題としての1つの方法: 直接表現できるスケールの運動とそれからのずれの運動が、分離されてよく議論される(例えば、通常のGCMでは、対流は直接表現されていない)。 のような形を仮定して、表現できるスケールの運動とずれを区別する。上式に代入して、表現できるスケールの変動の式を導くと、 のような式が導かれる。この右辺のずれの積の項をどのように評価するか? が問題ごとに変わる; 一番簡単な例は分子拡散をまねて、乱流による輸送を拡散の形に仮定するものがある。 結果的に、ある場所の物質の変化の式は オイラー的時間変化 = 輸送の詳細 +化学過程
前ページの方法を全球的な物質輸送の問題に適用すると、以下のようになるであろうか。前ページの方法を全球的な物質輸送の問題に適用すると、以下のようになるであろうか。 (小規模現象の輸送を扱う時は対流まで陽に表現で、乱流による輸送をパラメータで表現) オイラー的、その場所の物質変化=輸送+化学過程で 右辺の輸送としてはスケールで分けてー> 大循環 + スケール小の対流など + 乱流輸送 大循環による輸送はたとえば、大循環モデル結果の風を用いたり、 ECMWFデータのように、モデルに観測データを同化して求めたものでもいいであろう。 例:我々のところで物質循環に用いている 大気大循環モデルは T42(全球的な波の数) 2.8x2.8度程度の分解能の粗いモデルである。(約250km ) 低気圧などは、まあ分解可能であろう; 数千キロだから直接表現 惑星波動これもいい 10000km 上記の運動は表現可能 大循環モデルで explicit にもとめるー>その風でモノが流れる メソ現象は表現が出来ていない T106では100kmの分解能になる メソα現象が表現される 化学気候モデルにはほとんど未使用、ECMWFデータのような風を用いた輸送モデルでは、最近T106くらいが使われるようになった 対流(別の項で) 対流時間 数時間でおこる ー>あらいモデルでどのように表現するか? 乱流輸送 乱流理論を使いパラメータ表現、モデル結果のみ 輸送を分けてみると: 水平輸送 鉛直輸送
1ー3:大循環のようす 大循環のようすを説明するのが大気大循環論(熱輸送のみでなく、角運動量、水の循環も含めて)だろう それぞれがconsistentなように決まる それぞれの保存則があって (角運動量、エネルギー、水) <ーすべてはお互いに、例えば速度場などを通じて関係している。 ー> その中で:赤道域と中高緯度の運動の振舞いが異なるよう。 赤道域は水平収束的なものが特色のよう 中高緯度は水平的な渦が特色のよう (気象学で詳しく語られている) 1月平均、上層300hPaの高度場、ほぼ地衡風バランス <ー 月平均された地表面気圧と風の概要
東西に平均した子午面循環と擾乱 熱帯域で上昇流(場所は季節で移動)、30度あたりは下降流なるHadley循環 中緯度高低気圧の様子 Hadley 循環やRossby循環(傾圧波動が卓越) Walker循環のように熱帯の東西移流や 中緯度の惑星波動による水平移流など 対流の集合 北半球 東西に平均した子午面循環 対流、等温位面、流体粒子の流れの模型図
結果としての、緯度高度温度図 緯度/高度を決めて,東西方向に地球を—周した平均の図:93年の1月の平均を示す。 実線が温位θを、点線が温度である。 緯度で異なる対流圏の高さ 圏界面 図から想像できるように、 は成層圏で大きい(より安定)、 は浮力振動数2と呼ばれる 対流圏/成層圏の区分の概念図 ー>成層圏での輸送は3章で 熱帯域と中高緯度とは力学過程が異なる様相 物理的には温位の方が力学的に断熱で保存則をみたす点で重要かー> 力学を考えると 断熱運動のとき、 とすれば流体は等温位面を動きやすい? 図 ー>中緯度で対流圏と成層圏がcrossしている。 一方、熱帯対流圏では が重要 Holton et al. (1995, Rev. Geophys.)から
水の循環 水的には赤道域の水蒸気が極方向へ移流される? 対流が決定的 ー>あらいモデルでの表現 降雨、蒸発、水蒸気輸送の緯度変化 全球の降雨のようす、北半球冬 東西に平均した水蒸気の南北高度分布(g/kg)
