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( 中性子イメージング専門研究会 2011/1/7). 中性子ブラッグエッジ透過分光法による 引張鉄板の歪・組織のその場観察. ( 北海道大学 ) 加美山隆、佐藤博隆、鬼柳善明 ( 茨城大学 ) 岩瀬謙二 ( 原子力機構 ) ステファヌス ハルヨ,相澤 一也,高田 慎一、伊藤崇芳. ブラッグエッジ透過分光イメージング. ブラッグエッジ透過分光イメージング PSD を用いた透過測定により、 ブラッグエッジスペクトル の 2 次元実空間分布が一度に測定可能。 = 歪分布・結晶 組織情報分布 の可視化に優れる。. 本研究の目的.
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(中性子イメージング専門研究会 2011/1/7) 中性子ブラッグエッジ透過分光法による引張鉄板の歪・組織のその場観察 (北海道大学) 加美山隆、佐藤博隆、鬼柳善明 (茨城大学) 岩瀬謙二 (原子力機構) ステファヌス ハルヨ,相澤 一也,高田 慎一、伊藤崇芳
ブラッグエッジ透過分光イメージング ブラッグエッジ透過分光イメージング PSDを用いた透過測定により、ブラッグエッジスペクトルの2次元実空間分布が一度に測定可能。 =歪分布・結晶組織情報分布の可視化に優れる。 本研究の目的 J-PARC中性子源を用いて、実際の負荷による歪・組織の変化に関する情報をブラッグエッジ透過法により探る。 中性子分光型ラジオグラフィ 広い空間領域上の中性子透過スペクトルを一度に測定→ スペクトルの解析により、画像上には現れない情報を非破壊で可視化する。 実際の空間と対応した結晶構造、組織、歪、核種、温度、….の分布
工学材料回折装置 「匠(TAKUMI)」 透過測定用検出器:256ピクセル型飛行時間分析幅:5μs 試料-検出器間距離(L2):0.09m(90mm) 透過測定配置 スリット幅:幅20mm、高さ40mm(全開) 位置分解能:3mm×3mm 測定時間:3時間/回 試料厚み方向の情報が得られる。(回折配置のNorth方向と等価) J-PARC MLF BL19 工学材料回折装置「匠」 陽子ビーム出力:120kW中性子源:高分解能型水素減速材(20K) 繰り返し周波数:12.5Hz(中性子波長7.9Å付近まで利用可能) 減速材-試料間距離(L1):40m 回折用検出器:1次元シンチレーション検出器 試料-回折用検出器間距離(L2’):2m 飛行時間チャンネル幅:5μs引っ張り試験機をターンテーブル上に設置
測定時のセッティング状況 測定試料 鉄、厚さ5mm、幅20cm、高さ10cm 引っ張り荷重: 張力無し、張力10kN、20kN、25kN、27.5kN、30kN、32.5kN、40kN、49kN、応力開放(20N)
測定された透過スペクトルの例 試料中央部の1ピクセルで得られたブラッグエッジスペクトル {211} {200} {110} フィッティングによりブラッグエッジの位置~面間隔dを決定
ブラッグエッジ領域の断面積 透過率の飛行時間スペクトル a-Fe (BCC) @ 293.6 K 全断面積 干渉性非弾性 非干渉性非弾性 吸収 干渉性弾性散乱断面積. 非干渉性弾性.
