150 likes | 378 Views
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察 物質のギブズエネルギー,とくにその モルギブズエネルギー G m を基礎とする 本書全体にわたって,きわめて重要な役割 ⇒ μ ( ミュー ) : 化学ポテンシャル (chemical potential) ・1成分系 G m = μ ・一般的な定義: 第5章
E N D
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察 物質のギブズエネルギー,とくにそのモルギブズエネルギー Gmを基礎とする 本書全体にわたって,きわめて重要な役割 ⇒ μ (ミュー): 化学ポテンシャル (chemical potential) ・1成分系 Gm=μ ・一般的な定義: 第5章 系にいろいろな変化をもたらすときその物質が示すポテンシャル (潜在能力)を反映 ・本章(第4章) 物理変化 ・第7章 化学変化
4・4 平衡の熱力学的な基準 ◎ 熱力学の第二法則 熱源から熱を吸収して、それを全部仕事 に変換するだけで、他に何の結果も残さ ない過程は実現不可能である. (p.77) ⇓ 平衡では物質の化学ポテンシャルは相が いくつあっても,試料全体を通じて同じで ある.
μ1 化学ポテンシャル μ2 微小な物質量 dn μ1 > μ2⇒ dG < 0, G減少 自発変化 μ1 = μ2⇒ dG = 0, G一定 平衡 -μ1dn移動後の G+μ2dn 前変化 dG= (μ2- μ1)dn
4・5 安定性のいろいろな条件への依存性 ◎ 低温での化学ポテンシャル 固相が最低 ⇒ 固相が最も安定 (極端な低圧下以外) ◎ 化学ポテンシャルの温度依存性 相によって異なる ⇒ 他の相が最低になることが可能 ⇒ 自発的な相転移 (※速度論的に可能であれば)
相の安定性の温度依存性 ◎ ギブスエネルギーの温度依存性 (p.108) 系のエントロピー 純物質の化学ポテンシャルは その物質のモルギブズエネルギーと等しい すなわち μ=Gm よって ・Sm> 0 より、温度↑ ⇒ 化学ポテンシャル↓ ・μvsTプロット 負の勾配 ・Sm(g) >Sm(l) > Sm(s) より、 勾配 気体 > 液体 > 固体
(b) 外圧に対する融解の対応 固体物質を加圧 ⇒ 通常の物質 融解温度 上昇 水(氷) 融解温度 低下 圧力による融解温度の変化 より、 Vm(l) > Vm(s) Vm(l) <Vm(s) 通常物質 水
体積:m3 密度:g cm-3⇒ kg m-3 圧力:kPa, hPa, MPa, bar, mbar, Torr, mmHg… ⇒ Pa モル質量: 分子量(g mol-1) ⇒ kg mol-1 エネルギー:mJ, kJ, cal, eV… ⇒ J (μ : J mol-1 ) 数式に数値代入して計算する際の注意点 SI単位系にそろえて代入すること! 長さm, 質量kg, 時間s, 物質量mol, 温度K (電流 A, 光度 cd)
補 足 T 一定のもとでdμ = Vmdp μ2- μ1=Vm(p2- p1) Δμ = VmΔp = (質量密度) = (モル質量) / (モル体積) ρ [kg m-3] = M [kg mol-1]/ Vm [m3 mol-1] ⇒ Vm = M / ρ
(c) 蒸気圧に対する圧力の効果 ◎ 凝縮相に加圧 ⇒ 蒸気圧が上昇 (分子が凝縮相から搾り出されて気体として逃げ出す) ◎ 圧力のかけ方 ・凝縮相を力学的に圧縮 ・完全気体で圧力をかける 蒸気圧 = 凝縮相と平衡にある蒸気の分圧 (その物質の蒸気分圧) ◎ 気体溶媒和 気相の化学種に分子がくっつく過程 液体から分子をひきつけ気相へ連れて行く ◎ 外圧 ΔPをかけたときの蒸気圧力 pと 外圧がないときの液体の蒸気圧 p* の関係
根拠4・1 加圧された液体の蒸気圧 ◎ 加圧した液体の蒸気圧の計算 平衡では液体と蒸気の化学ポテンシャルが等しいので、 μ(I)=μ(g) 平衡が保たれているとき、μ(l) の変化はμ(g) の変化と等しくなければならない よって dμ(g)=dμ(l) 温度を一定として液体にかかる圧力 PがdPだけ増加すると、 液体の化学ポテンシャルは dμ(l) =Vm(l)dPだけ変化する 一方,蒸気の化学ポテンシャルの変化は dμ(g) =Vm(g)dpである (dp: 求めようとしている蒸気圧の変化) 蒸気を完全気体とし,モル体積を Vm(g)=RT/p で置換すると、 蒸気と液体の化学ポテンシャルの変化を等しいとおけば、
積分区間(境界条件)がわかれば積分可能 積分区間(境界条件)がわかれば積分可能 液体を加圧しなければ、液体が受ける圧力 P = p* (ふつうの蒸気圧) このとき蒸気相の圧力 p = p* すなわち、積分区間の開始点は両辺ともp* 蒸気相の積分区間の終点は p (求めるべき蒸気圧) 液体にさらに外圧 ΔPを加えると、P = p +ΔP となるので、 液相の積分区間の終点は p +ΔP となる ここで、蒸気圧に対する外圧の影響は非常に小さいので p = p* と近似でき、終点を p* +ΔPと表すことができる。よって、
= 7.305×10-3 = ln (p / p*) 水 (H2O)@25℃ HO M = (1.01×2 + 16.00) = 18.02 [g mol-1] = 18.02×10-3 [kg mol-1] ρ= 0.997 [g cm-3] = 997 [kg m-3] Vm(l) = M× (1/ρ) [m3 mol-1][kgmol-1][m3 kg-1] 1 = (18.02×10-3) / 997 = 1.807 ×10-5 = 1.81×10-5 [m3 mol-1]