Emanuel and Pierrehumbert,1996, NASA ASI : 315Kと330Kの等温位面上の水平的流体粒子の動き、初期条件:3月1日から10日たったあと。 大きなスケールの運動による輸送はたとえば、大循環モデルを用いた風や、ECMWFデータ(モデルに観測データを同化して求めたもの)の風で表現されるであろう。 1−4:手法(オイラーとラグランジュ) 315 オイラー的な方法では の式を直接積分することになる。 例:GCMで再現された6月での水蒸気fluxと降雨(水蒸気は大循環で流されている。オイラーの式を解いた結果。ただし、降雨の方は対流のパラメータが導入されている)、Kawatani and Takahashi, 2003, J. M. S. J. 320 南北には拡散的か 350 320 等温位面:成層圏-->対流圏に 別の方法:流れにのって、空気粒子を追いかけてみる、Lagrange的方法がある。
30日後 傾圧波動にともなう流体粒子の3次元的動きをみてみよう:木田, 1977, J. M. S. J. (水過程は入っていない) 10日後 200mb 10日後 200mb高度の、様々な緯度にモノをおいた例: 全体的には下降している(重心の運動) また45-60度あたりのは南北に大きく広がっている、これは傾圧波動による移流のせいである。だいたい等温位面をうごいている、水がないので、等温位面をcrossするように動く。 20日後 オイラー平均子午面循環
下図は、ある期間のCOの濃度分布、右図はどこからきたかの起源の場所を決めるため、粒子の動きをLagrange的にみたもの下図は、ある期間のCOの濃度分布、右図はどこからきたかの起源の場所を決めるため、粒子の動きをLagrange的にみたもの どこから来たかを求める: Blake et al. 高度別 CO 9.2km 1.5km 4.2km Aircraftによる観測、96年、8月ー10月の観測、PEM-Tropics A 10日前まで;高度ごとにはいろいろな所から来ている、中層はアフリカから
1−5:大気大循環モデルの中の対流による輸送について1−5:大気大循環モデルの中の対流による輸送について 平均的な流れによるものに加えて、 の右辺を評価することになる。 対流は細かいスケールでおこっている。その対流は水のみでなく、微量成分の鉛直輸送で非常に重要である。 1つのパラメータ例: Mass fluxを と定義する。 質量flux だからM≡ -ω/g〜ρw Yanai et al. (1973) 図は2次元の対流が表現可能なモデルによる、DMS(硫化ジメチル、(CH3)2S)の鉛直分布を示す。中層の多いところは対流により輸送されていることを示す。Wang and Prinn, 1998, JGR これを2つにわける(雲によるものと周りの平均) は積雲によるMass fluxである。 はまわり(環境)のMass fluxである。 水平面での雲のFractionを とすると(対流雲の部分でこれは小さい値とする) ー> 一方、GCMでは対流の効果をパラメータとして扱っている。 すなわち、 と表される。
結果として、 物質の大きな領域の平均は で、 は小さいから、 (環境の値)とおいてよいであろう。 今の場合、平均的な物質変動が普通のGCMでは表現できない雲対流によるMass fluxによる移流できまる。 温度(乾燥静的エネルギー s= cpT+gz)と水蒸気については、 また、 だろうから となる。だから のような形になる。右辺の1項は蒸発の項である。 はcondensation は蒸発 次に雲のバランスを考える:(実際は個々の雲であるが区別しない、1つを代表として) 雲の式を使って形をかえる 雲についての質量保存から 蒸発は と仮定すれている。ここで は雲水量である。 大問題は雲対流のMass fluxを如何にきめるかであるが(対流のパラメータ化)、 −>例えば、Arakawa and Schubert(1974) −>オゾン輸送の例を最後に はエントレインメント率、 はデトレインメント率と呼ばれる。 また、雲にともなう物質の保存から
東西輸送の時間スケール 3x107m/20m/s =1.5x106s=17days程度 東西輸送: 1−6:輸送の確認 上層の西風により物質が東に流されている様子、7月平均、38Nにおける222Rn (e-folding timeは5.5日)分布、ソースは土壌 東西平均の東西風の様子<ー南北の温度差と温度風の関係で JJA(夏)平均の、東西風の緯度高度図 Jacob and Prather, 1990, Tellus、気象場はGISS-GCMが使われている 夏のアメリカ西大陸上dry convection が大事と書いてある ー>観測されたある場所の鉛直分布などで確認される JJA、200hPaでの東西風分布
