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日 本 語 文 法 講 座 第一章 概説. 上海外国語大学 日本文化経済学院. 言語の分類. 世界中には 3、000 から 10,000 の言語があると言われている。古典的な分類では、これらの言語は、語の形 ( 形態的な面 ) や、語順や活用 ( 構文的な面 ) から、 孤立語 、 屈折語 、 膠着語 、 抱合語 に分けられる。ただし、すべての言語がどれか一つに属するわけではなく、一つの言語が複数の特徴をもつ場合もある。日本語は膠着語であるが、屈折語の特徴も併せもっている。. 各種の言語の特徴( 1 ). 孤立語 語形変化せず、主として単語の位置で文法上の関係を示す。
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日 本 語 文 法 講 座第一章 概説 上海外国語大学 日本文化経済学院
言語の分類 世界中には3、000から10,000の言語があると言われている。古典的な分類では、これらの言語は、語の形(形態的な面)や、語順や活用(構文的な面)から、孤立語、屈折語、膠着語、抱合語に分けられる。ただし、すべての言語がどれか一つに属するわけではなく、一つの言語が複数の特徴をもつ場合もある。日本語は膠着語であるが、屈折語の特徴も併せもっている。
各種の言語の特徴(1) • 孤立語 語形変化せず、主として単語の位置で文法上の関係を示す。 例:中国語 ヴェトナム語 サモア語 • 屈折語 語形を変化させて文法上の関係を示す言語。 例:ラテン語 ギリシャ語 アラビア語
各種の言語の特徴(2) • 膠着語 文法上の関係を表すものを他の語に添えて示す言語。 例:日本語 朝鮮・韓国語 トルコ語 • 抱合語 品詞の異なる語幹がつながって、(文に相当するような)一つの単語が作れるような言語。膠着的な特徴と屈折的な特徴を併せもつ。 例:エスキモー語
英語はどのような特徴を持つ言語か 英語は、孤立的、屈折的、膠着的な面を併せもっている。 孤立的な面:語形を変えずに、単語の位置(語順)で文法上の関係を示す。 The teacher will meet the student. The student will meet the teacher. 屈折的な面:語形を変化させて、文法上の関係を示す。 She feels happiest when she is reading. 複合語を作る際には膠着的な面も見られる。 anti-dis-establish-ment-arian-ism (国教廃止条例反対論)
日本語はどのような特徴を持つ言語か(1) 日本語は、基本的には膠着語である。 • 私は学生だ。 • 学生に教える。 • 学生の私には高すぎる。 見方によっては屈折的な面も考えられる。 • すぐ会社に戻るよ。 • 田中さんはすぐ会社に戻った。
日本語はどのような特徴を持つ言語か(2) 日本語は、SOV言語である。 • 先生は学生に会う。(SOV) • The teacher will meet the student. (SVO) • 老师将和学生会面。(SVO) 連体修飾節と連用修飾節の相互転生により、日本語の文は基本的には長さに限界がない。 • 私が泊まっている寮の隣にあるデパートで行われたセールを見に行った田中さんの話によると、
日本語はどのような特徴を持つ言語か(3) 日本語は「左枝分かれ」言語である。 例:寮の隣にあるデパートへ行った。 S NP VP S NP 行った NP VP デパートへ NP NP ある 寮の 隣に
日本語はどのような特徴を持つ言語か(4) 一方、中国語は「右枝分かれ」言語である。 例:我去了宿舍旁边的百货商店。 S NP VP 我 VP NP 去了 NP N 宿舍旁边的 百货商店
日本語はどのような特徴を持つ言語か(5) ちなみに、英語も「右枝分かれ」言語である。 例:I went to the department store near my dormitory。 S NP VP I VP NP went to NP S VP NP the department store near my dormitory
言葉の単位とその組み立て方は一般的に次のように整理される。それに応じる各研究分野は右に示されたとおりである。 言葉の単位とその組み立て方は一般的に次のように整理される。それに応じる各研究分野は右に示されたとおりである。 文法研究の分野と単位 単位 研究分野 文章、談話 文章論、テキスト学 文 構文論、シンタクス 文法論 文節 単語 形態論 形態素 音節 音素
近代の日本語の文法論のうち、特によく取り上げられる五つの文法論を中心に、文法研究の流れを簡単に整理すると次のとおりである。 近代の日本語の文法論のうち、特によく取り上げられる五つの文法論を中心に、文法研究の流れを簡単に整理すると次のとおりである。 日本語文法研究の流れ 文法研究 代表作 大槻文法 大槻文彦1897「広日本文典」 松下文法 松下大三郎1928 「改撰標準日本文法」 山田文法 山田孝雄1908「日本文法論」 橋本進吉1934「国語学要説」 橋本文法 時枝誠記1941「国語学原論」 時枝文法