ブラッグエッジ形状の詳細解析 a-Fe (BCC) simulation calculation a-Fe (BCC) simulation calculation w/o extinction <110> R0 = 0.5 KD = 1 mm <111> R0 = 0.45 <211> R0 = 0.45 KD = 5 mm KD = 10 mm w/o texture(R0 = 1) ブラッグエッジに関係する干渉性弾性散乱断面積 一次消衰効果関数 結晶配向関数 分解能関数 V0:単位結晶格子の体積、dhkl:結晶格子面間隔、Fhkl:結晶構造因子、 結晶配向関数PhklとしてMarch- Dollase関数を用いると、 結晶配向一次消衰効果関数FhklとしてSabine関数を用いると、 March-Dollase係数 R0 ‥‥ 1で等方的、1から離れるほど配向性が発達優先方位 <HKL> ‥‥入射ビームに対しR0<1の場合は平行、R0>1の場合は垂直 結晶子サイズKD(入射ビーム軸に沿った方向)
RITSによるブラッグエッジフィッティングの例RITSによるブラッグエッジフィッティングの例 RITS: ブラッグエッジ解析用コード 時間チャンネル:200μs面指数は-2~2までスキャンし、フィッティングパルス関数は、歪フィッティング時に求めたものを使用 {110}面
負荷によるブラッグエッジ位置の変化 {110}面ブラッグエッジ位置の負荷に対する変化(試料中央部の1ピクセル) 引っ張り試験機荷重による巨視的歪の変化
面間隔dの分布イメージ 荷重0kN(引っ張り試験前)の面間隔分布 {110}面 {200}面 {211}面 以降の歪は、この荷重0Nの結晶格子面間隔をd0として計算
引っ張り荷重10kN時の歪分布 {110}面 {200}面 {211}面 引っ張り試験機で記録された巨視的な歪
引っ張り荷重20kN時の歪分布 {110}面 {200}面 {211}面 引っ張り試験機で記録された巨視的な歪
引っ張り荷重25kN時の歪分布 {110}面 {200}面 {211}面 引っ張り試験機で記録された巨視的な歪
引っ張り荷重27.5kN時の歪分布 {110}面 {200}面 {211}面 引っ張り試験機で記録された巨視的な歪
引っ張り荷重30kN時の歪分布 {110}面 {200}面 {211}面 引っ張り試験機で記録された巨視的な歪
引っ張り荷重32.5kN時の歪分布 {110}面 {200}面 {211}面 引っ張り試験機で記録された巨視的な歪
引っ張り荷重40kN時の歪分布 {110}面 {200}面 {211}面 引っ張り試験機で記録された巨視的な歪
引っ張り荷重49kN時の歪分布 {110}面 {200}面 {211}面 引っ張り試験機で記録された巨視的な歪
応力開放時の歪分布 {110}面 {200}面 {211}面 引っ張り試験機で記録された巨視的な歪
荷重0kN(引っ張り試験前)の組織情報イメージング荷重0kN(引っ張り試験前)の組織情報イメージング 結晶子サイズ March-Dollase係数 面間隔分布{110}面 以降に示す歪は、この荷重0Nの結晶格子面間隔をd0として計算
引っ張り荷重10kN時の組織情報イメージング {110}面の歪 結晶子サイズ March-Dollase係数 引っ張り試験機で記録された巨視的な歪
引っ張り荷重20kN時の組織情報イメージング {110}面の歪 結晶子サイズ March-Dollase係数 引っ張り試験機で記録された巨視的な歪
引っ張り荷重25kN時の組織情報イメージング {110}面の歪 結晶子サイズ March-Dollase係数 引っ張り試験機で記録された巨視的な歪
引っ張り荷重27.5kN時の組織情報イメージング {110}面の歪 結晶子サイズ March-Dollase係数 引っ張り試験機で記録された巨視的な歪
引っ張り荷重30kN時の組織情報イメージング {110}面の歪 結晶子サイズ March-Dollase係数 引っ張り試験機で記録された巨視的な歪
引っ張り荷重32.5kN時の組織情報イメージング {110}面の歪 結晶子サイズ March-Dollase係数 引っ張り試験機で記録された巨視的な歪
引っ張り荷重40kN時の組織情報イメージング {110}面の歪 結晶子サイズ March-Dollase係数 引っ張り試験機で記録された巨視的な歪
引っ張り荷重49kN時の組織情報イメージング {110}面の歪 結晶子サイズ March-Dollase係数 引っ張り試験機で記録された巨視的な歪
応力開放時の組織情報イメージング {110}面の歪 結晶子サイズ March-Dollase係数 引っ張り試験機で記録された巨視的な歪
RITSによるフィッティングパラメータの負荷依存性RITSによるフィッティングパラメータの負荷依存性 March-Dollase係数と結晶子サイズの変化は歪とまったく異なる傾向を示す=40kNまでほぼ一定、49kNで大きく変化し、 負荷開放時にも影響が残る ⇓<40kN:結晶粒の向きが変わらないまま 結晶格子内に歪が蓄積>40kN:塑性変形による転位の増殖が、 結晶子サイズと結晶方位に影響
まとめ J-PARC MLF実験装置「匠」の歪実験時に得たパルス中性子透過分光スペクトルの解析をRITSコードにより行った。 • RITSによるフィッティング結果は「匠」で得たパルス中性子透過分光スペクトルのブラッグエッジをよく再現した。 • 透過法による面間隔分布測定から歪分布をイメージングした結果、負荷がかかるにつれ、切り欠き位置から歪みが拡大していく様子が観察できた。また、異なる結晶面毎の歪変化も可視化できた。 • March-Dollase係数と結晶子サイズは負荷40kNまでは殆ど変化せず、49kNになったとき大きく変化し、その変化は負荷開放によっても残留した。→40kNまでは歪が格子内に蓄積される。→鉄の塑性変形により、結晶の向きや結晶子として成立する範囲の サイズが大きく変わったことを示す。 • 塑性変形により全体的にMarch-Dollase係数も結晶子サイズも小さくなった。→塑性変形による格子欠陥の増加と関係する可能性がある。