850hPa 南北両半球の交換について 地表面気圧と対応した流れ その後、6月と12 月でどんなふうに広がるかをみたもの、勾配の大きいところが移動するが、長い間存在している、半球交換時間は1年と評価されている。 1月に東西一様な仮想的物質をまぶし、赤道域に南北勾配を与え、その後、流れによってどのように物質分布が変動するかをみたもの、1月の変化、Taguchi, 1993, JMSJ
南北輸送と鉛直輸送 Muller and Brasseur, 1995, JGR 鉛直輸送の確認:鉛直拡散と対流輸送(パラメータ化は別方法)の効果が入っている。 大規模場による輸送(ECMWFデータから)および水平拡散 ー> 南北輸送の確認 ITCZ, 半球間の交換時間は1.1年と書いてある Kr85(寿命15年)の表面での緯度分布(dashが大西洋観測、実線がモデル結果(30W)):北半球が多く、南半球はすくない 夏の大陸上のRadon222(半減期3.2日)の鉛直分布
対流圏の中で運動的には 対流を伴うHadley循環や傾圧波動なるものが働いており、 それに化学過程などが絡む問題 -> 物がどのように存在 観測が行われている <ー> モデルによる説明研究 物質はいっぱいあって、、、 <ー ここでは比較的多い物質を主に議論する 1−7:化学物質の全球分布 1:メタンについて CH4は0.5 W/m2の放射強制力 CO2は1.5 Hydrocarbon=0.5 indirect= -1.5対流圏オゾンも0.5W/m2 ー>ここでは物質分布について 対流圏微量成分 IPCC 2001 メタンの反応例(NOxが多い):Crutzen and Zimmermann, Tellus, 1991 CH4 + OH -> CH3 + H2O CH3 + O2 + M -> CH3O2 + MCH3O2メチルぺルオキシド CH3O2 + NO -> CH3O + NO2CH3O メトキシ CH3O + O2 -> HCHO + HO2CH2O ホルムアルデヒド NO + HO2 -> NO2 + OH NO2 + hv -> O + NO x2 O + O2 + M -> O3 + M x2 ---------- CH4 + 4O2 + hv -> 2O3 + HCHO + H2O CH4寿命は10年程度
他のも含めて全体emissionとして 状況変化でsourceが変わりー>分布という問題 CH4 emission 485 Tg/y photo destruction -397 (計算結果) deposition -8.5 --------------------------------------------------------- 79 Tg/y -> 1.7% /y 程度の増加 ソースとしてのメタンemission: emission 内訳(かなり幅があり) Tg/y : 大気化学入門、Jacob から 東西に平均したemission 幅 ー> 評価の問題 Muller and Brasseur, 1995, JGR
メタン分布(モデルの結果): 地表のCH4: 6月 Muller and Brasseur(1995) 2ppmv : 北アジア? むしろインドにピーク 最大 rice paddies, cattle ヨーロッパ、東アメリカ coal mining, gas leak, waste disposal 別のモデルである、NCAR気候モデルをベースにしたMOZARTのメタン分布 (South Poleからのずれ) T=180days, sigma=0.98 MOZARTのメタン放出 Hauglustaine et al., 1998, JGR Brasseur et al., 1998, JGR
2: OHについて OHは少ない量ではあるが、化学反応で非常に重要な物質であるので、見ておこう。 東西平均したOH分布、7月 O3 + hν(310nm以下)-> O(1D) + O2 H2O + O(1D) -> 2OH モデル結果:地表のOH、7月3日、6GMT H2Oがメインのソースであり、光解離で作られるので、日のあたり具合でおおよそ決まっているよう。
