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研究1: 東京湾内湾は魚類にどのような場を提供しているのか?. 「死の海」と呼ばれた東京湾の内湾も、近年ではかなり汚染状況が改善 されてきました。その実態を調べるために、内湾の各地で地曳網や稚魚ネット 調査を行い、 ① ここ数十年の魚類相がどのように変化してきたのか、 ② また魚類が内湾をどのように利用しているのか、 といったことについて,研究をしています。 さらに、主要な魚種については、骨格系の発達や 胃内容物の調査から、湾内での移動の実態や 餌生物の変化などを明らかにしています。
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研究1:東京湾内湾は魚類にどのような場を提供しているのか?研究1:東京湾内湾は魚類にどのような場を提供しているのか? 「死の海」と呼ばれた東京湾の内湾も、近年ではかなり汚染状況が改善 されてきました。その実態を調べるために、内湾の各地で地曳網や稚魚ネット 調査を行い、 ① ここ数十年の魚類相がどのように変化してきたのか、 ② また魚類が内湾をどのように利用しているのか、 といったことについて,研究をしています。 さらに、主要な魚種については、骨格系の発達や 胃内容物の調査から、湾内での移動の実態や 餌生物の変化などを明らかにしています。 こうした研究によって「東京湾をいかに守るのか」といった提言や「具体的に保全するべき場所や 環境」について、基礎的な情報を提供することができます. マハゼ(加納氏撮影) マアジ(長岩氏撮影) マコガレイ(星野氏撮影) 研究2:東南アジアの仔稚魚研究 東南アジアの仔稚魚については,現在二つの研究を 行っています: ① ナマズの仲間であるパンガシウス属(Pangasius) の仔稚魚の発生、および ② カンボジアのメコン川支流の氾濫原の仔稚魚相です。 ①の研究では、仔稚魚の外部形態を観察・記載し、さらに 骨格の形成を調べています。こうした研究によって、 本属の仔稚魚を同定することができ、資源学的な貢献 をするとともに、効率の良い仔稚魚の飼育をするための基礎的な情報を提供することができます。 ②の研究の「氾濫原」というのは、雨期に水に浸かる広大な場所のことで、乾期には干上がって、畑や水田として利用されています。この氾濫原は、魚類の産卵の場として、あるいは成育の場としてよく知られています。しかし、実際に、どのような種類のどのような大きさの魚類が利用しているのかは、あまり知られていません。 私たちは、カンボジアのメコン河の支流の氾濫原で、魚類、とくに仔稚魚の採集を周年にわたって行い、同定をし、計測をすることで、氾濫原がいかに重要かを明らかにしています。 この研究によって、氾濫原の重要性を認識するとともに、魚類の資源管理や養殖にとっても、氾濫原を保全することの必要性を訴えています。 (ふ化後5日) (ふ化後9日) メコンオオナマズ(ふ化後3日)
研究3:魚類の個体発生と系統発生 魚類の個体発生(主に骨格形成)と系統発生の関係は、コイやナマズの 仲間(骨鰾類)を用いて行なっています。とくに、脊椎骨の前方の3個 あるいは4個が変形して、聴覚の補助器官として働いている「ウエバー 器官」の発生については、かなり詳細に比較しています。それらの比較 によって、系統類縁関係を明らかにしようとしています。 さらに、魚類の尾びれを 支える骨格の発達を詳細 に比較し、系統類縁関係を 明らかにする研究もおこな っています。 (オイカワ) (グッピーの尾骨の発達) 教育 学部の教育として、魚類学Ⅰ・Ⅱを中心に、海洋生物学入門、水圏環境リテラシー、臨海生物学実習などを、また大学院では魚類生理生態学や魚類系統分類学などの講義をおこなっています。 卒論生は毎年3名が、また博士前期課程は4~5名、後期課程は3~4名が在籍しています。 社会貢献活動 2006年から東京海洋大学江戸前ESD協議会を立ち上げ、江戸前の持続的な 利用に関して地域の住民の方々と協働で考えようという活動をしています。 子ども向けには、「チリメンモンスターを探せ」や「葛西臨海たんけん隊」など、 大人向けには、サイエンスカフェや毎月1回×4か月や6か月といった本格的な 講座(江戸前マイスター講座、しながわ塾、みなと塾)などを開催しています。