COの破壊反応について:Crutzen and Zimmermann, Tellus, 1991 CO + OH -> CO2 + H H + O2 + M -> HO2 + M HO2ヒドロぺルオキシド NO + HO2 -> NO2 + OH NO2 + hv -> O + NO O + O2 + M -> O3 + M ----------------------------------- CO + hv + 2O2 -> O3 + CO2 3:COについて COの化学的寿命は CO+OH (k=10-13 ) x106 =10-7100日程度 CO emission分布、7月: Brasseur et al., 1998 MAZARTの見積もりでは emission: 1219 Tg-CO/yr 光化学生成:881 -> total source :2100 光化学破壊:1730, dry=190 net sink=1920 chemical 生成: (例:メタン酸化ー>ホルムアルデヒドー>CO) CH2O + hν ----> H + CHO (≦350nm) H + O2+M ----> HO2 + M CHO + O2 -----> CO + HO2 ---------- CH2O + 2O2 ----> CO + 2HO2 Sudo et al., 2002, JGRでは emission: 1227 Tg-CO/yr 光化学生成:1574 -> total source :2801 破壊:2610, dry=133, net sink=2743 STE= 191
時間変化:冬は破壊されないから多い、春に最大時間変化:冬は破壊されないから多い、春に最大 結果としてのCO分布: 1月の表面のCO分布 ○は観測、 □がモデル 南半球は9、10月ころ最大 7月のCO 熱帯域のCO分布の1例: 1994年の10月の観測でのCO分布(MAPS)、この年はENSOがあり、バイオマスバーニングが多かったよう 一方のモデル結果は、この場合少ないCOを再現している。 ー>emissionの評価、およびこの年の気象場ではない(モデル気候値) 3-10km(500mbがpeak)のCO
Shindell et al. 現状のモデルのCO結果:世界のいくつものモデルを集めて、モデルのperformanceをみるー>さらに予測 Global量(ppbv) Grey=no data 衛星観測 モデル平均 上図はMOPITTと呼ばれる衛星観測の結果で2000年の4月と10月の500hPaでの分布、下図は多くのモデルの平均で見積もられたCO分布。モデルの北半球でのunderestimateが目立つ -> COのemissionがロシアで増えているのでは、と言われている。
補足: CHASERのNOXについて 昼間のNOの観測との比較
Hauglustaine et al., 1998, JGR 1−8:オゾンについて 成層圏からの流入 7月の地表オゾンの結果例:主に化学反応により決まる 対流圏オゾン化学の略図 オゾン生成の1例(前出): CH4 + OH -> CH3 + H2O CH3 + O2 + M -> CH3O2 + M CH3O2 + NO -> CH3O + NO2 CH3O + O2 -> HCHO + HO2 NO + HO2 -> NO2 + OH NO2 + hv -> O + NO x2 O + O2 + M -> O3 + M x2 ---------- CH4 + 4O2 + hv -> 2O3 + HCHO + H2O 1月の地表オゾン
成層圏からのオゾン流入 左図は1つのイベント例であるが、このようなものの集積の結果として、 中緯度高低気圧の様子 MOZARTの結果、7月で東西平均したもの、成層圏から流入しているいるようにみえる 成層圏から対流圏への流入量の見積もり例: MOZART:成層圏から391Tg/y、化学生成ー消滅=507Tg/y CHASER:成層圏から593Tg/y、化学生成ー消滅=397Tg/y 対流圏オゾン量(DU単位)の分布図, Fishman and Balok, 1999, JGR
ENSOにともなうオゾン偏差の分布: Sudo and Takahashi, 2002, GRL 対流圏オゾンの気候値 オゾン偏差の経度高度図と、下図の色がmass fluxのanomaly(差)、一方、矢羽根は大規模場の流れ偏差、 NOX, COなどもインドネシア域で増加 輸送の効果により、インドネシア域のオゾン増加の半分くらいは説明できる。残りはバイオマスバーニングの変化であろう 1997年、ENSO時におけるオゾンの偏差(’96からの差)、上は衛星データから、下は化学モデルの結果、ただし、モデルでの微量成分の放出は96,97は同じものを使っている。 個々の問題はいっぱいあるが、、、、